介護施設の夜勤は、一人で対応する施設も多く、忙しく大変。
高齢者を見るので、急変や事故など危険もあります。
経験の少ない職員も入る為、「怖い」「心配だ」という方も声も多いです。
出来れば夜勤を辞めたい方もいるでしょう。
そこで本記事では、「介護夜勤が不安、やりたくない時の解決方法」をお伝えします。
- 介護夜勤ならではの「不安」「恐怖」
- 安心して夜勤で働く為の注意点
- 夜勤回数を減らす、辞める方法
「初夜勤に挑戦される方」「今夜勤に入ってるけど、もうやりたくない方」。
色々だと思うので、目次から参考になりそうな箇所をご覧ください。
介護職が感じる「夜勤の不安と負担」
介護現場の夜勤は、介護士にとって不安やストレスが大きい時間です。
急変や体調不良への対応、正しいケアが出来ているかの不安。
寝ない人や不穏対応へのストレス、事故や体調不良の心配もあります。
夜間という時間や勤務時間の長さ、忙しさによる身体的負担も多いですよね。
体調不良や緊急対応の難しさ
夜勤中特に焦るのが、利用者に体調不良や急変があった時。
緊急時の対応方法について、不安に思う方もいるでしょう。
その内容も、体調悪化から事故まで様々。
利用者の急変・事故例
- 熱発
- 転倒事故
- 嘔吐など
急な事で焦ってしまい、冷静な判断が出来ない事も。
高齢者施設ですし、「最期のお見送り」や「予測できない突然死」もあります。
こうした出来事から、精神的ダメージを負う職員もいます。
相談相手がいない心細さ
夜勤の不安や負担に拍車をかけるのが、職員の少なさ。
看護師が夜間も常駐してる施設は少なく、一人夜勤の施設も多いのが現状。
「自分が正しいケアが出来てるか?」と心細さを感じる方もいます。
一人夜勤によるストレスや休憩の問題
職員が少なく、安心して休憩や仮眠が取れない問題もあります。
先ほどの「一人(ワンオペ)夜勤」では、それが特に問題視されてます。
忙しい業務を一人でこなし、緊急時の判断まで求められる。
しかも休憩も仮眠もとれないと、身体・精神両面の負担が大きくあります。
夜勤の1人立ちを急かされる
介護での独り立ちは、通常は日中業務から業務方法を学び、夜勤は最後の仕上げという形。
期間は人それぞれですが、その人に合ったペースで業務を学ぶのが理想です。
夜勤は不安も責任も大きい業務の為、経験問わず慎重に独り立ちを進める必要があります。
焦りが仇となって、新人職員を潰してしまう職場もあり注意が必要です。
「体力負担」と「収入確保」の葛藤
介護夜勤を辞めたい方には、体力的な理由が多いんじゃないでしょうか。
- 夜勤をしてると身体の調子が悪い
- 夜間起きてるのは辛い
- 休みの日は寝てばかりになってしまう
上記は、介護夜勤をしてて自分が感じてる事。
夜起きてるだけでも、辛いモノ。
出来れば辞めたいと思っても、収入の為に夜勤をせざるを得ない方も多いはず。
収入が減ると思うと、なかなか辞める決断が出来ずにいます。
介護夜勤をやりたくない時に出来る事
既述の通り、介護夜勤は大変ですし「夜勤をやりたくない」と思うのは普通の事です。
そんな時は、まずその気持ちを周囲に伝える事から始めましょう。
夜勤の避け方としては、下記方法をとる事が出来ます。
- 夜勤回数を減らす
- 夜勤を辞める
- 夜勤のない職場・働き方を選ぶ
もし「夜勤をやりたくない」気持ちが強いなら、夜勤を避ける方向に動きましょう。
正社員にこだわるのであれば、「夜勤の無い職場」を選ぶ必要があります。
夜勤回数を減らす
多くの介護施設では、夜勤に入れる事が正社員の条件です。
ただし、多くこなす必要はありません。
「夜勤回数を少なくして」という相談も可能です。
まずは、直属の上司やシフト作成者に相談して下さい。
夜勤手当で稼ぎたい職員もよくいますので、バランス調整は可能です。
夜勤者が少ない場合、必ずしも思い通りになるとは限りません。
夜勤回数を制限する決まりなども存在しないので、注意して下さい。
