介護職というと、女性が多く低賃金のイメージが強い仕事ですよね。
介護の仕事に興味があるけど、転職を躊躇ってる男性も多いのではないでしょうか?
- 男性介護職は採用されない?
- 男性が働きやすい職場が分からない
- 「男の仕事」としての収入や将来性は?
こんな悩みは尽きないかと思います。
しかし実際には、男性介護職も多く活躍してるので安心して下さい。
私も男ですし、現在30代で10年近く介護士として働いてます。
当記事では、採用や年収・職場選びなど、「男性介護職への転職アドバイス」をまとめました。
需要もあり仕事も安定して得られるので、悪くない選択だと思いますよ。
男性介護職の採用はある?
介護職員の採用は、性別・年齢問わずあります。
未経験者も歓迎という職場がほとんどなので、ご安心下さい。
もちろん男性介護職の採用はありますし、需要もあります。
男性介護職員の採用割合
実際に、介護職全体における男性職員の割合を見てみます。
下記は、介護労働安定センサーの調査資料にある「回答者の性別割合」。
- 男性(20.5%)
- 女性(71.2%)
- 無回答(8.2%)
参考:介護労働安定センター(令和元年度 介護労働実態調査結果)
男性職員は、全体の約2割ですね。
女性職員が多い事には変わりませんが、これは日中のパート職員の割合が関係してます。
正社員となると、体感ではもう少し男性職員が多めですね。
50代で介護を始められる方も多く、私なんかより活躍されてますよ。
繰り返しですが、採用自体は問題なくあるので大丈夫です。
男性が多い職場もあるので、後述します。
男性介護職の需要は高く、採用はある
男性からすると、女性が多い職場は躊躇してしまいますよね。
しかし、下記理由から男性介護職は必要とされてます。
男性介護士の需要がある理由
- 身体介護で活躍する
- 利用者様対応の幅が広がる(男性職員を好む方もいる)
- フルタイムで働ける正社員として
抱えたり移乗したりの身体介助では、体力のある男性職員が活躍します。
利用者様もその意味で、男性職員の方が安心するという方もいます。
女性が良いという方ばかりでもなく、対応の幅を広げる為にも男性は必須です。
介護求人も、性別気にせず何でも応募してOKですよ。
また家庭の事情で家を空けにくい女性に代わり、夜勤もこなす正職員としても活躍。
職員・利用者共に頼られる存在ですよ。
男性介護職のメリット
男性介護職は、自分自身にもメリットがあります。
- 人間関係が楽
- 男性職員を好む利用者もいる
介護は女性社会になりがちなので、女性同士の人間関係トラブルは付き物。
経験から言うと、人間関係では男性の方が楽だと思います。
女性同士は色々大変そうですが、男性は聞き役に回る事が多く当事者回避ができて気楽です。
男性職員は、職場の人間関係における潤滑油としても機能します。
また利用者様の中には、「男性職員」の方が上手く対応できるケースもあります。
ただこれは逆も然りです。
【要注意】男性介護職が採用されない職場も?
介護事業所の中には、男性職員が採用されない職場も存在します。
例えば下記の様な職場では、採用を得られない可能性もあります。
- 訪問介護
- ほぼ女性職員の介護施設
- 同性介護を謳う介護施設
訪問介護は、利用者宅でマンツーマンの介護サービスを提供します。
料理などの家事を行う必要もあり、安心感から女性の方が好まれます。
男性職員に回しにくい仕事が多く、採用されにくいので訪問は避けた方が無難です。
小型施設は「女性社会」?
