「仕事がなかなか辞められない」、「退職させてもらえない」。
介護職、特に介護士に多い悩みだと思います。
会社からの引き止めを上手く断れず、困っている方も多い事でしょう。
そこで今回は「退職引き止めの断り方」をテーマにお話しします。
仕事をスムーズに辞めるコツをご説明していきます。
他の仕事全般との共通部分も多いので、他職種の方にもご参考頂けると思います。
介護職はなかなか仕事が辞められない
介護職は、採用を得るより退職する方が難しい仕事です。
理由は退職の引き止めです。
なぜ引き止めが多いのか?理由はもちろん職員不足です。
「とにかく人手が欲しい」「誰か1人欠けたら回らない」、こんな職場は多いです。
職員がいなくて負担が大きい、そんな時ほど退職には苦労します。
結論から言うと、引き留めを断るには、理由や事情より「退職の意思」を伝える事が大切です。
退職の苦労と言いましたが…、
「他職員に迷惑をかけたくない」という遠慮より、引き止めに悩まされるケースがほとんどでしょう。
退職を決意するまでの葛藤もあるでしょうが、そこからがなかなか辞められないのです。
介護職によくある引き止めパターン
下記は、介護職に多い引き止め理由です。
私も何度か転職を繰り返してますが、ほぼこんな引き止めに合ってます。
- 仕事を辞める事への注意
⇒「どこも同じ」「辞めグセが付く」 - 不満解消や自分の必要性を訴え、説得する
⇒「人を入れて楽にする」「あなたが必要、いないと困る」 - 引き延ばしや放置
⇒「もう1ヵ月だけ頑張って」
退職後の不安を煽ったり、仕事を評価したり不満を聞き入れようとする。
分かったといいつつ、自分が出勤するしかない形にするなど、様々。
また複合パターンもあり、「不満を改善するから」と言いつつ放置されるケースも。
真面目で責任感のある人ほど、響く言葉ですね。
本当にあなたを考えての事もあるし、職場の勝手な言い分に過ぎない事もあります。
また行き過ぎたものだと、暴言やパワハラ。
「損害賠償を請求」など脅しも稀にあるようです。
それらは基本的に相手にせず、流してしまってOK。
トラブルが避けられない時の相談先として、労働基準監督署もあるので覚えておきましょう。
まずは退職の意思をはっきりさせる
パワハラ発言はともかく…
いずれにせよ、先に述べた様な事は言われると思って下さい。
引き止めを上手く断るには、辞めるという強い意思が必須です。
はっきり断れない時は、自分にも迷いがある場合もあります。
退職を決める際には、自分の考えをまとめ、はっきりさせておきましょう。

