「高齢になりトイレが不安」「座った時に立ち上がりが辛い」。
そんな時には、手すりの設置で解決できるかもしれません。
工事不要で後付けできる物もあるので、簡単に導入できます。
当記事では、「高齢者介護向けのトイレ手すり」の情報をお伝えします。
記事の主な内容
- トイレ手すりの「種類」「おすすめ商品」
- 手すり設置時の「高さ」や「位置」
- 介護保険との関係
トイレ手すりのおすすめ商品と共に、設置位置や選び方の参考情報をお届けします。
リフォームの場合でも、手すりは費用も安めなのでオススメです。
後付けできる「介護用のトイレ手すり」の種類
まず介護・高齢者向けの「トイレ用手すりの種類」を説明します。
後付けできる介護用トイレ手すりには、主に下記3種類があります。
- トイレ用アーム(工事不要)
- サポートスタンド(工事不要)
- 壁用手すり(要工事)
手軽に設置できるのは、トイレ用アームとサポートスタンド。
工事不要なので、置くだけで設置できます。
また取付工事を行えば、トイレ用の壁手すりも選択肢に入ります。
⇒和式トイレを洋式にする「簡易洋式便座」とは
置くだけでOKの「トイレ用アーム」
後付けで手すりを設置するなら、最も手軽なのは「トイレ用アーム」です。
※トイレ用フレームとも呼ばれます。
便座付近に設置するのみなので、難しい設置工事は不要です。
実物は、この様な商品。
「座位保持」「立ち上がり」両方に使える、オーソドックスなトイレ手すりですね。
トイレ用アームは、主に「水平方向の横手すり」。
壁に設置する手すりも含め、水平方向の横手すりは座った姿勢を安定させるのに優れます。
もちろん、立ち上がり補助にも使用可能です。
マグネット等でなく、床に設置して使用するので安定性にも優れます。
「跳ね上げ式」のトイレ手すりも
トイレ用アームには、アーム部分を跳ね上げ出来る手すりもあります。
※「可変式トイレ手すり」とも
跳ね上げ機能のメリットは、不要時に高く上げてトイレを広く使える事。
「車椅子の使用」や「トイレ介助」での使用に向いてます。
トイレ用の跳ね上げ式手すり自体には、下記種類があります。
- 便座両脇、あるいは片側に設置
- 便座前面に設置
先の画像は、便座両脇に置くタイプですね。
前面に置くタイプは、前傾になったり座位保持に使用できます。
一般的には、主に「リフォーム工事で取り付ける手すり」が多め。
…とはいえ、置くだけのトイレ用アームでも跳ね上げ式の商品が販売されてます。
例えば、アロン化成さんの商品ですね。
商品紹介動画もあるので、使い方の参考にどうぞ。
「サポートスタンド」をトイレに設置する
高齢者介護の置き型手すりには、トイレでも使える商品があります。
例えば、サポートスタンドと呼ばれる商品ですね。
上記画像の様な「立ち上がり補助」に使う手すりで、様々な場所で使用できます。
そのぶん立ち上がりや立位保持、介助での使用に適してます。
手すりとしての安定性を求めるなら、プレート付きの置き型手すりもあります。
ただ価格が高く重い、段差が生まれてしまう。
トイレの広さだと設置がしにくい等のデメリットもあるので、注意です。
「壁用手すり」の種類
壁用のトイレ手すりは、主に下記の様な種類があります。
壁用トイレ手すりの種類
- I型
- L型
- オフセット型
垂直の縦手すりである「I型」、横と縦のセットである「L型」。
手すり部分が取り付け部分から少しずれた、「オフセット型」ですね。
壁用のトイレ手すりは、工事で後付けするタイプです。
DIYが得意な方、リフォーム業者の使用を検討してる方はこちらがオススメ。
立ち上がり重視の「縦型手すり」
トイレ壁に手すりを付けるメリットは、立ち上がりに優れた物を設置できる事。
立ち上がりのしやすさを考えるなら、横より「縦の手すり」が力が入ります。
壁設置するなら、I型やL型の手すりを検討すると良いですね。
⇒「突っ張り棒・ポール型」の介護手すりの特徴と使い方
ただ設置時には、ペーパーホルダーの位置にも注意する必要があります。
安全と利便性を考えると、取り付けは専門業者に頼んだ方が安心。
費用も1万円程度からで可能です。
トイレ手すりと介護保険