また介護施設は、職員・利用者の半分以上が女性です。
その為「同性介護を謳う施設」では、採用を得られない可能性もあります。「女性職員のみ」な職場も、「男性は働きにくいだろう」と面接官が気を利かせ不採用とするケースもあります。
実際には、男性職員が女性の介助をする事も多々あります。
性別業務に支障が出る事は少ないので、大丈夫です。
ただこうした職場は、本当に極わずかです。
介護施設ならば男性介護士がいる職場の方が多いので、ご安心下さい。
介護職の採用に性別は関係ない
繰り返しですが、介護職の採用に年齢や性別は関係ないです。
40代や50代の男性でも、未経験で働き始める人は珍しくはありません。
性別年齢関係なく、いつでも自然に始められる仕事です。
気になるなら、小規模施設は避け、大規模施設を狙うと採用を得やすいでしょう。
※職員数が多く、性別の偏りが発生しにくい
心当たりがないのに不採用だった時も、気にする必要はありません。
職場側のタイミング等もありますし、誰でも落ちる時は落ちます。
男性が介護士転職した時の「年収・キャリアアップ」
続いて、「介護職は男性の仕事としてアリか?」という話に移ります。
平均年収やキャリアなど、男性介護職の将来性を確認します。
男性介護職の平均年収
介護職員の平均年収は、約360万円程。
全体の給料相場と比べると、やや低めです。
詳しくは上記記事をご覧頂くとして、男性職員に注目したデータを見てみましょう。
R1年度の調査資料の中に、「性別毎の税込み月収」があります。
ここを見ると、高収入ほど男性介護職員の割合が多い事が分かります。
- 【月収13万~15万円】男性10.5%:女性81.7%
- 【月収30万~35万円】男性38.2%:女性53.2%
こんな感じで、収入にほぼ比例する形で男性職員の回答率が高くなります。
男性介護職のキャリアアップと転職
男性介護職の収入が高くなった要因として、下記が考えられます。
- 役職に就く機会が多い
- 勤続年数が長い
- 夜勤回数が多い
基本的に、役職や夜勤回数の有利不利に男女の差はありません。
ただ結婚や子育てなどを理由に、退職やパート社員になる女性が多いのも事実。
夜勤手当や役職など、仕事での稼ぎでは男性に分がある事は否めません。
現場での出世とは別に、介護職としてのキャリアアップには下記があります。
- 「ケアマネージャー」や「生活相談員」
- 介護講師
- 管理職や施設長
資格で見ると、具体的にはまず介護福祉士を取得。
その後は、ケアマネージャーの取得が主な目標となるでしょう。
男性ケアマネも多いですし、施設長クラスはさらに男性が多くなります。
また介護に関わる仕事はかなり多く、介護講師やサービス提供責任者などの仕事もあります。
介護士を起点として、様々なキャリアアップ方法がありますよ。
年収400万円も目指せる範囲ですし、男性のお仕事としても悪くないですね。
「男性リーダー」を求める介護現場
介護現場にいると、男性リーダーを求める傾向があると感じてます。
それには、下記の様な理由があります。
- 女性同士だと、人間関係のいざこざが多い
- 感情的でなく、冷静で客観的な判断が求められる
介護現場では、女性のいざこざも多く、女性同士だと上手くいかない事もよくあります。
またどうしても、感情的な判断が多くなる傾向もあります。
男性上司の方が上手くまとめられるケースも結構ありますね。
もちろん実際には、本人の人格次第ではあります。
ただ穏やかで冷静な男性であれば、需要が高いのは違いありません。
男性介護職は将来性はある
既述の通り、介護職は男性の仕事選択としてアリです。
理由は、その安定性の高さにあります。
介護は高齢化社会において、今や必要不可欠。
その需要の高さは言うまでもないでしょう。
介護士不足による採用率の高さも、誰にでも再現が出来るという事。
年齢や性別問わず、多くの人が介護職としてキャリアをスタートできます。
この収入と雇用の安定性があれば、仕事として十分魅力的。
近年は賃金見直しやキャリアアップが分かりやすくなったのもあり、将来性も十分でしょう。
男性介護職にオススメしたい転職先
介護職員の職場には、様々な介護事業所があります。
ここからは、男性職員にオススメしたい職場をいくつか紹介します。
転職アドバイスもあるので、ご参考下さい。
大型の介護施設が働きやすい
私も男性ですが、男としては転職時に下記要素が気になるはず。
- 男性職員の比率
- 給料の高さ
- ボーナスの有無
これらを満たすのが、特別養護老人ホームや有料老人ホームです。
まずボーナスの支給率は、全体的に訪問より介護施設の方が高め。
年収の面で見ると、特に上記2つが優れています。
またこれらは大型施設ですので、職員数も多く男性職員と働ける可能性も高いです。
少なくとも、男性だからと採用されない事は無いので安心です。
より収入や男性職員が多いのは、特養ですね。
