老人ホーム等の介護施設に入居する時には、新たな生活に向け色々な物の準備が必要です。
しかし施設の生活を知らないと、何が必要かはよく分かりませんよね。
そこで当記事では「介護施設に入居する際に必要な持ち物」をまとめました。
介護士経験を元に、必需品から便利グッズまで、老人ホームで必要なモノを紹介します。
介護施設の入所時に必要な「家具」「持ち物」
介護施設の入居時には、家具や衣類など、生活に必要な物を持ち込む必要があります。
あらかじめ居室に用意されてる家具類は、施設により異なります。
施設の案内やご本人の好みに応じ、必要な物を用意しましょう。
介護施設で必須の持ち物
まずは必須となる基本の持ち物をご紹介します。
老人ホームで必要となるもの
- 衣類やタオル
- 靴や内履き、靴下
- 衣類ケース
- 歯磨きセット、義歯ケース(入歯洗浄剤)
タオルや普段着などの衣類、靴は必須です。
基本的に衣服は自由ですが、伸縮性のあるデザインが高齢者には着やすいです。
またクローゼット等が用意される事もありますが、無い場合は衣類ケースが必要です。
室内外用の介護靴
持ち込む靴は、介護施設より下記指定がある事が多いです。
- 内履きと外履きを用意
- つま先が隠れ、踵が入るモノ
施設内で使う普段履き(室内履き)、外出用の外履きですね。
また「足を守り転ばない様に」と、上記のようなシューズ類が好まれます。
サンダル類は転びやすい為、特に理由が無い限り避ける傾向があります。
これから靴を用意するなら、介護靴から選ぶと良いでしょう。
これは介護施設の高齢者向けにデザインされた靴です。
「歯磨きセット」や「入れ歯洗浄剤」
また歯磨きセットや入歯管理の品も用意しましょう。
ご本人の状況により、口腔ウェッティーやスポンジが必要になる事もあります。
消耗品なので、少し多めに用意すると良いですね。
食器や日用品が必要になる事も
「ヘアブラシ」「髭剃り」など、整容の品も必須となる可能性があります。
施設側で用意する事もありますが、持ち込みを求められる事があります。
男性なら、電動髭剃りも持参しましょう。
施設のモノを使うので、職員預かりか引き取りとなるので注意しましょう。
他には、下記の日用品も必要になる可能性があります。
必須となる可能性がある物リスト
- 食器やコップ、箸・スプーン
- 入浴用品
- ティッシュやトイレットペーパー等
- 整容用品
- 寝具類
- オムツ等の介護用品
これらは、「準備しなければならない可能性がある必需品」ですね。
施設毎にルールが異なるので、ご家族様に持ち込みを依頼する場合があります。
ここにない物でも、ご本人の必需品、ケアに必要な物があれば持参しましょう。
食器・箸類やコップ
食器・箸類やコップは、主に施設側で用意されます。
ですが、ユニット型施設などでは「食器類の持参や購入」をお願いする事もあります。
その場合は、プラスチック製など軽くて割れない物を選びましょう。
ユニット型施設では、ご飯やみそ汁の「盛り付け」は主に介護職員が行います。
そのため厨房の食器でなく、ご本人の食器を使う機会が多くなります。
生活の中で「介護用の食器・スプーン」「介護用食事エプロン」が必要になる事もあります。
その際は、ご家族様に購入依頼の連絡があります。
寝具やオムツ類は主に施設で準備される
寝具などのリネン類、オムツ類などは、主に施設側で準備します。
その場合でも、お好みのモノを持ち込む事も可能です。
オムツやパット類は、要介護者向けの施設だと主に施設で準備します。
しかし住宅型等など自立者向けのホームでは、用意が必要になる事も。
オムツ類は未開封であれば買取に対応してます。
⇒介護用品はどんな物が買取対象?相場や買取ショップを紹介
既に開封済みの場合、施設に寄付してしまうのも良いと思います。
詳しくは、相談員さん等に尋ねてみて下さい。
老人ホームの生活を快適にする便利グッズ
こちらは必須では無いものの、あると便利な持ち物です。
施設での生活が快適になるよう、必要に応じ用意しましょう。
介護施設の生活に便利なグッズ
- 本やテレビ等の娯楽・趣味用品
- 車イスクッション
- 置き時計や写真
- 小型テーブル、折り畳みイス
