老人ホームなどの介護施設では、1年を通し色々なイベント行事があります。
お花見や敬老の日など、季節感や特別な雰囲気を楽しめる内容になっています。
今回は、介護施設のイベント行事を季節ごとにまとめて紹介。
その他のイベントや細かな疑問点も解説していきます。
ご家族様も一緒に参加してOKなので、当日は一緒になって楽しんで下さいね。
介護施設の年間イベント行事
介護施設での生活は、外出や娯楽が少なくなりがちです。
その為、利用者様に季節や楽しみを感じていただくべく、様々なイベント行事が企画されます。
職員総出で外出レクをしたり、施設でお祭りを企画したり。
プレゼントや特別な食事など、1年を通し色々なイベントがありますよ。
現在では、コロナの影響もあり外出や大規模イベントが難しくなりました。
現在は、施設内イベントが中心でご家族の参加も難しくなってるので、ご了承ください。
まずは、介護施設でよく行われるイベント行事を季節ごとに紹介。
春のイベント行事
春は暖かくなり、外出もしやすい季節です。
定番なのは、桜のお花見ですね。
外出やお散歩など、施設外イベントが企画しやすい時期です。
- お花見
- 母の日
- ひな祭り
桜の季節には、車でお花見に行くという施設も多いと思います。
公園で軽食を摂ってみたり、ドライブがてら桜を眺めたり…。
利用者様の状態や天気等に合わせ、お花見を楽しんで頂きます。
ただ桜の時期は、外出にはちょっと肌寒い事も。
桜に絞らず、アヤメなどのお花見が企画される事もありますよ。
当日は特別なイベント食を提供したり、施設内でカフェなど、施設で個性が出るところです。
夏のイベント行事
夏のイベントには、夏祭りや七夕に関する企画をする施設が多いですね。
ただどうしても日中は暑く、熱中症等の健康上のリスクも出てきます。
もう少し過ごしやすくなってから、秋祭りとして実施される事が多いですね。
- 夏祭り
- 流しそうめん
- 花火
- 七夕
流しそうめんは施設内で行えますし、夕方以降の涼しい時間に花火等も企画されます。
七夕には皆で短冊を作ったり、イベント食を楽しんだりして頂きます。
特に花火は、身体の自由や嚥下状態に関係なく、見て楽しむ事が出来るイベント。
施設内の敷地を利用し、行われる事が多いですね。
秋のイベント行事
暑さ和らぐ秋の季節には、紅葉や秋祭りなど、施設外に出てのイベントも企画されます。
定番である「敬老の日」のお祝いもこの季節です。
季節柄、色々なイベントが企画しやすい時期ですね。
- 秋祭り
- 紅葉
- 敬老の日
秋祭りは、施設全体を会場としたお祭りです。
ゲームや食事などの出店、ボランティアさんによる演奏会、職員による出し物等を企画。
ご家族様も招待し、一緒に楽しんで頂きます。
また介護施設では、敬老の日も大切な記念日です。
喜寿や米寿など、ご長寿のお祝いや表彰、プレゼントなどが企画されます。
面会時の注意点は、下記記事内で紹介してますので参考下さい。
⇒老人ホームへの面会時間と頻度はどれぐらいが良い?マナーと注意点
冬の行事
冬のイベントと言えば、クリスマスや餅つき、初詣など。
年越しや正月など、季節感や風情溢れる行事が多い時期ですね。
外に出るのは寒いですので、施設内で快適に楽しめるイベントが中心になります。
- クリスマス会
- 初詣
- 餅つき
- 節分
クリスマスにはケーキやプレゼントを楽しんで頂き、年越しにはお蕎麦を食べます。
新年には、初詣や餅つき、そして2月には節分の豆まきですね。
蕎麦やお餅などは食べられない高齢者も多いので、刻んだり代替食などで楽しんで頂きます。
また寒い時期ですので、考慮して初詣には行かない施設も多いと思います。
介護施設の通年イベント
介護施設では、季節行事の他にも色々なイベントが企画されます。
外食やお買い物など、個別に楽しみを提供する事もあります。
またイベントというよりは、レクリエーションと言える内容も多いですね。
- カラオケ大会
- 演奏会
- 誕生日会
定番の季節イベントだけでなく、オリジナルイベントを企画する介護施設もあります。
施設によっては、個性溢れるユニークなイベントも。
