介護施設の入浴回数はどれぐらい?自由にお風呂に入れるの?

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介護施設の入浴回数家族の介護

老人ホームなど、介護施設に入居すると何回ぐらい入浴できるのか。
設備や浴室付き居室のアピールもあれば、職員不足の声もあり、外からはその生活がよく分かりません。

当記事では、「介護施設の入浴回数」を解説しましょう。

記事の内容

  • 介護施設による入浴回数の違い
  • 入浴回数についての法令と現状
  • 施設の適切な入浴回数についての考察
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介護施設の入浴回数はどのぐらい?

老人ホーム等の入居の介護施設では、週にどのぐらい入浴できるのか。

結論からお話しすると、施設介護度によって違います。
基本的には、週に2回と考えて良いでしょう。

入浴介護のイメージ

ご本人の自立度が高く、入浴環境やサービスが充実していれば、入浴回数は多く。
その逆であれば、少なくなります。

介護施設の入浴回数は「最低週に2回」

介護施設の入浴回数は、最低週に2回です。

チェックポイントを教える介護士

介護保険法という法律でも、下記の様に入浴回数を定めています。

特別養護老人ホームや指定特定施設入居者生活介護では、「最低週2回以上は、適切な方法での入浴、または清拭を行わなければならない」。

※参考:e-Gov法令検索(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第13条の2)
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第185条の2)

指定特定施設入居者生活介護」とは、有料老人ホーム等、介護保険による介護サービスを提供する施設
清拭」とは、暖かいタオルなどで身体をキレイに拭く事

介護施設では、入居者に週2回の入浴をさせなければなりません。

また入浴日は、基本的には曜日で決められている事も多いです。
回数が少ない為、入浴間隔が開きすぎない様に決定します。

週2回以上の入浴は料金が増える事も

入浴回数の週2回は、あくまで最低ラインです。

それ以上の入浴は出来ないという事はありません。
ただ介護現場の実態からは、それ以上の自由な入浴は非現実的です。

忙しい介護士

それには下記理由があります。

  • 入浴介助の為の人員不足
  • 2回以上の入浴に料金が発生する事もある
  • 要介護者の体力面

我々は毎日お風呂に入りますが、高齢者となると1回の入浴の負担が大きいです。
現場でも週2回でもギリギリな事が多く、マンパワーの不足もあります。

希望すれば配慮はされますが、また有料老人ホーム等では別料金が発生します。
※1回につき数千円程度

自立度の高い人でも、要介護者向けの施設では自由に入浴を楽しむ事は難しいですね。

機械浴(ストレッチャー浴)

その代わり、入浴設備は充実しています。
機械浴など、歩行が困難な人でも安全に入浴する事が可能です。

介護施設の入浴設備と入浴方法を解説

例外的に入浴回数が変わる事も

介護施設でも、下記の様な時は例外的に入浴回数が増減します。

  • 皮膚疾患などで、毎日の入浴が必要
  • 便汚染など
  • 入浴拒否や体調不良

増やす時の例としては、疥癬などの治療目的などですね。
それ以外にも、医療職の指示で毎日の足浴を行う事もあります。

ベッドで休むお婆さん

また入浴がお好きな方ばかりでなく、入浴拒否がある事もあります。

介護職としても、可能な限り入浴を促しますが強制はしません。
また体調不良などで、体力的に入浴が困難な事もあります。

そうした場合、清拭などご本人の負担が少ない方法で清潔保持を行います。

「温泉設備」や「居室に浴室」がある施設も

もし介護の必要が無く元気な方であれば、入浴回数の多い施設も選べます。

温泉に入る男性

天然温泉などをウリにしていたり、居室に浴室が備わった施設もありますよ。
共有の浴場でも、稼働時間内であれば自由に入浴が出来ます。

これらは、住宅提供型の施設に多いのが特徴ですね。

例えば、「サービス付き高齢者向け住宅」や「住宅型有料老人ホーム」。
「シニア向け分譲マンション」など、住まいの提供を主とした施設です。

サービス付き高齢者向け住宅とは

ホテルのような施設も多く、要介護者向け施設とは違った印象を受けるでしょう。

居室には浴室だけでなく、トイレなども用意されてる事も多いです。
生活の自由度が高い入居施設ですね。

施設の自由度と介護サービス

前述した施設は、介護というより「高齢者向け住宅」の意味合いが強い施設。

提供サービスも食事提供や安否確認などが主になります。
要介護者向け施設と違い、入浴や外出など生活の自由を確保しやすいのが特徴ですね。

カラオケやフィットネスなど余暇設備も充実しています。

相談をするシニア夫婦

ただし入居条件は、「自立」や「要支援」の方が中心となってます。

介護サービスを受けたい場合、外部の事業者(訪問介護など)と契約する事が多くなります。

元気な方向けの施設では、要介護者向けの入浴設備に乏しい。
24時間介護が必要になれば住み続ける事が難しいなどの注意点もあります。

介護施設の情報検索サイトなどでも、「天然温泉」「浴室付き居室」などで施設検索が可能です。
お風呂に関する特集もよく組まれているので、興味があればどうぞ。

介護施設の入浴基準は適切か考える

この機会に、介護施設の入浴基準「最低入浴回数は週2回」が適切か考察したいと思います。

疑問のある介護職員

まず私の意見としては「肯定寄り」の考えです。

誤解の無い様言っておくと、入居者が望むなら問題なくサービス提供できる体制は確保されるべきだと考えており、「誰でも週2回入れとけばいい」というのも違うと思ってます。

施設入居者はどう感じている?

ここで介護施設の入居者・職員体制など、現状を確認してみます。

介護施設の現状

  • 職員体制的に週3回以上は現実的ではない
  • 高齢者への身体的負担

要介護状態にある方を見てると、週2回でも「風呂は億劫だ」「嫌だな」という声も結構あり、それを無視して強要するのも違うと考えます。

相談をするシニア夫婦

言葉の無い方も、浴後はよく疲れて眠っており、身体負担が大きいのが見てとれます。
我々が毎日お風呂に入る事を思うと週2回は少ないですが、それでも辛いと感じる人もいるのです。

入浴方法だけでなく回数も、その人の心身状況にあった選択がされるべきでしょう。

充分なサービス提供環境が無いのは問題

「最低入浴回数を増やせ」とは言いません。

しかし、週2回の入浴サービスも余裕なく提供できない。
「もっとお風呂に入りたい」という声に応えられない現状は問題です。

シニア夫婦

爪切りなど整容・清潔の為にすべき事は入浴だけではありません。

また入浴などの身体介助には常に事故リスクがあり、安全に行えるのが大前提。
入居者はもちろん、職員負担も無視できない問題です

これら総合的に見ても、充分だと自信を持って言える施設は少ないと思います。
職員・利用者共に幸せに過ごせる施設が、1つでも増えると良いですね。

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