介護士の募集って多いけど、給料や賞与(ボーナス)が気になる。
他の介護士と給料額を比較したい。
そんな疑問にお答えすべく、「介護士の平均給料額と年収アップ方法」をまとめました。
給料を増やす為の方法、働き方も沢山あるのでご参考下さいね。
介護士の平均給料とその内訳
まずは介護士の平均給料額からお話しします。
介護士の給料は、基本給に「各種手当・賞与」を加え、見ていく事になります。
給料実態をより把握する為、まずその給料内訳からご説明します。
介護士の給料内訳内容
介護士の給料内訳を細かく見ると、下記の様になります。
- 基本給
- 処遇改善手当
- 役職・職務手当
- 夜勤手当
- 資格手当
- 家族手当、通勤手当
- 時間外(残業)手当
これらに賞与を考慮した数字が、今回紹介する内容です。
介護士ならではの要素に、処遇改善手当があります。
これは「介護士の給料アップ」や「働きやすい職場づくり」を促す為に支給されるお金です。
要件を満たした事業所に支給され、事業所ごとの分配方法で職員に支給されます。
資格や経験などキャリアを積むことで、支給額は増える傾向にあります
介護士の平均月給と年収
それでは介護士の平均給料を見ていきます。
下記は、介護士の「月の平均給与額(基本給+手当+賞与等)」です。
介護士の平均給与額と内訳(月給・常勤)
参考:厚生労働省(平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果) より一部キャプチャ
賞与を考慮すると、常勤の月給はH30年度で平均30万円を超えました。
「非常勤・時給」で見た場合、同調査では時給1,110円です。
低賃金のイメージが強い介護士ですが、その給料は事実年々アップしてます。
総額はもちろん、基本給や各種手当など総合的に増えていますね。
後述する給料アップ方法にも関わる要素です
所定内賃金でみる平均月収
別の調査で、賞与などを除いた「所定内賃金(月給)」のデータもあります。
令和元年度では、介護施設の職員が平均月給「212,455円」。
訪問介護職員が平均月給「212,281円」でした。
施設職員の平均時給は「約1,000円」、訪問介護は「約1,300円」
※参考:介護労働安定センター(令和元年度 介護労働実態調査結果について)より
サービス提供責任者の場合は、平均「月給246,373円」。
同じ介護職員でも、役職者の方が収入は総じて高くなります。
決して高給取りではないですが、仕事も得やすい。
また仕事を失うリスクも少ないので、安定した職業とも見れます。
賞与(ボーナス)の現状
令和元年度の介護労働安定センターの調査では、「賞与がある」と答えた介護職員は、正社員が71.9%、
非常勤では38%でした。
賞与の支給の有無を事業形態で見ると、下記の順になります。
※令和元年度
- 入所施設(特養などの入居施設)
- 通所施設(デイサービスなどの通いの施設)
- 訪問介護事業所
賞与の有無で見ると、特に入所施設が優れています。
正社員で約90%、非常勤も約50%が「賞与の支給がある」と答えています。
私も色々と職場を回りましたが、賞与がある所の方が多いですね。小さすぎる法人でもない限り、あると思って良いかと。
介護士の平均賞与(ボーナス)額
同調査では、介護職員全体の平均賞与額は「541,988円」でした。
介護施設等で働く他職種等も含めると、平均は「581,448円」になります。
また介護職内で区別すると、一般介護士より「サービス提供責任者」や「生活相談員」などの方が支給額が多くなり、最も高いのが介護支援専門員の「680,934円」でした。
確認の際は、「賞与」と「処遇改善手当」を分けてきちんと確認しましょう。
介護士の年収アップ方法
続いて介護士が給料アップを狙う方法を紹介します。
長く介護士をしてますが、経験では下記の方法が効果的です
- 資格を取る(勤続年数を増やす)
- 転職する
- 役職に就く
- 夜勤を増やす
基本的には各種手当アップ狙いで、スキルや評価を高めていく形ですね。
順を追って、具体的にお話ししましょう。
資格手当を増やす方法
介護士が資格手当で給料アップを狙うなら、下記の資格を取得しましょう。
- 初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
これらはどの職場でも給料アップになる資格です。
資格手当だけでなく、賞与や処遇改善に影響する事も多いです。
実際にどの程度の違いがあるか見てみましょう。
保有資格で見る介護士給料
参考:厚生労働省(平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果) より一部キャプチャ
給料額に注目すると、国家資格である介護福祉士が特に優秀。
資料を見ると、介護福祉士の月給は賞与等込みで「313,920円」です。
勤続年数の差もありますが、資格なしとでは5万円ほどの差があります。