またイベントと構えず、職員とお散歩したり、ゲームやレクを楽しんだり。
日常生活の中にも、色々な娯楽が取り入れられています。
誕生日会
通年イベントの1つに、一人ひとりに合わせた誕生日のお祝いがあります。
誕生日会を行う事もありますが…
何もせず、ご家族とゆっくり団欒して頂く時間とする事も多いですね。
施設としては、月ごとにお祝いし、皆でケーキを食べるという所が多いと思います。
職員からは、色紙メッセージでのお祝いも定番です。
⇒【認知症でもOK】ポップアップ型バースデーカード特集
お誕生日は、ご家族様の面会も多くなります。
やっぱりご家族との時間が何よりのプレゼントになりますので、ぜひ顔を見せてあげて下さい。
お誕生日プレゼントも用意されると、喜ばれますよ。
⇒老人ホームの家族に贈るオススメ誕生日プレゼント
介護施設でのお買い物
店舗の協力により、施設のスペースを利用しお店が開かれる事もあります。
また元気な方の多い施設では、職員付き添いで外出し、お買い物ができる機会も。
- 洋服店(シャツやズボン等)
- コンビニ
施設個々の取り組みになるので、必ずあるとは言えませんが…
外出機会の少ない施設生活では、自分で選び買う楽しみがある貴重な機会です。
私も何度か立ち会ってますが、利用者様も良い表情が沢山ありました。
セブンイレブン等のコンビニにご協力頂いた事もあり、デザートや肉まんなど特に好評でしたよ。
また施設での生活では、どうしても衣類が不足します。
数をご用意頂いても、繰り返し利用しているとすぐよれてしまうのです。
洋服店では、高齢者向けの洋服をご自身で選べます。
何を購入すべきか分からない方もご家族も多いですし、家族様にとっても良い話かと思います。
入所時に同意書等以って、お話しがある施設もあるでしょう。
施設での旅行はある?
1泊2日の旅行企画を実施した経験がありますが、実現は難しいのが現状です。
高齢者にとって健康上のリスクもあり、職員のマンパワーも必要とします。
特に大規模施設や介護度の高い施設では、現実的ではありません。
私も職員として旅行に同行した事がありますが、その際はグループホームでした。
行くからには、職員の自己満足でなく、多くの利用者様が楽しめる必要があります。
利用者様の身体負担や健康リスク、その為の職員体制。
旅行を楽しめる心身状況も必要ですし、実現の為のハードルは高いですね。
もし「外の空気を」とお考えであれば検討してみて下さいね。
イベント行事が多い方が良い介護施設?
イベントが多い方が良い介護施設かというと、どちらとも言えません。
「日常ケアの質」や「利用者様がどう感じてるか」など、良し悪しを語る要素は多々あります。
ただ職員数が多い可能性も高そうですので、そこに注目すると良い介護施設とも考えられます。
職員数が足りないと、どうしてもサービスの質を落とし対応しなくてはならない状況も出てきます。
そしてイベント行事は、多くの人手を必要とします。
休日出勤や残業など、健全な勤務体制でイベントを多く実施出来てるのなら、職員数が多い(定着率の良い)施設とも判断できますね。
サービスの質を高めたり、余暇活動を提供する余裕も出てくるかと思います。
特に個別の外出希望に、無理なく速やかに対応できる所は、良い介護施設だと思いますよ。
◆高齢者ホーム 2020 週刊朝日ムック
介護施設イベントのQ&A
ここからは、施設イベントの細かな疑問に対する情報をご紹介します。
Q&A方式で色々とまとめてみたので、ご参考下さい。
イベントに出なくても良い?
イベントはあくまで娯楽ですので、嫌な人に強制はしません。
「多勢や賑やかな場が苦手」という方もいらっしゃいます。
せっかくのイベントなのでお誘いはしますが、「嫌だ」という時は無理強いはしないので、ご安心ください。
体調不良の時も、身体の方を優先します。
フロアを見守る職員も配置されますので、大丈夫です。
また健康や体力的な問題などで、参加が難しい方もいらっしゃいます。
そうした方々は参加時間を短くする等して、無理なく楽しめるよう配慮されます。
お祭りなど1日を通してのイベント時は、午前のみ参加といった方も多いですよ。
行事イベントの企画は誰がする?
