介護用ベッドの普及により、家庭でもベッド上で食事をする事が可能になってきました。
その際、併せて導入していただきたいのが、ベッドテーブルです。
起き上がりのできない方の自立を促したり、家族の介護負担を減らすのに活躍する事でしょう。
ベッドサイドテーブルがその代表的な物ですが、他にもいくつか種類があります。
その特徴を理解すれば、テーブルの選び方が分かるはず。
ぜひ導入にお役立て下さい。
ベッドテーブルの使用目的
ベッドテーブルは、ベッド上で食事や水分を摂る、好きな作業をしたりといった事に利用できます。
背上げ機能のある介護ベッドが普及し、家庭でもそういった事が可能になってきました。
介護の場においては、食事の為に使用される事が多いですね。
「褥瘡予防の為、ベッドを離れる時間も作る」という考えも有りますが…
ベッドを離れる事が難しい方もいるのも、また事実です。
介護用ベッドテーブルを使用すれば、付き添いの手間も省け、無理なく安全に食事が摂れます。
特に家族介護においては、介護者の負担軽減は重要になってきます。
ベッドテーブルの機能と使い方
ベッドテーブルには、主に下記のような種類があります。
- ベッドに差し込み使用するタイプ
- ベッド柵に固定し利用するタイプ
実際にベッドテーブルを見てみましょう。
こちらはベッドサイドテーブルと言われ、よく使用されるオーソドックスなタイプです。
足元にはキャスターが付いており、ベッド脇から差し込む形で使用します。
テーブルの高さは多くの場合、押しボタン式で高さ調節が可能になっています。
キャスターには、安全性の為にロック機能が付いてます。
またベッドに腰かけたり、車椅子に乗車しながら使えるタイプもあります。
これらはリハビリテーブル等と呼ばれ、利用者の上体を支えられる様デザインされています。
介護用ベッドと併せ使用する
ベッドテーブルの使用目的は、食事が多くなると思いますが…
その際は上体を起こさなければ、上手く嚥下できず危険ですよね。
ベッド上でテーブルを使用し食事するには、介護ベッドの背上げ機能を使用します。
イメージとしてはこの様な感じです。
上体を起こす時には、足側も少し高さをつけておくとずり落ち防止になります。
たまに頭部側しか上がらないベッドもあるので、その際はクッション等で代用可能です。
またベッドの高さを動かす際には、利用者の身体をベッド柵に挟んだりする危険もあります。
- 手足の位置を確認
- 高さ調節の際は、テーブルは差し込まない
ベッドを動かす際には、この様な点に注意しましょう。
ベッドテーブルの種類
ここからは、ベッドテーブルの種類を紹介します。
既述の通り、種類による大きな違いはテーブルの取り付け方にあります。
また安定性や使いやすさといった要素にも注目し、ご覧ください。
オーバーベッドテーブル
オーバーベッドテーブルは、両サイドにキャスター付きの脚がついているタイプです。
両側に脚が付いているので、安定性に優れます。
ベッドの足下の方から差し込まなければならず、ベッド位置には気を付ける必要があります。
- 安定性がある
- 高さ調節がしにくく、ベッドに差し込みにくい
サイドテーブルと比べ、安定性に優れますが使い勝手で劣ります。
差し込みにくいという点に加え、ちょっと高さ調節が手間になります。
…というのも両サイドに脚がある為、片側だけに比べ調節しにくくなります。
ネジで高さ調整する商品が多いですが、押しボタン式で簡単な物もあります。
その場合、ちょっとお値段が高くなってしまいます。
アジャストテーブル
アジャストテーブルは、ベッド柵(サイドレール)に乗せて使用できるタイプです。
ベッドサイズに合わせ、テーブルをスライドして伸ばせるので幅調節も可能です。
- ベッド柵に固定(高さはベッド柵に依存)
- 場所を取らない
使用する際には、ベッド柵にしっかり固定できているか確認しましょう。
使用しない時に場所を取らないのも特徴。
比較的価格が安い方なのもポイントですね。
病院などでよく使用されるベッドテーブルです。
ベッドサイドテーブル
ベッドサイドテーブルとは、テーブルの片側にだけ脚がついているタイプです。
ベッド横から差し込んで利用でき、壁側にベッドがあっても問題ありません。
安価かつ商品種類が豊富な人気商品です。
- 安く種類が豊富
- 使い勝手に優れる
- 他と比べ、安定性で劣る