介護資格は、実務経験に応じ「初任者」「実務者」「介護福祉士」と順に取得するのが定石。
介護福祉士は1つの到達点と言える資格ですね。
他には、ケアマネや社会福祉士も介護士として働く場合にも手当が付くケースが多いです。
また喀痰吸引等研修やレクリエーション介護士等、内容特化した資格もあります。
勤続年数は給料に影響する?
勤続年数で介護士の給料はどれぐらい増えるでしょうか。
結論から言うと、給料ベースで見るなら、勤続年数はあまり気にする必要はないです。
こんなデータがあります。
『勤続年数で見る介護士の月給』
参考:厚生労働省(平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果) より一部キャプチャ
月給で見ると1年で1,000円程度、総合すると2~3,000円程度という感じです。
ただしこれは、賞与や各種手当も含めたデータです。
勤続中の資格取得等も考慮すると、もうちょっと低くなるでしょうか?
基本給への加算で無く、昇給手当という形になる事も多いです
勤続年数より実務経験が大事?
話がそれますが…、
処遇改善の加算要件の1つに、「経験や仕事に応じ、昇給の基準を定める」という内容があります。
能力評価による昇給は、「キャリアパス手当」等とも呼ばれます。
勤続年数は給料にあまり関係ないと言いましたが…、
その理由は、中途採用者の場合でも経験者として給料評価を受けられる為です。
※給料ルールの定まった職場を選ぶ必要はある
介護士としての「実務経験年数」の方が評価対象になる事が多いですね。
※その場合、実務能力も重要です
また採用率の高さもあり、転職回数があってもあまり不利になりません。

ただし短期間かつ無計画に転職を繰り返すのは、あまり褒められたモノではありません。
失敗してもOKですが、ご自身の目指すプランに沿って計画的に行っていきましょう。
役職など介護職としてステップアップする
介護職としてのステップアップで収入を伸ばす方法もあります。
より収入の多い「生活相談員」「ケアマネ」は、介護士経験から目指せる資格です。特に、サービス提供責任者は、実務者研修取得で要件を満たせます。
また介護士としてもリーダー等の役職から上を目指し、役職手当に期待する方法もあります。
フロア(ユニット)リーダーで、大体「月10,000~1,5000円」程度ですね。
ただ多くの場合、今までの仕事はそのままにリーダー業務が加わります。
業務負担は増えるので、その点は上手く立ち回る必要がありますね。

それでも介護士を続けるなら、1度くらいは経験しておくべきでしょう。
嫌なら途中で降りてOKです
役職ポストが埋まってないオープニング施設なんかが狙いやすいですね。
自信があればいかがでしょう?

夜勤の回数を増やす
介護士の夜勤手当は、1回につき「7,000~10,000円」ぐらいが目安です。
分かりやすく給料が増えるので、夜勤に積極的になるのも手ですね。
ただ夜勤手当は、施設により額にばらつきがあります。
保有資格で手当てに差をつける職場もあります。

また手当目当てで夜勤に入りたい職員も多いので、あまり回数をこなせない事も。
…なので稼ぐことに特化するなら、夜勤専従で働くのも手ですね。
夜勤のみなので生活リズムを作りやすく、効率的に稼ぐ事が出来ます。
介護士として自信が付いたらチャレンジしてはいかがでしょうか。

転職で年収アップを狙う
介護士が転職で年収アップを狙う際のポイントをお話しします。
基本給や賞与はもちろん、ここまで述べてきた手当にも注目しましょう。
また処遇改善を給与総額に含めず表記する職場もあります。
給与表記が低くても、意外と収入が良くなるケースもあります。
年収だけでなく、内訳や各種手当のチェックも大事ですね
給料について直接聞くのが間違いないですが、面接ではあまりお金の話もしにくいでしょう。
そんな時は、介護職向けの転職サイトを活用しましょう。
コンサルタントが情報を持ってますし、必要なら代行して聞いてくれます。
非公開求人の紹介が受けられれば、好待遇で働ける職場にも期待できます。

施設種類で給料に違いはある?
施設形態で言うと、特養や有料老人ホームが高めの傾向にあります。
加えて地域により介護報酬も違い、県をまたぐと給与に違いが出る事も。

ボーナスや正社員の収入は入居施設が高めですが、時給だけでみると訪問介護が高めの傾向でした。「働きたい雇用形態で決める」というのも、1つの方法ですね。
また資格取得の費用サポートも増えてきてます。
未経験者などは、こういった職場を狙うのもオススメです。
資格や研修サポートも処遇改善の加算要件の1つなので、良い職場の判断情報になりますね。
最後に
今回は、「介護士の平均給料と年収アップ方法」をお伝えしました。
高給取りではないものの、給料額は徐々に改善されつつあります。
また介護士として給料アップを狙うなら、資格と実務経験がカギとなります。
能力や評価を高め、自分に合った施設や働き方を選ぶ事で、ワークライフバランスを整える事にも繋がります。
記事中では、介護福祉士が1つの到達点とも述べました。
もし既に資格をお持ちなら、他職種も含め、介護職としての総合的なスキルアップも考えましょう。
最後にスキルアップに役立ちそうな関連記事を紹介し、終わります。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
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