介護福祉士を取得すると、平均年収や資格手当はどれぐらい増えるのか解説します。
記事の内容
- 介護福祉士の平均年収と資格手当相場
- 転職で収入アップする為のポイント
- 介護福祉士からさらに年収を増やす方法
今回はこれらの情報を中心に、介護福祉士の年収と資格手当をテーマにお話しします。
私の転職経験などもお話ししますので、参考になれば幸いです。
介護福祉士の年収と資格手当の相場
介護資格のなかで、最も給料への影響が大きいのが介護福祉士です。
初任者研修や実務者研修など、他の主要資格に比べ、大きく給料アップが実感できます。
介護福祉士は国家資格なので、介護資格の中でも評価が高くなります。
介護福祉士とは
- 介護士のエキスパート
- 国家資格
- 実務経験(3年)、あるいは専門学校等を卒業する必要がある
介護福祉士になるには、実務経験や専門的な学習が必須で、誰でも取れる資格ではありません。
国家資格ですので、国家試験にも合格しなくてはなりません。
この様に、介護のプロである事を分かりやすく示した資格なんですね。
自分のスキルの高さの証明になるので、当然お給料にも反映されるというワケです。
また介護福祉士をはじめ、資格取得が直接基本給に影響する事は少ないです。
これらの取得で増えるのは、主に資格手当や処遇改善等の各種手当です。
介護士の給料は、各種手当が大きく割合を占めてます。
介護福祉士は手当アップ効果が大きい為、給料アップに繋がるという仕組みです。
介護福祉士の平均年収
資格取得で給料が増えると言っても、その額は事業所により違います。
介護福祉士の平均年収額を見てみましょう。
下記は、「保有資格別に見た介護士の月収(手当・賞与等込み)」です。
全体 | 平均給料額 (手当・賞与考慮) |
---|---|
介護福祉士 | 313,920円 |
実務者研修 | 288,060円 |
初任者研修 | 285,610円 |
資格なし | 261,600円 |
参考:厚生労働省(平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果)より
12ヵ月分に単純計算すると、介護福祉士の平均年収は350万~400万円程という事になります。
地域差もありますので、もう少し低く見ると実際の数字に近くなると思います。
無資格と比べると、月5万円程の差があります。
介護キャリアパスの1つ下である実務者と比べても、2万円以上の差がありますね。
実際の給料の内訳はどうなっているのか、見てみましょう。
介護福祉士の資格手当相場
続いて、介護福祉士の資格手当相場を見てみます。
平成20年と古いですが、厚生労働省に調査結果がありました。
介護福祉士の資格手当
金額 平均給料額
(手当・賞与考慮)1,000円未満 0.6% 1000円以上 5,000円未満 9.3% 5000円以上 10,000円未満 13.0% 10,000円以上 15,000円未満 10.8% 15,000円以上 20,000円未満 3.4% 20,000円以上 30,000円未満 4.2% 30,000円以上 2.9% 手当なし 42.4% 不明 13.4% 平均額:10,802円
参考:厚生労働省(介護福祉士等現況把握調査の結果について)より
介護福祉士の資格手当は、平均で10,802円。
最も多かったのが、5,000円から10,000円という回答でした。
高い所ですと、資格手当だけで2万円を超える事も。
また介護福祉士取得で「夜勤手当」や「キャリアパス(昇給手当)」が増える職場もあります。
表面的な資格手当以外にも、収入アップ効果が隠れてます。

