高齢になり介護が必要になると、食事を食べる動作も難しくなります。
そんな方の役に立つのが、「介護用のスプーン・フォーク(カトラリー)」です。
今回は「介護用スプーンの種類と選び方、オススメ商品」をお話しします。
自分で食べたい人や食事介助での使用、手の不自由な方に向けた自助具スプーンなど…、
場面毎の悩みを解決できるよう、選び方やオススメ種類を解説。
兼用で使えるタイプもあるので、ご参考下さい。
高齢者向け介護用スプーン・フォークの種類
介護用のスプーン・フォークは、大きく分けると下記種類があります。
- 標準な介護スプーン(軽くてすくいやすい)
- 介助用スプーン(シリコンゴムで口当たりが優しい)
- 自助具スプーン(スポンジハンドル付きで曲げられる)
※明確に呼び分けられてはないですが、便宜上ここでは上記名称で進めます
介護用スプーンにも、自力摂取や食事介助など目的により様々な種類があります。
なかでも特徴的なのは、「介助用」と「自助具」のスプーンですね。
順番にご説明します。
標準型介護スプーン
「標準タイプ」は、普通のスプーン類に高齢者向けの配慮を加えた商品です。
- 軽さ
- すくいやすさ
- 握りやすさ
「柄が握りやすく軽量」、「すくいやすく、こぼしにくい」といった特徴があります。
基本的に形も普通のスプーンと変わらないので、多くの人に使いやすい種類ですね。
要介護者が自分で食べる為に使っても良いし、介助用として使う事も出来ます。
分かりやすい商品だと、下記の「ピジョンの介護スプーン」が該当します。
スプーンの他にも「フォーク」、先端のみが三つ又に分かれた兼用タイプもあります。
店頭での入手もしやすく、幅広く使えるオーソドックスなタイプですね。
箸は使わず「スプーン・フォーク類での食事が中心」という方にオススメしたい種類です。
ソフトスプーン(介助用スプーン)
ソフトスプーンは、その名の通りシリコンゴム製の柔らかいスプーンです。
主に介助者が食べさせる際に使用し、介助用スプーンと呼ばれる事もあります。
他の介護用スプーンと比べ、下記特徴があります。
- シリコンゴム製で柔らかい
- すくい部(つば)の形がフラット
- 介助での使用が多い
柔らかく口当たりが優しいので、お口がデリケートな方も安心して使えるタイプです。
上記商品のように、深さがなく平らで「小さいサイズ」もあるのも特徴。
離乳食などに使われる事も多いですが、高齢者介護でも使われます。
ソフトスプーンは自分で使う場合も含め、その形状から食べやすい物が限定されます。
大きくて硬いモノや、さらさらした液体などはすくいにくいですね。
自助具スプーン
自助具スプーンは、柄にスポンジハンドルが付いた種類。
持病や障がい等で「手をうまく動かせない方」を中心に使用されます。
- 長い柄にスポンジハンドルを差し込んだ形状
- 柄が太く握りやすく、曲げられる
- 手が上手く動かない方、力が入りにくい方などに使われる
こちらはスプーンだけでなく、フォーク類や兼用タイプもあります。
柄が太くて握りやすく、「柄を曲げられるタイプ」もあるのが大きな特徴ですね。
例えば上記商品は、先端だけでなく「持ち手の柄」も曲げられます
「自助具」とは、自分ですることを助ける福祉用品の事です。
この商品でいえば、手を上手く動かせない方が自分で食べる事を目的とした物ですね。
その為「先端部」も他より大きく、柄も長めです。
非常にユニバーサルなスプーンですね。
万能カフで「手指」や「握力」もカバー可能
自助具スプーンは、「万能カフ」という物も併せ使用する事ができます。
万能カフとは、ベルトを手のひらに巻き付け「握る動作」をサポートする商品。
手指が曲がらない方、握力の弱い方等に適しています。
食事の他には、歯ブラシやボールペンを持つ事も可能です。
高齢者介護用スプーンの選び方
介護用スプーンは、使用者の状態を見て適切な種類を選ぶ事が大切です。
ここまでの要点を抑え、各種類の選び方のポイントをまとめました。
介護スプーンの種類 | オススメしたい人・場面 |
---|---|
標準タイプ |
|
介助スプーン |
|
自助具スプーン |
|
「自助具スプーン」は、手の力や可動域等が原因で上手く食べられない時。
「ソフトスプーン」は、柔らかく細かい物を少しずつ食べる。
あるいはスプーンの形や大きさで、口を傷つけてしまう様な時に使うと良いでしょう。
介助が必要な場合でも、「標準タイプ」の方が食べやすいケースもあります。
どちらも使うほどではないと思ったら、標準タイプが使いやすいかもしれません。
何を使うべきかは状態で異なるので、もし迷ったら専門家に相談してみて下さい。
スプーンと兼用できるタイプもあるので、好みに応じ用意しましょう。
介護経験上、スプーンの方が使うので優先順位は高め。
ただ麺類などフォークの方が食べやすい食品もあるので、両方あるのが理想です。
介護用スプーン・フォークのおすすめ商品
ここからは、オススメの介護用スプーン・フォーク類を紹介します。
各種類について、「介護現場での定番」や「実際に使って良かった物」。
