「入浴介助がキツイ」というのは、介護職の多くが抱える悩み。
「毎日入浴介助ばかりでしんどい、もう辞めたい」という現職の方。
「介護に興味があるけど、できれば入浴介助は避けたい」と心配な方もいると思います。
今回は「入浴介助なしや入浴介助が楽な職場はある?」というテーマで語ります。
介護職でも「入浴介助ばかり」になりやすい働き方。
入浴介助が大変な職場が存在します。
個人でできる解決策も紹介するので、ぜひ解決の参考になれば幸いです。
介護職が「入浴介助ばかりできつくなる理由」
業務は平等に振り分けられるべきですが、入浴介助ばかりとなる働き方もあります。
早番や日勤は入浴担当にされがちだし、介助量が多く大変な職場も有ります。
早番・日勤は「入浴担当」になりやすい
参考までに、入居施設の入浴スケジュールに下記があります。
- 入浴は日中9:00頃~の午前中がメイン
- 利用者1人につき、週2回行う
これはどこの施設も大体似たような感じになります。
入浴介助のスタートが午前中ですから、早番・日勤の職員が主に担当します。
もし入浴介助ばかりという方は、早番や日勤メインで働いてる方が多い傾向にあります。
遅番も入浴介助に入る事はあり、その施設により入浴担当になりやすいシフトが存在します。
ただ先述のように、早・日がメインになりがちですね。
毎日入浴介助を行っている職員も珍しくありません。
職員不足で入浴介助が終わらない
もう1つに、単純に「入浴介助の量が多い」というのもあります。
利用者数が多いのに、職員が少なく終わらないケースですね。
午前スタートで、午後も終わらず入浴介助なんて事もあると思います。
人数はもちろん、介護度が高く、1回の入浴介助がキツイ人が増えるとしんどいですね。
入浴担当が平等に振られてない
現場では、このあたりの負担も考慮し、各利用者の入浴日を割り振っています。
- 午前中から入浴介助を行ってるが、いつもお昼で終わらない
- 午前と午後で入浴担当者を変更してくれない
- 毎日自分ばかり入浴介助をやらされる
これらに該当するなら、危険サインと思って間違いないです。
現場でよくあるのは、「介助に慣れてる」「早いから」と入浴ばかりになるケース。
稀にですが、「入浴介助を嫌がり、それをシフト作成者に話してる職員」がいる場合も。
辞めて転職する事も検討した方が良い段階ですね。
入浴介助専門の介護職員もいる
例外として、入浴介助専門の職員がいる事もあります。
出勤時間は9:00~13:00が目安で、入浴介助メインで働きます。
あえて入浴介助だけで働く職員ですね。
入浴介助の大変さは管理者側も把握しており、こうした職員を採用したりもします。
負担に悩んでる方にとっては、嬉しい存在ですね。
もしこれから転職するなら、「入浴専門パートがいる職場」を選ぶ選択はアリだと思います。
介護職で「入浴介助なし」の求人はある?
ご覧になってる方には、介護職で「入浴介助なしで働きたい」。
「入浴介助がある仕事は辞めたい」という人も多いでしょう。
難しそうに思えますが、不可能ではありません。
また入浴介助が楽な施設というのもあります。
介護助手として転職する
もし入浴介助をはじめ、身体介助なしで働くなら介護助手もオススメです。
介護助手とは、身体介助以外の業務を行う職員です。
主に下記の様な業務を担当します。
- シーツ交換
- お茶準備や配膳
- 掃除
介護助手は、介護士が専門業務に集中できるようサポートするのが役割。
身体介助を行わず済むので、入浴介助もありません。
排泄介助もないので、オムツ交換なしの職場を探してる人にもオススメ。
「無資格で初めて働く方」、「体力に不安のある方」は考えてみてはどうでしょう?
「入浴介助のみ」を断る事は出来る?
