老人ホームなどの介護施設に家族が入居したら、どのぐらいの頻度で面会に行くべきでしょう?
何時ごろ面会に行ったら良いのか、という疑問の声もあるでしょう。
「他の家族はどれぐらい来てるの?」と、気になったりもしますよね。
施設職員として、そんな疑問にお答えしていきます。
施設面会時に押さえておきたいマナーもお話ししますので、ぜひご参考下さい。
老人ホームへの面会頻度はどれぐらいが良い?
面会の頻度は、ご本人の様子や自分の負担を考え決めて良いです。
決まったルールは無く、言ってしまえば自由です。
あえて数を示すなら、週1日~ぐらいが目安でしょうか。
入居して日が浅い場合、ご本人の不安も考え、もう少し数を増やして欲しいと思います。
本人の状態把握や職員との情報交換のため、定期的な面会は必要です。
ご本人や職員と直接やり取りする事で、困っている事、必要な物なども把握できます。
またご本人の体調や様子次第では、家族様への相談・判断が必要になる事もあります。
老人ホームからの急な連絡に驚いてしまう事が無いよう、
いざという時の為にも、日頃からご自身の目で様子確認をしておきましょう。
他の家族はどのぐらいに面会に来てる?
施設職員として見ていると、人によって面会頻度はかなり極端な事が多いです。
毎日来られる方もいれば、半年ぐらい面会のないご家族もいます
必要物品など、施設からの連絡が無ければ来ない方もいらっしゃいます。
お住まいが遠く仕事も忙しい、またはその逆であったり。
ご自身も体調が優れず、面会に行くことが出来ないなど…。
ご家庭によって、様々な事情があるようです。
施設選びの際は、通いが負担にならない事も重要なポイントですね。
面会や対応などの負担が1人に偏らないよう、家族や親族の協力体制も大切です。
誕生日や記念日、イベント行事などはご家族様の面会も多くなります。
⇒老人ホームの家族に贈るオススメ誕生日プレゼント
毎日面会に行っても大丈夫?
老人ホームへ毎日面会に来られる方もいます。
施設側で迷惑という事もないので、負担でなければ気にせず行って大丈夫ですよ。
良い家庭だなと、職員としても嬉しく思ってます。
ふらっと顔だけ見て帰る方、食事に付き添い介助されていく方など、スタイルも色々です。
ただちょっと気になる事もありまして…、
面会の義務感が強く、疲れ切った表情がみえる家族様もいらっしゃいます。
もし「疲れた」と感じた時は、自分の事も労わってあげて下さいね。
「自分が食事を食べさせなければ弱ってしまう」と焦ってらっしゃる方もいます。
老人ホームの面会は何時から何時まで?
老人ホームの面会受付時間は、大体10時~19時ぐらいとなっています。
利用施設の受付時間内であれば、ご自身の都合の良い時間で大丈夫です。
もっと早い時間から受け付けている所もありますが…、上記ぐらいの時間推奨です。
入浴や排泄で待つ事もありますが、この時間内なら家族の時間をゆっくり作れます。
お昼時など、食事の時間に重なっても平気ですよ。
食事に付き添われていく方もいらっしゃいます。
面会時間も、結構人によって差がありますね。
毎日来ている様な方は数分ぐらい、たまにという方は30分から1時間ぐらいでしょうか。
定期的に来られている方は30分ぐらいですかね。
たまにの面会であれば、職員もそこは気を遣ってくれます。
必要であれば、職員の方から声がかかります。
看取り時の付き添いについて
老人ホームで最期まで生活できる、看取り対応の施設も増えてきました。
そうした施設では、ご家族様が泊まり込みできるスペースが設けられている事があります。
特に終末期にある利用者様にとっては、ご家族との時間は大変貴重な時間です。
上記に面会時間を書きましたが、看取り時はその限りではありません。
遠慮せず施設の方へ相談してみて下さい。
⇒施設の看取り介護とは?ケア方法や対応施設を実態と共に解説
守っておきたい面会マナー
老人ホームは、沢山の方が暮らす共同生活の場です。
家族の面会時には、施設のルールに従い、周りの迷惑をかけない様にしなければなりません。
特に以下のような事には、よく意識しておきましょう。
- 外食、外泊などは事前に連絡する
- 手洗いやうがいなど、感染症予防に努める
- 共有スペースでは、他の入居者に十分な配慮をする
食事や外出は職員と相談しよう
外食などは自由な事も多いですが、食事や薬などの準備の都合もあり、事前連絡が基本です。
早めに連絡をして、必要な手続きについて確認しましょう。
食事の持ち込み等も可能ですが、本人の嚥下機能や薬との飲み合わせ等の問題もあります。
事前確認や食事量の報告も必要ですので、ご注意ください。
食事介助には関わって頂いても、大丈夫です。
フロアや食堂であれば職員の目もありますので、不安であればアドバイスを受けて下さい。
感染症対策や他入居者への配慮も忘れずに
さらに気を付けておきたいのが、感染症対策へのマナー。
また老人ホームなど集団生活の場では、感染症が非常に広がりやすいです。
特に冬季は、マスクも着用しましょう。
また居室を出た共有スペースでは、多くの利用者様が過ごされています。
居室以外では利用者様を優先し、不快な思いをさせないよう態度には配慮しましょう。
家族面会により、入居中の本人のイメージが悪くならない様にしましょう。
大声等は控え、聞いていて不快にならない様な話題選びにも気を配って下さい。
新型コロナウイルスによる対応について(追記)
コロナウイルスへの対応として、介護施設のほとんどでは面会禁止となってます。
介護施設に入る際には、検温やアルコール消毒等の対応をお願いしてます。
必要物品を届ける際には、事務所へ預ける形になるかと思います。
どうしても面会したい方もいるでしょうが…
今は気持ちを抑え、事務所や電話での連絡に留めておきましょう。
今後の面会は「テレビ電話」や「ビデオ通信」主流か?
