介護老人保健施設は、在宅復帰を目的とした介護施設。
他施設と比べ、リハビリや医療が充実しているのが特徴です。
当記事では「介護老人保健施設の特徴」について、分かりやすく簡単にまとめました。
入居条件や施設生活の様子など、解説していきます。
介護老人保健施設の特徴
「介護老人保健施設(老健)」とは、在宅復帰を目指す事を目的とした施設です。
主な運営法人は、医療法人や社会福祉法人など。
略して「老健」とも呼ばれ、介護保険が適用される施設です。
利用対象者は、症状が安定しており入院治療の必要がない要介護1~5の方。
「入院の必要はなくなったが、自宅生活に戻るのが難しい」という方によく利用されます。
介護サービスなどを提供します。
老健の入所条件
先に少し述べた通り、老健の入所条件は下記になります。
- 要介護1~5
- 症状が安定しており入院治療の必要がない
- 認知症があっても入所可能
原則として、65歳以上からの要介護1以上の方が入居対象です。
老健は「要支援」にあたる方は利用できないので、ご注意ください。
認知症にも対応しており、該当の方も利用可能です。
また40歳以上65歳未満の方でも、特定疾病により介護認定を受けてる方も利用可能です。
※参考「厚生労働省(特定疾病の選定基準の考え方)」
老健の入所期間
介護老人福祉施設は在宅復帰を目的とする為、入所期間が定められているのも特徴。
入所期間は、入居期間は原則3ヵ月~6ヶ月とされてます。
しかし、ご本人の状況や家族環境などにより、6カ月を超えて利用される事もあります。
とはいえ、ずっと住み続ける事はできない施設には変わりありません。
いずれは在宅復帰、あるいは他の介護施設への入居が必要となる点には注意です。
老健で受けられるサービスの特徴
介護老人保健施設では、下記の様なサービスが提供されます。
- リハビリテーション
- 介護サービス
- 医療ケア
- 食事の提供や日常生活支援
老健では食事の提供等のほか、入浴や排泄などの介護サービス全般を受ける事が出来ます。
また在宅復帰を目的とするだけあり、専門職によるリハビリテーションは特徴的。
リハビリ職や医師・看護師の人員が厚く、医療ケアやリハビリが充実してます。
計画的なリハビリを行う事等が定められてます。
※参考「e-Gov法令検索(介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準)」
その他には、レクリエーションなども行われます。
各施設のHPでも、園芸や書道、季節イベントの様子が見れると思います。
老健の居室
介護老人保健施設の居室は、下記4種類で見る事ができます
居室の種類 | 説明 |
---|---|
多床室 | 最大4名程度の病院の様な相部屋 |
従来型個室 | 1人部屋、病院の個室の様なイメージ |
ユニット型個室 | ユニットという10名程度のグループを形成し生活 共有フロアに中心に個室が配置される |
ユニット型個室的多床室 | 大部屋の居室を簡易的な壁で仕切り、個室の様にした部屋 |
多床室を含む「従来型」は、廊下に面し居室が並んだ病院の様な作りです。
数としては、従来型の方が多いとされてます。
対し「ユニット型」は、共同生活室という共有フロアに居室を隣接させた作り。
利用者も介護士も固定となり、馴染みの関係による個別ケアの提供を目的としてます。
家庭的な雰囲気が特徴であり、認知症の方も安心して生活しやすい作りですね。
老健の1日の流れ
続いて、老健の生活を具体的に見ていきましょう。
下記は、老健の1日のスケジュール例です。
時間 | スケジュール |
---|---|
6:00 | 起床準備(更衣、整容など) |
7:30 | 朝食 |
9:00 | リハビリ、入浴 |
12:00 | 昼食 |
13:30 | リハビリ、レクリエーション |
15:00 | おやつ |
18:00 | 夕食 |
19:00 | 就寝準備 |
21:00 | 消灯 |
これは他介護施設においても、共通する部分は多くなります。
起床や就寝、入浴や排泄などの日常生活では、出来ないところは介助等も受けられます。
老健ならではのスケジュールとしては、リハビリの時間が設けられてるのが特徴。
リハビリ活動を行いつつ、日常生活のサポートや余暇活動の提供が行う流れですね。
⇒介護施設にはどんな行事イベントがある?
介護施設では、人員の都合上で午前や午後の昼間に入浴を行うのも特徴。
入浴は普通のお風呂の他、座ったまま入れるリフト浴。
寝たまま入れるストレッチャー浴など、その人に合わせた方法で入浴できます。
午後はレクなどの余暇過活動の時間とする施設が多い印象です。
特養と老健の違い
老健と混同しやすい介護施設に、特別養護老人ホームがあります。
こちらも老健と同じく、介護保険が適用される公的施設の1つ。
略して特養、または介護老人福祉施設とも呼ばれます。
どちらも介護サービス等を受けられる施設ですが、比較すると以下の様な違いがあります。
- 最後まで利用できる終の棲家
- 原則「要介護3」から入所できる
- リハビリ活動が行えるとは限らない
老健は入居期間があり、リハビリに重きを置いた施設です。
対し特養には入居期間は定められておらず、要介護3以上の方を対象とした施設です。
老健が「リハビリで在宅復帰を目指す」のに対し、特養は「中~重度の要介護者が生活する家」といった役割の違いがあります。
大まかには、「最後まで利用できるか」や「リハビリテーション」。
「入居条件」が主な違いとなります。
老健にはリハビリ専門職の配置がある等、人員配置の違いもありますね。
実情として、特養の入居待ちに使われるケースもある様です。
さいごに
今回は「介護老人保健施設の特徴」について、簡単ではありますがご紹介しました。
リハビリで在宅復帰を目指す事、入居期間がある点など…
他介護施設と違い、結構特徴的な施設かと思います。
介護施設には老健や特養だけでなく、様々な種類があります。
ぜひこの機会に色々と調べてみて下さい。
他に知名度の高い施設として、入居対象が幅広い「有料老人ホーム」。
認知症の方を対象とし、家庭的な雰囲気の「グループホーム」などがあります。
当ブログでは、他にも高齢者や介護の解説をしてます。
気になる内容があれば、ご覧になってみて下さい。
コメント