「トイレ用の手すりと介護保険の関係」を説明します。
まず「工事不要の物」ならば、要介護・要支援の認定があれば1割負担でのレンタルが可能です。
購入には対応していません。
※福祉用具貸与対象品目の「手すり」に該当
「工事取り付け」の場合、20万円を限度として1割負担で住宅改修が可能です。
この場合も、要支援・介護の認定を受けた方の自宅である事といった条件があります。
介護保険を利用したい場合、まずは担当ケアマネージャーに相談して下さい。
介護用トイレ手すりの「使いやすい設置位置」
トイレ用手すりの設置方法の参考として、位置や高さの情報もお伝えします。
一般的には、下記の位置が使いやすいと言われてます。
使いやすいトイレ手すりの位置
- 【縦手すり】便器先端から250~300mm程前
- 【横手すり】便座より230~300mm程上
縦型手すりは「便座からの立ち上がり」を意識し、便座から見て少し前方。
横型手すりは「便座での姿勢安定」を考え、便座から掴みやすい位置にすると良いでしょう。
壁用縦手すりの場合、手すりが便座に近すぎると使いにくいので注意。
「力が入らず立ち上がりがしにくい」。
立った後も「手すりが真横に来て持ちにくい」等のデメリットがあります。
手すりは理想位置で使う事で、効果発揮しやすくなります。
立ち上がり後も、手すりにもたれかかり衣類の着脱もしやすいです。
ひじ掛けの高さは肘ぐらい、または肘から2~4cmぐらい高くすると立ち上がりやすいです。
※参考資料「J-stage(椅子の肘掛けの高さが立ち上がり動作に及ぼす影響)」
手すりの太さは、直径3cm~3.5cmが多め。
トイレの場合、掴みやすさを重視して「少し細め」を意識すると使いやすいです。
また手すりの色が見やすいよう、壁に近い色は避けた方が良いです。
後付けできる「おすすめの介護用トイレ手すり」
ここからは、実際の商品から「おすすめのトイレ用手すり」を紹介します。
壁用手すりに関しては、設置費用や形の話をしていきます。
seiyishi「トイレ用アーム SY-PSD-069」
まずは、機能が充実し価格も安い「コスパに優れた商品」から。
安定性にも優れるので、多くの人に勧めやすい手すりです。
seiyishi「トイレ用アーム SY-PSD-069」
参考価格 (Amazonより | 約7,100円 |
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サイズ | 【幅】50.5~55.5cm 【奥行】68cm 【高さ】68~80.5cm |
機能 | ・幅調整3段階 ・高さ調整6段階 |
備考 | ・クランプで便器に固定 ・組み立ては工具不要 |
本商品の特徴は、高さだけでなく「幅の調整」も可能な事。
これにより対応できるトイレが多く、使い勝手に優れます。
また両サイドにある「クランプ」という板を使い、トイレに固定できるので安定性も高め。
イーストアイ「トイレの手すり 折りたたみタイプ」
こちらは、機能・安定性に優れたオーソドックスなタイプ。
コンパクトに折りたたむ事も出来るので、収納時も楽ですね。
イーストアイ 「トイレの手すり 折りたたみタイプ」
参考価格 (Amazonより | 約13,000円 |
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サイズ | 【幅】66.5cm 【奥行】68cm 【高さ】68~73cm 【手すり】60~65cm |
機能 | ・手すり高さ調整3段階 ・折りたたみ機能 |
備考 | ・組み立て所要時間約1分 ※公式より |
当商品は、安全性の為、便器後部に補助ベルトで固定します。
そのため便器が低かったり、壁との隙間が無いと使用できないので注意です。
他には、「後脚の吸盤」と「前面の踏板」で安定性の向上を図ってます。
折りたたみも可能で組み立ても簡単です。
AIS「サポートスタンド ハイタイプ」
トイレの立ち上がりで、あるいは介助での使用メインならこちらもオススメ。
置くだけでOKのスタンド型手すりです。
AIS「サポートスタンド ハイタイプ」
