「サービス付き高齢者向け住宅」とは何か、ご存知でしょうか。
これは、自立や介護度の低い高齢者向けの賃貸集合住宅です。
入居条件や介護サービス、居室の作りや生活などを解説します。
サービス付き高齢者向け住宅とは
サービス付き高齢者向け住宅は、自立度が高い方向けの高齢者向け賃貸住宅です。
サ高住とも呼ばれ、バリアフリー構造となっているのも特徴。
主に民間企業によって運営されています。
介護サービスがありそうな名前ですが、必ずついているのは安否確認と生活相談サービス。
「サービス付き」のサービスとは、上記内容を指します。
日中は介護や看護職員が常駐、夜間は緊急通報等で対応します。
介護サービスはオプションという捉え方で良いかと思います。
高齢者の居住の安定が図られた契約であること、と記載されてます
サ高住の居室や生活について
サービス付き高齢者向け住宅の居室は、下記の様な特徴があります。
- 居室スペースは原則25㎡以上
- 居室内にトイレや洗面台有
- 居室内と共有スペースはバリアフリー
サ高住では基本的に個室です。
※夫婦で同居可能な施設もあります
上記を基本に、備え付けの家具なども施設で異なります。
個室とは別に広い共有スペースもあり、食事や団欒の場として使用されます。
大型テレビ等も配置され、他入居者様との交流の場となっています。
サ高住はバリアフリー
サ高住の居室や共有スペースは、バリアフリー構造となってます。
施設内に段差がなく、車イスで不自由なく生活できる位に思って頂ければ間違いないです。
数階建ての施設も多く、エレベーターで移動する事が出来ます。
エレベーターの使用は特に制限は無く、利用者様がご自由に可能です。
食事やお風呂について
居室内のお風呂の有無は、施設により異なります。
経験上、設置してない施設が多い気がします。
その場合、デイサービスや共有の浴室で入浴を行います。
食事は、主に共有スペースで摂って頂く事になります。
食事は厨房で用意され、必要に応じ服薬や食事の介助・サポートも行われます。
受診付き添いや買い物代行など、生活代行サービスも行われます。
サービス付き高齢者向け住宅で介護サービスを受ける
介護サービスが必要な場合、在宅サービスを個別に契約利用する必要があります。
訪問介護やデイサービスの事ですね。
サービス付き高齢者向け住宅では、訪問やデイの事業所を併設する施設も多くあります。
その場合、職員が兼務する形になります。
訪問・デイ併設型サ高住
「訪問とデイ併設型サ高住」に勤務した経験がありますが…、
午前中はデイ、午後は訪問介護を利用(あるいはその逆)というサービス利用をされる方が多かったですね。
主に入浴は、デイサービスで担当。
デイを利用しない方は、訪問介護職員が入浴サービスを担当していました。

私の勤めた施設では、24時間体制で訪問介護員が夜間の排泄介助も行っていました。
介護付きサ高住もある【特定施設】
サ高住にも、各都道府県から介護保険の「特定施設」の指定を受けている所があります。
その場合、内部の職員により24時間体制で介護サービスが提供されます。
介護保険を利用した介護サービスが受けられる入居施設の事です。
この指定を受けた入居施設では、自宅の様に介護保険サービスを受けることが出来ます。
他には、介護付き有料老人ホーム等が該当。
特定施設のサ高住は、通常のサ高住とは利用感覚が違います。
介護費用も要介護度で決まっています。
介護サービスが充実している分、入浴回数や外出制限など、利用者にとって自由度は低くなります。
自立度の高い人にっては窮屈な環境となってしまいますので、「特定施設」の指定の有無やケアの内容などは、事前によく確認する事をお勧めします。
介護型サ高住と似た施設ですが、有料老人ホームと比べ費用が少し安く済むようです。

サービス付き高齢者向け住宅の入居条件
サ高住は、基本的に以下のような方が入居できます。
- 60歳以上の高齢者
- また要介護者認定を受けた60歳未満の方
入居対象となるのは、原則自立の方や軽度の要介護者となっています。
実際には、要介護5の様な方でも受け入れをしている施設もあるみたいです。
認知症へ対応しているかは、施設によく確認した方が良いでしょう。
特定施設である介護型であれば、対応している所は多いです。
その場合、看取りにも対応している施設もある様です。

同じサ高住でも一般と介護型で全く違う施設です。
自分に必要なのはどちらか、検討している施設が「特定施設」の指定があるのか、よく確認が必要です。
サービス付き高齢者向け住宅で働いた感想
サ高住での勤務経験がありますので、参考までに感想を少しお話ししておきます。
私の勤めたサ高住は、デイサービスと訪問事業所が併設された施設。
そこで私は、施設職員兼、訪問介護職員として勤務していました。
時間で居室へ伺い、オムツ交換や服薬介助をしたり、生活支援として水分を配って回るのが仕事です。
働く感覚としては、「特養」や「介護型有料老人ホーム」等に近かったかなと思います。
思い返せば貴重な経験だったなと思います。
介護度の高い方には物足りない施設か
利用者様の自立度は平均して高かったのですが、介護を必要とする方も多かったですね。
思い返すと、「介護度の高い方には、もう少し踏み込んだケアが必要だったのでは?」という思いです。
サ高住ではあまり「個人を見てケア方法を考える」という事が出来ないんですね。
ユニット型施設の個別ケアに携わってきた職員なんかだと、「面白味ややりがいに欠ける」という印象を持つ方もいるみたいです。
業務内容のミスマッチにも注意
職員として働く場合も、仕事のミスマッチが起きないよう注意が必要です。
安否確認や支援のみと考えていたら、がっつり身体介護がある場合も考えられます。
訪問介護職員、デイサービス職員としての働き方が求められる事もあります。
その逆に、あまり利用者に関われないというミスマッチが起こる可能性もあります。
業務内容について事前によく確認しておきましょう。
転職の際は、アドバイザーによく相談して業務内容を確認しましょう。

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