どの仕事も最初が肝心ですが、介護職も例外ではありません。
経験に問わず、転職で1番失敗を感じやすいのは入職直後だったりします。
これから初めて介護職で働く方にも、こんな疑問があるのではないでしょうか?
- 未経験者が働くならどの介護施設がオススメ?
- 避けた方が良い職場の種類は?
- 転職活動をどう進めるべきか、分からない
当記事では、「介護未経験者にオススメの職場と転職ステップ」をまとめました。
私は10年近く介護で働き、色々な職場も経験しました。
そこで得た経験を元に、「未経験者向けの職場」や「具体的な転職時の動き」を紹介します。
未経験者にオススメの転職方法や求人サイト等も扱います。
介護職で初めて仕事をする方にオススメな転職先
初めて介護業界で働くなら、まずは介護施設の介護士がオススメ。
それには下記理由があります。
施設介護士で働くべき理由
- 採用1年以内は無資格で働ける
- 他介護士と一緒に働ける
- 相談員等の他職種、訪問介護等では資格が必要
上記理由により、初心者向けの職場は介護施設です。
訪問では初任者研修が必要かつ、1対1の仕事で他職員のサポートを受けにくいです。
また介護士以外の他職種になるには、資格や経験が必要です。
未経験からであれば、まずは介護士として経験を積むのがセオリーですね。
介護職で「未経験者が働ける職場」
まず前提知識として、介護職の職場には大きく下記3種類があります。
- 入居施設(老人ホーム)
- 通所施設(デイサービス)
- 訪問介護
介護士で働く場合、どの職場でも実務経験は必要ありません。
しかし訪問介護だけは、初任者研修がないと「身体に触れての介助」が出来ません。
実質資格が必須であり、1人での仕事が多く未経験者に不向き。
他には「相談員」「ケアマネ」等の援助職もありますが、こちらは資格も経験も必要。
初めて働くなら「入居の介護施設」
ここまでの話から、未経験者は「入居施設の介護士」としての転職がオススメ。
介護施設は無資格でも働く事ができ、初めて介護職に就く方も多く入職してきます。
私が今まで経験してきた施設では、下記が未経験者にオススメ。
未経験者向けの介護施設
- 有料老人ホーム
- ユニット型の特別養護老人ホーム
次項から、その理由を解説します。
介護付き有料老人ホーム【正社員】
介護付き有料老人ホームは、介護度的に利用者のバランスが良いです。
「自立度が高い方が多いが、介護度の高い人もいる」という感じですね。
忙しすぎず、様々な介護業務に関われるので未経験者向けです。
様々な施設を経験しましたが、有料に関しては下記感想を抱きました。
介護付き有料老人ホームの特徴
- 自立度が高い人が多く、業務過多になりにくい
- 介護度の高い人もおり、身体介助も学べる
- 「利用者=お客様」の意識が高く、接遇の質も高い
介護士として必要な事をバランスよく、無理せず学べます。
他施設に比べ、「キツイ」「大変」という感じは薄いですね。
初めて介護で働く人も、安心して働けると思います。
他の有料には、生活支援中心の「住宅型」も存在します。
ユニット型特別養護老人ホーム【日勤パート】
パート等夜勤に入らない条件ならば、「ユニット型の特別養護老人ホーム」もオススメ。
介護度の高い方が多く、介護技術や知識をしっかり学ぶ事が出来ます。
キツイイメージが強い職場ですが、働いてみると意外に安心して働けます。
介護度が高い方を想定した施設なので、介護がしやすい環境は整ってますね。
私も特養で経験を積み、現在は色々な施設で働いてます。
特養で慣れれば、仕事の自信は間違いなくつきます。
慣れた頃には、どこでも通用する介護士として成長していますよ。
利用者数は少ないですが、看護師がいない点が不安でしたね。
なぜ「ユニット型特養」か?
