介護が必要になると、ベッドや布団で思わず「尿失禁」してしまう悩みも出てきます。
そんな時は防水シーツを使用すると、ベッドを汚染から守れます。
これはラバーシーツや尿漏れシーツとも呼ばれ、施設でもよく使用される介護用品です。
特に夜間は尿量の多い方もおり、尿漏れによる汚染防止で介護負担を減らせます。
敷き方や家庭でのオススメ種類も紹介しますので、ぜひご参考下さい。
介護用防水シーツ(ラバーシーツ)とは
介護用防水シーツとは、失禁が心配な時に寝具を汚れから守る商品。
使用には特別な準備も必要なく、ご家庭でもすぐに導入できます。
※尿漏れシーツや失禁シーツも、呼び方だけで違いはありません
ベッドを尿・便汚れから守る
普通のベッドシーツは水に弱く、失禁による汚染がマットレスまで簡単に染み込みます。
防水シーツは水汚れに強く、尿便汚染を受け止めるので寝具の汚染を防ぎます。
寝具の清潔を保つだけでなく、シーツ交換等の介護負担も軽く出来ます。
定番はコチラのような、繰り返し使う部分タイプ。
汚れやすい腰周辺を目安に、シーツの上に敷きます。
「動きが多くリハビリパンツがずれた」、「オムツ交換の最中に汚れてしまった」など…。
介護者・要介護者がいくら気を付けても、汚れる場面は出てきます。
介護用防水シーツの使い方
介護用防水シーツの使い方は簡単で、ベッドシーツの1番上に敷くだけです。
尿・便漏れが発生しやすい「腰回り」の位置をカバーする様に敷きましょう。
シーツを敷く順番は、下記です。
- マットレス
- ベッドパット
- シーツ
- 防水(ラバー)シーツ
防水シーツは普通のシーツの上に敷きます。
最後1番上に敷き、利用者には防水シーツの上で休んでもらいます。
商品によりますが、触り心地が良かったり、「吸水面がある方が表(上)」。
ツルツルしてたり、「滑り止めがある面が裏(下)」です。
防水シーツの敷き方
防水シーツの敷き方は、両端をマットレスの下に潜り込ませるだけです。
たるみが出ない様、ピッと伸ばして敷きましょう。
※全面ボックス型など、4方をゴムでひっかけるタイプもあります。
シーツの形状も色々とありますが、腰回りの位置に敷くのが基本です。
どこに敷くか迷ったら、ベッドの真ん中あたりを意識すればOK。
防水シーツの洗濯方法
防水シーツには、「繰り返し利用できるタイプ」があります。
汚れても、洗濯機で洗って再度使えるので大変便利ですね。
ただし、洗濯時にはいくつか注意点もあります。
- 脱水や乾燥に非対応の商品がある
- 塩素系の漂白剤は使用できない
商品により異なりますが、脱水や乾燥機が使用できないタイプがあります。
また塩素系漂白剤を使うと、防水機能を損なう恐れがあります。
※便や尿汚染があった際は、ワイドハイターなどの酸素系漂白剤に漬けると良いかと。
汚れたシーツを外す時は、表面を内側にして丸め込むと汚染が広がりにくいです。
上記は、「最もオーソドックスな防水シーツ」ですね。
部分シーツなので取り外しもしやすく、洗濯して繰り返し利用できます。
防水シーツの種類と選び方
介護用防水シーツは、機能や形など大きく下記3つの特徴で種類分けできます。
防水シーツの種類による違い
- 機能(防水か撥水)
- シーツの形
- 繰り返し利用可能かどうか
尿汚染の防ぎ方やその範囲、「洗って繰り返し使えるか?」といった違いがあります。
詳しく見ていきましょう。
「防水」と「撥水」の違い
防水シーツには、防水か撥水かという違いがあります。
「表面ではじくのか」、「吸収し受け止めるか」という事ですね。
水分をしっかり吸収し、裏面の加工でベッドシーツへの染み込みを防ぎます。
加え、「コーティング加工」と「ラミネート加工」の2種類があります。
耐水や透湿性・伸縮性など、総合的にラミネート加工が優秀です。
その分、価格が高くなりがちなので、予算に応じて検討しましょう。
こちらは表面のみに撥水加工がされているものです。
汚れたその場で取り換えるのに便利ですが、尿量が多いと裏面まで染みます。
ご家庭で使用されるなら、防水タイプを選びましょう。
撥水タイプは、はじいた水分が衣類に染み込みますし、量が多いとベッド下まで染み込みます。
※当記事では、以降紹介するシーツは基本的に「防水タイプ・繰り返し利用可」の商品です。
形の種類と選び方
防水シーツの形は、大きく分け3種類です。
防水シーツの形
- 部分タイプ(腰回り)
- 全面タイプ(ベッド表面)
- ボックスタイプ(ベッド表面と側面)
これらの主な違いは、防水シーツのカバー範囲。
主流は「部分タイプ」と「全面タイプ」であり、このどちらかを使えば困る事はないでしょう。
それぞれ特徴を見ていきましょう。
部分タイプ
部分タイプの防水シーツは、主に腰回りをカバーします。
敷くのも簡単なので、交換も楽です。
頭部や足元は守れませんが、多くの場合こちらで十分対応可能。
商品数も多く、価格も安いので選びやすいのもメリット。
全面(表面)タイプ
全面タイプは、文字通りベッドの表面全体をカバーします。
