高齢者や介護が必要な人にとって、悩みの1つとなるのが段差。
家の中だと、玄関やえん側がその代表的な場所ですね。
段差の上り下り、靴の履き替えなど、使いにくさを感じてる方も多いはず。
今回は、そんな時に便利な「介護向けの玄関手すり」を解説。
下記内容について、お話しします。
- 玄関手すりの種類(置くだけ手すり、住宅改修)
- 費用や介護保険、手すりの設置位置
- オススメしたい玄関手すり
床を傷つけず、置くだけの玄関手すりもあります。
屋外で使える物もあるし、住宅改修でも数万円で取り付け可能です。
手すりの設置高さ等もお伝えするので、高齢者に使いやすいよう玄関を工夫してみましょう。
「介護で使える玄関手すり」の種類
手すりが玄関にあれば、「段差の上り下り」「靴の履き替え」等の動作をサポートできます。
玄関内の歩行安定に繋げる事もでき、高齢者や要介護者の事故防止に役立ちます。
介護用に玄関手すりを設置する場合、主に下記2つの選択肢があります。
- 工事不要の「置き型手すり」を設置
- 「住宅改修」で手すりを取り付ける
介護用品の中には、工事不要の「置くだけ手すり」もあります。
また住宅改修で手すりを付ける場合も、介護保険が利用できます。
まずは玄関手すりの種類、介護保険との関係からご説明します。
工事不要の「置くだけ玄関手すり」
介護用品の中には、工事不要の置き型手すりがあります。
借り家で床や壁を傷つけたくない。
手軽に導入したい時には、こちらがオススメですね。
介護用の置き型手すりというと、↑画像の様なタイプが一般的。
置くだけで設置可能なので、導入しやすいタイプです。
「置き型の玄関手すり」もあり、踏み台等で段差に強いのが特徴です。
こんな感じで、玄関用のタイプには「ステップ台付き手すり」が多くあります。
主に段差解消、昇降動作のサポートを目的とした時に便利ですね。
置くだけで手すりとして機能しつつ、段差解消も出来る工夫が施されてます。
「サポートスタンド」も手すり代わりに
ただ玄関にステップ台手すりを配置すると、場所をとってしまいます。
もしステップ台が不要であれば、↑の様な「サポートスタンド」も手すり代わりになります。
サポートスタンドを玄関で使うなら、画像の様な高さがあるタイプがオススメ。
置き型手すりも、その形は様々。
場面や悩みに合った商品を選びましょう。
玄関に「壁手すり」を設置する
住宅改修で手すりを設置する場合、下記タイプの手すりが使えます。
- 支柱式手すり
- あがり框手すり
- 壁用手すり
置き型手すりに比べ、場所やデザインなど、住宅にあった柔軟な選択が可能。
手間がかかる分、安定性が高いのもメリットですね。
それぞれ特徴を見てみましょう。
「支柱式の手すり」「あがり框手すり」
「支柱手すり」は、支柱を数本立て、その間に手すり棒を指す感じのタイプですね。
玄関先の階段などで、よく見かけるタイプですね。
室内の段差に設置する事も可能です。
もう1つの「あがり框手すり」は、下記の様なタイプ。
玄関用置き型手すりにも、時々見られるデザインですね。
玄関手すりというと、コチラを指す事も多いです。
これらの手すりは床に固定するので、必ずしも壁側に設置する必要はありません。
玄関の作りや家具レイアウトによっても、コチラが使いやすいかもしれません。
壁用の手すり
住宅改修で取り付ける一般的な手すりは、「壁用手すり」ですね。
壁用手すりは、大きく下記種類に分けられます。
- 縦型
- 横型
- L字型
昇降動作や立ち上がりを支える「縦型手すり」、伝い歩きで歩行安定に繋がる「横型手すり」。
そして、縦と横のセットである「L型手すり」ですね。
廊下やお風呂場、トイレなどの屋内でも同様の手すりが使えます。
段差がネックになる玄関では、縦型やL型を設置したいですね。
玄関外の手すり
玄関外に手すりを設置する場合、下記手すりが選択肢に入ります。
- 置き型手すり
- 支柱手すり
工事不要でなら「置き型手すり」、住宅改修なら先述した「支柱手すり」ですね。
置き型手すりにも、屋外に対応したタイプがあります。
屋外対応のタイプは、耐熱・耐水などより耐久性・安全性に優れた手すりとなってます。
玄関先での使用を意識した商品も多く、場面にも即してるかと思います。
安全性の面では、住宅改修で取り付けるのが間違いないかと。
玄関手すりと介護保険
玄関手すりは、介護保険でのレンタル・住宅改修に対応してます。
工事を伴わない置き型手すりは、福祉用具貸与の「手すり」に該当。
原則1割(所得に応じ最大3割)負担でレンタルが可能です。
手すりの取り付け工事も、介護保険での住宅改修が可能です。
工事の場合、20万円を限度として1割負担となります。
※参考「厚生労働省(福祉用具)」より
利用の際は、まずはケアマネジャー等へ相談して下さい。
玄関手すりの選び方
ここからは、手すりの設置高さや取り付け場所。
玄関手すりの選び方を解説します。
家庭や使用者の状況などを確認し、自分に合った種類を選ぶようにしましょう。
玄関手すりの「取付高さ」と「設置位置」
手すりの高さは、「腕を降ろした時、床から手首までの高さ」が目安とされます。
床から手すりの高さは、75~85cmが一般的ですね。
手すりの設置場所は、種類を問わず段差付近になると思います。
”廊下や玄関内の歩行動線に横型”という形が良いでしょう。
段差を登る時に手すりを握る場合、肩ぐらいの高さが力が入り上りやすいです。
縦型手すりを設置する場合、それを考慮し上部の幅に余裕を持たせると良いでしょう。
「靴の履き替え」を楽にするには?
