介護手すりの種類の1つに、「突っ張り棒型の手すり」があります。
これは工事不要で設置できるポール型の手すり。
他の置き型手すりと比べ、横方向や各種カスタマイズに強いのがメリット。
- 複数本をバーで連結させ、「横手すり」に
- オプションのサイドバーで、「玄関段差用」として
- グリップを取り付け、さらに「握りやすい手すり」に
この様に縦だけでなく、様々な用途に対応できる介護手すりです。
当記事では、「突っ張り棒手すりの特徴と使い方」を解説。
介護保険でのレンタルも可能ですよ。
「突っ張り棒・ポール型」の介護手すりの特徴
「突っ張り棒型の手すり」は、床と天井の間に固定する介護手すりです。
梁のある天井があれば、壁がない場所にも対応でき、工事不要で設置できる商品ですね。
その形状から、「ポール型手すり」「垂直バー手すり」という名称でも呼ばれます。
「壁がない場所」や「連結設置」に対応
「突っ張り棒型の手すり」は梁のある天井があれば、工事不要で様々な場所にできます。
それに加え、下記特徴があります。
- 工事不要で壁がない場所に設置できる
- 連結して設置すれば、横型手すりになる
- オプションを使い、様々な環境・用途に対応できる
大きな特徴は、「突っ張り棒を天井まで伸ばし、ストッパーで固定」して使用する点。
ご覧のように、1本で使う場合は床から天井までの「長い縦手すり」。
さらに複数設置し、水平バーで連結させて「横手すり」にできるのも大きな特徴ですね。
突っ張り棒型手すりの「オプション機能」
突っ張り棒手すりには、商品により下記オプションも設置できます。
- 連結用の水平バー
- サイドバー、グリップ
- センサーライト
グリップやサイドバーにも種類があり、様々な用途があります。
例えば「L字型サイドバー」を設置して、玄関の上り框などの段差手すりに使う。
他には、「握りやすい形のグリップ」を取り付けたり等ですね。
同じく工事不要で設置できるモノには、置き型の介護手すりがあります。
こちらは重いプレートで安定させるタイプですね。
比較すると、横に長い手すりを設置できるのがメリット。
オプション品によるカスタマイズ性が高いのも特徴ですね。
天井ストッパーの種類
突っ張り棒型手すりは、天井のストッパーにも種類があります。
ストッパーの種類は、壁際や角などの場所で使い分けるケースが多いですね。
種類は商品により異なるので、今回は「モルテンのバディー」を例に紹介します。
天井ストッパーの種類 | 使い方 |
---|---|
十字型ストッパー | どこでも使える標準タイプ |
I型ストッパー | 壁際や部屋の隅に適している |
丸型ストッパーS | 部屋の隅や狭い場所に |
※参考「モルテン(バディー 商品紹介ページ)」より
メーカーで形は違えど、「標準タイプ」と「狭い場所用」で種類を用意してる事が多め。
介護保険でレンタルが可能
突っ張り棒手すりは、介護保険でのレンタルが可能です。
工事不要で設置できる手すりは、福祉用具貸与に対応。
要支援・要介護問わず、介護認定を受けていればレンタル対象です。
実際の商品だと、下記の様な商品が対応してます。
- ベスポジ-e(ホクメイ)
- バディーI(モルテン)
- たよレールhigh(マツ六)
福祉用具の貸与は、指定を受けた事業者により提供されます。
利用をお考えの方は、まずはケアマネージャーに相談してみて下さい。
突っ張り棒・ポール型手すりの「設置場所・使用注意点」
次に突っ張り棒型の介護手すりを「設置・選ぶ際の注意点」を解説します。
使用する際は、主に下記点に注意してください。
- 主に屋内に設置する(お風呂場には設置できない)
- 段差や傾斜にポールは立てられない
- 商品ごとに利用できる高さ範囲が設定されている
基本的には寝室や廊下等、屋内の水気の少ない場所で使用します。
屋外やお風呂場で使用するには、専用の対応商品でなくてはいけません。
また使用の際は、商品ごとの許容範囲高さ以内である必要があります。
順番に解説します。
有効な設置場所と使い方
家族介護において、突っ張り棒手すりを設置したいのは下記場所です。
- 寝室や居間、トイレ
- 廊下
- 玄関
主な用途は、ベッドやトイレ便座からの「立ち上がり」。
歩行時の「つたい歩き」、玄関などの「段差の昇り降り」ですね。
形でいうと、立ち上がりには「縦手すり」。
歩行時には「横手すり」が有効です。
ベッドやトイレでは、握りやすいグリップ等のオプションを活用すると効果的です。
玄関やトイレには、専用の置き型手すりもあります。
突っ張り棒と比較して、安く購入できるのがメリット。
使用方法も解説してるので、併せて検討ください。
手すりの「設置・使用時の注意点」
突っ張り棒型手すりを設置する際は、下記点に注意が必要です。
- 段差や傾斜には設置しない
- 許容範囲内の高さで使用する
- 隙間に入り込んで動けなくなる事故に注意
