会社を辞めたけど、次の会社は何だか働きにくい、次の職場が見つからない。
転職に失敗した時、「前の会社を辞めなきゃ良かった」とつい後悔したり…。
1度辞めた会社に再就職することを、出戻り転職と言います。
介護職は人手不足もあり、出戻り社員もそのチャンスも多くあります。
しかし介護で「前の職場の戻りたい」と思っても、少し考えてみるべきです。
当記事では出戻り転職について解説しつつ、その理由をお伝えします。
他の業界でも共通した部分はあるかと思いますので、参考の1つにどうぞ。
出戻り転職のメリット・デメリット
まず「出戻り転職」のメリットとデメリットを確認します。
簡単にですが、以下のようになります。
〇会社への理解があるのでミスマッチしにくい
〇仕事面でも即実力を発揮できる
△以前と同じ待遇とは限らない
×周囲の評価やプレッシャーに悩む事がある
会社や仕事内容について理解があり、ミスマッチが起こりにくく、即戦力として活躍できます。
見知った職員もいるので、再就職時にもリラックスした気持ちで臨めますね。
会社側にもメリットがある様に思えますが、そればかりとも限りません。
出戻りが気軽に出来る雰囲気を許してしまうと、安易に退職する社員も出てきます。
その為、出戻り自体を認めない会社も存在します。
「勝手な人だ」という感情を抱く職員もおり、個人間トラブルも覚悟しなくてはなりません。
出戻り転職は「仕事評価」と「円満退職」が必須
出戻り転職の成立には、「また採用したい人材」という評価を得ている事が大前提です。
お互いを良く知ったうえで、会社側に採用の意思が無ければ成り立ちません。
退職時に「なんとか残って欲しい」と説得を受けるぐらいの評価は必要でしょう。
また退職に至った経緯も重要です。
「こんな会社辞めると」喧嘩別れした場合と、家庭の事情で退職した場合ではどうでしょう?
喧嘩別れした相手をすぐ迎え入れてくれる人は、少数です。
噓も方便と言いますが、どんな事情であれ円満退職の形でなければ、出戻りは難しいです。
「出戻り社員」に対する厳しい意見も…
一度退職し、また戻ってきた「出戻り社員」。
人手が増える事を喜ぶ声も多いでしょうが、そればかりとは限りません。
中には、以下の様な厳しい意見を持つ人もいます。
- 何かあればまた辞めるだろう
- よく分からないので、アテにしにくい
- 勝手なズルい人
こうした否定的意見とも戦わなくてはなりません。
あなたが退職した後も、残った社員は懸命に現場を回してきたはず。
もしあなたがその立場ならどうでしょう?
暖かい言葉ももちろん本心でしょうが、否定的感情も覚悟しなければなりません。
以前の人間関係や環境には期待できない
長年介護士の退職理由の上位となっているのが、「人間関係」。
新しい職場に馴染めず、出戻りを考える方もいるでしょう。
しかし出戻る職場に、以前の様な働きやすさを期待するのは危険です。
見知った職員・環境があるのが「出戻り転職」のメリットですが…。
会社の内部も日々変化しており、仕事内容も含め「違う会社になっていた」という事もあります。
その変化についていけず、後悔して辞めていく出戻り社員も多く見てきました。
退職前に築きあげた評価に加え、再就職後も相応の努力が必要です。
いずれにしても、以前と同じ働きやすさが残っているとは考えない方が賢明です。
出戻り社員は辞めにくい
「もう一度働きたい」、そうは思っても一度は辞めたいと退職した職場です。
また辞めたくなる時や、退職せざるを得ない状況だって出てきます。
前述の通り、出戻り転職は周囲の環境面から「退職したくなるリスクも高い」です。
そんな時、周囲は「振り回された」と以前に増して強く感じるはず。
あなたに「戻ってきて欲しい」と声をあげてくれた職員の立場を悪くする可能性もあります。
私自身は、職場が辛ければ辞めたって良いと考えてますが…
辞めるまでの期間は、やはりやりにくいもの。
辞めたくなる環境の多い介護職では、リスクが高い転職方法です。
介護職なら転職先も豊富ですし、新しい職場探しに注力した方が良いと思います。
「介護職の出戻り転職」は退職リスクが高い
ここまで出戻り転職については、以下の様にお話ししてきました。
出戻り転職のデメリット
- 働きやすさが残っているとは限らない
- 自分への否定的意見を覚悟しなければならない
- 辞める・逃げる時により辛い可能性がある
これらを考えると、総じて退職リスクが高い転職方法です。
