携帯電話が普及し、高齢者にもスマホを持つ人が増えましたね。
老人ホームの入居時にも、「携帯を持ち込みたい」という声も多くなってます。
現場では、コロナ禍で面会が難しい中、新しい家族連絡の手段となりつつあります。
今回は、「老人ホームへの携帯(スマホ)持ち込み」をテーマにリアルな情報をお届けします。
- 老人ホームに携帯は持ち込める?
- 利用ルールや禁止施設について
- 施設に携帯電話を持ち込むべきか
ご家族のこうした疑問にお答えします。
多くの介護施設では、携帯・スマホの持ち込みは可能です。
ただ少ないながら禁止施設や使用ルールも存在。
さらには、認知症によるトラブルも多発してます。
そうした実態も踏まえ、「携帯を持ち込むべきか」まで語ります。
老人ホームに「スマホ(携帯)の持ち込み」は可能?
多くの老人ホームでは、携帯電話やスマホの持ち込みは可能です。
施設内でも、問題なく通話も可能です。
ただ施設種類により、持ち込みやすさは異なります。
施設内での使用ルールもあるので、事前に確認も必要です。
多くの介護施設で「スマホの持ち込みが可能」
先述の通り、多くの老人ホームで「携帯電話(スマホ)の持ち込み」は可能です。
その数も増えてきており、「自立度の高い方向け」の施設。
「民間企業」の施設に多く見られます。
能力的に一人での通話が難しい場合、介護職員のサポートを受けられる事もあります。
持ち込み物は多くが自己管理ですので、紛失などの保証はありません。
また持ち込み可の場合でも、後から「持ち帰って欲しい」と言われる事もあります。
例えば、「認知症で携帯電話に依存」したり、「トラブルに繋がった」場合など…
様子を見て「良くない」と判断された場合、ご家族へ相談がいく可能性も有ります。
「携帯を持ち込みやすい施設」はある?
自立度が高い方が多い老人ホームは、生活の自由度も高い傾向にあります。
携帯電話等も、自然な形で持ち込めるかと思います。
例えば、下記の様な施設です。
- 有料老人ホーム
- サポート付き高齢者向け住宅
これらは割と元気な方が多い施設ですね。
スマホ等を持ち込む方も多く、携帯やPC等にも寛容な印象です。
施設としても、そうした環境に慣れています。
個人的な経験を話すと、有料老人ホームでは多くの方が当たり前に携帯を持っていました。
介護度が高い方も、職員のサポートを受けつつご家族と電話してます。
スマホや携帯に慣れた方も増えてきており、驚きました。
スマホは自由に使える?(施設での使用ルール)
施設内の使用ルールでは、居室のみ可という事が多いですね。
やはり集団生活の場なので、他者への配慮は必要となります。
多床室の場合、他者への迷惑も考慮し、もう少し制限は多くなります。
また認知症があったり、自分で携帯が上手く使えない方もいます。
そうした方は職員預かりとし、希望時に職員付き添いで使用するケースもあります。
特養や老健は「スマホ持ち込み禁止」の傾向
逆に「スマホや携帯が禁止の施設はあるのか?」、という話ですが…
あまり施設として禁止する場所は少ないです。
少しずつ緩和に動いてる印象も受けます。
ただ特別養護老人ホームなど、状態的に携帯を使う事が難しい方が多い施設もあります。
そうした場所では、自然と携帯の持ち込みは少なくなります。
介護施設でなぜ「携帯禁止」になるのか
介護施設で携帯(スマホ)が禁止になる理由として、下記があります。
- 認知症によるトラブル
- 周囲や本人の生活に支障をきたす場合
- 紛失や情報流出の可能性
よくある例として、認知症による混乱で「頻繁に110番にかけてしまう」。
依存により「家族に頻繁に連絡し、周囲や本人の生活に支障をきたす」等のケース。
また「大音量による周囲への迷惑」、「連絡先などの情報流出」。
「撮影による著作権・肖像権の問題」等、施設における課題やトラブルは多々あります。
ただ禁止がさらなる混乱に繋がったり、携帯がある事で安心できる方もいます。