シーツの四方にゴムがついており、引っ掛けるだけなので取り付けも簡単。
尿量の多い方、ベッド上での動きが多い方にオススメです。
ゴムが劣化したりすると、よれやすくなる点には注意が必要。
ボックスタイプ
こちらはマットレス全体を覆うので、表面に加え、側面も守ってくれます。
しっかり固定する事でヨレにも強く、リクライニングベッドにも対応できます。
防御性能が非常に高い反面、交換や手入れが面倒という欠点もあります。
全面タイプやボックスタイプは、敷パッドとも呼ばれます。
ベッド全面を覆うので、違和感なく休めるのがメリット。
気になる方は、下記記事もご覧ください。
使い捨て防水シーツの注意点
ここまでで紹介してきた商品は、全て「繰り返し利用可能」な防水シーツです。
汚れたら洗濯して、また使用する事が出来ます。
使い捨てタイプというのもあるので、ご紹介します。
こちらが使い捨てタイプになります。
先に言ってしまうと…、コレは日常的に敷いておくにはオススメしません。
寝心地が悪く、あくまで非常用の域を出ません。
繰り返しタイプに比べ安いので、購入しやすいかと思いますが注意しましょう。
介護用防水シーツのオススメ種類
防水シーツは色々あり、どれを購入すべきか迷ってしまいますね。
途中で述べてはきましたが、家庭での使用なら下記タイプがオススメ。
家庭でのオススメ防水シーツ
- 防水仕様
- 部分タイプ
- 繰り返し(洗濯)可能
撥水タイプは、尿量が多ければ裏まで染み込んでしまうし、ムレやすいです。
特に理由がなければ、シーツをしっかり守れる防水タイプがオススメ。
念の為であっても、日常的に敷くなら「繰り返し利用可な防水シーツ」が良いです。
使い捨てタイプは、「安いビニールを敷いた」という感じで、非常に寝心地が悪いです。
※安い為、店頭で使い捨てを勧められる事もありますが、注意。
基本的な尿失禁対策は「部分タイプ」でOK
次にシーツのサイズは、利用者様の尿量や動きに応じ、大きさを決めると良いでしょう。
交換の手間も考えると、部分タイプか全面タイプがオススメです。
下記にポイントをまとめましたので、参考に使い分けて下さい。
・面積が小さく、ムレにくい為、不快感が少ない
・洗濯や交換が楽
・尿量や失禁の少ない方はこちら
全面タイプ
・尿量や動きが多い方にオススメ
・交換がしやすい
・総合的にバランスが良い
ボックスタイプ
・防御性能が高く、レンタル品など汚したくない時に最適
・よれにくく、リクライニングベッドにも対応
・交換や洗濯など、管理が面倒
初めてで良く分からない場合、まずは部分タイプの防水シーツをオススメします。
私の経験上、ほとんどの場合こちらで十分対応可能です。
上記3タイプの中でも最もポピュラーであり、安価で種類も豊富なので選びやすいかと。
部分タイプはさっと敷けるので、利便性の面でもオススメ。
介護用にオススメの防水シーツ
ここからは、実際の商品からオススメの介護用防水シーツを紹介。
全面タイプ等、バリエーションも重視して選びました。
Tetote「防水シーツ」
まず紹介するのは、部分タイプの防水シーツ。
標準的な防水シーツとして、1つは持っておきたい商品。
丸洗い・乾燥機OKなので、汚れた際も楽々です。
Tetote「防水シーツ」
参考価格 ※Amazonより | 2,560円 |
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サイズ | 90×170cm |
種類 | 部分タイプ |
特徴 |
|
長さもあるので、しっかり巻き込みズレなく使用可能。
防水面も他商品より広く、端までカバー。
3層構造で、防水力にも優れてます。
非対応の防水シーツもあるなか、乾燥機対応なのも偉い点。
さらに耐熱120℃は、他と比較しても優れています。
…というのも、防水シーツは洗うとなかなか乾きません。
汚す機会が多いだけに、乾燥機対応は嬉しい点。
ケラッタ「介護防水シーツ 部分用」
こちらも部分タイプの介護用防水シーツ。
枚1~3枚セットから選べサイズも豊富、Amazonでの評価も高い人気商品。
ケラッタ「介護防水シーツ 部分用」
参考価格 ※Amazonより | 2,880円 ※2枚セットの場合 |
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サイズ | 90×170cm |
種類 | 部分タイプ |
特徴 |
|
こちらは乾燥機不可ですが、綿100%で低価格で購入できます。
1枚だと約1,970円、3枚セットだと約3,980円。
防水シーツは数枚用意したい商品でもあるので、お得に数を揃えたい時もオススメ。
先のデニムは少しサラッとツルツルとした生地が特徴、好みに応じて選びましょう。
またカラーも豊富に用意されており、柄タイプも存在します。
コレが結構オシャレで、介護っぽさを感じないデザインとなってます。
Amazonだと種類も選びやすいので、興味のある方はどうぞ。
Hathi「介護シーツ」
こちらは、介護施設との共同開発で生まれた防水シーツ。