高齢者や要介護者が難しく感じる動作に、玄関での靴の履き替えもあります。
その際の立位安定でも、手すりが有効です。
ただ座って靴を履き替える場合、玄関の低い床だと立ち上がるのが難しくなります。
その際には、置き型手すりだと高さが合わせやすいかと思います。
肘置き付きで安定性の高い物なら、立ち上がりも楽になります。
玄関手すりの選び方
手すりを選ぶ前に、玄関環境や動作で困る場面を確認してみましょう。
状況や悩みはそれぞれ、家や個人に合った選択を考えて下さい。
ここで、簡単に各玄関手すりの特徴を整理します。
手すりの種類 | メリット |
---|---|
置き型手すり |
|
住宅改修 |
|
置き型手すりは、すぐに使用でき、購入後も高さ調整が可能。
床や壁も傷つけず、費用も比較的安く抑えることが出来ます。
住宅改修は、玄関環境や個人に合わせ柔軟な選択ができます。
業者と相談も出来ますし、家のデザインにマッチした手すりが設置できます。
手間がかかるのがデメリットですが、オシャレにこだわる場合もこちら。
詳しくは後述しますが、数万円~の費用で取り付け可能です。
失敗しにくい内容ですので、取り付けの際はDIYでなく専門業者に頼んだ方が良いかと。
玄関手すりの「住宅改修の費用相場」
手すりを選ぶ際には、その設置費用も気になるもの。
住宅改修で手すり設置した時の費用例を調べたので、紹介します。
- 支柱型手すり:4万円
- 横型手すり1本:1万円
- 縦型手すり+横型手すり(廊下含む):6万円
- 支柱型手すり(玄関外):6万円
手すり設置のみなら、業者に依頼しても費用は10万円以内に収まる形。
シンプルな壁手すりなら、1本1万円位が相場でしょうか。
屋外の階段に支柱手すりを設置するなんて時は、もう少し価格が高くなります。
段差解消でも「式台」を設置する程度ならば、手すり込みでも10万以内に収まる感じですね。
次項で商品紹介もしますので、価格比較して決めて頂けたらと思います。
「置くだけ玄関用手すり」のオススメ商品
販売されてる商品から、「オススメしたい玄関手すり」を紹介します。
組み立てはあるものの、置くだけで使用できる玄関手すりをまとめました。
幅や手すりの種類、ステップ台など、バリエーション重視でご紹介します。
ヤマソロ「両手すり付玄関台」
まずはスタンダードな玄関手すりです。
ステップ台付きなので、高い段差がある時も安心です。
ヤマソロ 両手すり付玄関台
参考価格 ※Amazon | 約12,500円 |
---|---|
サイズ | 幅98×奥行40×高さ88cm ※玄関台は約18cm |
重さ | 約16kg |
その他 |
|
両手すりなので、高齢者にも安定して使える玄関手すり。
上品なデザインなので、オシャレなインテリア感覚で自然に使えますね。
しっかりした作り、安定感を褒める口コミが多くあり、その点でも安心です。
エイ・アイ・エス「サポートスタンド(NSH-01)」
ステップ台は必要なく、「玄関手すりだけ欲しい」ならこちら。
置くだけでOKですし、玄関スペースも広く使えます
エイ・アイ・エス「サポートスタンド(NSH-01)」
参考価格 ※Amazon | 約4,600円 |
---|---|
サイズ | 幅43×奥行39×高さ75cm |
重さ | 約2.3kg(耐荷重50kg) |
その他 |
|
玄関だけでなく、トイレや寝室など様々な場所で使用できます。
台がないので場所を選ばず使え、持ち運びも簡単です。
上記商品は高さのあるハイタイプですが、15cmほど低いロータイプもあります。
屋内の床等、低い所からの立ち上がりにはローが向いてます。
ちなみに玄関に置くと、こんな感じ。
持ち運び簡単なので、足の悪いお客さん用に用意しておくのもオススメ。
手すり付玄関台 120型
続いては、幅が広い片手用手すりです。
手すり位置も変えられ、靴置きスペースに付いてます。
手すり付玄関台 120型
参考価格 ※Amazon | 約17,800円 |
---|---|
サイズ | 幅120×奥行35×高さ89cm 踏み台高さ14cm |
重さ | 約16kg |
その他 |
|
120cmと、かなり幅広い玄関台手すりですね。
