正社員に疲れたから、次は派遣社員で気楽に働いてみたい。
だけど、派遣も不安だしイマイチ踏み切れない。
職員負担の大きい介護業界では、そんな方も多いでしょう。
そこで今回は、「介護派遣のメリットとデメリット」をテーマに解説。
介護派遣の実態を見たうえで、正社員とどっちの方が良いかを比較します。
ただ正社員もメリットがあるので、決めかねてる方の参考になれば幸いです。
介護派遣のメリット

まず介護派遣のメリットには、主に下記の様なものがあります。
- 柔軟な働き方が出来る
- 需要が高く、時給相場も高い
- 残業を回避しやすい
- 派遣からも正社員等を目指せる
収入や不定期でキツイシフトなど、介護業界の不安要素を上手く回避できるのがメリット。
勤務時間や休日など、収入を高めつつ、気楽にマイペースに働けるのが特徴ですね。
「時間」や「期間」を決め自分のペースで働ける
介護派遣は、金額や勤務時間など自分の希望にそって仕事の紹介を受けられます。

「日中のみ」や「夜勤専従」などは、非正規ならではの働き方ですね。
派遣先とも契約があり、勤務時間や期間を決めて働けます。
自分のペースで働く事が出来るので、プライベートな時間を確保しやすいです。
こんな働き方ができる
- 数か月間だけ働きたい
- 1日6時間まで
- 週に○日出勤
勤務条件は自分で希望が出せるし、派遣会社が仲介に入り交渉もしてくれます。
派遣先も、派遣会社が希望条件をもとに紹介してくれるので、職場探しの手間が省けます。
希望条件も派遣会社に伝えればOKなので、直接伝えにくい事も言いやすいですね。
雇用期間もメリットになり得る

「この期間だけ働きたい」と言う場合、雇用期間がある事がメリットになります。
また派遣先の「職場が合わない」と感じた時の逃げ道にもなります。
介護業界では、人材不足による引き留めなど、辞めにくい現状も多々あります。
そうした時には、雇用期間がある事が助けとなります。
時給相場が高い
次に介護派遣は、時給相場が高いのもメリットです。
介護派遣の時給相場は、直接雇用のパート職員より高い傾向があります。
地域や事業所、保有資格で差はありますが、1,000円~1,500円程度が一般的ですね。

その理由としては、職場にとって都合よく人員確保できるそのシステムにあります。
介護派遣が高時給な理由
- コストや時間をかけず人員確保できる
- 欠員が出たのでこの期間だけ人員確保したい
企業からしてみれば、時間やコストをかけず人材募集でき、必要な時に人員確保できます。
さらに契約期間があるので、必要時にだけ雇用するなどの柔軟な対応も可能。
その分、派遣社員の時給に上乗せされるのが一般的な理由ですね。
高時給の派遣に頼ってでも人員が必要な事業所が、かなり多いですね。
「介護派遣の夜勤専従」で効率よく稼げる

介護業界で稼ぎたい時、介護派遣の夜勤専従はよく選ばれる働き方です。
介護派遣の高時給に加え、夜間の時給アップや夜勤手当で効率よく稼ぐ方法ですね。
掛け持ち勤務も可能な事から、自分のペースに合わせた柔軟な選択も可能です。
身体が慣れてきたら、別の職場で8時間夜勤を1回増やす、…などですね。

介護派遣が「高時給」や「福利充実」を目指すには?
派遣社員の給料・福利厚生は、派遣会社によって違います。
よって、介護派遣で高時給で働いたり、福利厚生の充実を目指すには、派遣会社選びが重要です。

介護派遣も給料評価には、経験や資格が重要です。
収入アップを狙うなら、やっぱり「介護福祉士」の取得を目指しましょう。

介護派遣会社で、高待遇・福利充実の評判が良いのは「レバウェル介護派遣」ですね。

「サービス残業」「役割」が少なく気楽に働ける

派遣社員は時給が高い為、残業なども少なくて済む傾向にあります。
勤退も派遣会社が管理しているため、サービス残業もしなくてすみます。
直接雇用である内部職員の方が、残業を頼みやすいというのもあると思います。
お金にならない残業をせず、身体や時間を大切に健全に働けるのはメリットですね
残業など仕事での悩みや相談をしっかりサポートしてくれる会社を選びたいものです。