手すりは必ず「垂直に設置し、段差や傾斜には使用しない」事。
これは床・天井同様で、柔らかい座布団の上などもNGです。
段差対応のサイドバーもありますが、本体は必ず垂直に設置して下さい。
商品毎に「設置場所・高さ範囲」が決まっている
突っ張り棒・ポール型手すりは、基本的に屋内の水気の少ない場所で使用します。
屋外や浴室で使用するには、「専用の対応商品」を選ぶ必要があります。
屋外用商品の場合、軒や庇などの天井が必要です。
さらに本体には、使用可能な高さの範囲が設定されてます。
高すぎても低すぎてもダメなので、指定範囲内の長さで使用します。
手すり設置時には、このような危険事故を想定し場所や使い方を決めましょう。
難しいと思ったら、業者に相談してみて下さい。
「突っ張り棒・ポール型手すり」の商品種類
突っ張り棒・ポール型の手すりから、実際の商品を詳しく紹介します。
特徴や価格などをまとめたので、商品選びにお役立て下さい。
室内用を中心に紹介してますが、屋外用や浴室用も存在します。
バディーI(モルテン)
モルテンの「バディーI」は定番商品の1つで、オプションや天井ストッパーも多数あります。
環境や用途により、幅広いカスタマイズが可能です。
バディーI(モルテン)
参考価格 | 55,660円 |
対応天井高さ | 1.9~2.8m |
天井ストッパー | 5種類 |
水平クロスバー | 40cm~200cmの6種類 跳ね上げ式も有 |
オプション |
|
連結用のクロスバーには、跳ね上げ式も用意されてます。
サイドバーを使えば、玄関段差にも使用可能。
同メーカーの「床置き手すり ルーツ」を使い、連結させる事も出来ます。
【関連商品】床置き手すりルーツ
ベスポジ-e(ホクメイ)
こちらの「ベスポジ-e」も、オプションの多さが魅力。
手すりやグリップの種類が多く、連結使用を考えてる方にオススメ。
ベスポジ-e(ホクメイ)
参考価格 | 49,500円 ※基本セット(丸型天井ベース) |
対応天井高さ | 1.9~2.7m ※ロングタイプは2.2~3m |
天井ストッパー | 2種類 |
水平クロスバー | 60cm~120cmに対応 跳ね上げ式、伸縮手すり、 レール手すり等も有 |
オプション |
|
基本的なオプション・機能は搭載しつつ、実用的なオプションが多い商品ですね。
特に「伸縮可能な連結バー」は特徴的。
他にも「跳ね上げ式」や「太めのレール手すり」、丸型のグリップなども用意されてます。
耐水ベースを下部に使用すれば、屋外の玄関ポーチ・ベランダ等でも使用可との事。
【浴室用】マスカットポールタイプII(ホクメイ)
こちらは、お風呂場に設置できる突っ張り棒型手すり。
ユニットバスに対応しており、浴槽縁の側に設置して使うタイプですね。
マスカットポールタイプII
参考価格 | 42,900 |
対応天井高さ | 1.85~2.5m(推奨2.5cm) |
対応浴槽 | 浴槽縁の厚み:4~14cm 浴槽縁高さ:25~65cm リムの高さ:2㎝以上 エプロンの出幅がリムより4.5cm以内 |
オプション |
|
浴槽縁にアームを設置し、そのアームにポールを取り付ける形です。
どちらかというと、「浴槽手すり」に分類される商品ですね。
万が一も考え、設置の際は専門業者に相談しても良いと思います。
たよレールhigh(マツ六)
こちらは、「ポールに置き型手すりを加えた様な形」が特徴の商品。
天井高さにより、ショートタイプも選べます。
たよレールhigh(マツ六)
参考価格 | 80,300円 ※屋内用標準型基本セット |
対応天井高さ | 【標準型】 ・手すり高さ750 天井高2.0~2.7m ・手すり高さ850 天井高2.1~2.8m 【I型・R型】 ・天井高2.1~2.8m ※ショートタイプあり |
天井ストッパー | 2種類 |
水平クロスバー | 60cm~160cmに対応 伸縮手すりも有 |
オプション |
|
標準型は、突っ張り棒に小さい手すりがついたタイプ。
省スペース型もあり、トイレ等での使用に適します。
連結して使いたい場合は、I型かR型を使用します。
さらにI型には屋外用もあり、玄関ポーチなど庇や軒がある屋外で使えます。
※I・Rの違いは天井ストッパー
連結バーは、「わたレール」という商品が対応。
長さのほか、伸縮機能の有無も選べます。
さいごに
今回は「突っ張り棒型の介護手すり」を解説しました。
住宅を傷つけず、工事不要で設置できる手すりですね。
対応できる環境・用途も幅広く、利便性の高い商品です。
ただ安全のためには、場所にあった手すりを正しく設置する事も重要です。
用途や商品選びの相談も兼ね、専門業者を頼ってみても良いですね。
他にも、色々と家庭で使える介護用品を解説してます。
下記記事等は、「立ち上がりの悩み」に対応できる内容かと思います。
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