高齢化社会にある現在、街中で車イス等を利用される方も増えてきました。
そんな方が困っている時、すぐ助けに入る事が出来るでしょうか?
今回お話しする「サービス介助士」は、介助技術や高齢者対応を学べる資格。
サービス業など、一般企業で評価・活躍できる介護資格です。
准サービス介助士等も含め、総合的に詳しく解説します。
資格取得後の更新方法、初任者研修などとの違いもご説明してます。
合格率も高く、取得しやすい資格なので、ぜひ取得を目指してみて下さいね。
サービス介助士とは
サービス介助士とは、一般業界の方が介助技術を学ぶ為の民間資格。
旧サービス介助士2級に相当し、ケアフィッターとも呼ばれます。
介護以外の仕事で働いてる方向けの介護資格ですね。
履歴書にも書く事が出来ます。
介助技術とおもてなしの心を学び、仕事での対応力アップを図る為のモノです。
テキストでの自宅学習、2日間の実技を終え、筆記試験の合格で取得可能。
全国の一般企業で導入されてる介護資格
サービス介助士は、駅やデパート等の街中で、高齢者や障害者を介助する力を育む資格。
例えば、車いすの方が段差を乗り越えられず困っている。
そんな時に「相手の不安を取り去り、安全にお手伝いをする」。
こうした能力の修得を目標とする資格です。
小売やサービス業の仕事でメリット大
繰り返しですが、介護士より他業界の方がサービスの質を高める為の資格ですね。
有名企業の導入実績もあり、合格者は全国的に活躍してます。
サービス介助士の導入企業例
- ANA
- JR
- トヨタ
- イオン
ご覧のように、お客と直に接するサービス業等の方にオススメしたい資格。
他には、「小売」「交通」業界の取得者が多めです。
介護職とは関係のない方が、スキルアップの一環として取得する資格ですね。
高齢化社会にある現在、履歴書に書いても有効にアピールできる事でしょう。
准サービス介助士などの資格種類もある
サービス介助士には、下記3つの資格種類があります。
また2016年に名称変更もありましたので、旧名と併せて紹介します。
資格名 ※( )内は旧資格名 | 概要 |
---|---|
サービス介助士 (サービス介助士2級) | 本資格の代表的資格等級 サービス介助士は、基本的にこちらを指す |
准サービス介助士 (サービス介助士準2級) | 在宅での学習・試験で取れる資格。 サービス介助士へのステップアップも可能 |
サービス介助士ジュニア (サービス介助士3級) | 中学生、高校生向け資格。 講座を授業に導入してる学校で取得可能 |
これに加え、2時間完結型セミナーの「サービス介助基礎研修」もあります。
各サービス介助士の資格取得方法
サービス介助士の各資格の取得方法を紹介します。
費用や試験も含め、簡単にまとめると下記になります。
サービス介助士 | 准サービス介助士 | サービス介助士ジュニア | |
---|---|---|---|
取得方法 | 自宅学習 (テキスト) +実技2日間 | 自宅学習 (テキストとDVD) | 学校の授業で 17時間以上の学習 |
検定試験 | あり(筆記試験) | あり(筆記試験) | あり(筆記・実技) |
費用 | 41,800円 | 22,000円 | テキスト2,200円 検定料6,600円 |
更新制度 | あり | なし | なし |
サービス介助士の取得には、自宅学習に加え、2日間の実技講習があります。
また筆記試験に合格する必要もあります。
一方、准サービス介助士は自宅学習のみで取得可能。
サービス介助士の自宅学習と筆記試験部分を抜き出した資格ですね。
内容は講義と実技、参加費用は5,500円です。
サービス介助士の取得申し込みは、日本ケアフィット共育機構から可能。
オンライン講座について
現在、サービス介助士の実技講習は下記2種の形から選べるようになりました。
実技教習は2種類から選べる
- 「実技教習2日」
- 「オンライン講座」と「実技教習1日」
オンライン講座は、スマホやPCを使った6~7時間の講習です。
実技教習日程の約1か月前にログイン情報が届きます。
公式ページからログインし、実技教習の1週間前までに受講して下さい。
准サービス介助士取得による免除
准サービス介助士の保有者は、サービス介助士取得時に免除があります。
准⇒サービス介助士時の免除
- 課題提出の免除(実技指導から受講可)
- 受講費用の免除(41,800円⇒27,500円)
准サービス介助士から取っても、費用・内容共に資格が取りやすくなります。
試験も在宅試験なので、興味があればこちらから取得しても無駄がありません。
准サービス介助士は、ユーキャンでも通信講座を受けられます。
サービス介助士の試験内容や合格率
サービス介助士の資格は、下記の流れで取得します。
サービス介助士の取得の流れ
- 自宅学習&課題提出
- スクーリングによる実技教習
- 筆記による検定試験
- 合格(資格取得)
資格取得にあたり、ポイントとなるのは「課題提出」と「筆記試験」ですね。
これらの情報をお伝えします。
サービス介助士の試験・課題内容
サービス介助士の試験・課題は、共にマークシート式です。
課題内容
問題方式 | マークシート方式の3択問題 (合計100問、1問1点) |
---|---|
合格基準 | 60点以上 それ以下の場合、再提出 |
検定試験(筆記試験)の内容
問題方式 | マークシート方式の3択問題 (合計50問、1問2点) |
---|---|
合格基準 | 70点以上 |
試験時間 | 50分 |
不合格だった場合、試験料3,300円で再試験可能。
課題の場合は、到着後約2週間。
