介護でオムツと聞くと、多くの人が「テープ止めのオムツカバー」を思い浮かべると思います。
尿量の多い夜間、トイレに行けず寝たきりに近い時に便利ですよね。
…でもいざ使うとなると、「オムツってどう使うの?」と困ってしまうモノ。
当記事では、介護用のオムツカバーの基本的な使い方をご説明します。
オススメなオムツ商品もご紹介するので、ご参考ください。
介護用オムツカバーの使い方と機能
介護用のオムツには、下記の様な物があります。
- テープ止めの大人用オムツカバー
- リハビリパンツ
- 尿取りパッド
「テープ止めタイプ」の介護オムツは、主にトイレに行く事が難しい時に使用します。
ベッドで過ごす事が多い時、夜間の尿失禁を防ぎたい時等に便利ですね。
当記事では、テープ止めのオムツカバーを中心に解説します。
寝たきりの方や夜間など、トイレに行けない状態や場面ではコチラを使用しましょう。
男女兼用なので、どなたでも使用できます。
介護用オムツカバーの機能
オムツカバー内には、尿を吸収する為の「吸水帯」。
尿漏れを防ぐ為の立体ギャザーがあります。
そして外側にはオムツを装着し、固定するためのテープがあります。
商品により色々な特徴があるものの、下記機能も一般的に備わってます。
- 通気性シートによるムレ防止
- 消臭機能
オムツカバー自体にも吸水機能はあるものの、尿取りパッドと併用が一般的。
時間や場面など、その人の尿量をみて適したパッドを内部に敷きます。
これが子供用オムツとの主な違いですね。
介護用おむつカバーの基本的な使い方
テープ止めの介護オムツは、既述の通り「尿取りパッド」と共に使用します。
※画像は尿取りパッド
オムツカバーの立体ギャザー内にパッドを装着すれば、失禁してもカバーは汚れません。
排尿があった時は、尿取りパッドのみを交換します。
オムツ類を捨てる時は、この様に汚染面を内側に丸めると汚れやニオイが広がりません。
さらに新聞紙で包むと、消臭効果にも期待できます。
分別方法は自治体により異なるので、確認して下さい。
※「燃えるゴミ」とする自治体が多め
オムツ交換のタイミングはいつ?
オムツ交換のタイミングは、その人の状態により異なります。
- 尿量
- 心身状況
- 介護者の負担
こうした事情により、適切なタイミングや頻度は変わってきます。
「この時間は尿量が多い」など、排泄リズムや状態を見て、頻度や使用パッドを考えましょう。
在宅介護では、負担を考えると「朝」と「寝る前」。
それに日中2回を加え、1日4回ぐらいが目安かと思います。
「便臭」「尿漏れ」に気付いた時は、時間に関わらずすぐに交換しましょう。
基本的にパッド交換のみで良いですが、オムツカバーが汚れた時はこちらも交換して下さい。
カバーも長時間使用するとヨレて肌を痛めます。
汚れてなくても、1日1回を目安に定期的に交換しましょう。
オムツの当て方と交換手順
それでは介護用オムツの装着方法を確認します。
- 尿取りパッドを、おむつカバーのギャザー内にセット
- 使用者を横に向かせ、ウエストに合わせながらお尻の下にオムツを敷く
- 仰向けにし、パッドとオムツカバーを引き上げ、テープで止める
立体ギャザーは尿漏れ防止の機能があります。
使用前はギャザーが寝ている状態なので、カバー・パッド共に手で立たせておきます。
オムツ両サイドにある、薄い壁の様な物が立体ギャザー。
この内側にパッドを敷きます。
オムツカバーは、↑の様な「テープが付いてる方」が後ろ。
手順②では、上記部にお尻がくるよう敷きます。
お尻の割れ目が中央にくるよう意識すると、左右に寄りにくくなります。
パッドとオムツは、陰部にしっかりと密着させます。
身体とオムツに隙間が出来ると、漏れの原因になります。
テープ止めと交換方法
オムツのテープを止める時は、オムツカバー前面の表面に止めます。
オムツの止め方は、上下でクロスする様にした「クロス止め」がよく使われます。
上側のテープを骨盤に引っかけるようにすると、ズレにくくなります。
オムツカバーが汚れた時は、古い物を丸めて押し込み、新しいカバーを敷くと良いです。
実際にオムツをあてると、意外と難しいです。
位置がずれたり、隙間が出来てしまったり。
分かりやすく解説してる動画もあるので、ご紹介します。
介護用オムツカバーのサイズの選び方
テープ止めタイプの介護オムツサイズは、基本的にヒップサイズで選びます。
各メーカーの商品も、ヒップサイズでオムツサイズを表記してます。
基本的にS・M・Lから選ぶ事になります。
- S「ヒップ 57cm~92cm」
- M「ヒップ 77cm~110cm」
- L「ヒップ 92cm~130cm」
オムツサイズが合ってるか確かめる方法
体型は人によって異なり、実際の装着感も様々でしょう。
本当にオムツのサイズが合っているか、装着後に確かめる方法があります。
ほとんどのオムツカバーには、↑の様に表面に「1~3の数字」が書かれてます。
この数字は、ジャストサイズを視覚的に知る為のもの。
止めたテープが「2」ぐらいの位置になると、ちょうど良いサイズの目安。
「3より外側」ならサイズが小さい事を意味します。
漏らさない為のオムツサイズ選び
オムツサイズが合っていないと、尿漏れの原因になります。
- 正しく装着しても、隙間が出来る
- オムツがずれてしまい漏れる
こういった理由で、漏れが発生しやすくなるので注意。
またオムツサイズによる違いは、ウエスト周りだけではありません。
オムツの丈(縦の長さ)も異なります。
介護オムツはLサイズを選びがち?