また正社員に比べ、「居室担当」などの責任ある仕事も避けやすいです。
- 居室担当や係
- 委員会や会議への参加
- その他責任のある役割
こうした面倒な役割を避け、気楽に働く事が出来ます。
パート社員でも上記役割を完全に避ける事は難しいので、介護派遣ならではのメリットですね。
レクの企画や主体者も避けられますし、苦手な方にもオススメしたい働き方です。
介護派遣からも正社員を目指せる
下記の様に、介護派遣から正社員(直接雇用)を目指す事も可能です。
- 紹介予定型派遣を使う
- 派遣先の職場でスカウトされる
紹介予定型派遣とは、直接雇用を前提とした派遣契約です。
一定期間後に双方の合意があれば、派遣先の職場で直接雇用を受ける事が出来ます。

また派遣先から「社員やパートで働きませんか」というスカウトも、珍しい話ではありません。
その場合、介護派遣から収入を落とさない形で直接雇用となるケースもよくあります。
…というのも、派遣会社へ支払うマージンを減らす目的の事も多い為です。
介護派遣としては、美味しい話ですね。
リスクを抑え様々な可能性を残せる
その他にも、職場でトラブルがあれば、派遣会社に相談して契約を終了する事も可能です。
有期雇用なので、いずれ職場を離れられるという安心感もあるでしょう。
ミスマッチを防ぎつつも、正社員を目指す慎重な働き方も可能、という事ですね。

介護は施設形態が多く、そこで暮らす利用者や利用目的も大きく異なります。
色々な職場を経験出来るので、沢山の現場を知る事が出来ます。
それらの経験は、今後の職場選びや仕事に活かされるはずです。
介護派遣のデメリット

介護派遣のデメリットは、やはり直接雇用でないという事に起因します。
- 契約期間(有期雇用)がある
- 賞与やキャリアアップに期待できない
- ある程度の適応力は求められる
短期的な働き方となるので、長期的な目線での評価が得にくいです。
契約期間がある事も、人によっては不安要素となります。
契約期間がある

メリットとしてもお伝えしましたが、契約期間があるという事はデメリットとも言えます。
どんなに職場が気に入っても、契約更新があるとは限りません。
人員が潤ってくれば、派遣切りにあうリスクは考えなくてはなりません。

ただ前述の様に、介護派遣の需要が高い事。
社員へのスカウト等もある事から、介護業界では必要以上に気にする必要はないです。
また派遣社員は、原則同じ職場で3年を超えて働く事が出来ません。
雇用安定措置について
派遣社員の雇用期間をフォローする制度に、「雇用期間安定措置」があるので紹介します。
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派遣元は同一組織に3年間派遣される見込みがある方に対し、派遣終了後の雇用を継続させる為の「雇用安定措置」を講じる義務があります。
雇用安定措置とは
- 派遣先への直接雇用の依頼
- 新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)
- 派遣元での(派遣労働者以外としての)無期雇用
- その他安定した雇用の継続を図るための措置
※1年以上3年未満の見込みの方については、努力義務
参考:厚生労働省「派遣元事業主の皆さまへ」
派遣では、3年以上働くと法律上契約が打ち切られてしまいます。
その為に上記の様な支援が行われます。
どの措置を選ぶかは、基本的に派遣社員に決定権があります。
3年未満の方の措置は努力義務ですので、会社により異なります。
賞与やキャリアアップが期待できない

介護派遣は、雇用期間が定められている働き方です。
故に役職に就いたり、勤続年数などによる昇給など、長期的なキャリアップは期待できません。
直接雇用に比べ、昇給などの機会は少ないでしょう。

介護派遣では、賞与が支給される会社も少ないです。
収入アップを狙うには、資格取得で高時給の仕事を選べる様にする努力も必要もですね。
自分を大切にした働き方が出来る分、正社員に比べ恩恵は少なくなります。
実際には介護派遣の方が総合的に美味しい事が多く、大した問題にはなりません。
即戦力を期待される可能性もある

介護派遣は、人材が足らない場合のフォローとして即戦力を期待される事があります。
その為、適応力や仕事に自信が無ければ、仕事先は選ぶ必要があります。
今までの経験上、一般職員の新人職員と同じく指導する職場の方が多いのでご安心下さい。
未経験の介護派遣さんとも、よくいらっしゃいます。
未経験に強いサービスを選んだり、派遣会社にその旨をよく伝えましょう。
人間関係の構築に苦労する可能性
短期間で職場を変えるという事は、一緒に働く職員との関係も一新されます。
これをメリットとみるかデメリットとみるかは、意見の分かれる所でしょう。
合わない職員がいてもいずれ離れられるし、多くの出会いも経験できます。

いくら介護経験があっても、利用者様の情報なしに仕事は出来ません。
人間関係含め、仕事に慣れるまでが一番負担の大きい時期です。
慣れたと思ったら、また次の職場という事もあるでしょう。
人によって、合う合わない分かれる部分ではありますね。
ただ色々な職場を経験できる分、介護職としての成長速度には期待できます。
派遣社員は人間関係で苦労する?