オーバーベッドテーブルと比べ、ベッドに差し込みやすく、軽くて動かしやすいです。
高さ調整も押しボタン式の物が多く、使い勝手に優れています。
反面、安定性で劣りますが、普段使いには十分耐えられるレベルです。
下記の様な危険な使い方をしなければ平気です。
- 重いものを載せる
- 強く乗りかかったり、上に乗るなど
介護施設などでは、サイドテーブルが良く使用されています。
食事で使用する分には、耐久性も問題ありません。
リハビリテーブル
リハビリテーブルは、テーブル面に身体が入る形となっているデザインの物です。
座位保持テーブルとも呼ばれ、ひじで上体を支えやすい作りとなっています。
ベッド上ではなく、ベッドに腰掛けたり、車イス上で食事を摂るのに適しています。
- ベッドに腰掛けたり、車椅子上で使用
- 上体を支えやすいデザイン
- 高さ調整はネジタイプが主
ベッドから離れて食事に挑戦したい、という時に使用するテーブルです。
車イス上での食事も可能になります。
ベッドから離れる時間を作れれば、ADLの向上にも期待できます。
車イス上での事故として、長時間の座位保持できずに転落という危険もあります。
車イス乗車時の事故リスク、介護負担の軽減にも効果的です。
高さ変更の機会も少ないからか、ネジで高さ調整するタイプがほとんどです。
サイドテーブルで代用できそうな気もしますが、脚に注目。
リハビリテーブルは、両脚があるデザインなので、足下に障害物がありません。
利用者の姿勢等に悪影響が出てしまいますので、起きて利用するならこちらを選びましょう。
オススメのベッドテーブルは?
ここまでのまとめも兼ね、各ベッドテーブルを個人的に評価してみました。
※リハビリテーブルは少し用途が違うので、除外しました
使いやすさ | 安定性 | 価格 | |
オーバーベッドテーブル | △ | ◎ | 〇~△ |
---|---|---|---|
サイドテーブル | ◎ | △ | ◎ |
アジャストテーブル | 〇 | 〇 | ◎ |
サイドテーブルは、私が使い慣れている事もあり評価甘めです。
価格や種類の豊富さ、実用性の高さ、総合的に優秀なベッドテーブルです。
ネックである安定性が実際には気にならなかったのも、評価を高めてます。
とはいっても、オーバーベッドテーブルの安定性には敵いませんが…。
ご家庭で使用される場合、これらは少し場所を取るのが気になるかもしれません。
安全に使用できる環境があるなら、アジャストテーブルに軍配があがるかもしれませんね。
テーブル使用時は挟み込みに注意!
冒頭に少し説明しましたが、ベッドテーブルの使用時は事故の可能性に注意しましょう。
特に気を付けてもらいたいのが、ベッドテーブルの設置と高さ調節時です。
利用者の身体を挟み込んだり、ぶつけたりと事故原因になるので気をつけましょう。
具体的には、以下の様な事に注意して下さい。
- 高さ調節する時は、ベッドとテーブルを離し、物を置かない
- テーブル以外の用途で使用しない
- キャスターはしっかりロック
面倒でも、ベッド・テーブルの高さ変更時は、離して調節しましょう。
挟み込みにつながり非常に危険です。
ベッドの高さ調節や、背・膝上げ機能を使用する時も同様です。

物を置いたままの高さ変更も、物が落ちる危険性があり利用者も介護者も危険です。
テーブルに乗ったり、過度な負担をかけるのも避けましょう。
特に介護者が離れる際は、しっかりロックがかかっているか等、危険がないか確認してから離れるようにして下さい。
事故と聞くと使用が怖くなるかもしれませんが、安全にさえ配慮すれば便利な介護用品です。
ぜひ有効活用してくださいね。
併せて使用したい介護用品
関連商品として、食事やベッドから動けない時に便利な介護用品をご紹介しましょう。
まず食事に関するグッズとして、「介護用の食器」や「食事エプロン」等があります。
これらは、食べこぼしや自力での食事を助けてくれる道具ですね。
「ベッド上でなら自分で食事ができる」という時に便利です。


また体調が悪く動けない時は、入浴も難しい事と思います。
そんな時は、ドライシャンプーを使うと寝たままでも洗髪が可能ですよ。
ボディタオルの様に拭き取りで髪をさっぱりできます。

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