老人ホーム等の介護施設に入居する時には、新たな生活に向け色々な物の準備が必要です。
しかし施設の生活を知らないと、何が必要かはよく分かりませんよね。
そこで当記事では「介護施設に入居する際に必要な持ち物」をまとめました。
介護士経験を元に、必需品から便利グッズまで、老人ホームで必要なモノを紹介します。
介護施設の入所時に必要な「家具」「持ち物」
介護施設の入居時には、家具や衣類など、生活に必要な物を持ち込む必要があります。
あらかじめ居室に用意されてる家具類は、施設により異なります。
施設の案内やご本人の好みに応じ、必要な物を用意しましょう。
介護施設で必須の持ち物
まずは必須となる基本の持ち物をご紹介します。
老人ホームで必要となるもの
- 衣類やタオル
- 靴や内履き、靴下
- 衣類ケース
- 歯磨きセット、義歯ケース(入歯洗浄剤)
タオルや普段着などの衣類、靴は必須です。
基本的に衣服は自由ですが、伸縮性のあるデザインが高齢者には着やすいです。
またクローゼット等が用意される事もありますが、無い場合は衣類ケースが必要です。
室内外用の介護靴
持ち込む靴は、介護施設より下記指定がある事が多いです。
- 内履きと外履きを用意
- つま先が隠れ、踵が入るモノ
施設内で使う普段履き(室内履き)、外出用の外履きですね。
また「足を守り転ばない様に」と、上記のようなシューズ類が好まれます。
サンダル類は転びやすい為、特に理由が無い限り避ける傾向があります。
これから靴を用意するなら、介護靴から選ぶと良いでしょう。
これは介護施設の高齢者向けにデザインされた靴です。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2022/08/介護靴のオススメ人気商品と選び方-160x90.jpg)
「歯磨きセット」や「入れ歯洗浄剤」
また歯磨きセットや入歯管理の品も用意しましょう。
ご本人の状況により、口腔ウェッティーやスポンジが必要になる事もあります。
消耗品なので、少し多めに用意すると良いですね。
食器や日用品が必要になる事も
「ヘアブラシ」「髭剃り」など、整容の品も必須となる可能性があります。
施設側で用意する事もありますが、持ち込みを求められる事があります。
男性なら、電動髭剃りも持参しましょう。
施設のモノを使うので、職員預かりか引き取りとなるので注意しましょう。
他には、下記の日用品も必要になる可能性があります。
必須となる可能性がある物リスト
- 食器やコップ、箸・スプーン
- 入浴用品
- ティッシュやトイレットペーパー等
- 整容用品
- 寝具類
- オムツ等の介護用品
これらは、「準備しなければならない可能性がある必需品」ですね。
施設毎にルールが異なるので、ご家族様に持ち込みを依頼する場合があります。
ここにない物でも、ご本人の必需品、ケアに必要な物があれば持参しましょう。
食器・箸類やコップ
食器・箸類やコップは、主に施設側で用意されます。
ですが、ユニット型施設などでは「食器類の持参や購入」をお願いする事もあります。
その場合は、プラスチック製など軽くて割れない物を選びましょう。
ユニット型施設では、ご飯やみそ汁の「盛り付け」は主に介護職員が行います。
そのため厨房の食器でなく、ご本人の食器を使う機会が多くなります。
生活の中で「介護用の食器・スプーン」「介護用食事エプロン」が必要になる事もあります。
その際は、ご家族様に購入依頼の連絡があります。
寝具やオムツ類は主に施設で準備される
寝具などのリネン類、オムツ類などは、主に施設側で準備します。
その場合でも、お好みのモノを持ち込む事も可能です。
オムツやパット類は、要介護者向けの施設だと主に施設で準備します。
しかし住宅型等など自立者向けのホームでは、用意が必要になる事も。
オムツ類は未開封であれば買取に対応してます。
⇒介護用品はどんな物が買取対象?相場や買取ショップを紹介
既に開封済みの場合、施設に寄付してしまうのも良いと思います。
詳しくは、相談員さん等に尋ねてみて下さい。
老人ホームの生活を快適にする便利グッズ
こちらは必須では無いものの、あると便利な持ち物です。
施設での生活が快適になるよう、必要に応じ用意しましょう。
介護施設の生活に便利なグッズ
- 本やテレビ等の娯楽・趣味用品
- 車イスクッション
- 置き時計や写真
- 小型テーブル、折り畳みイス
- 加湿器
テレビや本など「趣味・娯楽品」
施設の生活は娯楽が少なく、退屈に感じる方も多いです。
