介護職はなかなか休みがとりにくい仕事です。
職員不足もあり、「有給も使えず休めない」「忙しくて休みが少ない」。
また24時間不定期の仕事で「土日に休めない」と悩んでる方も多いでしょう。
体調不良による欠勤や急用での休みなども、周りへの気遣いから休みを言い出しにくい事も…。
そこには、介護ならでは複雑な事情が存在します。
原因について考え、問題の解決方法を提案していきます。
介護職は仕事を休めない?
今まで介護士経験で、辛いと感じていたのは仕事を休めない事。
具体的には、下記の様な事を思ってました。
介護士は休みが取れない?
- もっと休みが欲しい
- 体調不良の時に休みにくい
- 有休を使いにくい
休みが少ないし、何かあっても「休む」とは言い出しにくいという事です。
言ってしまえば職員不足が原因なのですが、深堀すると色々な現状が見えてきます。
まずは休日に注視し、介護職の働き方を説明していきます。
シフト制で休みを言い出しにくい
介護士をはじめとした介護職は、シフト制の仕事です。
急な休みを取ると、シフトに穴が開いてしまい休みにくい面があります。
多くの場合、このうち日勤者以外は必須人員となります
にも関わらず、各シフト最低限の人数しか配置できず、急な欠員に対応できない職場がほとんど。
急に休みが必要になっても、なかなか休みにくい状態です。
休む事が負担になるケースも
そんな現状もあり、周りへの気遣いから「休む事が負担」になるケースも多々あります。
「自分がいなければ、誰かの負担が大きくなる」、「ただでさえ休みが少ないのに、迷惑はかけられない」。お互い様だと分かっていても、こんな心境になるものです。
いざという時に気兼ねなく休める環境は、良い職場には必須です。
夜勤前に体調が悪くなった時なんかは、特に休みにくいですよね。
すぐに代わりはいませんし、実際に現場での混乱はかなりのモノです。
しかし風邪や腰痛など、体調不良の時は正直に言って休んでOK。
出勤前になっても仕方ないので、気付いた時点で即連絡しましょう。
介護士は、チームワークや人間関係が働きやすさに直結する仕事です。
意識しすぎて言い出しにくい時もあるでしょう。
24時間対応で土日に休めない
介護現場の特徴には、24時間対応の職場が多い事が挙げられます。
例えば、介護職の多くが勤務する入居施設は「24時間介護サービスを提供」します。
人手が少ない中、常に人員を配置する必要があるのです。
24時間でシフト制の為、こんな不満も存在します。
- 土日休みが無い
- 決まったペースで休めない
- 連勤や連休など、出勤ペースがアンバランス
平日出勤して土日は休み、こういった働き方がしにくいのも特徴。
その為、「友達と休みが合わない」というのも介護職に多い悩み。
年末年始やお盆、ゴールデンウィークなど、季節的な休暇も得にくいですね。
⇒介護職に土日祝日休みの職場はあるの?
有給が使えず「休みが少ない」
2019年より、「年10日間以上有給付与される社員は、毎年5日以上の有給取得が義務化」されました。
これにより介護現場でも、有給取得への意識が高まってます。
しかし職員がいない状態では、「休日出勤しつつ有休消化」という形が多いのが現状。
つまり、有休を使うと公休が減る形です。
「休みが欲しい」という人にとって、事態が好転したとは言い難いでしょう。
有給はシフト作成前に申請する事も出来ますが、その分、他の職員への負担が増える事になります。
ただ意識改善により、有給消化率をアップさせた職場も少なくありません。
現状は不十分ですが、少しずつ改善の兆しも見え始めてます、
常勤は特に休みが無い
介護士が休めないのは、結局は職員不足によるものです。
もっと言うと、常勤の不足ですね。
「平日・日勤のみ」の職員は飽和状態だけど、遅番や夜勤、土日に働ける人がいない。
こんな職場は結構多いのではないでしょうか?
