介護職の勤務シフトの1つに準夜勤があります。
主に夕方から深夜にかけての勤務を言いますが、施設で詳細は大きく異なります。
当記事では「介護職における準夜勤」を解説。
勤務時間や夜勤手当、仕事内容など、夜勤との違い含め、詳しくお伝えします。
介護職における準夜勤とは
介護職の準夜勤とは、夕方や深夜を中心とした働き方。
介護施設において採用される勤務シフトであり、遅番と夜勤の中間ともいえる形です。
深夜よりの遅番、8時間夜勤を指し、準夜勤と呼ぶ事もあります。
従来の夜勤より、短い時間で無理なく収入確保しやすい働き方です。
準夜勤の勤務時間
介護施設における準夜勤は、施設により勤務時間が大きくバラつきます。
下記はどれも、実際の求人でみられた準夜勤の勤務シフト例。
夕方~深夜といっても、かなり違いがみられますね。
- 13:00~22:00
- 16:00~1:00
- 22:00~7:00
この中で1番分かりやすいのは、16時から1時までの勤務。
その他を見ると、「3交代制(8時間夜勤)の職場における遅番」。
「8時間夜勤」の勤務帯を指し、準夜勤と呼ぶ職場もみられます。
こうした求人では、準夜勤と別に「遅番」「夜勤」を配置してる職場が多め。
例えば、16時間勤務の夜勤者がおり、そのサポートとして準夜勤を配置。
または遅番の出勤時間が、準夜勤とはずらした時間になっている等ですね。
準夜勤者の夜勤手当
22時~翌5時の間は、労働基準法により25%以上の深夜割増手当が付きます。
しかし先述したように、準夜勤の勤務時間は多種多様。
深夜割増手当に期待するならば、深夜帯の時間で働ける職場を選ぶのが大切です。
またほとんどの介護施設では、夜勤者に夜勤手当が支給されます。
しかし夜勤手当の支給は、実は任意のモノとなってます。
勤務時間によっては、夜勤手当が出ない可能性も考えられます。
※参考「厚生労働省(法定労働時間と割増賃金について教えてください)」
準夜勤の平均夜勤手当
2022年の医労連の調査では、準夜勤の平均夜勤手当は3,712円でした。
ただ回答数が少なかった為、これは大まかな参考値です。
本来の夜勤者の話をすると、夜勤手当は夜勤1回につき「6,000~7,000円程度」。
「多いところで1万円以上」というのが、経験則に基づいた相場。
ここまでを踏まえると、準夜勤の3,700円は割と現実的な話ですね。
いずれにせよ、準夜勤で夜勤手当をもらうには深夜勤務が求められる傾向です。
働く時間帯により、勤務感覚も手当も変わるので注意して下さい。
準夜勤で働くメリットとデメリット
夜勤や遅番でなく、準夜勤で働くメリットには下記があります。
- 本来の夜勤者より、楽な時間的で働ける
- 深夜割増や夜勤手当など、収入確保しやすい
- 起床介助など、大変な業務を避けられる可能性あり
勤務時間のバラつきが多いため、ざっくりとした内容になりますが…
夜勤より楽な勤務時間で、遅番より収入に期待できる点がメリット。
自分とは別に「遅番」「夜勤」もおり、人員の余裕も生まれやすいです。
準夜勤であれば、起床介助をせずに終われる事も珍しくないです。
例えば16時間夜勤だと、夕食に就寝介助。
起床介助に朝食など、忙しい時間が多々あります。
準夜勤の注意すべきデメリット
一方、準夜勤には下記デメリットもあります。
- 準夜勤を配置してる職場が少ない
- 希望する時間帯も考慮すると、選べる求人も少なくなる
- 2日にまたがっての勤務でも、シフトでは1日分の勤務
まず準夜勤のシフトがある職場が少ない点。
勤務時間が多様な事もあり、希望時間により上手く求人が見つからない事もあります。
さらに2日にまたがって勤務しても、実働時間は1日分。
「夜勤入」の日は出勤になっても、「夜勤明」は公休か再度の出勤になる可能性があります。
※出勤間隔の考慮はされる為、出勤の場合は遅番や(準)夜勤となる事が多め
⇒介護職が覚えたい「夜勤の8時間と16時間の違い」
これらデメリットを回避するには、パートや派遣などの非常勤で働くのがオススメ。
「連続勤務なし」「固定日出勤」等の条件をつければ、体力負担も回避できます。
調べたところ、少ないですが準夜勤専従の求人も見つかりました。
⇒介護派遣の夜勤専従は給料を稼げる?夜勤手当の相場とメリット