よく「派遣社員は人間関係で苦労する」という話があります。
しかし、別に派遣だからといって人間が悪くなる事はありません。
職場が変わるスパンが短いから、慣れるまで大変だという話です。
現場に入れば、雇用形態なんかは些細な事です。
派遣だからと人間関係や仕事に支障があるなら、正社員で働いても働きにくさは変わりません。
ただし「派遣だから知らない」ではなく、こちらからも協力姿勢を見せておきましょう。
派遣だからと苦労する事もないので、ご安心ください。
介護職正社員のメリットとデメリット

続いて、介護職の正社員のメリットとデメリットも見てみます。
正社員は賞与の支給がされやすく、無期雇用で仕事としては安定してます。
反面、忙しく負担の大きい職場が多く、働きやすい環境選びが重要となります。
介護正社員のメリット【無期雇用でボーナスがある】
先に述べた通り、正社員のメリットはボーナスと無期雇用です。
介護職全体では、賞与の支給率は約71%。
ボーナス額は約54万円が平均値でした。

処遇改善に加え、ボーナスも得られるので収入が安定します。
無期雇用という安心感もあり、とにかく安定感が魅力ですね。
正社員ならではの「役職・職種」もある

また介護では特に役職に就きやすい傾向にあり、役職手当にも期待できます。
加え、生活相談員やケアマネ等は、やはり直接雇用でないと就きにくい職種です。
人手不足な分、様々な業務に関われるチャンスがあります。
やりたい仕事やスキルアップの機会にも恵まれてますね。
介護正社員のデメリット【身体的にキツイ】
正社員のデメリットは、とにかく疲弊しやすい点。
- シフトが不定期かつキツイ
- 時間外労働が多い
- 役職など、業務の量が多い
入居の介護施設など、正社員には全時間のシフトに入れる事が求められます。
早番や遅番、夜勤など不定期なシフトを避ける事が難しくなります。
介護業界は人手不足な為、やはり正社員の時間外労働は多くなりがちです。
また居室担当や会議への参加、各種係など、直接雇用者ならではの業務も多くあります。
役職に就きやすいのもメリットですが、望まず就かされるケースも少なくありません。

シフトの面でも、人手不足で駆り出されるのはまず正社員です。
休日出勤や残業など、勤務がキツくなりがちです。
人員が潤っていて負担が少ない、給料やボーナスが多いなど…。
転職活動では、より慎重な職場選びが求められます。
介護派遣と正社員はどっちの方が良い?

ここまでをまとめ、介護職は派遣と正社員のどちらで働くのが良いか比較します。
そうでなければ介護派遣という事になりますね。
それぞれのメリットとデメリットを見返し、自分に合った選択を考えましょう。
総合的には「介護派遣」の方が良い

個人的な意見を言うと、総合的には介護派遣の方が良いです。
その理由として、人手不足による正社員の働きにくさがあります。
加え、仕事に困らないなど介護派遣のデメリットが目立ちにくいのも理由です。
- 時給相場が良い
- 休日数や勤務時間を自分でコントロールできる
- 正社員になる機会も少なくない
ただ時給相場が良く、需要も高い事から、介護派遣にも収入や安定性はあります。
また派遣先からの直接雇用のスカウトも結構あります。

変な職場で正社員になるぐらいなら、介護派遣の方が健全かつ収入も確保できます。
好きなシフトで働けるので、ワークライフバランスも実現可能です。
⇒介護職が転職でワークライフバランスを実現する方法
正社員にこだわり、疲れて転職を繰り返すぐらいなら介護派遣がオススメ。
契約期間のデメリットを飲めるなら、介護派遣の方が気楽で働きやすいかと思います。
気になるのであれば、間を取ってパート社員で働くのもアリですね。
良い職場があれば「正社員」「パート」も検討する

介護派遣が優れてるとはいえ、正社員の賞与と無期雇用はやはり魅力です。
また非正規という後ろめたさを感じる方もいると思います。
「正社員で働いている」という安心感は、雇用だけでなく精神面にも影響は大きいですよね。

ただ介護業界では、なかなか良い職場を見つけにくいのも事実。
働いて初めて分かる事だって多々あります。
「何だか良い求人が見つからない」「続けられるか不安がある」など…。
決め手に欠ける時は介護派遣で働き、良い職場ならそこで正社員を目指す動きがオススメ。
介護系転職サイトには、派遣会社も兼ねてるサービスが多々あります。
正社員だけでなく、派遣求人も見れるので活用してみて下さいね。
上記の様な、派遣で働く事で介護資格が取れるサービスもありますよ。



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