それ以外の時間帯で働く職員は、休みもとりにくく、時間外労働も多い。
こんな感じで、人員配置や各々の負担がアンバランスな職場も多いですね。
常勤の確保は、ほとんどの施設での課題となってます。
年間休日数が少ない
常勤の場合、「そもそもの休みが少ない」というケースもあります。
介護職の平均休日数は、月9日の年間108日。
あるいは、2月のみ8日で年間107日というのが平均的です。
実際には、もっと少ない職場も存在します。
日頃の忙しさもあり、これだけでは少なく感じられる人もいるでしょう。
「退職拒否」「引き止め」等のパワハラによるケースも
退職を申し出た際に、人手不足を理由に退職拒否や引き止めに合うケースもあります。
「辞めたいのに辞められない」「だから仕事が休めない」と悩んでる方もいると思います。
退職までの期間引き延ばしなど、職場によっては採用より退職の方が難しい事も…。
時には「退職代行サービス」など、第3者の力に頼る必要もあります。
介護職が休める職場で働く方法
では、介護士が休みを増やすにはどうすれば良いのか?
それには、主に下記方法があります。
介護士が休みを増やすには?
- 休みやすい雰囲気を作る
- パートや派遣等の非常勤で働く
- 年間休日数の多い職場を選ぶ
- 職員定着率や補充スピードに優れた職場で働く
1つずつ確認していきます。
休みやすい雰囲気作り
休む事への負担をお話ししましたが、休みやすい雰囲気作りをする事も大切です。
誰かが体調不良で休んだ時、表面上だけでも「大丈夫!ゆっくり休んで」と言えてるでしょうか?
こうした1人1人の取り組みが働きやすい雰囲気を作ります。
やがて自分の休みやすさにも繋がるので、積極的に取り組んでいきましょう。
他にも、休憩もとらずに働いている職員がいたら気遣う、平等に有給消化できるよう提案する。
新人職員の不安を取り除くなど、細かな気遣いは忘れないようにしましょう。
パートや派遣の非常勤で働く
現実的な話をすると、休日確保を考えるなら「パート」「派遣」の非常勤として働くのが堅実。
常勤に比べ、ボーナスに期待できませんが休日の確保はしやすくなります。
休日や勤務時間の交渉などもしやすい立場です。
休みを最優先にするなら、非常勤が最も優れた選択になるでしょう。
収入面も考慮すると、介護派遣の方が時給が高め。
経験者であれば、選択肢に入れてみると良いと思います。
私も休みを確保したい目的で、パート社員で働いてます。
正社員との差はボーナス位なので、あまり収入は落とさずに済んでます。
年間休日数の多い職場で働く
次に年間休日数が多い職場で働く方法です。
どうせ休みがとりにくいなら、そもそもの休みが多い職場を選ぶという事ですね。
以前書いた記事では、介護士の年間休日は「105~110日」程度とお伝えしました。
これでは「休みが少ない」とお考えの方もいるでしょう。
求人特集などにもありますが、「年間休日110日以上」が休みの多い職場と見て良いです。
休日重視で転職活動する際、目安とすると良いでしょう。
どこが楽とは言いませんが、介護事業所のサービス形態にも注目しましょう。
職員数と定着率に優れた職場を選ぶ
介護士が休みを取れるかは、結局のところ職員数が必要です。
狙って転職できるなら、「介護職員の数が多く、職員定着率の高い職場」が1番です。
働きやすい職場には職員が定着するし、職員数がいれば休日もとれ、さらに働きやすくなる。
こうした好循環にある職場に転職できればベストです。
「魅力的な休日制度」にも注目
介護業界では、少しずつ「働きやすく魅力的な職場に」という取り組みも進んでます。
休みに関しては、こんな例があります。
- 誕生日に特別休暇がある
(アニバーサリー休暇) - 有休を半日分から取得できる
- 土日や夜勤不可でも、フルタイムのパートを正社員雇用
こうした取り組みがある職場は、待遇も良い事が多め。
退職者が出た際も、条件の良い求人には応募者は集まります。
より待遇の良い求人を選ぶ事で、自然と休みやすい職場で働く事に繋がります。
転職活動の際は、妥協せずより良い条件の職場を選びましょう。
より良い職場に転職するには、沢山の情報を見て比較する必要があります。
詳細な求人情報や掲載数では、介護職向けの転職サイトが優れます。
条件による紹介も受けられる為、外部の力も上手く活用していきましょう。
まとめ
今回は「介護士はなぜ仕事が休めないか」というテーマでお話ししました。
特に入居施設は人員確保が難しく、常勤介護士の負担が大きい傾向があります。
単なる人員不足だけでなく、確保できる人材にも偏りが見られます。
加えて、周りへの気遣いから「休む事」すら負担になっているケースも多々あります。
個人でも、必要な時には休める雰囲気作りを意識していきましょう。
介護にもホワイトな職場は沢山あります。
諦めず、根気よく自分に合った職場を見つけていきましょう。
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