介護施設の「準夜勤の仕事内容」
介護施設における夜勤の仕事内容は、夕食や就寝介助。
夜間の定時巡回などです。
下記は、準夜勤の主な仕事内容と流れ。
今回は16時~1時までを想定し、解説します。
時間 | 仕事内容 |
---|---|
16:00~ | 居室の確認、夕食の準備 排泄介助、利用者の誘導 |
18:00~ | 夕食の配膳、食事・服薬の介助 口腔ケア |
食後~ | 就寝介助(居室誘導、排泄介助、更衣) 就前薬の服薬介助 |
深夜 | 定時の巡視、オムツ交換 センサー・コール対応 |
出勤したら、居室をのカーテンを閉めたり、オムツの補充。
夕食用のお茶やコップ等の準備を行います。
夕食の時間が近くなったら、利用者を食堂へ誘導します。
食事中は、配膳や下膳、食事・服薬の介助が仕事。
食事と服薬を終えたら、口腔ケアや排泄介助。
居室への移動やパジャマ更衣の介助を行い、就寝です。
その後は定時の巡視やオムツ交換、センサー等の対応が中心です。
準夜勤の時間ですと、巡視は22時と0時の2回。
オムツ交換は0時の1回といった感じになる事が多いですね。
⇒介護施設の夜勤の仕事内容を解説【巡視の観察ポイントや排泄介助等】
介護職の準夜勤で働くには?
介護施設の準夜勤で働くには、「上手く求人を見つけられるか」がポイント。
準夜勤の有無だけでなく、希望する時間帯で働けるかよく確認する事が大切です。
さらには法的に介護資格は不要なものの、夜勤は実質「初任者研修」が必須とも言えます。
介護職が準夜勤で働くために必要な資格
介護施設では、無資格でも介護職として働く事ができます。
これは夜勤・準夜勤の場合も同様です。
しかし夜間は職員数も少なく、看護職が不在の職場も多め。
ある程度の介護技術や知識を求められる環境であり、無資格では難しいのが実情です。
これにより新規採用の無資格職員は、1年以内の研修受講が求められます。
認知症介護基礎研修は、初任者研修の受講でも免除となります。
資格手当や他資格取得に結び付くため、実際にはこちらを受講する方がほとんどです。
⇒介護職員初任者研修とは?
無資格だと「施設判断で夜勤ができない」事も
法的な事とは関係なく、現場では無資格者の業務を限定する事があります。
お茶入れやシーツ交換など、介護補助的な業務が中心です。
私の経験では、無資格者の身体介助を禁止する職場は結構あります。
介助に入れるタイミングとしては、初任者の取得後。
あるいは、受講開始後とする事が多め。
その後、介助全般を覚えてから夜勤に入る流れが一般的ですね。
準夜勤の求人を見付けるには?
遅番や夜勤と違い、準夜勤は必ず配置されてはいません。
その為、転職活動では求人が探しにくい面があります。
転職サイトでフリーワード検索しても、希望時間で求人を絞りにくいです。
そこで私からの提案として、転職エージェントから紹介を受ける方法をオススメします。
- 22時までの準夜勤ならできる
- 短時間の準夜勤で稼ぎたい
- 深夜で終わる準夜勤を探したい
こんな感じで、どんな準夜勤を希望するかも人により異なります。
希望条件が複雑であったり、満たす職場が少ない時は、自力で探すのは手間がかかります。
詳細条件を転職エージェントに伝え、マッチした求人紹介を受けた方が効率的です。
介護系の転職エージェントでオススメなのは、レバウェル介護求人・派遣。
介護派遣にも対応しており、準夜勤専従や固定日出勤を希望する方にオススメ。
⇒レバウェル介護求人の口コミ評判と使い方
未経験者であれば、かいご畑も未経験求人に強め。
介護派遣で働く場合、条件によっては無料で介護資格も取らせてくれます。
⇒かいご畑の口コミ評判と使い方
さいごに
今回は「介護施設の準夜勤」の紹介でした。
「長く忙しい」「職員が少ない」など、介護夜勤に多い負担の軽減に期待できる働き方です。
夜勤専従の掛け持ち時も、片方は準夜勤すれば体力的な調整もしやすくなります。
ただ多く採用される勤務形態でなく、経験者でもピンとこない方は多いでしょう。
興味がある方は、転職活動時に意識して探してみて下さいね。
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