乾燥機OKな少し大きめサイズで、実用性に優れた商品です。
Hathi「介護シーツ」
参考価格 ※Amazonより | 3,780円 |
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サイズ | 100×140cm |
種類 | 部分タイプ |
特徴 |
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肌に優しい綿100%のパイル生地。
さらに乾燥機OKで、他より高い耐水性の値を持っています。
3カラーなので、好きなモノを選んで使用できます。
しっかりとした防水シーツをお求めの方にオススメ。
Tetote 全面防水シーツ 四隅ゴム付
こちらは、全面タイプの防水シーツ。
四隅にゴムがついているので、設置も簡単です。
Tetote「全面防水シーツ 四隅ゴム付」
参考価格 ※Amazonより | 2,400円 |
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サイズ | 105x200cm |
種類 | 全面タイプ |
特徴 |
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全面タイプのパイル生地という事以外は、先に紹介したtetoteの商品と同様。
乾燥機OKで耐熱性にも優れ、使いやすい防水シーツ。
時々仕事で使いますが、ゴムがあるので敷きやすい防水シーツです。
防水性も優れ、シーツもちゃんと守ってくれます。
「動き・失禁量が多い」「オムツ外しがある」、という時に便利です。
アイリスオーヤマ「防水シーツ 2枚組」
こちらはアイリスオーヤマの防水シーツ。
2枚セットで、全面タイプとボックスタイプ。
サイズとカラーも複数あるので、お好きなモノを選べます。
アイリスオーヤマ「防水シーツ 2枚組」
参考価格 ※Amazonより | 2,480円 ※シングルの場合 |
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サイズ | ハーフ:100×105cm シングル:100×210cm セミダブル:120cm×210cm ダブル:140cm×210cm ボックスシングル:100×200×30cm |
種類 | 全面orボックス |
特徴 |
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こちらも2枚組なので、ちょっとお得に購入できます。
ハーフ~ダブルまでは、四隅ゴム付きの全面タイプ。
ボックスシングルは、下まで被せるタイプの防水シーツですね。
知名度も高いメーカーなので、購入しやすい方も多いかと思います。
大きめサイズで数を揃えたい時にオススメです。
尿失禁、尿漏れ対策も同時にする
シーツが汚れているという事は、利用者様の衣服も汚れている場合が多いでしょう。
更衣の手間もあるし、肌や衛生面にもよろしくありませんね。
防水シーツが汚れない状況が作れれば、介護者・本人共に負担を減らせます。
シーツを利用しながらも、尿失禁対策についても考えてみましょう。
介護用品の使い方や環境などを見直すと、改善できるケースがありますよ。
意外と正しく使用できてない事もあるので、気を付けましょう。
部分タイプのシーツを使う時は、ちゃんと腰の位置に敷かなければ効果が発揮できません。
他の夜間の尿失禁対策もご紹介しますね。
オムツやリハビリパンツ、尿取りパッドの見直し
ご家庭では、夜間何度もオムツ交換するのは現実的ではありません。
使用する尿取りパッドやオムツの種類についても、確認してみましょう。
もし夜間の尿量にお悩みなら、夜だけでも尿吸収量の多いパッドを使用しましょう。
夜用のパッドとなると、尿吸収量800ccや1000cc~が大きいサイズになります。
上記記事内では、失禁対策も扱ってますので参考下さい。
また、正直リハビリパンツは夜間尿が漏れやすいです。
夜間だけオムツを使用という手もあるので、本人の様子と併せて考慮下さい。
またオムツのサイズがあっていないと、ズレが生じて漏れの原因になり得ます。
オムツの当て方でも、漏れにくさは変わってきます。
しっかり当たっていないと漏れてしまうし、無理に締めても肌を痛めます。

家のトイレが遠かったり使いにくい為、トイレでの排泄を諦めている方もいらっしゃいます。
⇒ポータブルトイレの種類と選び方
まとめ
今回は、介護用防水シーツの情報をお届けしました。
最後に要点をまとめておきます。
- 部分タイプがコスパ良く、十分対応可能
- 防水タイプを使用
- 使い捨てタイプは避ける
高齢になると、どうしても排泄の悩みが出てきます。
排泄介助は、双方にとって身体的・精神的負担が大きくなります。
介護用品も上手く活用し、穏やかかつ快適に過ごせるようにしましょう。
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