参考価格 ※Amazonより | 約35,000円 |
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サイズ | 【幅】43cm 【奥行】39cm 【高さ】75cm |
機能 | ・サポート型スタンド 他室内や玄関等も設置可 |
備考 | ロータイプも有 |
トイレ以外でも、寝室や玄関での立ちあがり等にも役立ちます。
組み立ても必要なく、購入後は置くだけで使用可能。
トイレ手すりとして使う場合、介助中心での使用に向いてると思います。
手すりに摑まってもらい、ズボンの上げ下げを介助する時などに役立つでしょう。
ただ重く持ち運びしにくい事と、プレートで小さい段差が生まれる点に注意。
iimono117「トイレ用手すり」
こちらは安さ重視のシンプルな手すり。
高さ調整等はありませんが、使い方も分かりやすい商品ですね
iimono117「トイレ用手すり」
参考価格 (Amazonより | 約6,980円 |
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サイズ | 【幅】66cm 【奥行】49cm 【高さ】64.5cm |
この様に特に目立った機能は無いのですが、トイレ用手すりの中でも値段はかなり安め。
床面にクッションが付いてるので、傷もつけず安定性に配慮もされてます。
安くて使いやすい物をお探しの方にオススメ。
アロン化成 安寿「洋式トイレ用フレーム はねあげR-2」
こちらは、跳ね上げ式のトイレ手すりです。
機能も充実しており、介助の機会がある方にオススメです。
アロン化成 安寿「洋式トイレ用フレーム はねあげR-2」
参考価格 (Amazonより | 約35,000円 |
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サイズ | 【幅】66cm 【奥行】55cm 【高さ】99~108cm 【座面高】37~46cm |
機能 | ・ひじ掛け跳ね上げ可 ・ひじ掛け高さ調整可 (55~70cmの6段階) |
備考 | フレームは「スチール」と「ステンレス」の2種類 |
種類説明で使った動画の商品ですね。
跳ね上げや調整機能だけでなく、細かな点も充実してます。
安全性の為の「便器固定バー・ボルト」、床の凹凸に対応する「アジャスター」。
「ほとんどの洋式便器に使用できる」対応幅の広さなど、細かな配慮が光る商品。
専用スペーサーを取り付ければ、操作盤の大きい温水洗浄便座にも対応可。
壁手すりは「I型」「L型」
置き型手すりで立ち上がりが難しい時は、トイレ壁への手すり設置も検討しましょう。
「I型」「L型」の様な、立ち上がりに優れた縦手すりを設置できます。
手すりの設置のみであれば、リフォーム費用も1万円程で可能です。
もし自宅で「高額の置き型手すり」を考えてるなら、比較してみて下さい。
【おまけ】手すり付きトイレリフト
参考までに、「手すり付きのトイレ便座」もあります。
介護用便座の1つにトイレリフトという商品があります。
こちらは昇降式の便座で、便座が高く動いて立ち上がりをサポートするという物。
このトイレリフトには、アームレスト付きのタイプも有ります。
形としては、置き型手すりの様な水平タイプですね。
もし興味があれば、下記記事もご覧ください。
「トイレ」「立ち上がり」の介護情報
今回紹介した手すり以外にも、トイレ関係の介護用品は色々とあります。
例えば、トイレまでの移動が辛いなら「ポータブルトイレ」。
転倒を防ぐ為の「滑り止め」等もあります。
特にトイレは、転倒事故の多い場所です。
下記記事でまとめてるので、トイレを安全にする為に活用して下さい。
また高齢になると、辛くなるのはトイレだけではありません。
「入浴」や「普段の立ち座り」など、家の様々な場所で不便を感じるようになります。
ただこれらも、家の工事不要で解決が可能です。
例えば、入浴用の手すりやマット、リビングで使える高座椅子などですね。
もし良かったら、ご参考下さい。
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