介護士の不足が囁かれていますが、「介護職の面接で落ちた」という声もあります。
誰でもOKという風潮ながら、意外にも面接で落ちる時は落ちます。
…ですが、その理由は自分に落ち度があるからとは限りませんので、ご安心ください。
今回は、「介護職の面接で落とされる理由」を紹介していきます。
良い職場を見つけ、前向きに新たな一歩を踏み出せるよう、確認していきましょう。
「介護職の面接で落ちた!」その理由
介護業界は採用の敷居が低く、即採用も珍しくありません。
しかし面接で落とされる、電話連絡の時点で断られるという事もあります。
「介護職は簡単に受かるはずじゃ…?」と落ち込む事はありません。
普通に落とされる事はあります。
介護職で不採用となるパターン
介護職の面接で落ちるパターンとして、以下のような例があります。
困った事に、採用する気は無いけど、一応面接はするという施設もよくあります。
- 条件の良い”人気求人”だった
- 雇用形態、性別など、特定の社員を採用したい
- 「辞められたら困る」と慎重になっている
介護職にも”人気求人”がありまして、応募が殺到します。
こうした求人では面接で頑張っても、ライバルが強く落とされてしまう可能性が高いです。
また未経験者も、初任者研修などの保有資格を見られます。
既に新規職員が必要ないのに、一応面接だけはする。
面接内容に問題があるというより、元から採用に消極的だったというパターンも多いです。
介護施設により欲しい人材が違う
特定の性別や勤務形態の職員が欲しい、という施設も少数ながらあります。
職場により事情は異なるでしょうが、こんな理由が見受けられます。
- 常勤が欲しい(夜勤がいない)
- 他職員と近い属性の人が欲しい
- 同性介護
まずは、「常勤」や「短期間パート」などの勤務形態ですね。
施設側と勤務時間がマッチしないと、採用が難しくなる事もあります。
「日勤のみの職員は多いので、募集してません」という事も、あり得ます。
年齢や性別で断られるパターン
また小規模施設では、職員の少なさから年齢や性別に偏りが出る事があります。
「ウチは主婦層ばかりなので、働きにくいですよ」と、気を利かせ落とす事もあるようです。
少ないですが…、同性介護を謳う施設もありまして、女性のみ採用という職場もあります。
ただし男性が介護職に就くことは、決して難しくないのでご安心ください。
あくまで一部の施設です。
こうした細かなミスマッチを無くす為には、転職サイトを活用するのも有効です。
「こんな職員が欲しい!」という採用側の要望を、非公開求人という形で保有してる事もあります。
内部情報にも強いので、マッチング力にも期待できます。
無資格が不採用に繋がることも
介護施設であれば、無資格者でも介護士として働けます。
…ですが、無資格者を採用しない施設もあります。
介護職の不足に悩む反面、「また辞められたら困る」と会社は慎重になっています。
介護施設内での事故ニュースも、たまに耳にするかと思いますが…、
事故リスクに備え、人材管理を見直す施設も出てきています。
信用を得る分かりやすい方法は、初任者研修を取る事ですね。
詳しくはまた後述しますが、採用時のアピールはもちろん、仕事でも必須です。
次項からは、実際の面接内容について触れていきます。
面接時の服装と守るべきマナー
良い結果を残す為にも、自らの失敗で落とされる事は避けたいですよね。
面接時のマナーについても、確認しておきましょう。
服装はスーツかオフィスカジュアル
まず介護職であっても、面接時の服装はスーツが基本です。
ラフな格好の方もいらっしゃいますが、Tシャツ+ジーパン等はNGです。
職場の方から「楽な格好で良い」と言われる事もありますが、やはりスーツが無難です。
どうしても迷う場合、せめて「シンプルかつキレイめな服装」を選んで下さい。
シャツにスラックスの様な、オフィスカジュアルと呼ばれる服装ですね。
面接時に持参するもの
介護職に関わらず、面接時には下記の物も持参しましょう。
- フォーマルな鞄(服装に合う物)
- 履歴書
- メモ帳・筆記用具(ボールペン)
鞄は服装と同じくキレイめでシンプルな物。
履歴書は、封筒に入れて手渡ししましょう。