新型コロナウイルスによる面会禁止は、既述の通りですが…
それにより、「テレビ電話」や「ビデオ通信」での面会対応が増えてます。
相談室等に移動しプライバシーを配慮したうえで、テレビ電話等を使用する形です。
家族の様子が気になる方も多いでしょうし、施設の方に相談を持ち掛けてはいかがでしょう?
また「まごチャンネル」という、スマホで撮った動画や写真をテレビに送れる商品もあります。
ネット回線もいらないので、居室にテレビを置かれてる方は設置をお願いするのも良いかもしれません。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2019/09/老人ホームへのテレビ持ち込み お勧めサイズと注意点-160x90.jpg)
「面会に行きたくない」その理由
忙しい等とは違った理由で「面会に行きたくない」というご家族もいます。
老人ホームに行くと「帰りたい」と言われるから、というのが主な理由です。
家族の顔を見れば家に帰りたくなるから、面会には行かないという方は結構多いです。
老人ホームに入居中の方は、ほとんど「家にいたいけど仕方ない」という気持ちで利用されてます。
「施設には入らない」と親の納得が得られず、入居前にトラブルとなる事も多々あります。
増して入居直後などは、「帰りたいと言われたらどうしよう」と不安が強く出て、面会に行きたくないと感じる方も多いです。
「帰りたい」の解決は難しい
面会に行くたびに「帰りたい」と言われては、通う足取りも重くなってしまいますよね。
…ですが、そんな時ほど面会は必要です。
結局、顔を見せて安心させてあげるしかないのです。
こういう事情もあるので余計…、という事なのでしょうが
放置で解決できる問題でもないのです。
あまりに本人の拒否が強い場合、違うサービスによる代替案も検討しましょう。
ショートステイやデイサービスから始め、施設利用に慣れていく方もいらっしゃいます。
無理矢理な施設利用は、要介護者やその家族に心の傷を残してしまいます。
非常に悩ましい問題ですが、少しずつ理解を得ていくしかありません。
面会が負担になる家族の心情
ご家族が老人ホームに面会に行きたくない理由は、他にもいくつかある様です。
例えば、以下の様なものです。
- 職員に迷惑をかけているので、行きにくい
- 面会で恥ずかしい思いをする
介護施設を利用されている方には、色々な方がいます。
認知症のある方、意思や個性の強い方など様々です。
介護職員への拒否や怒り、その言動等を目にし、
申し訳なさや恥ずかしさを感じるご家族もいらっしゃるのです。
心情はご察ししますが、介護士も事情は承知してますので、気にせずとも大丈夫です。
もしお悩みでしたら、居室内でゆっくりお話しする事も出来ますので相談して下さい。
居室が相部屋の場合、個室で面会できないか相談してみると良いと思いますよ。
まとめ
老人ホームの面会についてまとめると…、こんな感じです。
- 面会頻度は、無理のない範囲でなるべく定期的に
- 面会時間は、10時~19時ぐらいまでが良い
- 施設ルールに従い、感染症や他入居者様へのマナーを忘れずに
何はともあれ、利用している施設のルールに従いましょう。
どうしても自己都合が出てしまう時、予定を入れたい時などは、早めの連絡も忘れずに。
差し入れなどについても、事前確認や何を食べたか等の報告があるとより親切です。
繰り返しですが、皆さん「家にいたいけど…」という気持ちを抑え、毎日を過ごされています。
介護職員でも、心のケアは家族様には敵いません。
ご自身の無理のない範囲で良いので、ぜひ面会に行ってあげて下さいね。
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