上記記事でも言ってますが、基本的に「辛い」「限界」だと思ったら退職して良いです。
辞めグセは自覚があれば気にしなくて良いし、良い職場に合えばちゃんと長続きします。
逃げの退職も、新たなチャレンジに昇華させてしまえばOK。
自分のタイミングで辞めて良いのです。
退職引き止めの断り方
自分の意志を通すとは言いましたが…
言葉巧みな引き止め説得には、どう対応したら良いでしょうか。
スムーズに退職するには、下記のポイントが重要です。
- 退職日を明確に伝える
- 自分から積極的に話を進める
まずは「退職までの期限をはっきり決める」事です。
考えが決まったら、まずは直属の上司に伝えて下さい。
介護職は、毎月毎にシフトを出す事がほとんどなので、職場への配慮もすると、1~2ヵ月前位が現実的。
順を追ってご説明します。
辞める意思を伝え続ける
多様な引き止めパターンがありますが、断り方はただ1つ。
「申し訳ないですが、退職の意思は変わりません」と伝え続ける事です。
それらしい説得をされても、「分かってはいるが、よく考えて決めた事だ」と返してください。
引き延ばしの交渉も断りましょう。
引き止めに対し、退職理由や理屈で勝負してはいけません。
ああ言えばこう言われ…と、泥沼化します。
退職理由で勝負しようとすると、交渉合戦が始まります。
既に辞める意思が決まってるなら、条件交渉は不必要なはず。退職までの期間が長くなるだけなので、回避しましょう。
退職日をはっきり伝え、自分から話を進める
退職を伝える際、ただ「辞めます」だと有耶無耶にされて終わりです。
「2か月後」「1か月後」など、明確な退職日も必ず伝えて下さい。
また退職を伝えたからと安心してはいけません。
その後も定期的に人事について尋ねたり、再度退職の意志を伝える等して下さい。
退職ギリギリになって、「後1ヵ月だけお願い」なんて事もザラです。
故意でなくとも、忙しくて対処できなかった場合もあります。
手ごたえが無ければ、上司の上司に相談してみるのも有効です。
介護業界はこの現状ですし、確認が多いくらいが丁度良いです。
退職の話をしたいのは自分だけ
管理者はもちろん、上司や同僚も退職の話は積極的には進めません。
これには退職を踏まえたその後の対応も含まれます。
1度の話し合いで、全てを決定できない事も多いです。
…というのも職員が減れば、自分の負担が増えるからです。
出来ればそのままなかった話になり、居ついてくれればと思うでしょう。
人はアテにせず、自分の退職、自身で進めていくしかないのです。
自力での解決が難しい場合、「退職代行サービス」に頼るのも手です。
引き止めにあわない退職理由は少ない
仕事を辞めるにあたり、退職理由をどう告げようか悩みますが…
基本的には、正直に話して良いと思います。
…というのも、大体は何を言っても引き止められます。
それらしい理由を付けても、「考え直して欲しい」と返ってくるでしょう。
ただ正直に伝えるのが躊躇われる理由もあるでしょう。
そんな時は、「違う種類の施設で働いてみたい」。
「一度休み、再出発したい」ぐらいに言っておけば良いです。
転職活動を始めてしまうのもアリ
双方の職場に迷惑をかけない前提なら、早めに転職先を決めてしまうのもアリ。
退職日程がはっきりしたら、転職活動を始めてしまいましょう。
その素振りを見せる事で、「仕事を続ける意思がないアピール」になります。
次のステップを具体的に考える事で、自分の気持ちもより明確になります。
焦って後悔するような転職は行わない様、注意して下さい。
情報収集や転職相談などから、じっくり進めていきましょう。

引き止めから円満退職は目指せる?
狭い介護業界、出来る事なら円満退職をしたいもの。
ですが、あまり相手の顔色ばかり窺っていては、結局引き止めにあってしまいます。「迷惑かけたくない」という、善意に付け込む人間もいます。
相手の出方次第では、時に円満退職は諦める必要もあります。
最低限の配慮と今までの感謝を伝えたら、自分の意志を貫きましょう。
- 退職日は早めに余裕を持って伝える
- 職場への過度な批判はしない
- 今までの感謝を伝える
円満退職も大事ですが、1番の目的は退職のはず。
職場への過度な気遣いは無用です。
繰り返しですが、会社や同僚の迷惑にならないタイミングはありません。
お互い様だと割り切り、自分のタイミングで辞めて下さい。
出戻りに誘われた時の断り方
介護業界では、慢性的な人手不足です。
しつこいケースだと、仕事を辞めた後も「戻ってこない?」と声がかかる事もあります。
辞めた職場に戻る事を出戻り転職と言いますが、その意思がないなら断りましょう。
これも断り方は退職時と同じです。
理由で勝負すると泥沼化するだけなので、「その気は無い」以上の言葉はいりません。
後は適当に回避しておけばOKです。

上記記事でも話してますが、出戻り転職はおすすめしません。
もしちょっとその気があるなら、個人的には辞めた方が良いと思います。
最後に
今回は、「退職引き止めの断り方」を中心にお話ししました。
- 引き止めには、理由や事情より「退職の意思」を伝える
- 退職日をはっきり決め、自分から積極的に進めないと、スムーズに辞める事は難しい
- 退職への迷いは、事前に捨てること
引き止めを断るには、前提として退職への迷いを捨てる必要があります。
退職や転職は、人生における大きな悩みです。
決定に至るまでも、色々な葛藤があるでしょう。
だからこそ引き止めが断れない、そんな人も多いと思います。
負担の大きさから転職を繰り返し、コンプレックスになってる方もいるでしょう。

上記でも言ってますが、転職回数はあまり問題にならないので大丈夫です。
もし同じ失敗が続いていると思ったら、施設の種類や雇用形態を変えてみるのも手ですよ。
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