他にあると便利な物として、クリアファイルやハンカチもあります。
挨拶やビジネスマナーも意識する
”会社”という雰囲気が無い職場なので忘れがちですが、最低限のビジネスマナーも必須です。
気持ちの良い挨拶、時間への気配りも意識しましょう。
- 早めに到着し、10分前を目安に訪問
- 遅刻しそうな時は、焦らずすぐにその旨を連絡
- 挨拶とお礼は礼儀正しく
この位を意識すればOKです。
介護職の面接内容
介護職だからと特別な事はなく、「面接+施設見学」というパターンが定番です。
“施設長”や”介護課長”等が面接官を務める事が多いですね。
介護職の面接は、下記流れが一般的です。
- 応募、日程予約
- 面接・施設案内
- 結果通知
- 勤務開始日の相談
- 入職
介護職の面接で聞かれる事
面接でまず最初に行うのは、自己紹介と履歴書の確認です。
そこから質問をされたり、職場の説明があったりと話が進んでいきます。
試験がある場合、試験後に面接という事もあります。
介護業界でも、よくされる質問内容は基本的なものが中心です。
- 前の仕事は(どうして辞めたのか)?
- 業界内での経験、保有資格について
- 何故この会社を選んだのか?
未経験の方であれば、「何故介護職に就く理由」等も定番の質問ですね。
面接中に、「いつから来れますか?」という即採用パターンもあります。
他に面接でよく聞かれること
面接での質問について、私が過去にされた内容も紹介します。
- 自己アピール
- 逆に質問はありますか?
- 自分の長所と短所は?
これらもまた定番の質問かもしれません。
逆質問は、困ったら利用者の様子について尋ねると良いです。
「仕事で大変なことは?」と聞けば、思わぬ内部事情が聞き出せる事も。
現在の介護は、自立支援や利用者主体、個別ケア等が重視されてます。
またスピードよりも、安全性や慎重さ、柔軟性が求められる仕事です。
回答の際は、このあたりヒントにすると良いでしょう。
配属先を決めるの質問もある
沢山の施設を運営する大手企業では、配属先を決める為の質問をされる事もあります。
例えば、こんな内容です。
- 料理は出来ますか?
- 自宅から遠いですが、通えますか?
ユニット型施設においても同様です。
ユニット毎に介助内容が違うので、「身体介護は少ない方が良いですか」等の質問があります。
いずれにしても見栄を張らず、正直な気持ちや考えを伝えておきましょう。
試験や作文はある?
介護業界でも、入職の際に試験がある事はあります。
ただ全体としては少ない印象ですね。
作文の定番テーマは、「自分がどう介護をしたいか」を問う物が多いですね。
回答対策としては、利用者を尊重する姿勢がポイントかと。
- 1人1人を見つめ、個性を尊重した考える介護を実践したい
- 身体だけでなく、精神的にも支えるケアを行いたい
- 利用者様の人生経験に学び、人間的な成長に繋げたい
私が考えた物ですが、参考になれば。
自分の経験を交えて話せば、長文にも多少対応できると思います。
試験がある方が良い職場?
個人的には、即採用の施設より試験がある方が好印象です。
以下の様な可能性も考えられるので、試験がある事は悪い事でもないと思います。
- 採用含め、施設内ルールがしっかり定められている
- 人員に余裕がある
あくまで予想の話ですので、そのつもりでお聞きください。
試験があるという事は、職員の質や職場内ルールへの意識が高い可能性があります。
そうしたルールが昇給規則やマニュアルなどに行き届いていれば、雇用改善への意識も高いでしょう。
その仮定で言えば、処遇改善の加算要件を多く満たしてる可能性もあります。
給与にも期待できるかもしれません。
採用通知の時期
面接終了後は、後日合否の通知があります。
書類通知が主ですが、合格の場合は今後の相談も兼ねて電話連絡が多いですね。
内定が決定したら、入職の流れを相談していく事になります。
採用通知は、面接後の1週間以内が目安です。
それ以上を過ぎたら、期待はせずに次に動いてもOKだと思います。
また介護業界では、面接中に採用が決定する事も珍しくありません。
即採用だからと言って、ブラックとは限らないので、総合的な印象で判断しましょう。
面接合格のサインは?