ご本人の希望に応じ、趣味や娯楽に関する品もあると便利です。
また居室へのテレビ持ち込みも可能です。
共有スペースでは、好きな時に好きな番組を見られないので、テレビは喜ばれますよ。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2019/09/老人ホームへのテレビ持ち込み お勧めサイズと注意点-160x90.jpg)
他にも「塗り絵」や「脳トレ本」など、やる事を作ってあげるのも良いですね。
趣味に合わせて用意してみましょう。
ただ趣味や娯楽品は、用意しても意外に無駄になってしまう事も…。
夢中になる方とそうでない方とで、極端に分かれる傾向がある気がします。
「車イスクッション」や「座布団」
入居者様は、起きている時間は椅子や車イスでの時間が大半です。
我々が思う以上に、座ったままの姿勢は辛いものです。
車イス用のクッションや座布団も、事前に用意しておきましょう。
出来れば「丸洗い」出来て、「滑り止め」が付いてる物が望ましいですね。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2020/07/車椅子クッションの種類と選び方-160x90.jpg)
寝返りが難しい場合、安静な姿勢を作る為のクッションも理想的です。
「ひざ掛け」や「タオルケット」
ひざ掛けやタオルケット等といった防寒グッズも、あると嬉しいモノの1つ。
施設内は快適ですが、夏の冷房や冬の寒さにより「寒い」と感じる高齢者は多いです。
そんな時にひざ掛けがあると便利。
また施設で布団は用意されますが、毛布までは用意されません。
タオルケットや毛布の持ち込みは可能なので、こちらもあると便利。
ひざ掛けにも大判のモノもあるので、そちらで代用する事も可能です。
快適な生活を送るうえで、無くてはならない便利グッズですね。
加湿器
介護施設では、備え付けのエアコンがあっても加湿器が無いケースが多々あります。
冬場は暖房を付ける時間も多くなるので、出来れば持参しましょう。
ただその管理方法は施設により異なるので、事前に確認して下さい。
※給水や電源管理は職員、清掃管理はご家族がするなど
「時計」や「カレンダー」
老人ホームの部屋には、時計やカレンダーが置かれてません。
時間や日にちが分かるモノがない為、用意してあげると良いでしょう。
居室の壁に穴を空ける事は出来ないので、時計は置き時計が良いですね。
タンスやテーブルの上に無理なく置け、見やすい物を選んであげましょう。
カレンダーも、高齢者にとってあると嬉しい便利グッズ。
日にちの確認だけでなく、予定や排便の有無などを書き込む方も多いようです。
その点も踏まえ、書き込みスペースがあるモノを用意してあげると良いでしょう。
そうなると、やはり壁掛けカレンダーが必要になります。
カレンダーぐらいの軽さであれば、「粘着テープ付きフック」等も活用できます。
「イス」や「テーブル」
お元気な方であれば、机や椅子を持ち込むのもオススメ。
下記の様な活動もしやすくなり、居室での自分の時間が充実します。
小型のサイドテーブルを置けば、小物置きにも使えますね。
- 読書
- 書き物
ベッドでは、「座って何かをする」には適してません。
読み物や書き物をしたりなど、居室内での活動にはテーブルとイスがあると便利。
塗り絵や脳トレ、座ってテレビを見たりなど、ベッド以外の活動場所が作れます。
元気や意欲がある方は、こうした物があると自分の時間も充実しますね。
ただテーブルやイスは安全な物を選ぶ必要があり、商品選びには注意しましょう。
具体的には下記記事で解説してます
介護施設へ持ち込んではダメな物
介護施設に持ち込み禁止の物も紹介しておきます。
基本的に「現金」や「危険物」、「悪臭・騒音」の元となるモノは持ち込む事が出来ません。
また施設が衛生上問題と判断した物も、持ち込み禁止となる可能性があります。
「刃物や火器などの危険物」は持ち込み禁止
持ち込み禁止の危険物とは、下記の様なものです。
現金や貴重品も、多くの介護施設では持ち込み不可です。
紛失したら困る様な貴重品、高級品も避けましょう。
その他に認知症などがあると、思わぬ物が生活の危険になってしまう事があります。
介護職員と相談しつつ、居室の環境を整えていきましょう。
場合により持ち込めない物
持ち込み可としていても、制限やルールがある物があります。
例えば、下記の様な物ですね。
- 食品
- 携帯電話(スマートフォン)
- その他「危険や問題がある」と判断されたもの