「利用者様から好評だった物」を中心にご紹介します。
ハビナース「すくいやすいスプーン・フォーク」
まずは標準タイプの中でも、定番とも言える介護スプーン。
自分で食べるにも、介助用に使ってもOKの人気商品です。
ハビナース「すくいやすいスプーン」
参考価格 ※公式より | 770円 |
---|---|
種類 | 標準 |
サイズ | 長さ:16.4cm |
重さ | 20g |
特徴 |
|
老人ホームなどの介護現場でも、よく使われる商品です。
非常に軽い為、要介護にある高齢者でも多くの方が使用できます。
大きさはデザートスプーンより大きく、カレー用等よりは小さめ。
何にでも使いやすいサイズです。
安くて取り扱いが多いのも◎。
普通のスプーンを使いくそうな方に渡すと、「こっちの方が良い」とお声をいただいてます。
同シリーズで、フォークも販売されてます。
こちらも使いやすく、両方持っておくと不便がないです。
ハビナース「かるいスプーン」
こちらも軽さが売りのステンレス製スプーン。
介護用としても使えますが、どちらかというと自立度の高い人向けの商品です。
ハビナース「かるいスプーン」
参考価格 ※公式より | 1,100円 |
---|---|
種類 | 標準 |
サイズ | 長さ:17.8cm |
重さ | 25.5g |
特徴 |
|
柄が太くて握りやすく、中が空洞構造で軽いのが特徴です。
軽いとありますが、「すくいやすいスプーン」よりは少し重さがあります。
「あまり介護を連想させる物は嫌だ」という方にオススメです。
大きな問題もないけれど、使いやすいスプーン・フォークを探してる方はどうぞ。
岡部洋食器「口あたりやさしいスプーン」
こちらは、食事介助も想定したソフトスプーン。
サイズやカラーも豊富なので、人や状況に応じ好みのモノを選ぶことが出来ます。
岡部洋食器「口あたりやさしいスプーン」
参考価格 ※公式より | 700円(税別) |
---|---|
種類 | ソフトスプーン |
サイズ | 長さ:16.4cm、幅:2cm、 |
重さ | 14g |
特徴 |
|
サイズは【レギュラー・大・小】、カラーも3種類。
※上記はレギュラーサイズ
スプーン部はシリコンゴム、持ち手の部分はナイロン素材。
商品名の通り、口当たり優しいので介助でも安心して使用できます。
他には「一体深型」など、普通のスプーンに近い形状の商品もあります。
斎藤工業「オールステンレスハンドル 平型スポンジ付」
こちらは「先端部を曲げる」ことが出来る介護スプーンです。
フォーク類もあり、介護施設の利用者様にもよく利用される定番の自助具スプーンです。
斎藤工業「オールステンレスハンドル 平型スポンジ付」
参考価格 ※公式より | 1,078 |
---|---|
種類 | 自助具スプーン |
サイズ ※スプーン大 | 【先端部】幅:3.6cm、長さ:5.5cm 深さ:0.5cm |
特徴 |
|
上記はスプーンですが、フォークや兼用タイプもあります。
こちらは先端部だけですが、柄の部分を曲げられるタイプもあります。
さらには軽量タイプやスポンジ部の形など、多くのバリエーションが存在します。
小になると、深さも含め一回り小さいモノになります。
斎藤工業では、様々な自助具スプーン・フォーク類を販売してます。
状態や好みに応じ、必要な機能を選べるのも魅力ですね。
ちなみに下記は、大サイズのフォーク。
【関連商品】「革製差込バンド(万能カフ)」
自助具スプーンには、万能カフに対応した商品もあります。
例えば、先の斎藤工業ではステンレスのスプーン部のみも販売してます。
別売の万能カフと併せれば、スプーン類を握る動作もサポートすることが可能です。
斎藤工業「革製差込バンド」
こちらも斎藤工業による万能カフですね。
スポンジの代わりに、カフに差し込んで使用します。
それを手に巻き付け使用する形ですね。
その他食事に関する介護用品
今回は「介護用のスプーンの種類」を解説しました。
他にも食事に関する介護用品は沢山あります。
スプーンと併せ使いたい物としては、下記があります。
- 介護用食器
- 食事用エプロン
- 滑り止め
介護用食器は、すくいやすく滑りにくい食器類です。
スプーン類もその1つですが、他には食事をすくいやすい「介護皿」。
軽くて持ちやすい「汁物食器」「介護用コップ」などがあります。
また滑り止めが付いた「食事トレー」、ランチョンマット等も該当します。
また食事動作が難しくなると、どうしても食べこぼしが増えてしまいます。
そんな時には介護用の食事エプロンを使うと、衣服の汚れも防げます。
撥水加工で水にも強く、洗って繰り返し使えるのでぜひお試し下さい。
食事に関する物には、自助具の箸もあります。
「スプーンを使う程でもない」「使いやすい箸があれば使いたい」という方は検討どうぞ。
麺類などスプーンで食べにくい物もありますので、箸とスプーンを使い分けるのも有効です。
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