介護施設の夜勤は、忙しく仮眠もない。
そんなイメージが強いと思いますが、まぁ実際も大半はその通りです。
ただ仮眠が取れる介護施設も存在します。
そうした職場にはいくつか特徴があるので、ご紹介します。
記事の内容
- 仮眠がない介護施設の特徴
- 夜勤中の仮眠時間
- 仮眠がある職場を見つける転職活動方法
介護夜勤での仮眠の実態を話しつつ、「仮眠がある・ない介護施設の特徴」を紹介します。
仮眠ありの求人の探し方もお伝えするので、転職活動の参考にして頂ければ幸いです。
介護夜勤は仮眠休憩がない?
介護施設の仮眠実態からお伝えします。
夜勤中の仮眠の有無を見分ける為のポイント、仮眠時間等をご紹介します。
介護夜勤で「仮眠が取れる職場」は存在する
冒頭で述べた通り、介護施設にも「夜勤中に仮眠が取れる職場」は存在します。
しかし全ての職場がそうとは言い切れず、数もそう多くありません。
どちらかというと、仮眠が取れない職場の方が多いのが現状です。
「多くはないが、狙えば見つけられる程度にはある」という感じですね。
後述する特徴が分かれば、さらに見つけやすくなります。
介護夜勤における仮眠休憩の平均時間
ここで介護夜勤での休憩と仮眠の実態を見てみましょう。
下記は、医労連による介護夜勤の実態調査です。
介護夜勤の平均仮眠・休憩時間
2交代(16時間夜勤)の場合
施設種類 | 休憩・仮眠の 平均合計時間 | 最長時間 | 最短時間 |
---|---|---|---|
特養 | 2時間25分 | 4時間00分 | 1時間00分 |
老健 | 2時間20分 | 4時間00分 | 1時間00分 |
GH | 2時間17分 | 4時間00分 | 1時間00分 |
小規模多機能 | 2時間00分 | 3時間00分 | 1時間00分 |
看護型小規模多機能 | 2時間50分 | 5時間00分 | 2時間00分 |
単独型短期入所 | 2時間42分 | 5時間00分 | 2時間00分 |
介護医療院 | 2時間00分 | 2時間20分 | 2時間00分 |
参考:医労連(2023年介護施設夜勤実態調査)より
最長で5時間、最短で1時間とかなりバラつきが激しいですね、
これだけでも、職場による夜勤環境の違いが大きい事が分かります。
仮眠室の有無は、「ある」と答えた施設は約63%。
「ない」と答えた施設は約36%でした。
仮眠を取るなら「2時間」以上の休憩が欲しい
先の調査にもありましたが、介護夜勤の休憩時間は「1~2時間」が平均的。
8時間夜勤で1時間、16時間で2時間が標準です。
仮眠をとるなら、休憩時間2時間以上が現実的なラインですね。
介護夜勤での仮眠時間を、実際の求人から調べてみました。
仮眠がある介護夜勤では、休憩も兼ねて「1~2時間の仮眠時間」という事が多いですね。
老健や特養、有料などの大型施設、看護助手なら大きめの病院で良く見られます。
8時間夜勤だと勤務時間も少ないため、見つける事は難しいですね。
夜勤で仮眠が無いのは違法?
残念ながら「夜勤中に仮眠を義務付ける法律」はなく、仮眠が無いのは違法となりません。
ただし労働基準法では、労働者が休憩を取る権利が定められてます。
また休憩は、一斉に与え自由に利用できなければなりません。
つまり仮眠は無くとも、夜勤中に休憩が取れないのはダメだという事です。
「夜勤で仮眠休憩なし」な介護施設の特徴
夜勤で仮眠が取れない介護施設は、「ワンオペ(1人体制)」の施設です。
ワンオペ夜勤は、小型施設やユニット型施設に多い特徴ですね。
施設種類を出すと、下記施設はほぼ全て1人夜勤です。
- グループホーム
- 小多機
- 看多機
また特養や老健の「ユニット型施設」は、大型施設ですが1人体制の夜勤です。
こうした職場では、夜勤中に職員は自分しかおらず休憩も仮眠もとれません。
職場側からは「休憩して」と指示があるでしょうが、現実的に無理です。
大型施設のユニット型なら、チャンスはあるかも…という感じですね。
私の経験では、グループホームやユニット型施設は休憩・仮眠時間はないです。
16時間夜勤でも、1人なので仮眠も休憩なしでした。
1人体制では「空いた時間」に休憩を取る形となり、休憩時間が保証されてません。
なにかあった時の待機時間を休憩と扱われる他、仮眠や休憩以外にも色々な問題を抱えてます。
仕事に不安のある方には、オススメしません。
私も経験しましたが、もう夜勤休憩なしの施設には戻れないですね。
仮眠が取れる介護施設を選ぶ転職のコツ
実際の転職活動中は、なかなか業務実態は見えてきません。