上記記事でも言ってますが、介護士の給料は細かな手当による影響が大きいです。
転職時の求人確認の際は、資格手当だけでなく総合的にチェックしましょう。
介護福祉士の処遇改善手当
処遇改善手当とは、介護士の給料アップの為に国から事業所に支給されるお金です。
支給要件などは色々あるものの、近年は特に介護福祉士を中心とした経験者を重視し、分配されてます。
分配方法は事業所に任されてますが、他職員との差を把握しにくい部分ではありますが…
ほとんどの場合は、介護福祉士を優先し分配されます。
資格手当や基本給、処遇改善など、事業所により形は違いますが…
介護福祉士を取得する事が、給料アップの大きな近道である事は間違いありません。
介護福祉士が転職で年収アップするポイント
ここまで述べた様に、介護福祉士の取得は年収アップに繋がります。
加えて、介護士は勤続年数より実務経験や資格の評価の方が高い傾向にあります。
よって、転職による収入アップを狙う機会とも言えます。
またケアマネや相談員等、他介護・福祉職としての道も現実的になってきます。
目先の収入だけでなく、具体的なキャリアプランが最終的な収入アップにも繋がる事でしょう。
収入を増やす転職活動のポイント
介護福祉士が転職で年収アップ方法は、他介護士とあまり変わりません。
総合収入が高く、給料内訳が明確な職場を選びましょう。
また介護福祉士の保有者は、その多くがある程度の実務経験がある方でしょう。
中途採用者への評価が高く、その基準が明確である事が望ましいです。
職場選びのポイント
- 中途採用者への評価が高く、給料基準が明確
- 基本給や各種手当が高く、賞与がある
- 処遇改善含め、給料内訳が明確である
介護福祉士は処遇改善の分配率が高くなるので、より一層重視したいですね。
基本的に年収が高い職場は、処遇改善込みの表記です。
年収の低い職場が意外と総合的に優秀…、なんて事もあるので慎重に判断しましょう。
収入アップによる「ワークライフバランス」の実現
介護福祉士による収入アップは、主に各種手当によるものです。
またそれは必ずしも資格手当や処遇改善手当とは限りません。
例えば夜勤手当を増やす施設もあり、どう反映させるかは職場により異なります。
施設の種類や働き方など、自分のスタイルに合った職場を選びましょう。
手当の詳細を把握する事で、より収入アップやワークライフバランスに期待できます。
- 夜勤手当の多い職場で夜勤専従で働く
- 増えた収入で夜勤回数を減らしたい
ちなみに給料や処遇改善の取得率を見ると、特養や老健が高い傾向。
※参考「厚生労働省(平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果)」
「介護労働安定センター(令和元年度 介護労働実態調査結果)
転職サイトで非公開求人を狙う
介護士の求人は、各種手当込みで総合的に判断しなくてはなりません。
…が、求人情報ではなかなかその全てが把握できません。
面接の場で根掘り葉掘り聞くのも、現実的ではないでしょう。
そこで活用したいのが、介護系転職サイト。
非公開求人にも期待できるので、利用メリットが多いです。
総合的に使いやすいのは、マイナビ介護職 ですね。
他にもサイト毎に色々な強みを持っています。
下記記事で解説してるので、好みに合ったサービスを見つけて下さい。

評価の高い介護福祉士は、特に非公開求人に強い資格ですね
職種や役職によるステップアップも狙える
続いて、介護福祉士からのステップアップを見据えた転職例も紹介します。
リーダー等の役職者としての年収アップ、他介護職として働く等、様々な道があります。
介護福祉士からのステップアップ
- リーダー等の役職、管理者になる
- ケアマネ取得を目指す(要実務経験5年)
- 相談員を経験する
介護福祉士であれば役職に就ける可能性も高くなります。
将来を見据え、役職手当が高い職場を狙うのも有効です。
相場としては、リーダークラスで月1万円程~といったところ。

またケアマネや相談員などの、相談援助職へのシフトも可能になります。
介護福祉士を持っていれば、相談員として採用を得る事も可能になります。
介護士でも相談員でも、そのまま実務経験を積めばケアマネも取れるようになります。
平均収入だけ見ると、介護職ではケアマネが特に高い傾向にあります。
先を見据えて、非常勤などで実務経験を積む方法もありますね。
学習時間も確保しやすいので、収入を落として充電期間を持つのも賢い方法の1つ。
介護福祉士の転職実例【経験談】
参考になるかは分かりませんが…、私の転職実例を紹介します。
転職前は初任者研修のみ、転職後は介護福祉士保有という形。
それ以外にも条件差はありますが、リアルな情報の1つとしてどうぞ。
ちなみにどちらも常勤、特別養護老人ホームです。
転職前(初任者研修 ユニットリーダー)
- 基本給:17万円/月
- リーダー手当 :10,000円/月 資格手当なし
- 夜勤手当:1回5,000円
- 処遇改善の加算は少ない、残業多くつけ放題
↓
転職後(介護福祉士 一般介護職)
- 基本給17万円/月
- 介護福祉士 資格手当:8,000円/月
- 夜勤手当:1回7,000円
- 処遇改善の加算は多い方(推測)、残業は月5時間程度
前職の方が手当も多く、残業代も沢山出てましたが…。
過去の明細で確認したところ、年収にして40万円程アップしてました。
賞与などの差もあるでしょうが、処遇改善による差が大きかったようです。
残業も減り、忙しいながらも健全さも増してますので、上手く言ったかなという感じです。
介護福祉士という所から話がそれた気もしますが…、
処遇を多く支給される職場で、自分に多く分配してもらうには、やはり介護福祉士です。
まとめ
今回は、介護福祉士の年収と資格手当というテーマでお話ししました。
現状、介護福祉士は「最も給料アップが期待できる資格」と言っても過言ではありません。
記事の要点
- 介護福祉士の平均年収は350万円~400万
- 資格手当相場は月1約万円
- 転職で収入アップするには、各種手当を詳しく把握する事
- 転職サイトの非公開求人にも期待できる
- 役職やケアマネ、社会福祉士等、介護職としてのキャリアプランを明確にする
介護福祉士の年収アップ効果は、各種手当によるものが大きいです。
転職の際は、これをよく見極めるのがコツになりますね。
もしこれから介護福祉士を取るのであれば、下記の記事が参考になると思います。


また経験者という事で即戦力を期待され、働きへの期待ハードルも高くなりがちです。
自身の知識や技術も相応のモノになるよう、スキルアップを図る事で、働きやすさや人事評価に繋がる事でしょう。
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