介護職で働きたいけど、正社員かパートで迷っている。
そんな方の為、介護職における正社員とパートの違いを詳しく解説します。
- 正社員とパートのシフトや雇用条件の違い
- 仕事内容の違い
- 正社員とパートならどっちが得か?
私も介護職で働いており、正社員を経験した後にパートとして働いてます。
主な違いは、「勤務シフト」や「賞与の有無」です。
またパートでも正社員に近い待遇となる事も増え、大きな差のない職場も出てきてます。
それぞれのメリット・デメリット、どちらが良いかまで、実体験を含めて解説します。
介護職の正社員とパートの違い
それでは介護職における正社員とパートの違いを解説します。
現場で両方を体験した身としては、主な違いは下記。
- 勤務時間や出勤シフト
- ボーナスの有無
- 仕事内容
まずは基本的な事から確認してみましょう。
今回は、「施設介護士」の例を中心に紹介します。
シフトや雇用条件の違い
まず介護職における正社員とパートでは、求められる働き方が違います。
特に正社員となると、「早番」や「遅番」など全ての時間帯で働ける事が求められます。
パート社員の場合、自分で条件設定が可能です。
正社員の雇用条件
下記は、正社員介護職の標準的な働き方です。
- 月休9日
- 1日8時間勤務(+休憩1時間)
- 夜勤回数は月4~6回
施設介護士の正社員は、フルタイムで出勤し夜勤含む全シフトに入れる事が条件。
これは必ずしもではなく、日勤のみでも「フルタイムならOK」。
「夜勤を少なくする」等、ある程度の希望は通る可能性もあります。
無資格でも採用はありますが、職場によっては「初任者研修」の取得が求められます。
パート社員の雇用条件
介護では、パート社員の勤務条件は特に決まってません。
下記の様な、自由な働き方が可能です。
- 全シフト対応出勤するが、休日数を多めにとる。
- 日勤のみ、平日のみ等で働く
- 午前中だけの短時間で働く
自由といっても、採用を得るにはある程度職場の需要も意識する必要があります。
介護施設で多いのは、「日勤のみ」「平日のみ」という方。
可能であれば、「土日」「早番・遅番」に対応できると採用を得やすくなります。
正社員希望でも、「資格取得までの間はパート扱い」となるケースもあります。
福利厚生やボーナスの違い
福利厚生に関しては、最近はパート社員も充実してきてます。
私もパート社員ですが、年金や保険は正社員と変わりないです。
⇒介護パートで働いた感想を紹介
ただボーナスは正社員の方が優遇されます。
「パート社員には出ない」、あるいは「ボーナス額が少ない」のが一般的ですね。
仕事内容の違い
仕事内容は、基本的に正社員もパートも同じです。
下記の様な基本業務は、どちらも変わりなく行います。
- 利用者の介助
- 介護記録の作成
- リネン交換など
ただし、パートは出勤シフトを制限する事が可能です。
夜勤や遅番をしない事も可能ですが、出勤したら基本業務は同じという形ですね。
正社員ならではの仕事内容
明確な決まりはないですが、下記の様な事は正社員が率先して行います。
- リーダーなどの役職
- 会議などへの参加
- 委員会や係活動
詳細は職場で異なりますが、「利用者に関する日常業務以外の事」ですね。
役職はもちろん、委員会や居室担当等の活動は正社員が中心となる事が多いです。
正社員の方が優遇される分、求められる役割・積極性も多くなります。
介護現場の仕事内容は、専門的業務とそれ以外の補助業務に分ける事が出来ます。
専門的な業務とは、食事や排泄、移乗などの直接的な介助の事。
職場ルールによりますが、身体介助は介護資格の保有者しか行えないとする事もあります。
⇒介護職員初任者研修とは
パート社員なら介護補助中心でもOK
それ以外の仕事とは、下記の様なモノです。
- お茶の準備や食事の配膳
- シーツ交換、清掃業務
- 入浴準備や衣類整理
これらは介護補助業務とも呼ばれ、無資格でも行える仕事です。
パート社員の場合、介護補助を主とする「介護助手」として働く事も可能です。
また短時間パートの方には、食事介助や入浴介助を専門とする人もいます。
あまり主流ではないですが、こうした働き方も存在します。
正社員と比べ、パート社員は「時間や仕事内容をある程度選べる」のが特徴。
