介護職というと、給料など待遇の問題や、忙しく休日が少ないイメージが強い職業です。
介護の仕事に興味はあっても、不安から踏み出せない方もいるのではないでしょうか?
人手不足だからこそ、職員を大切にし定着率アップに取り組む優良企業もあります。
今回は、そんな雇用改善の成功例を紹介。
思わず介護に転職したくなる「ホワイトな職場」を見て頂きたいと思います。
※介護労働安定センター各支部の「雇用管理改善への 取り組み」を参考にさせてもらいました。
介護業界とホワイト企業
ホワイト企業とは「福利厚生が良く離職率が低い」など、入社する事が望ましいとされる企業。
介護業界にも、もちろんホワイトと言える企業は存在します。
- 資格取得サポート
- 休日や残業管理の見直し、雇用制度の見直し
- 介護機器導入による働きやすさ改善
介護業界の人手不足は加速しており、企業間で「職員の取り合い」が発生してます。
「少しでも職員を集め定着させる」のが、どこも共通の課題。
介護業界の問題点を見直し、様々な改善策を打ち出している企業が多くあります。
人手不足ではありますが、それでもしっかりと職員を集め、定着させる介護施設もあります。
何をもってホワイトとするか考える
「給料も休日も多く、仕事も楽」。
そんな介護施設に勤めたいものですが、現実的ではありません。
介護にもそんな会社もあるのでしょうが、見つけ出すのは至難の業。
あなたが「職場に求める1番の条件」は何でしょうか?
譲れない条件や妥協できる事など、自分にとってのホワイト企業像を明確にしましょう。
- 給料が良い
- 休みが多い
- 人間関係が良好
中には働き始めてから分かる事もありますが、ポイントを絞るならこんなところですね。
介護におけるホワイト企業の特徴
介護業界におけるホワイト企業の特徴として、まず注目したいのは職員の多さ。
介護はマンパワーという言葉がありますが、全くもってその通りです。
職員がいないだけで、下記の様な問題が出てきます。
- 仕事が忙しい
- 残業や休日出勤がある
- サービスの質が落ちる
上記はよく介護の仕事で挙げられる問題点。
これらは、職員数がいる事で解決できるものがほとんどです。
まずは職員数が多い環境で働ける事を優先したいですね。
職員の新規採用が多い
経験則ですが、職員の新規雇用が多い施設がホワイト企業のそれに近いです。
- 魅力ある内容で、求人を積極的に出している
- 派遣社員を積極的に活用してる
- 退職者が出た時、新規雇用のスピードが速い
転職活動においては、条件の良い求人をしっかり選ぶ事に注力したいですね。
他と比較して、給料やボーナスが良いか。
公休や特別休暇があったり、魅力的な制度があるかなど…、しっかり比較しましょう。
外から分からない部分も多いですが、ホワイト企業を見分けるポイントとして意識しましょう。
転職サイトだと、マイナビ介護職 が職員の定着率や求人の質にこだわりをみせてます。
また給料に関しては、昇給等のルールがきちんと定められている事が重要になります。
資格取得サポートなど、職員を育てる姿勢も定着率に影響します。
こうした取り組みが処遇改善手当として、施設の評価と職員の給与に反映される事になります。
ブラックな介護企業の避け方も知っておく
ホワイト企業と相反する存在が「ブラック企業」、もちろん介護業界にも存在します。
理想の職場に出会うには、ブラック介護施設の避け方も知っておくべきですね。
悪い職場を確実に避けられれば、理想の職場に出会える可能性もアップします。
求人や面接でも分かる事はあるので、警戒しましょう。
給料や休日など、項目ごとに好例を出していきますね。
「給料額のルール」で不平を減らした介護施設
ホワイト企業は入社が望ましい企業ですから、お給料の良さも判断材料ですよね。
まずは「給料に関する好例」を紹介しましょう。
…と、その前に処遇改善について説明します。
処遇改善について知ろう
処遇改善とは、介護士の給料アップの為に国から支給されるお金です。
処遇改善は介護事業所に支給され、そこから職員に分配されます。
⇒処遇改善とは?