面接は、採用結果がついつい気になる物。
介護職の面接では、採用の場合は素直にその場で言われる事が多い印象です。
- ぜひ入社をお願いしたい
- 採用という事でお願いします
- 入社日はいつが良いですか?
こんな感じで、採用ともとれる言葉がある事が多いですね。
ただ会社で採用スタイルも異なるので、合格サインが無くても気にしなくてOK。
しかし先述の様に、1週間以上連絡が無ければ見限っても良いかと。
介護職の志望動機はどう伝えるべき?
面接での定番といえば、志望動機です。
上手く思いつかず、苦労している方も多いのではないでしょうか?
「志望動機はない」と思っても、どこでも良いわけではなかったはず。
数ある介護施設からそこを選んだ理由、介護職に就く理由を探ってみましょう。
例えば…、特養やグループホームなどの施設の種類。
老人介護だけでなく、福祉全般の視点でみる等すると、ヒントが見つかります。
志望動機が思いつかない時の切り抜け方
介護は高齢者とのコミュニケーションも大切な仕事です。
こんな感じで、過去の経験からアピールポイントを探してみましょう。
- 営業職で高齢者に接していた
- 家族の介護経験がある
ただ中には「近いから」など、正直に伝えるのは微妙な志望動機もありますよね。
無理して嘘を言うなら、「興味があるのでお話を伺いたい」と伝えるのも手です。
面接時に初めて施設見学する事も多いので、1つの無難な答えでしょう。
見学済みの場合は、「見学をして働きたいと思った」でOKです。
施設種類から志望動機を考える
もう1つ有効な方法は、施設種類から志望動機を見つける事。
例えば、下記の様な感じですね。
- 特別養護老人ホーム(介護度が高い)
⇒介護技術を学び、スキルアップしたい - 介護付き有料老人ホーム(幅広い方がいる)
⇒様々な方利用者様や仕事に触れ、経験を積みたい - デイサービス(レクリエーションが多い)
⇒娯楽や介護予防を通し、高齢者を活気づけたい
あまり難しく考えず、「特養に興味がある」。
「有料老人ホームでの仕事を経験したい」位の言葉でも大丈夫です。
伝えにくい転職理由の話し方
面接では、時に言いにくい話もせねばならない時もあります。
- 転職回数が多くなってしまった
- 無職期間が長い
- 前職をすぐに退職した
個人的には、これらも正直に話して大丈夫です。
ただその理由については、曖昧にするか差し支えない内容が良いでしょう。
また正直に話してOKですが、あまり深堀する必要も無いかと。
「こんな状態だが、介護の仕事がしたい」。
「ここで長く働きたい」と、上手く意欲を伝えるのがベターですね。
介護の面接は人柄重視
色々と書きましたが、実際は高レベルの志望動機は求めません。
但し、決して誰でも良いワケではないという事をお忘れなく。
採用への敷居は低いですが、あなたの人柄を施設はちゃんと見ています。
受け答えや細かな言葉遣い等から、利用者を任せられるかを考えてますよ。
言ってしまえば、一生懸命志望動機を考えてきたという態度そのものが大切です。
どんな人なら自分の家族を預けられるか、よく考えて面接に臨みましょう。
面接での採用率アップ方法
介護職においても、実務経験と資格は強い武器です。
希望する職場と同種類の施設で勤務経験があると、なお有利ですね。
人事の食いつきが良いと対応も友好的になり、面接の難易度も下がります。
また同じ未経験者でも、面接で有利になる方法もありますよ。
「常勤の即戦力」は採用に強い
目安として介護福祉士ぐらいになれば、即戦力として欲しがる施設も多いでしょう。
リーダー経験者もだいぶ有利です。
非公開求人など、好待遇の施設にも強気に出ていけますね。