介護職で正社員になるメリット・デメリット
介護職で正社員の特徴は、下記です。
- ボーナス等の収入が多い
- 人手不足で疲れる
- 正社員として雇用を得やすい
メイン戦力として大変な思いはするが、安定性や収入に優れる形ですね。
介護業界は人手不足ですので、正社員を目指すなら「より慎重な職場選び」が必要です。
【メリット】正社員はボーナスに期待できる
メリットから語ると、ボーナスが貰えるので収入が多い事ですね。
年間で50万円程度のボーナスは見込めるので、この差は大きいです。
夜勤回数が多い職場であれば、さらに収入アップとなります。
ただし、介護職は基本給が低い事が多く、普段の給料は各種手当で底上げされる特徴があります。
パート社員との違いは、ボーナスの有無程度である事もよくあります。
介護職で正社員のメリットを受けるには、ボーナス額を重視した転職活動が大切です。
「雇用」「キャリアアップ」のチャンスも多い
また介護は他業界より、正社員として雇用を得やすいのも特徴。
無資格未経験でも、すぐに正社員として雇用を得る事が可能です。
また「日勤のみのパートは沢山いるけど、その他時間は職員がいない」という職場も多いです。
介護職では「非常勤より正社員需要の方が高い」一面もあり、隠れたメリットですね。
その上の管理職、施設長などとキャリアアップも可能です。
【デメリット】人手不足で疲れやすい
正社員のデメリットは、人手不足の悪影響を受けやすく、仕事時間が不定期になりやすい事。
介護での正社員は、早番や遅番、夜勤など様々なシフトに対応する必要があります。
その為人手不足になると、残業や早出。
休日出勤などを優先的に引き受ける事になります。
…という事は、「日勤帯の職員は多いのに夜間は職員が少ない」事も珍しくありません。
人手が少なく忙しい遅番、夜勤ばかりで疲れるなんて事もよくあります。
転職活動の際は、「正社員の多い職場」が理想ですね。
正社員でも「不定期なシフト」を避けられる?
正社員でも、柔軟な働き方が認められる職場もあります。
- 日勤のみのフルタイム
- 夜勤回数は〇回まで
- 土日の出勤は避けたい
例えば、デイサービス等の通所介護が該当します。
入居施設の場合、管理者の裁量次第です。
「夜勤で稼ぎたい」という職員もいますし、夜勤を少なくする位であれば可能かと。
介護パートで働くメリット・デメリット
介護パートで働く場合の特徴は、下記。
- 生活スタイルに合わせた働き方が可能
- 資格や経験を求められにくい
- ボーナスに期待できない
メリット、自分の都合優先で負担少なく働けること。
さらに職員確保に向け、パート社員の待遇改善も進んでいます。
正社員には劣るモノの、収入も悪くありません。
【メリット】柔軟な働き方が出来る
介護パートのメリットは、生活スタイルに合わせた柔軟な働き方が可能な事。
日中のみや短時間など、自分に合った時間で働く事が出来ます。
その為、介護職特有の不定期なシフトも回避できるメリットがあります。
正社員と比べ、資格や経験を求められにくく、仕事に自信のない方も安心です。
- 日中の短時間のみで、入浴や食事介助を中心に働く
- 自信がつくまでは、補助業務を中心に働く
- 遅番や夜勤を避けたい
多くの職場では、こうした働き方も認められています。
また近年はパート社員の待遇改善が進みつつあり、福利厚生も充実してます。
先述のように、収入面はボーナス差ぐらいとする職場も増えてます。
人手不足なので条件も通りやすいですが、条件が多いほど需要が少なくなる点には注意。
【デメリット】ボーナスに期待できない
介護パートのデメリットは、先述の様にボーナスに期待できない事です。
非常勤で収入に期待するには、やはり夜勤回数がモノを言います。
そのつもりがないならば、時給の良い職場を意識して選ぶ必要があります。
また正社員とパートの差は無くなりつつありますが、それが仕事面にも出てる職場があります。
人がいないからと、夜勤や主任を任される事も無きにしも非ずです。
負担少なくコスパ良く働いてたはずが、こうなればその真逆です。
ただこれは、パートであれば断れる話ではあります。
周りに良い顔をしすぎず、きちんと線引きをして断る意識も大切だという事ですね。
介護職は正社員とパートどっちが得?