検定試験は、試験後約3週間後に通知されます。
試験難易度と合格率
サービス介助士の合格率は、公式で8割以上と回答されてます。
試験内容もマークシートですし、取得難易度は易しめですね。
試験の合否は気にせず、学習内容をモノにする事に集中しましょう。
試験の出題範囲は、テキストや提出課題、実技の内容からです。
資格取得に必要な学習過程で、自然と試験勉強に繋がります。
准サービス介助士の試験内容
准サービス介助士は、最初から最後まで在宅学習で取得出来ます。
※検定試験も在宅試験
資格取得の流れは、実技が無い事以外はサービス介助士と同じ。
受講の申し込みは、「ユーキャン」と「産業能率大学」からも可能です。
更新制度もないので、より気軽に受験できます。
准サービス介助士の試験・課題内容
課題提出の内容はサービス介助士と同じですが、検定試験の内容が異なります。
検定試験内容
問題方式 | マークシート方式の2択問題 (合計50問、1問2点) |
---|---|
合格基準 | 60点以上 |
試験時間 | 40分 |
問題の選択式が2択で、60点以上の獲得で合格です。
結果の通知は、課題提出が約2週間後。
筆記試験が約4週間後となっています。
たとえ不合格でも、どちらも再試験・提出可能です。
※検定試験の場合、再試験料5,500円がかかります。
ユーキャンの准サービス介助士講座
ここでは、ユーキャン通信講座について内容を補足します。
ユーキャンの准サービス介助士講座情報
受講費用 | ・一括払い 23,000円(税込み) ・分割払い 2,980円 × 8回(8ヵ月) 計23,840円(税込み) ・送料無料 |
---|---|
支払い方法 | ・郵便局 ゆうちょ銀行 ・クレジットカード ・コンビニエンスストア |
教材 | メインテキスト(2冊) 学習DVD「よくわかる介助方法」 チェック&ドリル、ガイドブック等 |
受講、学習期間 | 平均学習期間4ヵ月 最大1年 |
返品 | 教材到着後8日以内であれば可能 |
ユーキャンとケアフィットでは、学習内容は共通。
ユーキャンの方が教材が充実してる分、費用が1,000円高くなってます。
試験は、受講開始から1年以内であれば、好きな時に受けられます。
サービス介助士の資格更新方法
サービス介助士の合格後は、3年毎に資格更新が必要になります。
この更新手続きは、2020年からはWeb上で行う事となりました。
オンライン上のマイページにて、下記の更新手続きを行ってください。
サービス介助士の資格更新方法
- 更新料1,650円を支払う(クレジットカード決済)
- 確認テストを受験する
- 振り返りレポートを記入
これら全てを終えると、更新手続きは完了です。
マイページのログインに必要な情報は、試験の合格通知に同封されてます。
※カードタイプの認定証は、別途有料での発行
サービス介助士の関連資格や学習情報
サービス介助士に関心のある方へ向け、関連資格や学習情報をお届けします。
「認知症介助士」や「初任者研修」との違い
サービス介助士に近い資格として、「認知症介助士」と「初任者研修」があります。
まず認知症介助士は、同じくケアフィットが認定する資格。
サービス介助士が介助方法を学ぶのであれば、こちらは認知症対応を学ぶ資格。
一般向けという点は共通です。
サービス介助士と初任者研修(ヘルパー)の違い
同じく介護の入門的資格に「初任者研修」があります。
これは旧ヘルパー2級と呼ばれた資格ですね。
サービス介助士が一般向けなら、初任者研修は介護職向けの入門資格。
比べると、介護技術や知識もより深く実践的な内容を学習します。
費用や時間面もより多く必要とする資格ですね。
ただ一般企業においても通用する介護資格ですし、より高い評価にも期待できます。
介護への関心が高い方、仕事で専門的な介護知識を必要とする場合等にオススメです。
他の一般向け介護資格
介護や福祉系の資格は、介護士等のみに向けたものばかりではありません。
サービス介助士の他にも、他業界の方の強みになる介護資格は色々あります。
一般企業でも活かせる介護資格
- 福祉住環境コーディネーター
- 介護食アドバイザー
- 介護予防指導士
たとえば、これらの様な資格ですね。
建築関係なら福祉住環境コーディネーター。
スポーツ関係なら介護予防など、仕事内容と上手く合えば活かせる資格も沢山あります。
介助技術を学べる本
資格より「介助技術」や対応力」の修得が目標なら、本で学ぶのも有効。
介助技術なら、写真やイラストで分かりやすく解説した本が多くあります。
下記の書籍なんかは、結構分かりやすいです。
【内容紹介(商品説明より抜粋)】
すべての動作を連続写真やイラスト図解で徹底的に解説。
介助ヘルパーの方から、家族介護者の方、さらには養成施設の学生の方にも役立つ内容です。
生活場面での介助を中心としているので、日々の介護にすぐ役立ちます。
似たような解説本は、他にもたくさん出ています。
ただ介護士向けの本も多くあります。
施設介護や車いす操作など、自分が学びたい場面について書かれている本を選びましょう。
最後に
今回は、サービス介助士について解説しました。
接客の質や対応力をアップさせる為の資格ですね。
介護士以外に向けた介護資格です。
この高齢化社会において、介護や介助と無縁でいる事は難しくなってきました。
関係ないと思わず、この機会に何かしらの方法で知識をつけてみてはいかがでしょう?
仕事だけでなく、家族の為や社会知識として身を助けると思いますよ。
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