実際の介護では、つい大きいサイズを選びがち。
男性だからLと思ってたら、「本当のサイズはS」なんて事もよくあります。
オムツメーカーの方の話でも、高齢者の多くは小さいサイズが適性である事が多いそうです。
こうしたサイズ違いによる尿漏れも、よく発生してます。
尿漏れが多いなと思ったら、オムツ類のサイズも確認してみて下さいね。
ただ、いきなりSサイズの使用も不安だと思います。
まずはMサイズで使用感を確かめるのも手ですね。
介護用(大人用)オムツカバーのおすすめ商品
介護用のオムツカバーは、下記メーカーの商品が定番ですね。
- リフレ
- アテント
- ライフリー
仕事で色々と使用してますが、各メーカーによる大きな違いはありません。
あえて選ぶなら、私のオススメは「リフレ 簡単テープ止めタイプ 横モレ防止」です。
介護施設や病院でも、よく使用されてる定番メーカーの「家庭向け商品」ですね。
15枚程度のスモールパックもあるので、お試しで使いやすいです。
※S・M・Lの他、「SS」と「大きめL」に対応
オムツカバーと一緒に使用したい介護用品
オムツカバーを使用する際は、下記用品も持っておきましょう。
- 尿取りパッド
- ラバーシーツ
- お尻ふき
それぞれご紹介します。
尿取りパッド
尿取りパッドはご紹介した通り、オムツカバーには必須とも言えます。
尿取りパッドにも種類があり、主に吸水量が異なります。
吸水量の多い方が尿漏れも少なくなりますが、価格も高く、肌へのダメージ等も増えがちです。
ですので、尿取りパッドも出来れば適切なサイズ選びが理想です。
尿漏れ原因や選び方などは、下記記事で解説してます。
ラバーシーツ
ラバーシーツは「防水シーツ」とも呼ばれ、寝具を便や尿汚染から守ります。
使い方もベッドシーツに敷くだけなので、簡単です。
ベッド上でのオムツ交換、失禁が多い時は必ず使用してください。
詳しくは下記記事をご覧ください。
介護用のお尻ふき
オムツ交換の際は、パッドの交換だけでは不衛生。
清潔維持の為にも、交換時にはお尻ふきで身体をキレイにしましょう。
少し大判で厚めのタイプを選ぶと、排便時にも対応しやすいです。
排便時には、お尻ふきだけでは汚れを拭き取れない事もあります。
ニオイが気になる時もあるでしょう。
そんな時は陰洗ボトルを使い、お湯で流してあげると良いですね。
清拭料などもあるので、持っておくと便利です。
⇒介護における陰洗ボトルの使い方と「ペットボトル代用品」の作り方
オムツの収納ケース
介護でオムツを使い始めると困るのが、オムツの置き場所。
そんな時には収納ケース等を使い、置き場所を工夫すると良いですね。
例えば、下記等の用品が便利です。
- オムツストッカー
- 収納ラック
- 衣服用などの収納袋
オムツ類は、基本的に使用場所に置くのが使いやすいです。
オムツカバーやパッドは、ばらして収納するとすっきりします。
お尻ふきや使用済みパッドを包む新聞紙など、オムツ交換グッズも一緒にまとめると便利。
詳しくは、下記記事もご参考ください。
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