事業所に支給される条件は、簡単に言えば「介護士にとって働きやすい職場」である事。
処遇改善の支給条件例
- 昇給基準を明確に定めている
- 資格取得サポート
- 職場環境の改善
これらをしっかり管理周知し、働きやすい職場ほど、処遇改善が多くもらえるのです。
つまりホワイトな介護事業所ほど、お給料も良いという事ですね。
取り組みを頑張っている施設を給料で助け、定着率アップを促す制度とも言えます。
分配基準は事業所により異なりますが、よく挙げられるのは以下の要素
処遇改善の分配条件例
- 保有資格や役職
- 勤続年数や経験年数
資格取得やスキルアップに励み、長く勤めるほど多く支給されます。
昇給や入職時の給料ルールを明確にした好例
それでは、給料に関する取り組み実例を紹介します。
紹介するのは、昇給と賃金基準を明確化して離職率改善に勤めた例です。
処遇改善の加算要件である、昇給基準。
処遇改善の分配条件も含め、これらは社員に周知するよう促されているのですが…
実際には、定めた内容をしっかり周知できている企業は多くありません。
こちらの例は、細かく給料ルールを作りこみ分かりやすく公開。
社員の不満解消に繋げました。
入職時の賃金判定までルール化し、中途採用者の能力をきちんと評価し反映しています。
「前はどのぐらい貰ってました?」と、大雑把な考えを持つ事業所も多いのです。
給料アップの基準が明確になる事で、職員の成長を促す効果もあります。
職員の満足度も高まり、定着率もアップする好循環を生み出す事に成功していますね。
この取り組みはにより処遇改善の加算要件を満たすので、さらなる給料アップも期待できます。
資格取得の費用負担などのサポート
資格取得や研修など、職員を育てられる企業もホワイトと言えるでしょう。
介護士にとって、資格は分かりやすく自分の評価(給料)を高める方法の1つ。
ここにたどり着くまでには、研修などの費用も馬鹿になりません。
そうした資格取得費用のバックアップをする企業を紹介します。
過去にも紹介した事例ですが、以下の様な施設があります。
資格取得に協力的な事例を用意してみました。
こうした施設では、外部研修への参加など学習の機会が多いのも特徴です。
特に後者の石川県の事例は、「未経験者を介護福祉士まで育てる」という意思が感じ取れます。
研修費用は金額が大きいので、初任者と実務者合わせ10万ぐらい負担してくれる計算ですね。
資格取得意識が高い職場であれば、そうした勤務調整の相談がしやすいですね。
介護福祉士が増えれば施設の評価も高まるし、職員の給与も増えます。
取り組みによって処遇改善の加算要件も満たすので、これまた好循環を生んでいる好例です。
「定着率アップ」で休日数と有給が増えた実例
ホワイトな職場の条件には、しっかり休みが取れる事も欠かせません。
残業や休日出勤が少ないのはもちろん、休日数も多い方が嬉しいですよね。
有給が取りにくい傾向にある介護業界では、その取得率にも注目したいところ。
休日や有休増でークライフバランスを実現
過去記事でも触れましたが、休日や有休面でのアプローチで成功した例を紹介します。
この施設では、元よりワークライフバランスを大事にしてました。
職員とのコミュニケーションで希望調査し、人員配置などに気を配っていった結果、働きやすい環境が出来上がりました。
年間休日123日は、介護施設ではかなり多い方ですね。
残業に関しても、1人当たり月平均0.4時間。
有休は時間単位で取得可能にし、少しでも消化できるよう取り組んでいます。
離職率も大幅に下がり、全国平均の半分以下にまで抑えました。
介護に身を置く身としては、こうしたホワイト企業の話は嬉しい話です。
職員を大事にした地道な取り組みが離職率の低下に繋がり、さらには働きやすい環境に繋がったという、実に良い取り組み例だと思います。
この事例については、下記記事でも詳しく取り扱ってます。
女性の産休や育休、職場復帰の面で職場改善を目指す企業もあります。
下記の記事では、女性の結婚・育児による離職問題を解決した事例を紹介しています。
「設備投資」「マニュアル管理」で働きやすくする