働き方を変えて「夜勤を辞める」
どうしても嫌なら、「夜勤を辞める」という選択も有ります。
しかしこの場合、正社員の立場を維持できない可能性が高いです。
夜勤手当がない事による収入低下も、覚悟せねばなりません。
「パートで良いから夜勤から外して欲しい」と、自分の意志を曲げずに説得しましょう。
伝えたからと、すぐに夜勤から外れられるワケではありません。
現在出てるシフト分は出勤せねばならないので、早めに伝えましょう。
夜勤をやらないなら「介護派遣・パート」がオススメ
夜勤をやりたくないなら、パートや派遣がオススメ。
かくいう私も、非常勤で働いてます。
特に介護派遣は時給相場も高いですし、収入面でも助かるかと。
私はパートですが、夜勤手当とボーナス以外はほぼ正社員と変わりません。
それならば、夜勤なしの条件で転職してしまうのも方法ですね。
「夜勤の無い職場」に転職する
仕事に行きたくないほど夜勤が嫌であれば、夜勤が無い職場に転職すると良いです。
介護でも夜勤の無い職場はあり、そうした職場なら正社員採用も狙えます。
例えば、下記の事業所が該当します
これら入居施設と違い、サービス提供時間も事業所で決まってます。
土日休みの職場を探したい方にもオススメ。
転職活動時にはよく確認して下さい。
さらに近年は、正社員条件の柔軟な職場も出てきてます。
夜勤がある施設でも、日勤帯の勤務で正社員になれる職場も存在します。
転職サイトの情報も活用しよう
転職活動の際は、転職エージェントも活用する事をオススメします。
「夜勤の無い職場」などと希望を出せば、求人のマッチングを行ってくれます。
「夜勤が楽な職場」を聞いてみるのも良いでしょう。
介護夜勤の不安と恐怖の克服方法
ここからは、「介護夜勤の苦手意識を克服する為のお話」です。
不安や負担を感じるのは当然の事です。
これらを上手く払拭するには、下記の事を意識しましょう。
介護夜勤の不安を克服する方法
- 体調不良や緊急対応の事前確認を徹底する
- 少し早めに動く
- 夜勤者が働きやすい職場を選ぶ
介護夜勤では、職場のサポート体制はもちろん、介護士としての総合力も必要になります。
順を追ってお話しします。
「申し送り」や「緊急連絡」の確認徹底
夜勤で出勤したら、夜間に備えしっかり申し送りの確認をしましょう。
体調不良者がいる場合、夜間の対応方法についてしっかり指示を仰いで下さい。
「こうなったら不安」という場面の事まで、こちらから尋ねる癖もつけましょう。
そういった面では、看護師が配置されオンコール体制がある施設が働きやすいですね。
具体的な指示確認や連絡がしやすく、安心感はあると思います。
夜間の特変等について、看護師に連絡相談ができる
介護士としてスキルアップも図ろう
夜勤で落ち着いて働くには、介護士としての総合力が必須です。
介護夜勤で必要な能力
- 特変への観察力や判断力
- 不穏やストレスへの対応力
- 丁寧かつ効率よく動く仕事力
介護夜勤では、不安やストレス、業務量との戦いです。
場数を踏み、地道にスキルアップを繰り返すのも必要な事です。
知識や経験が増えれば、徐々に不安も減ってきます。
自分でも緊急対応等の知識を調べておくと、いざという時の判断を助けます。
早めに動いて「余裕を作る」
介護夜勤は割とマイペースに働けますが、時間をみての「業務組み立て」が重要です。
巡視やオムツ交換など、かかる時間を逆算して動きましょう。
慣れないうちは、10分位早めに動くのがオススメ。
時間に余裕を持つと、精神的余裕にも繋がり、アクシデントにも冷静に対処できます。
但し、利用者様の睡眠や生活に迷惑を掛けない様には注意して下さい。
また巡視は、かなり重要な業務です。
寝ている時はその様子の変化には、なかなか気づけないものです。
安眠を妨げない範囲で、可能なら呼吸の様子までよく確認しましょう。
