介護職として働くうえで、そのキャリアアップ方法が疑問な方もいると思います。
資格や給料、役職など、介護職を続ける事でどうステップアップできるのか。
当記事では、介護職のキャリアアップ方法を詳しく解説します。
- 資格や転職で給料を増やしたい
- 介護職にはどんな役職があるのか?
- 色々な職種に挑戦したり、スキルアップをしたい
上記の様なキャリアアップは、基本的に介護資格の取得を中心に進めます。
キャリアに関する介護資格、介護リーダー等の役職。
未経験からのキャリアパスモデルなど、詳しくお伝えしていきます。
介護職の基本的なキャリアアップ方法
冒頭の通り、介護職のキャリアアップは「経験に応じた介護資格の取得」を基本に進めます。
例えば介護職のキャリアアップ方法には、下記の様なモノがあります。
- 資格を取得し、収入や業務幅を広げる
- 介護職として希望の職種に就く
- 役職や管理者を目指す
主要となる介護資格には、経験に応じた物が分かりやすく用意されてます。
実務経験を積みつつ、新しく介護資格を取得していくのが基本的なキャリアアップ方法です。
保有資格は介護職のキャリア目安となり、資格手当等の収入アップ。
「役職者への抜擢」や「就ける職種の種類」などに関わります。
まずは介護職の基本的なキャリアアップを解説します。
資格で見る介護職のキャリアアップ
介護職員のキャリアアップは、介護資格で見ると分かりやすいです。
下記は、キャリアアップに関わる基本的な介護資格です。
資格名 ※クリックで解説記事へ | 概要 | メリット |
---|---|---|
介護職員初任者研修 | 初めて介護を学ぶ人の入門資格 誰でも取得できる |
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介護福祉士実務者研修 | 基本的な技術の応用資格 介護福祉士に必要な知識を学ぶ 誰でも取得できる |
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介護福祉士 | ベテランの証明となる国家資格 実務3年と実務者研修が受験に必要 |
|
これらは資格手当など、収入にも大きく関わります。
経験を証明する資格とも言え、介護職のキャリアアップには欠かせない資格です。
慣れてきたら応用となる実務者研修に挑戦、そして国家資格となる介護福祉士に繋がります。
初任者と実務者は誰でも取得できますが、介護福祉士の受験には3年の実務経験も必要です。
まずは初任者研修を取得し、実務経験3年を目指すのがキャリアアップの第一歩ですね。
⇒介護福祉士を働きながら取るには?実務経験の対象となる職場・職種
保有介護資格による給料の違い
保有する介護資格による、給料の違いはこちら。
保有資格 | 平均月給 ※賞与・手当等込み |
---|---|
初任者研修 | 302,910円 |
実務者研修 | 302,500円 |
介護福祉士 | 331,690円 |
参考「厚生労働省(令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果)」より
上記では逆になってますが、初任者より実務者の方が少し高め。
平均額はほぼ同じぐらいですね。
介護福祉士まで取れば、月3万円ぐらいは増える事になります。
介護福祉士からのキャリアアップ
介護福祉士から実務経験を積めば、下記資格も取得可能となります。
- 認定介護福祉士
- 介護支援専門員
- 介護講師
これらのうち、多くの人が目標とするのは介護支援専門員です。
ケアマネとも呼ばれ、利用者のケアプラン作成等を行う職種ですね。
その他にも、実務者・初任者研修等の講師の資格もあります。
⇒介護講師になるには?