- 加湿器
テレビや本など「趣味・娯楽品」
施設の生活は娯楽が少なく、退屈に感じる方も多いです。
ご本人の希望に応じ、趣味や娯楽に関する品もあると便利です。
また居室へのテレビ持ち込みも可能です。
共有スペースでは、好きな時に好きな番組を見られないので、テレビは喜ばれますよ。
他にも「塗り絵」や「脳トレ本」など、やる事を作ってあげるのも良いですね。
趣味に合わせて用意してみましょう。
ただ趣味や娯楽品は、用意しても意外に無駄になってしまう事も…。
夢中になる方とそうでない方とで、極端に分かれる傾向がある気がします。
「車イスクッション」や「座布団」
入居者様は、起きている時間は椅子や車イスでの時間が大半です。
我々が思う以上に、座ったままの姿勢は辛いものです。
車イス用のクッションや座布団も、事前に用意しておきましょう。
出来れば「丸洗い」出来て、「滑り止め」が付いてる物が望ましいですね。
寝返りが難しい場合、安静な姿勢を作る為のクッションも理想的です。
「ひざ掛け」や「タオルケット」
ひざ掛けやタオルケット等といった防寒グッズも、あると嬉しいモノの1つ。
施設内は快適ですが、夏の冷房や冬の寒さにより「寒い」と感じる高齢者は多いです。
そんな時にひざ掛けがあると便利。
また施設で布団は用意されますが、毛布までは用意されません。
タオルケットや毛布の持ち込みは可能なので、こちらもあると便利。
ひざ掛けにも大判のモノもあるので、そちらで代用する事も可能です。
快適な生活を送るうえで、無くてはならない便利グッズですね。
加湿器
介護施設では、備え付けのエアコンがあっても加湿器が無いケースが多々あります。
冬場は暖房を付ける時間も多くなるので、出来れば持参しましょう。
ただその管理方法は施設により異なるので、事前に確認して下さい。
※給水や電源管理は職員、清掃管理はご家族がするなど
「時計」や「カレンダー」
老人ホームの部屋には、時計やカレンダーが置かれてません。
時間や日にちが分かるモノがない為、用意してあげると良いでしょう。
居室の壁に穴を空ける事は出来ないので、時計は置き時計が良いですね。
タンスやテーブルの上に無理なく置け、見やすい物を選んであげましょう。
カレンダーも、高齢者にとってあると嬉しい便利グッズ。
日にちの確認だけでなく、予定や排便の有無などを書き込む方も多いようです。
その点も踏まえ、書き込みスペースがあるモノを用意してあげると良いでしょう。
そうなると、やはり壁掛けカレンダーが必要になります。
カレンダーぐらいの軽さであれば、「粘着テープ付きフック」等も活用できます。
「イス」や「テーブル」
お元気な方であれば、机や椅子を持ち込むのもオススメ。
下記の様な活動もしやすくなり、居室での自分の時間が充実します。
小型のサイドテーブルを置けば、小物置きにも使えますね。
- 読書
- 書き物
ベッドでは、「座って何かをする」には適してません。
読み物や書き物をしたりなど、居室内での活動にはテーブルとイスがあると便利。
塗り絵や脳トレ、座ってテレビを見たりなど、ベッド以外の活動場所が作れます。
元気や意欲がある方は、こうした物があると自分の時間も充実しますね。
ただテーブルやイスは安全な物を選ぶ必要があり、商品選びには注意しましょう。
具体的には下記記事で解説してます
介護施設へ持ち込んではダメな物
介護施設に持ち込み禁止の物も紹介しておきます。
基本的に「現金」や「危険物」、「悪臭・騒音」の元となるモノは持ち込む事が出来ません。
また施設が衛生上問題と判断した物も、持ち込み禁止となる可能性があります。
「刃物や火器などの危険物」は持ち込み禁止
持ち込み禁止の危険物とは、下記の様なものです。
現金や貴重品も、多くの介護施設では持ち込み不可です。
紛失したら困る様な貴重品、高級品も避けましょう。
その他に認知症などがあると、思わぬ物が生活の危険になってしまう事があります。
介護職員と相談しつつ、居室の環境を整えていきましょう。
場合により持ち込めない物
持ち込み可としていても、制限やルールがある物があります。
例えば、下記の様な物ですね。
- 食品
- 携帯電話(スマートフォン)
- その他「危険や問題がある」と判断されたもの