手すり位置は、端か中央かで選べます。
幅や中央位置の手すりに惹かれれば、こちらがオススメ。
通路などのスペースを広くとれるのが、「片手すり」のメリットです。
ヤザキ「あがりかまち用 たちあっぷ」
こちらも、玄関用の置き型手すり。
玄関をはじめ、屋内の段差に特化したタイプですね。
ヤザキ「あがりかまち用 たちあっぷ」
※下記は18cm~の段差に対応
参考価格 ※Amazon | 約87,000円 |
---|---|
サイズ | 幅78×奥行56cm 手すり高さ80~85cm ※4~36cmの段差に対応 |
重さ | 約26.4~33.8kg |
その他 |
|
あがりかまち、主に玄関の段差部分に設置する手すりです。
床を傷つけず、置くだけでOKの段差用手すりですね。
商品は、下記要素でタイプが分かれます。
- 手すりの種類(片手・両手)
- 対応するかまち(段差の高さ)
- ステップ台の有無
片手手すりの場合、左右どちらに設置する事も可能。
対応段差は「4~18cm」と「18~36cm」で対応商品が分かれてます。
18cm~に対応してるタイプでは、オプションでステップ台も付けられます。
ステップ台の高さは、「12~18cm」の2cm刻みの4段階で設定可能。
床の傷や工事不要にこだわるならオススメです。
モルテン「ルーツ アウトドア」
こちらは、玄関外などの「屋外で使用できる手すり」。
砂ほこりや熱・紫外線、水による滑りに強いタイプですね。
モルテン「ルーツ アウトドア」
参考価格 ※Amazon | 約58,000円 |
---|---|
サイズ | 幅50×長さ105cm 手すり高さ70、75、80cm |
重さ | 約18.7kg |
その他 |
|
屋外で使える「置くだけ手すり」ですね。
コチラは横手すりですが、ステップ台付きのあがり框手すりもあります。
どうしても使いたいなら、住宅改修の費用見積もりとの比較が良いかと。
「バディーI」も玄関に対応
同メーカーのポール型手すり「バディーI」も、玄関段差に使用できます。
これは「天井~床を突っ張り棒で固定する手すり」です。
オプションのL字型サイドバーを使えば、玄関の上がり框に対応可能。
工事不要で設置できますし、ルーツと連結して使うことも可能です。
価格が高い分、用途も幅広い商品ですね。
詳しくは、下記記事で解説してます。
手すり代わりの「玄関椅子」
玄関での「靴の履き替えが辛い」、「座って靴を履くと立ち上がりが辛い」。
そんな時は、手すりでなく玄関用椅子を使うのも有効です。
例えば下記の様な商品ですね。
アイリスオーヤマ 玄関椅子
参考価格 ※Amazon | 約5,300円 |
---|---|
サイズ | 幅55×奥行29×高さ60cm 座面高さは23.5cm~45.5cm |
重さ | 約5.7kg |
その他 |
|
立ち上がりや靴の履き替えに不安があるなら、コチラもオススメ。
高さがあったり、安定性の高い物を選べば、ちょっとした手すり代わりにもなります。
オシャレなデザインなので、自然な形で玄関に置くことができますね。
⇒介護向け「玄関椅子のおすすめ商品」と「立ちやすい椅子高さ」
身体状況に応じ、安全性の高い物を選ぶようにして下さい。
まとめ
今回は玄関手すりを紹介しました。
段差や靴の履き替えが辛い時、下記の様に様々な選択肢をとることが出来ます。
- 置き型手すり
- 住宅改修(壁用手すり・支柱手すり)
- 玄関用椅子
家の状況や使用したい場面、予算などに応じて選んでみて下さい。
また置き型手すりも、良い物はやはり価格も高くなります。
住宅改修でも数万円~で設置可能なので、興味があれば検討どうでしょう。
また、家の中には他にも「手すり」が必要な場所は沢山あります。
- お風呂場
- トイレ
- ベッドやリビング
これらも段差や立ち上がりの悩みが多く出る場所です。
要介護者や高齢者を抱える家庭では、手すりが必要になる事でしょう。
こちらは別に解説記事を用意してるので、ぜひご参考下さい。
また普段使いの椅子を見直しても、立ち上がりやすくなります。
ちょっとした高座椅子などがあると、床からの立ち上がりも楽になりますよ。
コメント