介護職で働くにあたり、正社員とパートで困ってる方もいると思います。
結論から言うと、どちらでも問題ないです。
パートから正社員にもなれるし、その逆も可能です。
正社員とパートの主な違いは「ボーナス」
私個人の話ですが、介護職で正社員として働き、現在はパート社員として働いてます。
記述の通り、デメリットはボーナス差ぐらいしか感じてません。
出勤日数や夜勤を減らした分収入は落ちましたが、パートだからと減ったワケではないですね。
パート勤務でも正社員扱い?
また「パート社員の待遇改善」の動きがあると話しました。
それには、下記の様な内容があります。
- 日勤のみでもフルタイムなら正社員
- 規定時間出勤すれば、準正社員扱い
- 福利厚生等の充実
パート社員的な働き方でも、正社員に近い扱いを受けられる様になってきました。
先の話でも差はボーナスぐらいでしたし、正社員とパートの差も埋まりつつあると感じてます。
全ての職場でではありませんが、再現性は割とあります。
正社員で働くなら「入居の介護施設」
もう1つお伝えしたいのが、正社員で働くなら「入居介護施設」がオススメという事。
正社員のメリットはボーナスですが、事業所により賞与支給率に違いがあります。
介護職員として働こうと思った時、職場は主に下記3種類。
- 入居施設(老人ホームなど)
- 通所施設(デイサービスなど)
- 訪問介護事業所
「施設と訪問はどっちが良いか」でも扱いましたが、ボーナス支給率が高いのは入居施設。
令和2年度の調査でも、賞与制度ありの入居施設は約90%。
その他2種はそれと比べ、20%低い結果でした。
※参考「介護労働安定センター(令和2年度 介護労働実態調査結果)」
切り替えも可能、「自分の考え」で決めてOK
私としては、「自分の都合や希望で決めて問題ない」という結論です。
収入を求めるなら正社員、働きやすさならパートでOK。
採用後の切り替えも可能ですし、働いてから考え直しても大丈夫です。
管理者に伝えれば、あっさりOKされると思いますよ。
私の体感では、「ボーナスが多い職場」でもない限り、大きな差は生まれにくいです。
そして、それほど多額のボーナスがある職場は多くはありません。
月の手取りでは「どれだけの時間働き、何回夜勤に入ったか」の差にすぎない事がほとんどです。
迷ったら「パート社員」
最初から正社員になると、仕事や出勤日数での期待は高くなります。
人手不足もあり、後から出勤時間を減らすのは時間がかかるおそれがあります。
私が現在パートで働いてるのも、単純に正社員に疲れてしまった為。
職場から正社員を頼まれる形に持っていければ、条件交渉でも有利がトイレます。
介護は職場で負担や雰囲気がだいぶ違うので、まずは職場を見極める事に専念しましょう。
「良い職場」と思える場所が見つかったら、正社員を目指してみてはどうでしょうか。
求人を比較し、より良い職場を見つけよう
介護業界では、待遇や働きやすさなどの職場環境差が大きい現状です。
転職活動の際は、求人を細かく見て比較しましょう。
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自分の考えがまとまったら、調べたり相談に動いてみましょう。
介護業界では「正社員・パート」の他、「派遣」も選択肢に入ります。
下記記事もご覧いただくと、より介護での働き方理解が深まると思います。
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