介護の仕事に興味がある、介護士になりたい。
だけど、介護士になるにはどうしたら良いのか?
- 資格は必要?
- 未経験者はどうしたら良い?
- どんな仕事をするの?
こんな疑問にお答えしつつ、介護士になる為の方法をお伝えします。
未経験無資格からでも、介護士になれるので大丈夫です!
「仕事内容」や「必要資格」、「転職活動」まで、じっくり解説します。
これを機に、介護の仕事に興味を持っていただけると幸いです。
当記事はかなり総合的な内容になります。
関連記事も多数あるので、合わせて読み進めて頂くと一層理解が深まると思います。
介護士とは「自立や自分らしい生活を支援する人」
まず初めに、介護士とは何かをご説明します。
介護士は、高齢者など介護を必要とする人の暮らしを支え、自立に向けた支援をします。
介護施設や訪問介護において、身体介助や生活援助をするのが仕事ですね。
介護が必要になっても、その人らしい生活が送れるよう支援します。
下記が3大介護とも呼ばれる、代表的な介助(仕事)内容です。
- 食事
- 排泄(トイレやオムツ交換)
- 入浴
要介護者の能力を引き出しつつ、充実し自立した生活に向け支援をします。
病院での介護をイメージする方もいると思いますが、こちらは看護助手という職種。
介護士と仕事内容は似てますが、治療の為の「看護チームの一員」という位置付けになります。
介護士になるには?
介護士になる方法は、特に難しい事はありません。
無資格未経験からでも、採用を得るチャンスは十分あります。
年齢や性別も問わず採用もあるので、ご安心ください。
介護士の職場と必要資格
介護資格と仕事の関係は、下記の厚生労働省の図が分かりやすいです。
引用元:「厚生労働省(介護に関する入門的研修の概要)」より
介護士の職場は、主に「通所・入居施設」と「訪問介護」に分けられます。
無資格では訪問介護員にはなれないので、ご注意ください。
介護事業所の種類 | 介護士に必要な資格 |
---|---|
介護施設 (老人ホーム、デイサービス等) | 無資格で働ける |
訪問介護 (利用者の自宅に訪問) | 「初任者研修」以上が必須 ※生活援助従事者研修は、生活援助のみ可能 |
介護施設は無資格でも働けますが、訪問介護では「初任者研修」という資格が必要です。
訪問介護はマンツーマンで介護を行うので、相応の能力を求められます。
※ちなみに看護助手は無資格OK

正式には「介護職員初任者研修」という資格で、旧ヘルパー2級相当の資格です。
介護の基本知識、介助技術を学ぶものですね。
年齢や性別は採用に関係ある?
介護士になるには、学歴や年齢による制限はありません。
男性介護士も多く活躍しており、性別を気にする必要もありません。
若い介護士もいますし、50~60代から挑戦されている方も珍しくありません。