入職の際、「入浴介助のみを断れるか?」で考えると、少し難しいです。
その話になると、やはり「身体介助の可否」で分けられてしまいます。
多くの場合、「身体介助が出来れば、入浴介助もできる」という話になってしまいます。
やむを得ない事情があるなら、入職時に相談すれば大丈夫です。
もし上手く説明が難しければ、介護助手として働けるか相談するのが無難でしょう。
「住宅型施設」や「入浴サービスのない施設」で働く
もう1つは、「入浴サービスが無い施設」。
または「入浴介助が楽な施設」で働く方法です。
例えば、下記施設では入浴介助がない可能性があります。
- サービス付き高齢者向け住宅
- 住宅型有料老人ホーム
- リハビリ特化型デイサービス
まず上記2つの住宅型施設の仕事は、主に「安否確認」や「生活相談」。
介護サービスは、訪問などの外部サービスを使用します。
ただ施設職員が訪問介護員も兼務する事もあり、注意が必要です。
身体介助がある可能性もあるので、転職活動の際には入職前に要確認です。
一般的なデイサービスと違い、入浴介助を行わない職場が多くなります。
私がサ高住で働いてた時は、入浴は施設のデイサービス職員が行ってました。
オムツ交換は多かったですが、入浴介助はあまりなかったですね。
介護度の低い施設は入浴介助が楽
介助があっても、利用者の自立度が高ければ入浴介助も楽になります。
負担を抑えたいなら、要支援者なども幅広く受け入れる施設もオススメです。
逆に自立してる方なら、見守りのみで良い事も多いです。
例えば「介護付き有料老人ホーム」は、要支援~要介護まで様々な方がいます。
特養などに比べ、元気な人が多く、入浴負担は少なめ。
私も経験しましたが、「見守りのみ」の方も多く驚きました。
入浴設備が整ってない施設も多く、しんどい現場も多いので注意が必要です。
【負担軽減】入浴担当を決めてる施設で働く
「入浴介助ばかり」の事態を避けるなら、担当を明確にしてる職場も良いです。
施設により、シフト上で入浴担当の職員を決める事もあります。
そうした職場では、事前に偏りがないよう配慮し、担当者を決定します。
下記条件が前提となりますが、暗黙の了解でやらされる事は減るでしょう。
- 担当者がきちんと負担配慮している
- 負担分散できるだけの職員数がいる
こうした内部事情は、事前に把握しにくいです。
入職時の質問で、「入浴担当はどんな感じでつけてますか?」と聞いてみると良いですね。
ただ入居の介護施設なら、パート職員さんもいる為、日勤帯は職員が多い時間です。
「誰が何をやるか」が明確になってる方が、トラブルは少なくなりますね。
経験則ですが、大型施設の方が人員も多く上手くばらけると思います。
先例と併せ、「介護付き有料老人ホーム」も入浴介助は楽な傾向かと。
夜勤や遅番メインで働く
「入浴介助が無ければ良い」というのであれば、遅番や夜勤メインで働けば大丈夫です。
最も確実なのは、夜勤専従で働く事ですね。
遅番だと、入浴介助がある可能性もあります。
ただ体力的に楽かというと、そうとも言い切れません。
就寝介助が忙しかったり、夜間の長時間は単純に疲れます。
入浴介助がキツイ時の対策方法
今現在「入浴介助ばかりでキツイ」と悩んでるなら、まずは周囲に相談しましょう。
他職員の大変さまで気付ける人は、あまりいません。
自分が辛いと声を挙げる事で、事態が動く事もよくあります。
個人で出来る事もあるので、諦める前に試してみましょう。
周囲に「入浴介助の大変さ」を相談する
今現在辛いのであれば、まずは声をあげて相談してみましょう。
- 入浴介助ばかりでしんどい、回数を減らして欲しい
- 入浴介助が終わらない為、対策を考えてほしい
- 午前と午後で担当者を分けてほしい
こんな感じで、大変で困ってる理由などを伝えて下さい。
相談相手は主任などの直接の上司、またはシフト作成者が良いです。
下記の様な対策を取ってもらえる可能性があります。
- 入浴担当を決め、負担を平等にする
- ヘルプを頼むなど、人員確保
- 入浴日や方法の見直しなどの改善
「入浴介助の担当者」にしか分からない問題も
業務効率の問題や「他に任せられる人がいない」という周囲の事情など…。
入浴介助ばかりでも、改善の可能性が残されてるケースもあります。
こうした内容は、入浴担当者でないと問題に感じられない事も多いです。
やはりまずは、声を出して周囲に伝える事が大切です。
同じように感じてる職員もいるはずなので、一緒になって動いてみましょう。
上司に議題にしてもらえるよう相談しましょう。
入浴に必要な「介護用品」「設備」もチェック
入浴用の介護用品、設備がない為に職員負担が増してる職場も有ります。
特に下記の介護用品は、入浴介助では必須ともいえる品です。
もし心当たりがあれば、購入を依頼してはどうでしょうか?
- 浴槽用の手すり、滑り止めマット
- シャワーキャリー
- 洗身タオル
福祉用品が足りない施設も、意外とあったりします。
「コレがあれば楽なのに」というグッズがないか、他職員と話し合ってみましょう。
「入浴設備がない施設」は危険?
入浴設備がない為に、負担や危険に繋がる事もあります。
例えば、「グループホーム」は家をモチーフとした少人数制の施設です。
その分入浴設備に乏しいことが多く、重度化したり、介護度の高い方が入居される事もあります。
入浴設備ばかりは、簡単に解決とはいかないでしょう。
もし似た環境にあるのなら、辞めて違う職場に転職するのが1番の解決になるかと思います。
大型施設の場合、入浴設備の数がチェックポイントですね。
「無理だ」と思ったら辞めて転職を
先の入浴設備もそうですが、解決が難しいのなら転職も検討すべき。
- 人手がなく、結局は入浴介助ばかり
- 入浴設備がなく、個浴で危険な入浴介助をしている
- 入浴介助が大変な人ばかり、簡単には解決しそうにない
伝えるか否かは別として、「入浴介助が辛いから」は転職動機としておかしくないです。
無理な負担を我慢してまで、仕事を続ける必要はありません。
長く続けられる職場を選んだ方が、心身の健康の為です。
もし転職の際は、先に紹介したような施設を参考に職場を選んでみて下さい。
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さいごに
今回は「介護職の入浴介助負担」をテーマにお話ししました。
「入浴介助が大変」というのは、介護職共通の悩みかと思います。
入浴介助の大変さは、デイサービス職員からもよく耳にします。
入浴介助が好きな職員も一定数いますし、何事も程ほどにが重要ですね。
良い介護をするには、自分が元気でいる事も重要です。
水分補給をしっかりして、無理せずに行きましょう。
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