介護施設でのイベント企画は、主に介護職員が中心になり行う事が多いですね。
施設により詳細は異なりますが、行事委員会を設置し、企画や話し合いをする施設もあります。
また予算やスケジュール等を記載した、行事計画書を作成する事もあります。
施設全体でのイベントでは、これらを使って職員全体に内容を周知します。
イベント後は写真をまとめて掲載し、面会時にご家族へ様子をご紹介したりもします。
写真はご家族様へ配られる事もあります。
もしフロアの掲載写真で欲しいものがあれば、職員に相談してみて下さいね。
車イスの人は車での外出も可能?
車イスの方も、車での外出は可能です。
施設には福祉車両があるので、車イスに乗車したまま乗り込めます。
車のトランクにあたる部分が、車イスの乗降スペースになってます。
多人数だとワゴン車を使用、軽とワゴンを保有している施設が多いかと。
ただどうしても、一度に乗れる人数が限られてしまいます。
お花見などのイベント時には、歩ける方や座位を保てる方など、他利用者様との兼ね合いを見て、複数回に分け実施されます。
寝たきりや普通食が摂れなくても楽しめる?
介護施設を利用中の方には、所謂「寝たきり」状態にある方もいます。
そうした方は、通常の車イスでは上手く座位が取れない為、リクライニング型の車イスを使用します。
福祉車両も大型車であれば、リクライニング型車イスの乗車に対応してます。
また施設イベントは、食べる楽しみを提供するものも多いです。
特別食の時も、刻みやペースト等にも対応し、なるべく同じ食事が摂れるよう配慮されます。
施設内に厨房がある時は厨房で、グループホーム等においては、介護職員が調理を担当します。
外食の時も、お店によっては「刻み」ぐらいであれば対応してくれる所もある様です。
施設イベントにボランティアで参加したい
介護施設では、よくボランティアの募集もしています。
参加するには、直接問い合わせたり、施設ホームページを確認する等してみると良いでしょう。
ボランティアさんによるイベント行事の定番は、音楽の演奏会です。
懐かしの歌を一緒に歌ったり、琴の演奏会などが多いですね。
何か関心がある物があれば、そうした地域団体に所属してみてはいかがでしょう?
イベントだけでなく、傾聴ボランティアという方法もあります。
⇒高齢者傾聴スペシャリストの取得方法と通信講座
新型コロナの影響で行事イベントは減った?
現在世間を騒がせている新型コロナウイルス。
介護施設もその影響を受けており、行事イベントの実施が難しくなってます。
ご家族の直接面会も難しくなり、電話やビデオ通話が中心となっています。

多くの介護施設では、大規模なイベントは中止しているでしょう。
しかしながら、普段の生活に楽しみを増やす取り組みもあります。
例えば私の勤務先では、下記の様に娯楽を増やす活動をしてます。
- 普段とは違うジュースやおやつを購入し、楽しんでもらう
- 音楽CDやDVDなどを購入
- 本や雑誌を持ち寄り、施設に寄付
介護施設でも、現状は一般家庭と同じくステイホームな感じですね。
音楽やお笑いのCD・DVDは、かなりご好評頂いてます。

この様に、普段の生活の中で楽しみを増やす工夫をしています。
まとめ
今回は、「介護施設のイベント行事」についてお話ししました。
私自身は介護度の高い施設に勤めていたので、少し寄ってしまった所もあると思います。
イベントは、閉鎖的になりがちな施設の生活を活気づける特別な日です。
普段のレクリエーションと違い、当日は特別な雰囲気が感じられる事でしょう。
利用者様に楽しんで頂くには、ご家族や職員も一緒になって楽しむことも大切ですね。
また普段の生活においても、自主的に余暇活動を楽しまれる方もいます。
脳トレや塗り絵など、習慣や趣味にやりがいを見出す方も多いですよ。
ご本人の関心がある様なら、提案してみてはいかがでしょう?
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