短期パートなど働き方も多彩ですので、主婦層の方も多くいらっしゃいます。
実際の現場でも年齢・性別問わず、色々な人が介護士として働いてます。
心配ないので、気兼ねなくチャレンジして下さいね。
「初任者研修取得」と「介護施設への転職」を目指そう
無資格未経験からであれば、まずは介護施設で働く事をオススメします。
他職員と一緒に働けるので、自身が無い方も安心です。
また無資格でも介護士として採用がありますが、初任者研修を持っていた方が有利です。
介護施設で働く場合も、入職後に取得を求められる事がほとんどです。
もしすぐにでも働きたい場合、費用などの資格取得サポートのある職場を狙ってみましょう。
介護系の転職サイトなら、こういった条件でも求人検索できます。
未経験者向けの求人紹介も受けられるので活用しましょう。
介護士の職場と仕事内容
介護士の仕事は、どの職場でも共通する業務が多いです。
ただ選ぶ職場によっては、細かな業務や仕事環境、働き方に違いが出ます。
何故かというと、介護サービスの種類により、対象利用者も違えばサービス内容も異なる為。
下記の様に、仕事内容や働き方に違いが出ます。
- 勤務時間や夜勤の有無
- 対象利用者
- 業務内容
介護士の基本となる仕事を紹介しつつ、各サービスの特徴を説明しますね。
介護士の仕事内容
まずは、介護士の仕事内容を紹介しましょう。
冒頭でも述べましたが…、
介護士の仕事は、介護を必要とする人に日常生活のお手伝いをする事。
特に先ほどお話しした3大介護、「食事・排泄・入浴」ですね。
これらの介助は、どこでも共通する介護士の仕事です。
- 食事を食べる
- トイレに行く、おむつの交換をする
- お風呂に入る
それに伴う着替えや歩行付き添い、お薬のサポートなど、細かく言えば沢山あります。
そして職場により、利用者様の介護度などが異なります。
その為どんな介助が多いか、認知症対応があるかなど…、
利用者対応や業務に違いが出てくるんです。
これらは簡単に聞こえるかもしれませんが…、
誤嚥や転倒など、高齢者は様々な危険や事故リスクを抱えてます。
利用者様の出来る事を活かしつつ、危険に気付く観察力も必要です。
ケア方法の確認や記録
介護士は意外にも、記録や書類作成の仕事も多いんです。
利用者様の状態を観察し、食事や排泄量、日々の様子などの記録も大切な業務です。
これらの生活状況を記録し、情報共有や健康管理に役立てます。
訪問介護では、サービス実施時に介護伝票を作成したりもします
また個人に合った適切なケア方法を考えるのも、介護士の重要な仕事です。
- オムツ使用や交換回数は適切か
- 入浴方法は安全か
- 食事や水分の摂取状況はどうか
- 声かけなどの対応は適切か
ケアカンファや会議など、これらを情報共有し、検討する場もあります。
余暇活動やコミュニケーション
レクリエーションや行事イベント等、余暇の提供も仕事です。
日常的なレクは難しくとも、行事イベントは行うという施設も多いです。
また利用者様とのコミュニケーションも大切な仕事です。
特に施設においては、介護士は最も身近な存在。
利用者は、不安や悩みなど様々な感情を抱えています。
ここで得た情報を活かし、解決していく事も、利用者様のケアに必要になります。
介護サービスでみる仕事の違い
それでは、介護施設やサービスの種類の説明に移ります。
介護士の職場は、施設か訪問かという話をしましたが…、
もう少し細かく分ける事が出来ます。
- 入居施設
- 通所施設
- 訪問介護
介護施設で働く場合、「入居」か「通所」かで仕事の感覚が違います。
入居施設は、24時間体制なので夜勤もあります。
施設により受け入れ可能な利用者も違い、介護度や身体介護量も違います。
通所施設は、日中を中心とした通いの施設です。
デイサービスやデイケア等、レクやリハビリに特化しています。
グループホーム | 小規模で認知症に対応 |
---|---|
特別養護老人ホーム | 介護度3以上の方が入居 |
デイサービス | 主に日中のみ、レクリエーション重視 |
有料老人ホーム | 主に民間が運営、自立~要介護の方まで様々 |
一緒に働く他職種や、施設の設備など、細かな点も違います。
⇒介護施設にある入浴設備の種類を解説
それでは、施設やサービスごとに特徴を見ていきましょう。
グループホームの特徴や仕事
グループホームとは、認知症の方に向けた小規模施設です。
認知症の方が安心して暮らせるよう、家の延長を意識した作りになっています。
グループホームの仕事特徴は、職員が料理をする事。
他施設より入居人数も少なめです。

ちなみにグループホームでは、利用者最大9人の1グループで生活します。
施設全体では、2グループまでと決まってます
他には、特養などでも見られる作りですね。
⇒ユニット型介護施設とは?ユニットケアのメリットや問題点を解説
特別養護老人ホームの特徴や仕事
特別養護老人ホームとは、介護度の高い方が利用される施設です。
※基本的に介護度3以上
身体介助量や健康リスクの高い方が多く、施設設備や他職種も充実しています。

介助スキルを磨くにはうってつけですね。
経験上、基本に忠実なケアを行う施設が多く、勉強になります。
男性が多い傾向にあるので、男性介護士にも働きやすいでしょう。
デイサービスやデイケアの特徴
通所施設には、デイサービスやデイケアがあります。
介護が必要でも、家での生活を続けられるサービスですね。
通いという事もあり、送迎業務なんかもあります。
デイサービスでは、レクリエーションなどの余暇活動。
デイケアは、リハビリに特化したサービスが提供されます。

主に日中のみの業務ですが、一部では夜間対応のお泊りデイもあります。
夜勤をしたくない方や、不規則な勤務を避けたい方にオススメ。
訪問介護の特徴
訪問介護では、利用者の自宅に伺い介護サービスを提供します。
こちらも基本的には日中のみ対応ですが、夜間対応の事業所もあります。
訪問介護と言っても、実は下記の様に色々種類があるんです。
- 訪問入浴
- 24時間の定期巡回
- 夜間のみ対応
働き方も色々あって、雇用契約をせず仕事の紹介を受ける「登録ヘルパー」というモノも。
詳しくは、下記で解説しています。

他の介護施設や働き方
他の介護施設としては、有料老人ホームやサポート付き高齢者向け住宅などがあります。
有料老人ホームは、主に民間企業が運営する施設。
自立度の高い人向け、介護度の高い人向けなど、利用対象者も幅広いです。
サポート付き高齢者向け住宅も、入居施設です。
生活援助が中心ですが、訪問介護事業所やデイサービスが併設され、職員が兼務する事が多いですね。
「介護現場や業界をもっと知りたい」という方には、こちらの本がお勧め。
介護サービスの仕組み、仕事など、幅広い内容を読みやすく解説してます。
また正社員と非常勤で、求められる勤務条件は異なります。
勤務時間以外にも、シフトや業務範囲に違いもあるので注意しましょう。