職員や利用者などの変化が激しい介護業界では、慣れた環境というメリットも活きにくいです。
よほど待遇が良い等でなければ、メリットを享受する事は難しいでしょう。
出戻り転職が成立し、上手くいくケースも限られてます。
馴染めず辞めていく出戻り社員も多く見てきましたし、人には勧めにくい転職方法ですね。
しかしそれは次に活かすとして、新しい職場探しに注力すべきです。
介護職は「新たな職場探し」に注力しよう
「仕事がない」と藁にもすがる思いで出戻りを選ぶ方もいるでしょうが、介護業界は別です。
事業所の数も多いし、どこも人手不足なので、働ける職場はたくさんあります。
経験者であればなおさらです。
あなたに合った職場は必ずあります。
出戻りしたい気持ちでご覧になった方には、気落ちする事ばかり話してしまったと思います。
しかし、介護業界にも良い職場は沢山あるのでご安心ください。
上記記事でちょっとでも明るい気持ちを取り戻して貰えたら、嬉しく思います。
「もっと良い会社を見つけてやる」ぐらいの勢いで、前向きに動いて下さい。
転職の悩みは人に相談しよう
せっかく転職するのですから、もう一度理想の働き方を考えてみましょう。
人手不足を逆手にとって、前向きに色々挑戦してみるのも良いですよ。
出戻り転職に固執せず、挑戦的な転職をしてみるのも面白いですよ。
「これがやりたい」「こんな職場で働きたい」と、前向きに転職活動に臨みましょう。
もし「同じ失敗はしたくない」「転職活動に行き詰まった」など…
不安や悩みがある時は、相談できる相手を持ちましょう。
転職サイトでは、アドバイザーが一緒になって職場を探してくれます。
内部事情に詳しい方もいるので、自分の悩みや希望を相談してみましょう。
マッチング重視のサービスを紹介しておきます。
出戻り転職して良い時は?
最後に「出戻り転職して良い時」についても触れておきます。
…とは言っても、介護職は選べる職場も多い以上、わざわざ戻る必要もないでしょう。
ただそうしたリスクを考えたうえで、出戻り転職を考えたい方もいると思います。
「会社から出戻りの誘いがあった場合」は、よく考えてからの転職をオススメします。
出戻り転職を検討しても良い「退職理由」
出戻り社員に対しては、「退職理由」により周囲の目線に違いがあります。
下記の様な、やむをえない事情での退職であれば一考の余地はあると思います。
- 家庭の事情(介護や育児等、配偶者の都合など)
- 自分の体調
これら理由による円満退職であれば、出戻りを考えてみても良いでしょう。
「以前〇〇の事情で退職した者ですが、事情が落ち着いた為、また働かせて頂けないでしょうか?」という感じで、話も切り出しやすいかと思います。
志望動機も、実際に働いて魅力を感じていた事を伝えれば説得力も十分です。
事情や評価の分かる管理職もいない可能性があり、2~3年位経つなら諦めるのも手です。
ただ企業側も再雇用するにあたり、「続けられるのか?」という不安はあります。
相手に安心感を与えられる要、退職する程の事情が解決した事をアピールするのも大切です。
まだ完全に解決してない状態であれば、続けられる条件で働く事を心がけましょう。
話がそれますが、介護や妊娠等で「休職」した場合も大丈夫でしょう。
会社から出戻りの誘いがあった時は?
ここまでは自ら希望し、出戻る事を想定した内容でした。
それでは、会社から出戻りの誘いがあった場合はどうでしょうか?
私としては、出戻りするべきではないと考えてます。
理由はここまでに述べた内容と同じです。
戻ってきて欲しいのは一部の管理職のみで、他職員と意見の相違がある場合もあります。
安易に誘いに乗らない方が良いです。
経験上、会社から出戻りの誘いをかけてる時は、職員不足で切羽詰まっている時。
戻っても苦労するケースが多いです。
介護業界には多い事例ですので、注意しましょう。
自分にその気持ちがあれば、もう1度頑張ってみても良いかと思います。
誘ってくるのは、管理職だけとも限りません。
職場の同僚から声がかかる事もあるでしょう。
基本的に、知人や友人の誘いでの転職はお勧めしません。
もし誘いで転職するのであれば、新しい職場。
加え、知人の誘い抜きにしても、職場に魅力を感じた場合に行う事をオススメします。
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