持ち込み物に制限があったり、施設により扱いが異なるので注意しましょう。
食品は「施設ルール」や「食事制限」に注意
食品や飲み物は、施設ルールやご本人の制限により異なります。
例えば、市販の飲料や食品は可能、ご自宅で調理した品は不可とするケースもありますね。
また食品の持ち込み時には、ご本人の制限などにも注意して下さい。
嚥下が悪くて食べれない物や、食事制限にかかってしまうと提供が難しくなります。
看護師や介護職員と相談し、能力や体調に合わせたモノを用意しましょう。
「スマホ・携帯」は施設種類による
近年では、介護施設内でも携帯を使う利用者が増えてきました。
ただ携帯やスマホの持ち込み可否は、施設種類により異なります。
大まかには、有料などの民間施設は持ち込み可能。
特養などでは不可となる事が多め。
また利用ルールを設けてる施設も多く、トラブルも発生してます。
持ち込みの際には、ご本人の様子も含め、よく検討しましょう。
その他「持ち込み不可」「引き取り依頼」の可能性がある物
持ち込み可としていても、下記の様な物は「引き取り依頼」をされる可能性があります。
- 劣化や不良品など、危険な家具・家電
- 本人の生活に支障が出る物
…例えば、「ガタつく机」「壊れたシェーバー」等ですね。
また認知症によるトラブル原因となる物も含まれます。
分かりやすい例は、先ほどの携帯電話ですね。
本人が強く依存したり、トラブル原因となる事が多い品です。
施設に物を持ち込む前に注意する事
必要物品の準備や持ち込みの前にも、注意すべき事があります。
名前が無く紛失したり、不要な家電により電気代が発生してしまう事も…。
ここで述べる内容も事前に理解しておきましょう。
衣類や小物には「名前を書く」
衣服やタオル、小物等には名前を書いてから持ち込んで下さい。
他利用者様の荷物に混じってしまい、紛失の原因になります。
暗い色でも、布用白ペンがあれば書き込めますよ。
キレイに仕上げたいなら、フロッキー等も試してみて下さい。
ヘアブラシや歯磨き粉の様な、日用品・消耗品にも忘れず名前を書きましょう。
家電の持ち込みで電気代が発生する
家電の持ち込みにより、電気代が発生する施設も多くあります。
その場合ですと、家電持ち込むと申請や使用チェックがあり、日毎や月毎に徴収される形です。
※介護施設により異なるので、詳しくはお尋ねください
電気代が発生する家電例
- テレビ
- 冷蔵庫
- 電気髭剃り
- 加湿器(使用季節のみ)
私が勤めていた施設では、介護職員が毎月使用チェックし、事務所に報告してました。
※加湿器は冬場の使用時期のみ電気代が発生していた
持ち込む家電が多くなると、それだけ電気代も高くなるので注意しましょう。
必需品から少しずつ揃え、不要品は持ち込まない
色々と紹介しましたが、最初から全てを用意せず、必需品から徐々に揃えるのがオススメ。
…というのも、生活の中で必要な品が分かる事が多いからです。
「購入したのに全く使わない」「後から必要な物が出てきた」なんて事もよくあります。
施設から持ち物の指示があるはずなので、まずは参考にして下さい。
また大き過ぎたり、重すぎる家具も避けた方が賢明です。
持ち込む時や持ち帰る時の事まで考え、商品を選ぶと良いですよ。
まとめ
今回は「介護施設の生活に必要な持ち物」をご紹介しました。
最後に記事の要点をまとめます。
記事の要点
- 衣類や靴、整容用品は必需品
- 居室の家具は施設により異なる
- クッションや娯楽用品もあると便利
- 不要品の判断は難しい、必要なモノから徐々にそろえる
色々と述べましたが、やはり施設の指示に従ってもらうのが1番かと思います。
ただそれでも不要な物は出るし、逆に必要な物品も出てきます。
過剰に準備せず、徐々に揃えていくのが賢い方法でしょう。
また現在はコロナにより、家族様が面会で生活を窺う事が難しくなりました。
今後は生活相談員をはじめとした、職員とのやりとりも重要になってくるでしょう。
物品の持ち込みの際は、事務所に預ける事が出来るのでご安心ください。
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