家族が入居している老人ホームなどの介護施設。
面会時に「職員にも差し入れを持った方が良い?」と気を遣われる方が多くいらっしゃいます。
ただ職員数も多く、施設ルール等もあるので、職員への差し入れ方法に悩む事もあると思います。
ご家族ご本人への飲食品の持ち込み方法も、同様です。
そこで今回は、「介護施設への差し入れ方法」をご説明します。
- 「施設職員」への差し入れ方法
- 「入居中の家族」への差し入れ方法
- やってはダメな差し入れマナー
介護職員には、必要以上に気を遣う必要はないので大丈夫ですよ。
職員の身でこんな事を語るのは恐縮ですが、参考になれば幸いです。
覚えておきたいマナーなど、関連情報も一緒にお伝えします。
「介護施設の職員」への差し入れ方法
前提として、職員への差し入れの有無で「入居者様への対応」は変わりません。
嬉しい感情はありますが、それを仕事の判断にはしないし、あってはならない事です。
面会時には、安心してご家族の事へ集中してあげて下さい。
それでは、差し入れ方法を具体的に解説します。
職員へ差し入れすべきタイミング
冒頭の通り、介護施設への面会する度に差し入れは必要ありません。
手間も費用も掛かりますし、自分で苦しくなるので過剰な気遣いは不要です。
他のご家族の様子や個人的な考えで言うと、下記の様なタイミングが良いと思います。
- 入居や退去時の挨拶と共に
- 久しぶりに面会した時
- 何かの節目や感謝を伝えたい時
ちょっと抽象的な表現ですが、何かの節目のみで良いかと。
繰り返しですが、差し入れの有無で職員は差別しません。
最終的には、ご自身の気持ちや余裕のある時で大丈夫です。
どの施設職員へ差し入れすべきか
介護施設で働いているのは、介護職員だけではありません。
特に大きい施設となると、ケアマネや相談員、看護師など、多くの職種が働いてます。
部署を大きく分けると、下記3か所です。
- 事務所
- 介護職員
- 看護職員
ただこれら全ての職員に行き渡る事は考えなくて大丈夫です。
「事務所」か「現場(介護士)」のどちらかにお菓子の1箱でも渡せば形としては十分。
よく分からない時は、事務所へ大きめの菓子折りを渡せばOKです。
施設生活では、入居者様に一番身近に接しているのは介護士です。
もし余裕があれば介護職員にも渡すと良いかと、感謝や気遣いにきっと喜ばれるはずです。
一応事務所でも、出勤時に職員に配られるので、現場にも差し入れの事は伝わります。
現在はコロナの影響もあるので、面会が難しければ事務所でOKだと思います。
面会時にはコミュニケーションを重視する
職員の心象を意識するなら、差し入れよりもコミュニケーションを重視しましょう。
面会時には、下記の様な内容について職員と言葉を交わしてみるのも重要です。
- 挨拶や感謝の言葉
- 本人の状態を尋ねる
- 必要物品の確認や相談
言葉は、時に物よりも人の心を動かします。
笑顔で「よろしくお願いします」と伝えるだけで、職員の活力になっていますよ。
また会話の機会が増えれば、必要物品やケア方法の事など、職員もご家族様への相談がしやすくなり、入居者様の快適な生活にも繋がりやすくなります。
また高齢者の心身の変化は、私達が思う以上に早く激しいです。
ご家族の状態については、こまめに情報把握するようにしましょう。
「最近どうですか?」と尋ねれば、そうした会話のきっかけになりますよ。
近づきすぎもトラブルの元なので、程よい距離感で信頼関係を築いておきましょう。
職員に差し入れは「小分けで日持ちする菓子」がベスト
介護職員に差し入れを用意するなら、クッキーや煎餅など日持ちするものが良いでしょう。
1つずつ包装され、小分けになっているお菓子が喜ばれます。
家族様の差し入れは、職員で分け合う事になります。
その場で全部配られる事は少なく、少しの間「家族様からです」と自由に取れる形になります。
全員に行き渡るまでを考えると、日持ちし職員が分けやすい物が親切ですね。
例えば、こんな感じの菓子折りですね。
菓子折りギフトはネットでも購入できます。
店頭に行くのが大変な時、活用してみて下さい。
介護施設への差し入れ時の注意点
続いて、介護施設への差し入れ時に覚えておきたい注意点も紹介します。
施設によっては、「飲食物の持ち込み」や「職員への差し入れ」にルールを設けてる所もあります。
差し入れ方法によっては、トラブルの原因になる事もあるので事前に覚えておきましょう。
「差し入れ受け取り禁止」がルールにある施設も
見出しの通り、「ご家族様から品物を受け取ってはダメ」とする施設もあります。
差し入れ辞退の理由としては、「ご家族の負担軽減」や「トラブル防止」など。
施設によりその意図は異なる様です。
ただこれは職員へよりも、「利用者ご本人への食品差し入れ」の方が細かく言われますね。
詳しくは後述しますが、感染症対策等の理由があります。
現金や高級品、特定職員への差し入れはNG
やってはダメな差し入れ方法としては、下記があります。
トラブルの原因となるので避けましょう。
- 特定個人職員への差し入れ
- 高級品や現金を渡す
- 他利用者に勝手に渡す
本当にレアケースになりますが、感謝の気持ちとして「高額な物や現金等を特定職員に渡したい」という家族様がいらっしゃいます。