定時にしっかり巡視し記録に残す事が、いざという時に自分の身も守ります。
それに気づき、周囲に伝える事が重要ですね。
独り立ちが不安な時は相談する
夜勤での指導ペースが早く、独り立ちが不安であれば素直に相談しましょう。
業務の流れや利用者対応などが分からない時は、付き夜勤の回数を増やして貰って下さい。
最初から全て完璧にこなす必要はないです。
独り立ち後も失敗するのは普通ですし、重要なポイントだけ押さえてあれば大丈夫です。
夜勤者が働きやすい職場を選ぶ
介護夜勤における安心は、自分の力だけで作る事は出来ません。
他職種や管理者等、職場全体でのサポートが必要不可欠です。
転職活動においては、「夜勤者が安心して働ける環境」がある職場を選びたいですね。
介護士が安心して夜勤に入れる職場を選ぶ
- オンコール体制がある
- 複数名で夜勤に入れる
- 独り立ちまでしっかりフォローがある
複数名かつオンコール体制がある施設
複数人で夜勤に入れ、看護師の配置やオンコール体制がある施設等がオススメ。
例えば、従来型の特養や老健、有料老人ホームなどですね。
休憩や仮眠もとれるし、良い事ずくめです。
逆に1人夜勤の施設は避けて下さい。
体力的な不安があれば、8時間夜勤の施設がオススメ。
「明け=休日」になってしまいますが、公休の多い施設で働けば余裕も出来ると思います。
職員指導力のある職場を選ぶ
出来る事ならば、新人指導力のある職場を選びたいものです。
職員数に余裕があり、独り立ちまでじっくり指導を受けられる職場が望ましいですね。
…ですが、こういった内部情報は事前把握が難しいです。
職場見学や質問などで、情報を見聞きするしかありません。
あるいは、転職支援サービスの活用も有効。
内部情報の聞き出しや、夜勤の安心感を重視した職場選びなど、様々な相談が可能です・
マイナビ介護職 なら、サービスも充実しており、著しく定着率の低い求人の掲載を避けてます。
良質求人の紹介にも期待も出来ると思います。
もし精神的なダメージを負った時は…
老人ホームで生活している方は、予測できない突然死を迎える事もあります。
いくら職員が気を付けていても、避けられない事態も起きる場所です。
急な対応でのパニック、責任を感じ自分を責めてしまうなど…。
それにより精神的ダメージを受けてしまう介護職員も多くいます。
私も、巡視時に既に亡くなっている姿を発見した事もあります。
「自分に落ち度があったからだ」と、当時は苦しい思いもしましたが…
他職員から「最期にあなたといる事を選んだ」と言われ、心が救われました。
もし現在悩みを抱えているのなら、同じ言葉を贈ります。
収入や経験は夜勤が全てではない
夜勤が無いと収入も落ちますが、給料を増やす方法は夜勤だけではありません。
資格や職場選びなど、色々な方法でカバーできます。
夜勤に入らなくても、介護福祉士もケアマネも取れます。
また「夜勤が出来るから優れている」というのも違います。
日中の業務のみだって、介護士として立派に成長できます。
収入や経験を得る方法は、夜勤だけではありません。
「正社員で夜勤」が全てではありません。
自分に合った方法で、安心して長く続けられる働き方を選んで下さい。
無理して介護夜勤をやる必要はない
夜勤が出来て1人前という風潮もありますが、別に無理して夜勤に入る必要はないです。
色々と話しましたが、言いたい事はこれに尽きます。
自分も10年近く介護職で働いてますが、今も「夜勤はやりたくない」と思ってます。
介護施設の夜勤は、危険が多く、介護士の経験や知識が問われる時間帯です。
冷静な判断力だけでなく、ストレスによる心のコントロール力も求められます。
職場によっては、介護夜勤の重要さや大変さを軽視してる印象も受けます。
周囲の風潮に流されず、焦らず自分のペースで成長できる職場で働きましょう。
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