仕事内容のバランスが良く、働きやすいのは有料になります。
転職活動では「内部まで情報収集する」
ここまでで男性向けの職場をお伝えしましたが、個人の適性もあります。
また「全ての施設がそうだ」と言い切れる物でもありません。
収入や職員の性別割合、休日や福利厚生。
転職活動においては、とにかく情報収集が重要です。
お話しした内容を活かしつつ、転職活動に活かして頂ければと思います。
職場の情報収集や比較には、転職サイトが必須です。
アドバイザーも活用し、自分に合った介護施設を見つけましょう。
特にレバウェル介護は、内部情報に強くマッチング力に期待できます。
高収入を狙ったり、ネガティブ情報を回避する等、役に立つと思いますよ。
「男性が働きやすい職場は?」と相談してみるも良いですね。
男性介護職が採用率アップの為にできること
ここからは男性が介護職での採用率アップの為、出来る事をアドバイス。
- 男性の採用率が低く、働きにくい職場を避ける
- 基本的なマナーを意識し、ポジティブな志望動機を
- 初任者研修の取得
性別関係なく共通する部分もありますが、これらを「男性」という点に着目しお伝えします。
「男性介護職が働きにくい職場」は避ける
大型施設が良いと話しましたが、男性職員が働きにくい職場も紹介します。
個人的意見が含まれますが、下記あたりが該当します。
採用率に影響する可能性もあるので、避けた方が無難でしょう。
- 訪問介護
- グループホーム
- デイサービス
上記職場は、経験から特に女性が多い印象を受けます。
介護施設であれば、グループホーム等の小型施設。
デイサービス等は女性職員が多く、男性職員が採用されにくい事があります。
訪問介護は「自宅に行く」という性質から、安心感で女性職員が好まれます。
管理経験者の話では、「需要の問題で、男性職員に仕事を与えにくい」との話でした。
業務で言うと、訪問やグループホームは「料理」「家事」等も行う必要があります。
デイサービスの方は、レクリエーションが活発な施設ですね。
性別は関係ないかもですが、苦手意識のある男性も少なくないと思うので注意ですね。
小型施設では男一人な事も【転職失敗談】
小型の介護施設は職員数も少なく、運が悪いと女性職員しかいない事も…。
問題なくやれると思いますが、男性一人のやりにくさはあるので回避推奨です。
実は私の介護士デビューは、こうした失敗がありました。
料理がある事も知らず、色々な意味で働きにくかったです。
男一人で若かったのもあり、良くしてもらいましたが心細かったです。
その後は特養を中心に大型施設で働いてますが、男性職員がいた方が気持ちは楽ですね。
小型施設と訪問以外ならば、大きな失敗は無いと思いますよ。
採用率を高める「基本的なマナー」「志望動機」
介護職は採用率が高いとはいえ、基本的な面接マナーは見られます。
服装や言葉遣いなど、基本的な内容を大切にしましょう。
- スーツやオフィスカジュアル等、面接にふさわしい服装
- 時間をしっかり守る
- 気持ちの良い挨拶、お礼
男性に多い不採用原因の1つに、「仕方なく介護」という雰囲気が出てる事があります。
事情は人それぞれですが、面接では相手に伝わらないよう注意しましょう。
対策として、介護に対するポジティブな思いを話すのが有効です。
- コミュニケーションがある仕事がしたい
- 親の介護に備え学ぶうち、仕事にしたいと思った
- 自分が介護でやりたい事、強み
「介護をしたいと思ったきっかけ」「どんな介護をしたいか」等から志望動機を考えましょう。
これらは筆記試験がある時のテーマに採用されやすく、試験対策にもなります。
初任者研修を取得する
介護職の採用率アップには、初任者研修の取得も有効です。
初任者研修とは、誰でも取れる介護の入門資格です。
介護施設では無資格でも働けますが、長期的に働くには資格が必要となりました。
なかには、身体介助は有資格者にしかさせない施設もあります。
初任者研修でも免除となる
また費用と時間をかけ介護資格を取った事実は、介護職への意欲の証明にもなります。
志望動機にも、それらしい説得力が出てきます。
採用側へ、長期的に戦力となり働いてくれる人材としてアピールできますね。
まとめ
今回は「男性介護職の転職アドバイス」をお伝えしました。
男性介護職は、介護業界において必要不可欠。
決して「男らしくない仕事」や「男に出来ない仕事」ではありません。
少しでも男性介護職の仲間が欲しい、力になれればと記事を書かせて頂きました。
胸を張って介護士を目指して下さい。
当記事では、男性向けの職場をいくつかオススメしました。
ただ自分でも、施設種類の違いを理解しておくのも大切です。
もっと職場を知りたい方は、下記書籍をご覧になってみて下さい。
介護現場や業界のこと、仕事内容などが分かりやすく解説されてます。
他にも介護職に関する記事があるので、良かったらどうぞ。
コメント