また介護はシフト制の勤務なので、どの時間でも働ける常勤の需要が高いです。
常勤はどこの施設も不足傾向にあります。
日勤のみ可能という職員は、逆にあぶれる可能性も。
ですが、必要以上に施設側の都合に合わせる事もないです。
むしろ採用の敷居が低い事を利用し、自分の希望する働き方にチャレンジすべき。
…というのが個人的意見です。
パートの場合は、土日OKだと採用率アップに繋がります。
未経験者は「初任者研修」を取ろう
どの職種でも採用には経験者が強いですが、最初は誰しもが未経験者です。
繰り返しですが、未経験者も初任者研修修了でだいぶ印象が良くなります。
未経験者に厳しくなるケースは、育てる気が無いからではなく、早期退職のリスクを恐れての事。
介護の仕事を続けてくれそうという信頼さえ得られれば、採用を得るのは難しくありません。
入職できても、職員不足で働きにくいと思われます。
また未経験者であれば、「仕事に対する不安」も当然あると思います。
ここで得た知識”が「事故防止」などで身を守る事も多々あります。
採用だけでなく、ご自身の為にも取得しておく事をお勧めしています。
採用に囚われず「慎重な転職活動」を心がける
採用を得るのも大事ですが、もっと大事なのは良い職場に転職する事です。
転職を焦らず、慎重な職場選びを心がけましょう。
採用ばかりに執着せず、「ここで働けるか?」という視点を持ち、面接に臨みましょう。
入居者や施設の雰囲気、職員の対応等をみて、「無理」と感じたら辞退を考えて下さい。
転職サイトの面接フォローも活用しよう
求人情報の確認に便利な転職サイトは、採用率の面でも有効活用できます。
理由は、下記メリットからですね。
- 面接アドバイスが受けられる(履歴書添削や志望動機の伝え方等)
- 条件にマッチした求人の紹介がある
例えば「履歴書の書き方」「面接マナー」など、採用を得る為のアドバイスも受けられます。
また条件にマッチした求人紹介も受けられるので、自然と採用を得やすくなります。
条件の良い「非公開求人」の紹介を受けられる事も。
希望条件とのマッチングなどで、アドバイザーと電話連絡する事になるので、
気になる面接マナーやコツなど、相談できる機会が持てますよ。
求人の情報量にも優れてるので、ぜひ活用しましょう。
介護職であれば、介護専門の転職サイトを利用すると効率的。
特にオススメなサービスを紹介しておきます。
転職サイトの使い方については、下記記事で説明しています。
⇒おすすめ介護士向け転職サイト4選!使い方と非公開求人を解説
面接で落ちても妥協しないこと
今回は、「介護職の面接で落ちる理由とその対策」についてご説明しました。
介護職は人材不足とはいえ、下記の様な理由で採用が得られない場合があります。
- 新規職員が必要なく、消極的な面接もある
- 競争率が高ったり、欲しい人材(性別・年齢)との不一致
- 未経験者の早期退職リスクへの懸念
自分に非がある場合ばかりではないので、落ちても気を落とさなくて大丈夫。
服装や時間への配慮など、基本的なマナーさえしっかりしていればOK。
それで落ちたら仕方ないです。
繰り返しですが、面接で落ちても全く問題ないので大丈夫です。
貴方を必要とする職場は必ずあるし、採用も得られるので気にせず行きましょう。
介護業界は職員不足の影響が大きく、所謂ブラックともいえる職場は存在します。
下手な職場を選んでしまうと、心身に悪影響が出てしまうので、職場選びは慎重に。
「落ちて良かった」ぐらいに思って、より良い職場への転職を目指しましょう!
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