ユニット型というのは、利用者と職員を少人数のグループで固定してる施設ですね。
大規模施設の中に、小さい施設がいくつもある感じです。
特養の中でも、何故ユニット型なのかというと下記理由があります。
ユニット型特養がオススメな理由
- 担当利用者が少なく、ケア方法等を覚えやすい
- 少ない利用者と深く関われ、成長に繋がりやすい
- 職場が合わなくても、ユニット間の異動で解決できる
担当利用者が少なく、相手を覚えやすいです。
施設全体で60人や80人いたとしても、1ユニットの利用者数は10人。
利用者の覚えやすさが違います。
ただユニット型施設では、「夜勤が1人」というデメリットもあります。
夜勤に入るつもりであれば、先述の有料老人ホーム。
あるいは従来型の施設を検討しましょう。
介護未経験者が避けるべき職場
それでは逆に、未経験者が避けるべき職場についても触れます。
個人的には、「訪問介護」は避けるべき。
介護施設と違い、一人での仕事になるので不安が大きいと思います。
訪問介護(ホームヘルパー)
先の通り、訪問介護は未経験者にあまりオススメできないです。
理由は先も述べましたが、要点をまとめるとこんな感じ。
未経験者が訪問介護を避けるべき理由
- 初任者研修が無いと働く事が出来ない
- 1対1の仕事なので、他職員サポートを受けにくい
- 利用者宅で働く故の難しさ
誤解の無いよう言っておくと、訪問介護はやりがいのある良い仕事です。
個人にあわせた個別ケアを実践できますし、スキルアップにも繋がります。
ただ介護士と利用者のマンツーマンという環境は、未経験者には不向き。
他職員を見て覚えたり、指導を受けられる機会も少ないです。
仕事柄、独り立ちも早い傾向にあるという話もよく耳にします。
「自分の介護像」と離れた施設種類
ここまで紹介した通り、施設種類により利用者・仕事の質が大きく異なります。
自分が介護職に抱くイメージと、大きく離れた介護施設は避けるべきです。
- 身体介助がしたい
- レクリエーションで皆を楽しませたい
- 少人数でゆったりとした雰囲気で働きたい
身体介助やレクリエーション、施設の雰囲気や利用者の人数など…
未経験でも、こうした介護への仕事イメージがあると思います。
そうしたイメージに近い職場を選ぶ事がミスマッチ防止に繋がります。
施設適性は個人で異なる
実は本項では、介護老人保健施設を避けるべき職場として挙げてました。
しかし「未経験で初めて老健に勤め、長く働いてる」との声もあり考えを改めました。
他職員と働ける施設環境であれば、自分のやりたい仕事で決める事をオススメします。
老健については、candyさんが未経験者目線で説明して下さってます。
初めて介護で働く方の参考になりますので、ご覧になってみて下さい。
「指導力が無い」「人間関係が悪い」施設
介護施設であれば、未経験者でも無資格で働けます。
正直な話、初めて働く人でも介護施設なら割とどこでもやれると思います。
それよりも、結局は職員同士が上手くやれるかです。
相手を気遣い、思いやる。
職員同士でコレが出来ていれば、後はどうとでもなります。
例えば未経験者に対してなら、こんな言動が欲しいですね。
良い介護施設の例
- じっくり丁寧に仕事を教えてくれる
- 手持無沙汰にならない様、小まめに指示や声掛けがある
- 職場に馴染んだり、緊張をほぐすような言葉かけがある
避けるべき職場を言うなら、コレが出来ない介護施設。
独り立ちを焦らせたり、新人を放置する。
なかなか仲間になれない様な「暗い雰囲気」といった感じですね。
ちゃんとした職場は、驚くほど丁寧に親切に仕事を教えてくれます。
こればかりは入職して初めて気付く事も多いので、「おかしい」と思ったら逃げた方が賢明。
初めて介護職転職する時のオススメステップ
ここからは、具体的な転職活動を解説。
長く介護士として働いた経験から、初めての方にオススメする転職活動の流れをまとめました。
「何をどうしたら良いか分からない」時にご参考下さい。
推奨する介護転職ステップ
- 初任者研修を取得する
- パートや派遣として、介護施設への転職を目指す
- 様子見しつつ、正社員を検討する
ポイントは、資格を取ってから働く事ですね。