先の通り、「許可があっても現実的に無理」なんて事もあるので注意が必要です。
求人の探し方から確認方法まで、その為のコツをご紹介します。
「大型施設の複数人夜勤」から選ぶ
前半で語ってしまいましたが、下記の様な職場を選ぶ事ですね。
仮眠がある介護施設の特徴
- 夜勤が複数人体制の施設
- 大規模施設(※但しユニット型はNG)
- 求人に「仮眠有」と明記
単純ですが、求人に「仮眠有」と明記してる職場を選んで下さい。
転職サイトで「仮眠」でフリーワード検索すると、見つける事が出来ます。
ただこの方法は、求人数があまり見つからないのが難点。
「仮眠あり」と書いてあっても、働いてみたら条件が違うという可能性も考えられます。
他の特徴条件も満たしつつ、仮眠時間まで具体的に記載してる方が信頼できますね。
夜勤の職員数は2名以上、利用者に対し多いほど有利です。
仮眠有を狙うなら「看護助手」もあり
仮眠有の求人を調べた際に、「病院の看護助手」が多く該当しました。
夜勤中の仮眠にこだわるなら、介護施設以外からも探すと効率的です。
看護助手とは、病院における看護師のサポーターです。
身体介助等、介護士と共通する業務も多いので馴染みやすいかと。
仮眠時間が増えると「拘束時間」も増える
注意点として、仮眠休憩の時間が増えると「拘束時間」も増えがち。
仮眠時間が増えても、実働時間は「1日8時間」の職場がほとんどかと思います。
会社にいる時間も長くなる可能性があるので、注意が必要です。
休憩2時間で10時退勤のイメージです。
最もキツイのが、仮眠休憩が実質なしのワンオペ体制で拘束時間が長い時。
「仮眠有と思ったら、仕事の時間が長いだけ」なんて事にならないよう注意。
転職活動では、上手い話ほどよく詳細を確かめる必要があります。
面接官やコンサルタントに聞く
もっとシンプルな方法は、担当者に直接聞く事ですね。
担当者と言うのは、転職コンサルタントでも職場の面接官でもOKです。
ただこの方法でも「職場的にはOKだけど、現実的にNG」という例もあり得ます。聞く時は仮眠の有無だけでなく、「どんな感じに取るのか?」と具体的な回答を引き出す聞き方をしましょう。
転職コンサルタントに頼るならば、業界や内部情報に強いサイトを使いたいですね。
介護系転職サイトですと、「レバウェル介護」がマッチング重視でサービス提供してます。
また正社員や派遣、夜勤専従など、サービスにより得意とする求人も異なります。
色々と比較したい人は、下記記事もご参考下さい。
夜勤帯のシフトが楽な職場を選ぶ【妥協案】
妥協案として、仮眠を諦めて「夜勤帯で楽に働けるシフト」を探す手もあります。
「8時間夜勤」や「準夜勤(深夜勤)」などの働き方です。
⇒介護職における「準夜勤」とは
16時間夜勤も含めると、夜間帯のシフト時間はこんな感じ。
介護での夜間シフト例
- 16時間夜勤(16:30~翌9:30)
- 8時間夜勤(22:00~翌7:00)
- 準・深夜夜勤(16:00~24:00等)
仮眠が取れる施設が見つからないなら、8時間や準夜勤といった働き方を選ぶ方法も有効です。
遅番を準夜勤と表現する職場もありますが、ここでは遅と夜勤の中間を指します。
妥協案ではありますが、時間的に手当にも期待できます。
収入アップにも繋がると思いますよ。
ただ8時間夜勤は、出勤日数の都合で「夜勤明けが公休扱いになる」等の注意点もあります。
勤務時間は短いので、好みや体力で決めて下さい。
仮眠休憩が無い介護施設は離れるべき?
自分の職場は夜勤中の仮眠が無いという方も多いと思います。
「他と比べブラック?」「転職すべき?」という疑問もあるでしょう。
しかし「仮眠が無い」というだけで、悪い職場と決めつけるのはちょっと早いです。
最低1時間の休憩が確保できてるなら、下記要素も含め判断しましょう。
職場の良し悪しは総合的に判断すべき
- 同僚や利用者との人間関係
- 働きやすい雰囲気
- それなりに職員数がいる(休日数やシフトが落ち着いてる)
これらはその一例にすぎず、自分の価値観で総合的に判断すべきという事ですね。
「自分にとって何が重要か」をよく考え、決めた方が良いです。
特に人間関係に悩む介護士は多いので、そこに満足してるなら留まるのも有り。
ただそれ以上に自分の身体が大事ですし、仮眠が無い夜勤では長く続けるのが難しい事も…。
夜勤で心身の健康を害するなら、原因が何でも転職を検討すべきタイミングだと思いますよ。
他にも、介護夜勤に関する記事も執筆してます。
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