介護の仕事には、様々な職場があります。
多くの介護士にとって、「訪問介護」と「施設介護」どちらを選ぶかは大きなポイント。
今回は、「介護施設と訪問介護のどっちで働くべき?」というテーマでお話しします。
働き方や給料、特徴などの違い、これらを私の介護士経験を交えお伝えします。
迷ってる方向けのチェックポイントも用意したので、参考にどうぞ。
「訪問介護と施設介護」どっちがオススメ?
「介護施設」と「訪問介護」。
まずはこれらについて、介護士として働く場合の違いを解説します。
2つの特徴を比べ、「どんな働き方が可能か」「どんな人にオススメか」をお伝えします。
施設介護のメリットと特徴
施設介護士のメリットは、無資格者でも働けること。
他職員と一緒に働く機会も多いので、未経験者も安心です。
介護施設で働くメリット
- 未経験者が働きやすい
- 施設種類により、多少は利用者や仕事が選べる
- ボーナス支給に期待できる
介護施設でも、種類が違えば仕事や利用者も違います。
特徴を理解すれば、ざっくりとですが自分のしたい仕事を選ぶ事が可能です。
身体介助が中心の特養、レクに重点を置いたデイサービス。
少人数制のグループホーム等が特徴的ですね。
無資格者は施設介護
現在介護資格を持っていない方は、まず介護施設で働く事をオススメします。
訪問介護では、初任者研修以上の資格がないと働く事が出来ません。
介護施設であれば、無資格でも働き始める事が可能です。
職場でサポートがある事もあり、お得に資格取得できる可能性もあります。
しかし働きながらでもOKなので、すぐ働きたい無資格者には施設が良いかと思います。
ボーナス支給率が高い【正社員向け】
お給料で見た場合、介護施設はボーナスに期待が出来ます。
正社員の月給は訪問とほぼ同じですが、ボーナスの支給率に大きな違いがあります。
特に優れているのが、特養などの入居施設。
令和元年度の調査では、正社員の約90%が賞与の支給があると答えてます。
非常勤でも約50%でした。
訪問介護員のメリットと特徴
訪問介護員は、介護施設と違いマンツーマンでサービス提供を行います。
初任者研修以上の資格を要する事もあり、どちらかというと経験者向けですね。
訪問介護員で働くメリット
- 介護施設より、勤務時間や出勤日の融通が利きやすい
- 決まった時間・内容で、マンツーマンの仕事ができる
- 非常勤(パートや派遣)の時給相場が高い
訪問介護も、施設と同様にサービス種類で働き方を選べます。
例えば入浴専門の「訪問入浴」、「夜間対応」の訪問介護などですね。
一部のサービス付き高齢者向け住宅など、施設内で訪問サービスを行う事業所もあります。
仕事内容やスケジュールが明確
また時間や介助内容、対象利用者など、仕事のスケジュールがはっきりしてるのも特徴。
やる事やらない事がはっきりしており、この働き方が好みという方も多いです。
介助中はマンツーマンなので、職員同士の目や人間関係が煩わしい方にもオススメ。
その代わり「Aさん宅~Bさん宅」など、仕事での移動が多いのも特徴。
車の運転免許が応募条件にある事も多く、移動手段がネックになる方もいるので注意。
非常勤の時給は高め
収入に注目すると、訪問介護員は非常勤の時給が高め。
令和元年の調査では、平均時給が1,281円でした。
施設職員が1,001円だったので、300円近く違いますね。
また「サービス提供責任者」など、役職者としての求人を見つけやすいのもポイント。
一般介護士より収入も高くなりますし、自発的なステップアップも狙えます。
総合すると、「パートや派遣で稼ぎたい方向け」の側面もありますね。
個人的なオススメは「介護施設」
施設介護と訪問介護のどっちが良いかは、好みや適性で分かれます。
介護職として、どちらを多く経験したかでも意見が分かれるでしょう。
私は介護施設が長いですが、訪問は少しだけ経験があります。
個人的な意見を言うと、誰にでもオススメしやすいのは介護施設ですね。
- 求人数が多く、好みの職場を探しやすい
- 初心者でも働きやすい
- 施設種類をみて、仕事内容を選ぶこともできる
まず介護施設は、転職活動をしやすいです。
求人数が多く、売り手市場を活かして好みの職場を選べます。
また困った時に誰かに聞けるのは、やっぱり便利。
施設種類で入居者の様子や仕事を想定できますし、ここで仕事内容を選ぶことも出来ます。
多くの人にとって、無難な選択となりますね。
どっちか迷ったら「施設で訪問介護」もアリ
一方で訪問介護も、良い所は沢山あります。
利用者様と1対1だからこそ、働きやすい点もあります。
「職員の動きまで見て、空気を読んで連携して…」、という煩わしさも少ないです。