または資格を取りながらでも可です。
何故かというと、入職直後が1番辛い時期だからです。
備えとして、なるべく仕事に集中できる環境を事前に作っておきたいですね。
資格は「初任者研修」を取得する
未経験者が取るべき資格は、「初任者研修」です。
※旧ヘルパー2級
実務者研修でも良いですが、費用も時間もかかります。
下記記事でも言ってますが、デメリットも無いので心配しなくて大丈夫です。
現在別のお仕事に就かれてるなら、研修を退職前に受講し始めてもOK。
在職中に通信学習を終わらせ、退職後に通学を始める流れがオススメですね。
詳しくは、「初任者研修の取得方法」をご覧ください。
「介護施設の非常勤」への転職を狙う
未経験者向けの職場は、先述の通り介護施設がオススメ。
転職タイミングは、「資格取得後」か「受講開始後」が良いでしょう。
いきなり正社員を目指さないのは、無理なく続ける為の安定を重視した選択です。
私が過去に転職した理由は、ほぼ全て「体力的にしんどい」というのが理由です。
非常勤なら「夜勤無し」や「休日多め」で働けるので、慣れるまではそちらがオススメ。
正社員にはいつでもなれる
「慣れるまでは非常勤」という事も可能ですし、大抵の職場は後から正社員になるのも容易。
介護の仕事に慣れるまでは、無理せず継続できる働き方を勧めます。
正社員になるのは、資格取得後や仕事に余裕が出てからがオススメ。
「もっと稼ぎたい」など、気持ちに余裕が出てきたら、正社員で夜勤に挑戦してみましょう。
未経験者が介護職転職する際の志望動機
未経験者が介護転職を狙う際、アピールや志望動機には下記が有効です。
- 介護資格を取得中
- 介護職で働こうと思ったきっかけ
無理に異業種の経験をアピールするよりは、率直に介護への関心を示した方が良いですね。
上記のような言動があると、面接官も安心すると思います。
特に初任者研修は仕事にもアピールにも使えるので、たとえ取得中でも伝えた方が◎。
また職場によっては、「介護への思い」などを短文で書かされる事もあります。
「何故介護で働きたいか」は、考えておくと何かと便利です。
- 街中で高齢者が困ってる時、何も出来ず介護に興味を持った。
- 前職での経験から、もっと人と深く関わり助けとなれる仕事がしたいと思った
例を出すとこんな感じでしょうか。
こうした言葉も、資格取得へ動いてるとより説得力が増します。
未経験者向けの介護転職サイト
介護職の転職は、「介護職用の転職サイト」の使用が主流になってきました。
求人の量も多いですし、介護職に特化した転職相談も受け付けてます。
最後まですべて無料で利用できるので、活用すると良いでしょう。
利用する転職サービスは、「かいご畑」がオススメ。
こちらは介護未経験者に注力した転職サイトです。
かいご畑の特徴
- 派遣で働けば、0円で介護資格が取れる
- 未経験や無資格OKの求人に強い
- コーディネーターも未経験者のフォローに力を入れている
派遣という条件付きですが、初任者研修などの資格を無料で取得できます。
介護業界では、正社員になる事は難しくないですし、派遣の時給相場も高め。
正社員の負担も大きいので、まずは資格取得やお試しで派遣で働く。
「やっぱり正社員が良い」と思ったら、そこから正社員を目指しても遅くありません。
介護施設の求人も多く、「無資格・未経験OK」の求人も多め。
初めて働く方のサポートに長けているので、職場選びも兼ねて相談してみましょう。
まとめ
今回は「介護未経験者にオススメの職場や転職方法」についてお伝えました。
最後に要点をまとめておきます。
記事の要点
- 介護施設(有料老人ホームや特養)がオススメ
- 初任者研修の取得中、または取得後に入職
- 非常勤で働き、慣れたら正社員になる
どの職場を選んでも、辛いのは「転職活動中から仕事に慣れるまで」の期間。
「採用は得られるか」「仕事についていけるか」など、様々な心配もあるでしょう。
そんな時は、仕事や業界の情報収集で不安も和らぐと思います。
下記記事は、介護士の仕事や転職をより総合的、具体的に解説してます。
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