発信制限やかんたんスマホ等で、上手く扱える事もあるでしょう。
最終的には、施設の判断や個人の状況次第となってきます。
介護施設に携帯を持ち込むべきか
持ち込み可否とは別に、「携帯を持たせるべきか?」という疑問もあるでしょう。
いつでも連絡が取れるのは便利ですが、故にトラブルとなる事も…。
ご家族目線での「メリット」「デメリット」をご説明します。
本人と家族の「安心」「生活満足度」が高まる
携帯やスマホを持ち込むメリットは、本人と連絡を取りやすい事。
老人ホームは閉鎖的ですので、外部からは生活の様子が分かりません。
面会も難しい時代ですので、声を聞く機会が増えるのはメリットですね。
- 本人の声から、生活の悩みや必要物品が分かる
- 家族の声を聞く事で、安心して生活できる
- 施設の生活が辛い時、家族が守る事が出来る
職員でなく、本人から施設生活を聞ける為、ご家族の安心にも繋がります。
ご本人の安心にも繋がるでしょう。
生活の様子や物品等も早く察せる為、生活満足度も高まります。
「トラブル」「家族負担」が増えるリスクもある
スマホがある為に、トラブルで家族負担が増えるケースもあります。
下記は、老人ホームでよくあるスマホトラブルです。
- 帰宅願望が強く、頻繁に家族へ連絡がある
- 110番や知人にダイヤルし、トラブルになった
- スマホに依存し、施設生活に支障が出る
認知症をはじめ、スマホを上手く扱えない精神状態も存在します。
施設生活について事実と異なる話をしてしまい、家族が不安を感じてしまう。
物盗られ妄想などで、警察に電話してしまった例もあります。
また発信制限やワンタッチ発信など、電話の便利機能に頼るのも有効です。
「帰りたいコール」で家族が疲弊するケースも…
携帯によるトラブルで最も多いのは、帰宅願望による家族連絡。
特に入居初期は、不安も強く皆さん「帰りたい」と口にされます。
認知症で説明を忘れたり、入居に納得してない利用者様も多いですね。
そのために、毎日の様に「帰る」と連絡され、疲れてしまうご家族様も多いです。
だからといって、距離を置けばよいワケでもなく、家族の声が励みになる事もあります。
スマホの没収により、不穏が悪化したケースも知ってます。
これは非常に解決が難しい問題ですね。
毎日時間を決めて、職員付き添いで使用する方も多いですよ。
本人の状態や希望、性格をみて決めよう
老人ホームに携帯・スマホを持ち込む際は、本人の性格や状態も考慮しましょう。
下記状態であれば、特に問題はないかと思います。
- 家族と本人の関係が良好
- 認知症や精神疾患が無い
- 入居に納得しており、持ち込みを希望してる
そうでない場合も、携帯はNGというワケではありません。
家族の声が、本人の精神状態にプラスに働く面もあります。
施設職員の報告やサポートも受けつつ、有効に活用してみて下さい。
個人的には、「制限や機能等でフォローする方が上手くいくのでは…」と考えてます。
携帯電話が無くても「ビデオ面会」は可能
持ち込みとは離れますが、スマホを持ち込まなくてもビデオ面会は可能です。
施設側で準備するのでご安心下さい。
面会時には、施設側でタブレット等を用意します。
ご家族様の方で、スマホ・PC・タブレット等の端末があればOK。
通話方法は、主にLINEのビデオ通話を使う事が多いですね。
頻繁な面会は難しいので、マメに連絡したいなら持ち込み推奨です。
老人ホームや高齢者向けのスマホ
老人ホームに持ち込む携帯電話は、あまり高機能な物は必要ありません。
格安と呼ばれる物やガラケーでも大丈夫です。
本人が使いやすく、金銭負担の少ない安めな商品から選ぶと良いですね。
実際には、「ガラケー」や「シンプルなスマホ」を持ち込む方が多いですね。
ちょっと例をご紹介します。
この他にも、施設生活では様々な持ち物が必要です。
下記記事で紹介してるので、良かったらご参考下さい。
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