もし決めかねてるなら、間を取る選択もアリ。
「訪問介護事業所があるサ高住」など、施設で訪問介護が出来る職場も有ります。
「訪問」「施設」かを決めるチェックポイント
介護施設と訪問介護、自分はどちらに向いてるか分からない。
そんな方の為に、簡単なチェックポイントを用意しました。
個人的主観も含めた補足情報としてご参考下さい。
こんな人は「施設介護士向き」
総合すると、下記の人が「施設介護士向け」だと思います。
こんな人は施設介護士向き
- 初めて介護の仕事をする
- 安心感をもって働きたい
- 地方住まいで、あまり車を運転しない
- 正社員やボーナスに関心がある
資格やボーナスについては、既述の通り。
介護士以外の職種とも働けるので、知識の積み重ねやスキルアップも早いですね。
他介護士や看護師等のサポートがあるので、困った時も安心です。
その場で相談もできますし、体調不良や事故時も頼りにできます。
また訪問介護では、1対1という都合上、女性職員を希望する声が多くなります。
需要的な面では、男性は介護施設の方が採用を得やすいです。
私も男性介護職ですし、採用に問題はないのでご安心ください。
通所施設(デイ)だと送迎がありますし、訪問だと移動で車を使いがちです。
こんな人は「訪問介護士向き」
一方で、下記の人は「訪問介護向き」ですね。
こんな人は訪問介護員向き
- 介護経験者
- 1対1で個別ケアを実践したい
- 業務内容、スケジュールは明確な方が良い
- 非常勤で収入アップを狙いたい
仕事内容を補足すると、訪問介護は仕事の時間と内容が決まってます。
例えば、「〇時にAさんに15分で排泄介助」などという形ですね。
そのため登録ヘルパーの様な、短時間ピンポイントな働き方も可能です。
また訪問介護では、個人に合わせた介護を考え、提供します。
利用者宅で1対1という環境ですが、意外とそれが良いという声もありました。
一部施設でも個別ケアを実施してますが、介護方法にピンときたら訪問がオススメ。
また運転免許がない方は、採用面で不利なので施設介護の方が良いでしょう。
求人を探しやすいのはどっち?
先述の通り、求人の総数で見ると介護施設の方が多いです。
転職活動をしやすいのはこっちですね。
ただ施設種類を指定すると、結構ばらけます。
それでも数自体は介護施設の方が多く、探しやすいのが現状。
また「転職サイト」を利用する場合、施設と訪問では使うべきサービスが異なります。
求人数と使い勝手を調べ、それぞれで強いサービスを紹介します。
「介護施設向け」の転職サイト
介護施設を探すなら、多くの介護転職サービスが選択肢に入ります。
対応エリアさえ間違えなければ、好みで選んでOK。
個人的には、下記サイトがオススメ。
レバウェル介護求人は、マッチング重視のサイトですね。
求人数も多く内部情報に強いので、仕事内容や雰囲気など具体的な話も聞けます。
派遣を視野に入れたい方にもオススメ。
「訪問介護向け」の転職サイト
訪問介護の場合、転職サービスは良く選ぶ必要があるので注意。
介護施設メインのサービスもあるので、登録前には求人チェック推奨です。
調べた感じですと、「マイナビ介護職」に訪問介護の求人が多く掲載されてます。
マイナビ介護職は、求人の質が高くサポート力に優れた定番サイト。
実績や知名度にたがわず、安定したサービスを受けられます。
訪問介護だけでなく、全国的にバランスよく求人があります。
施設介護と迷ってる方にもオススメ。
さいごに
今回は、「介護職で働くなら、訪問介護と施設介護のどちらが良いか?」という話でした。
さいごに簡単に要点をまとめます。
- 無資格者や未経験者は、施設介護推奨
- 個別ケアやマンツーマンの介護、短時間ピンポイントで働くなら訪問介護向き
- オススメは介護施設
仕事内容や働き方などの選択肢が多く、無難な選択となるのは施設介護。
「決まった時間・内容でマンツーマンの仕事」にピンときたら、訪問介護も検討という感じですね。
無資格者や未経験者は、採用やスキルアップ面で施設介護推奨です。
施設と訪問では、こうした話題が出るぐらい働き方の感覚が異なります。
もし「今の職場が合わない」と思ったら、違う事業所を経験してみるのもアリだと思います。
介護業界内でのキャリアやスキルアップにも繋がるでしょう。
また介護では「正社員と非常勤どちらが良いか?」、というのもよく話題に挙がります。
個人的には非常勤と考えてますが、正社員にはボーナス面での収入有利もあります。
詳細は下記記事で解説してますので、迷ってる方はこちらもご参考下さい。
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