介護士に向けた転職活動のコツ
介護士になる事は難しくありませんが、転職活動ではいくつか注意点があります。
介護は採用の敷居が低い分、職員不足に悩む職場も多くあります。
そういった職場は、やはり働きにくい傾向があります。
採用を得やすい反面、こちらで上手く職場を見定める必要があるのです。
求人の探し方や面接での注意事項を説明します。
求人は転職サイトで探す
介護業界も、転職活動の主流は転職サイトです。
介護職に特化したサービスがあるので、使用をお勧めします。
⇒介護転職サイトの使い方を解説!探せる職種や非公開求人とは?
介護向けの転職サイトでは、希望条件での求人検索のほか、転職相談サービスもあります。
内部情報を多く持つアドバイザーもいますので、活用しましょう。
給料や職場の雰囲気など、些細な事でも聞いてOKです。
職員の定着率を尋ねてみるのも有効です。
求人の質や定着率重視の「マイナビ介護職 」もオススメですね。
各サービスの特徴などは、下記記事を参考下さい。

アドバイザーとの連絡が嫌なら、連絡が任意なサービスもあります。
正社員以外の働き方も知っておこう
介護士不足はご存知かと思いますが、職員がいない職場は残業が多いです。
勤務時間も不定期なので、身体の負担が辛くなる事も…。
介護の仕事は好きだけど、そうした環境が嫌で辞めていく職員もいます。
そこで自分の生活やペースを守る働き方として、介護派遣やパートがあります。
※正社員は全時間帯のシフトに対応できる必要がある
- 日勤のみで働く
- 短時間勤務
- 自分のペースで夜勤専従で稼ぐ
この様な働き方も選べます。
近年は、介護派遣やパート職員の時給も高めです。
無理して身体を壊すなら、正社員にこだわる事もないと思いますよ。
介護の職場には、人手不足による負の連鎖がある職場があります。
求人が頻繁に出てないか、職場の雰囲気はどうかなど、十分に注意を払いましょう。
不安になったかもしれませんが、きちんと雇用改善に努力する会社もありますよ。
良い職場もちゃんとあるので、ご安心ください。

介護の面接内容と採用のコツ
採用の敷居が低いといっても、面接での振る舞いは重要です。
採用に慎重な施設もあるので、信頼を得られる様にマナーを確認しましょう。
特にレベルの高い志望動機は必要ありませんが、人柄を見られます。
自分が大事な利用者を任せられる存在か、よく考え臨みましょう。
未経験者が採用の可能性を高めるには、初任者研修の取得が有効。
「仕事の為に資格を取った」という姿勢は評価されます。
介護職の面接は、施設(職場)見学も兼ねていることが大半です。
内定だけにこだわらず、きちんと職場を見定めるようにしましょう。
- 職員の働きぶり
- 施設内の汚れや雰囲気
- 給料や勤務内容の説明
ちなみに初任者研修でも、施設見学を行わせてくれるスクールがあります。
施設で1日職場体験が出来るので、興味があれば試してみると良いですよ。
介護士からのステップアップも考えよう
介護士として経験を積むと、色々なステップアップが可能です。
まずは、主要となる介護資格を見てみましょう。
下に行くほど評価が高い資格です。
- 初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
このうち認定介護福祉士は、まだ新しく取得者も極わずか。
国家資格でもある介護福祉士が、実質1つのゴールと言えますね。
給与評価も1番高い資格です。
実は介護福祉士からも、色々なステップアップ方法があります。
介護福祉士として実務経験5年を積むと、下記の様な職種にもなれます。
- ケアマネージャー
- 介護講師
介護士の関連職種として、他にも「福祉用具専門員」などもあります。
※利用者にあった福祉用具の提案などをする
この様に介護士としても、それ以外の職種としても、色々な道があります。
自分がなりたい理想像を今から考えておくと良いですね、
こんな介護士を目指そう
最後に介護士になる心構えとして、介護士に大切なことを考えてみましょう。
利用者の数だけ、考えや生活スタイルがある為、介護は絶対的な正解のない仕事です。
そして自分の考えが凝り固まるほど、苦しくなる仕事でもあります。
またレクや身体介護、認知症対応など…
介護士により得意分野が異なり、個性が出るのも面白いところ。
異業種での経験を活かし、色々な提案や発想が出来る方もいます。
自分なりの介護士の在り方を、追及してみましょう。
…といっても、私は介護士になった当初は自分の事で精一杯でした。
やりがいや楽しさが見えてくるのは、どの仕事でも時間がかかります。
もし迷いがあれば、下記記事もご覧になって頂ければと思います。

介護の仕事は、経験を積んだだけ、見える景色が変わってきますよ。
考えて仕事ができるようになると、また面白さややりがいが見えてくる仕事です。
ぜひこの機会に介護士を目指してみて下さいね。
最後に
今回は「介護士になるには?」という事を、総合的にお話ししました。
長くなりましたが、お付き合いありがとうございます。
強いて言えば、初任者研修が必要という事ですね。
これから介護士を目指すという方には、どんな職場や介護サービスがあるかに注目して欲しいですね。
色々経験しましたが、結構違いは大きいですよ。
仕事を知り、自分の適性や希望を考えると、ミスマッチも減らす事が出来ます。
初任者研修のスクールでも、そういった就職サポートがあったりもします。
同じ悩みを持った仲間にも出会えると思いますよ。

コメント