気持ちは本当にありがたく、介護士冥利に尽きますが、かえって負担になるので避けましょう。
現金や高額な商品は、所謂「賄賂」にあたりますね。
特定職員への差し入れも、要らぬトラブルの原因になり得ます。
こういった差し入れ方法は、受け取った職員も問題視されます。
あくまで差し入れは「職員の皆さんで」という形にし、それ以上は言葉で伝えましょう。
確かその時は、相談員等と相談し家族様へ連絡して、ご本人様が必要な物品を購入するお金へ充てる形で落ち着いたと記憶しています。
「入居中の家族」への差し入れ方法
入居中のご家族への手土産として、何か持っていきたい方もいると思います。
ご家族への差し入れする場合、特に食べ物については注意が必要です。
「お菓子が好きだから食べさせたい」、本人から「持って来てほしい」と頼まれた。
そんな時は、必ず施設職員に相談する様にしましょう。
「食品・飲料」の差し入れ時の注意点
介護施設の利用者は、持病や嚥下等の問題を抱えてる方が多くいます。
下記の様な理由により、食事に制限がかかってる場合もあるので注意して下さい。
- 糖尿病などで甘い物等に制限がある
- 飲み込みが悪く、安全に食べられない
- 塩分制限がある
これらの事情により、持って行っても食べられない事もあるので注意です。
また衛生管理上、規定を設けている施設もあります。
特に家庭で調理した物は、持ち込み制限に引っ掛かる事が多い印象ですね。
ただ逆に食事摂取のため、お好きな物の持ち込みを依頼される事もあります。
ケースバイケースですので、やはり確認や相談が大切ですね。
逆に特養などの公的施設は、制限が厳しい傾向にあります。
面会中の食事内容は報告する
面会中にお菓子を食べたり、飲み物を飲んだりという事もあるかと思います。
その時は、最後に「今日はこれを食べました」と職員に報告しましょう。
健康状況の把握にも繋がり、職員にも親切です。
他入居者への配慮も忘れずに
共有スペースをはじめ、老人ホームでは他入居者様も生活されてます。
あまり目のつく所でお菓子を見せると、「私も食べたい!」と思わぬトラブルになる事も。
他の方を不快にさせない配慮にも注意しましょう。
家族への差し入れで「人気な食べ物」
職員との確認をしたうえで、という前提ではありますが、人気の食べ物等を紹介します。
- 梅干し、ふりかけ(ご飯のお供)
- プリンやヨーグルト
- ヤクルト
よく持ち込まれるのは、梅干し、プリンやヨーグルト等ですね。
ふりかけや佃煮など、ご飯のお供も定番です。
元気な方であれば、クッキーなどのお菓子も人気です。
ただ状態によっては食べにくい物もあるので、注意。
誰にでも食べやすい物ですと、プリンやヨーグルトがオススメ。
ゼリーなんかも良いとは思いますが、モノによっては固い果実が入ってるので注意ですね。
また飲み物では、ヤクルトが定番ですね。
他にもジュースや栄養ドリンクなど、個人の好みに合わせて選んでOKです。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2020/06/高齢者に人気の飲み物-160x90.jpg)
お弁当の持ち込みはOK?
持参のお弁当で昼食を家族で取りたいという時も、やはり事前に施設に確認しましょう。
こういうケースも実際にありますので、ダメという施設ばかりはありません。
受診付き添いのついでに、外で食事を摂ってこられる方もいます。
食事代も無駄になるので、早めの相談と事後の報告は忘れない様にしましょう。
不安があればその場で食べさせず、職員に預けておくという方法も良いでしょう。
下記記事でも、似た様な話を解説してます。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2019/09/老人ホーム 面会時間-160x90.jpg)
誕生日や記念日にオススメのプレゼント
忙しくなかなか面会に来られない家族様も、誕生日や記念日には差し入れを持ってこられます。
母の日・父の日や誕生日プレゼントには、「花」が人気です。
ただ、お花はどうしても枯れてしまうし、職員も花の世話まで手が行き届きません。
メッセージ付きで手が込んだプレゼントも、その場限りですぐ枯れてしまう事が多いのです。
枯れた花がいつまでも居室に置かれているのも、ちょっと嫌ですよね。
そんな時、記念日のプレゼントにお勧めなのが「プリザーブドフラワー」です。
これは生花に特殊加工を施し長期保存を可能にしたものです。
造花やドライフラワーとも違い、様々な色付けが可能で見た目にも鮮やかです。
フォトフレームなんかもありますので、家族やお孫さんの写真を添えプレゼントすれば喜ばれます。
凝ったものになると値が張りますが、特別な日のプレゼントにいかがでしょうか?
専門店をご紹介しておきますので、よかったらチェックしてみてください。
メッセージカード等にも対応してくれます。
特別なプレゼントについては、別記事で詳しくまとめました。
良かったらご覧下さい。
・老人ホームの家族に贈るオススメ誕生日プレゼント
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