介護士の残業を増やしている原因の1つに、記録業務があります。
毎日の必須業務でありながら、専用の時間が確保しにくいのが原因です。
PCが主流になり、介護ソフトの導入などで作業時間の短縮を図るも、まだ問題を抱えています。
記録業務は残業理由になりがち
- PC台数の不足
- 固定の場所でしか業務が出来ない
- PCや介護ソフトに適応しきれない職員もいる
こんな状況を改善すべく、さらなるICTの導入をする施設もあります。
情報通信技術、介護では記録システムの事。
負担削減の為、記録用ソフトや使用端末の変更などで改善を図っています。
作業効率アップで残業を減らした例
そんな中新しい機器を上手く活用し、残業削減に成功した職場があります。
PCでの記録業務だけでなく、「スマホ」や「タブレット」を導入する施設も出てきています。
しかしスマホが普及したとはいえ、機械操作に苦手意識を持つ職員がいるのも事実。
便利にする為とはいえ、環境を下手に変えると、かえって悪い結果になる事もあります。
上記は、「上手に職員を適応させ、残業時間を減らせた」という成功例ですね。
作業効率を考えた設備投資をしているかも、ホワイト企業を見分けるポイントですね。
介護機器の導入にも注目
介護負担を減らす為、新しい介護機器を導入する施設も増えてきました。
介護機器には様々な種類があり、ケアの質を高め職員負担を減らす為の機械を言います。
- 入眠状況、呼吸などが分かるベッドセンサー
- 排尿予測機器
- 介護ソフト
先の介護ソフトも、介護機器の1つ。
その他には、身体や覚醒状況の分かるベッドセンサー。
排尿の様子を知らせるセンサー等が登場してます。
これらは少しずつ普及してはいますが、まだまだ全ての施設ではとはいきません。
介護機器の活用により、今後より働きやすくなる事に期待したいですね。
ホワイト企業を探すのに役立つ「介護転職サイト」
介護業界においてもホワイト企業は確かに存在します。
分かりやすい判断基準としては、冒頭でお話しした通り「職員数と定着率」ですね。
ここで紹介した職場はいずれも、職員の定着率への意識が高く、行動に移した施設。
さいごに、ホワイト企業を探すのに役立つ介護転職サイトを紹介。
定着率や内部情報にこだわったサービスを紹介します。
マイナビ介護職
マイナビ介護職は、介護に特化した転職サイト。
「職員の定着率が著しく低い医療機関や施設は、原則としてご紹介いたしません」と明言。
求人の質と定着率にこだわりをみせます。
信頼の実績、知名度の高さもあり、介護においても定番の転職サービスですね。
地域や職種・職場種類など、求人数も豊富に揃っています。
レバウェル介護求人
レバウェル介護は、内部情報によるマッチング度の高さがウリ。
正社員・パート等、雇用形態問わず求人を扱っています。
介護派遣にも対応しており、現場の内部情報に強いのが特徴。
専門部署による事業所訪問により、情報を収集しています。
さらには、ネガティブ情報も提供。
利用者が納得して転職できる事を大切にしてます。
さいごに
今回は、「介護業界におけるホワイト企業の取り組み」を紹介しました。
介護業界はブラックばかりという情報も多く、実際そうした施設があるのも事実。
ただ働きやすい職場もありますし、それを知る事で前向きな転職活動に繋がれば幸いです。
また当記事では紹介しきれませんでしたが、仕事が楽な施設種類もあります。
例えば、「特養はキツく、有料老人ホームが比較的楽」といった具合ですね。
あくまで傾向ですが、施設特徴上あながち間違いでもないかと思います。
本記事とは違ったアプローチで、ホワイトな職場の情報が得られると思います。
また別サイト様になりますが、介護業界のホワイト企業を紹介した記事もあります。
具体的な企業を挙げての紹介もあり、こちらも参考になると思います。
転職活動の際は、ご覧になってみて下さい。
⇒ホワイト企業ナビ様:【介護業界のホワイト企業30選】企業の探し方や注意点も解説!
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