持ち込み物に制限があったり、施設により扱いが異なるので注意しましょう。
食品は「施設ルール」や「食事制限」に注意
食品や飲み物は、施設ルールやご本人の制限により異なります。
例えば、市販の飲料や食品は可能、ご自宅で調理した品は不可とするケースもありますね。
また食品の持ち込み時には、ご本人の制限などにも注意して下さい。
嚥下が悪くて食べれない物や、食事制限にかかってしまうと提供が難しくなります。
看護師や介護職員と相談し、能力や体調に合わせたモノを用意しましょう。
「スマホ・携帯」は施設種類による
近年では、介護施設内でも携帯を使う利用者が増えてきました。
ただ携帯やスマホの持ち込み可否は、施設種類により異なります。
大まかには、有料などの民間施設は持ち込み可能。
特養などでは不可となる事が多め。
また利用ルールを設けてる施設も多く、トラブルも発生してます。
持ち込みの際には、ご本人の様子も含め、よく検討しましょう。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2021/06/老人ホームへのスマホ持ち込み-160x90.jpg)
その他「持ち込み不可」「引き取り依頼」の可能性がある物
持ち込み可としていても、下記の様な物は「引き取り依頼」をされる可能性があります。
- 劣化や不良品など、危険な家具・家電
- 本人の生活に支障が出る物
…例えば、「ガタつく机」「壊れたシェーバー」等ですね。
また認知症によるトラブル原因となる物も含まれます。
分かりやすい例は、先ほどの携帯電話ですね。
本人が強く依存したり、トラブル原因となる事が多い品です。
施設に物を持ち込む前に注意する事
必要物品の準備や持ち込みの前にも、注意すべき事があります。
名前が無く紛失したり、不要な家電により電気代が発生してしまう事も…。
ここで述べる内容も事前に理解しておきましょう。
衣類や小物には「名前を書く」
衣服やタオル、小物等には名前を書いてから持ち込んで下さい。
他利用者様の荷物に混じってしまい、紛失の原因になります。
暗い色でも、布用白ペンがあれば書き込めますよ。
キレイに仕上げたいなら、フロッキー等も試してみて下さい。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2020/02/黒い服に名前を書く方法-160x90.jpg)
ヘアブラシや歯磨き粉の様な、日用品・消耗品にも忘れず名前を書きましょう。
家電の持ち込みで電気代が発生する
家電の持ち込みにより、電気代が発生する施設も多くあります。
その場合ですと、家電持ち込むと申請や使用チェックがあり、日毎や月毎に徴収される形です。
※介護施設により異なるので、詳しくはお尋ねください
電気代が発生する家電例
- テレビ
- 冷蔵庫
- 電気髭剃り
- 加湿器(使用季節のみ)
私が勤めていた施設では、介護職員が毎月使用チェックし、事務所に報告してました。
※加湿器は冬場の使用時期のみ電気代が発生していた
持ち込む家電が多くなると、それだけ電気代も高くなるので注意しましょう。
必需品から少しずつ揃え、不要品は持ち込まない
色々と紹介しましたが、最初から全てを用意せず、必需品から徐々に揃えるのがオススメ。
…というのも、生活の中で必要な品が分かる事が多いからです。
「購入したのに全く使わない」「後から必要な物が出てきた」なんて事もよくあります。
施設から持ち物の指示があるはずなので、まずは参考にして下さい。
また大き過ぎたり、重すぎる家具も避けた方が賢明です。
持ち込む時や持ち帰る時の事まで考え、商品を選ぶと良いですよ。
まとめ
今回は「介護施設の生活に必要な持ち物」をご紹介しました。
最後に記事の要点をまとめます。
記事の要点
- 衣類や靴、整容用品は必需品
- 居室の家具は施設により異なる
- クッションや娯楽用品もあると便利
- 不要品の判断は難しい、必要なモノから徐々にそろえる
色々と述べましたが、やはり施設の指示に従ってもらうのが1番かと思います。
ただそれでも不要な物は出るし、逆に必要な物品も出てきます。
過剰に準備せず、徐々に揃えていくのが賢い方法でしょう。
また現在はコロナにより、家族様が面会で生活を窺う事が難しくなりました。
今後は生活相談員をはじめとした、職員とのやりとりも重要になってくるでしょう。
物品の持ち込みの際は、事務所に預ける事が出来るのでご安心ください。
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