介護福祉士として経験を積めば、介護職として幅広い職種で活躍が可能です。
役職・職種でみる介護職のキャリアアップ
介護士経験を積めば、相談員などの相談援助職。
あるいは介護現場のリーダーなどの役職者、管理者なども目指せます。
続いては、介護業界における役職や職種も見ていきます。
他介護職種を目指す
介護に関わる職種は、現場の介護士だけではありません。
マネジメントや相談援助に関わる職種もあり、介護職内でのキャリアチェンジとも言えますね。
先に紹介した介護資格があれば、下記の様な職種に就く事も可能です。
職種 クリックで解説記事へ | 就くために必要な介護資格例 |
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サービス提供責任者 |
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生活相談員 |
|
介護支援専門員 |
|
福祉用具専門相談員 |
|
訪問介護における計画書作成やリーダー的立場の「サービス提供責任者」。
福祉用具貸与事業に関わる「福祉用具専門相談員」。
介護施設の相談・窓口業務を担当する「生活相談員」。
ケアプランを作成する「介護支援専門員」などがあります。
これらは現場の介護とは違ったアプローチで、利用者と関わる事になります。
ご家族とのやりとりや各種機関との関わり等、介護職としてのスキルアップに繋がりますね。
これらの中ではケアマネが最も難易度が高く、その意味ではキャリアが高いと言えます。
福祉学校に通う等をしない限り、これらを目指すには介護士経験を積む事が必要です。
介護業界の役職・管理職
続いて、主任などの役職について説明します。
下記は、介護施設における役職の例です。
- 主任・ユニットリーダー等(介護リーダー)
- 介護課長 等
- 施設長
介護職員のリーダー的立場となる主任やユニットリーダー。
所謂介護リーダーで、ユニットやフロア単位で置かれます。
施設によっては、そして介護課のトップとなる介護課長。
あるいは、リーダーを束ねる職位も存在する事もあります。
能力としては、介護福祉士を取得した中堅職員が目安ですね。
そして施設のトップとなる施設長。
他職種の相談員やケアマネ、看護師、事務員がいるという感じですね。
上記は「事業所内の人事構造」「法人の規模」などで異なり、あくまで参考です。
処遇改善における「介護事業所のキャリアパス要件」
キャリアパスという事で、介護職員の処遇改善加算にも触れておきます。
処遇改善加算とは、特定要件を満たす事業所に介護職の給与アップのお金を支給する制度。
この加算要件の1つに、キャリアパス要件があるのでご紹介します。
- 職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備する
- 資質向上のための計画を策定し、研修の実施又は研修の機会を確保する
- 経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み
又は一定の基準に基づき、定期に昇給を判定する仕組みを設けること
※参考「厚生労働省(介護職員の処遇改善)」より
経験や資格で昇給したり、役職や仕事に応じて給料が増える。
またはスキルアップの為に研修を行う事。
これら制度を整えた事業所には、給料アップのお金が支給されます。
処遇改善加算は、パートなどに非常勤にも支給されます。
そして処遇改善加算は、ほとんどの事業所で取得されています。
簡単に言うと、職場内にも介護職員がキャリアアップする為の仕組みがあるという事ですね。
さらには特定処遇改善加算という、より経験や技能のある職員を対象とした加算もあります。
介護キャリア段位制度
キャリアアップに関する制度という事で、「キャリア段位制度」もご紹介します。
これは内閣府が創設し、厚生労働省が管轄している制度。
資格情報だけでは分からない、「その現場で何ができるのか」という部分を補うモノです。
この制度では、下記の2点で評価・レベル認定されます。
- 「わかる(知識)」…保有資格で評価
- 「できる(実践的スキル)」…アセッサーが仕事や記録を見て評価
ただキャリア段位制度は、認知度も低くほぼ活用が進んでません。
現在のところは、こういう制度もある事だけ知っておけば十分でしょう。
未経験からの介護職キャリアパスモデル
未経験からの介護職のキャリアアップモデルも紹介します。
こちらは「介護施設で働く事を想定したキャリアップ例」です。
介護職の経験年数 | 資格や働き方 |
---|---|
未経験 |
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3年目前後 |
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3年目以降 ※介護福祉士取得後 |
|
8年目~ 介護福祉士取得後5年目 |
|
特に介護福祉士の取得後は、自分の好みが大きく出る部分。
資格やスキルを追うならば、ケアマネを取得し新たなキャリアをスタートさせる人もいます。
それと別に、あえて現場の介護職員を続ける職員も多くいますね。
介護講師を目指したり、経験のない事業所でスキルアップを図るのも良いでしょう。
介護福祉士を活かし、より収入の多い職場に転職するのも立派なキャリアアップです。
介護士としての収入を突き詰め、夜勤専従で働くのも面白いですね。
知識や経験から、最終的なキャリアアップ目標を少しずつ設定する事をオススメします。
介護職が「転職でのキャリアアップ」を目指すポイント
介護職が転職でキャリアアップする際のポイントをお伝えします。
- どんな介護事業所でキャリアを積むべきか
- 収入アップを目指すポイント
- 希望の職種や役職を目指すには?
介護職の職場には、様々な種類があります。
「どこでどんな経験を得るか」も、キャリアを積むうえで大切なポイントですね。
収入や職種変更を考えるうえでも、転職は大きなチャンス。
自分の望む働き方で、上手くキャリアアップできるようにしましょう。
どの介護事業所でキャリアを積むか考える
「どんな介護事業所で経験を積むか」も、介護職のキャリアを考えるうえで重要です。
介護職の職場には、大きく下記3種類があります。
- 入居の介護施設(老人ホーム)
- 通いの介護施設(デイサービス)
- 訪問介護
「入居施設」に「通いの施設」、自宅への「訪問介護」という種類分けですね。
さらに入居施設には様々な種類があり、人員配置や対象利用者も異なります。
加え、病院の看護助手という選択肢もあります。
介護士としては、「施設」と「訪問(在宅)」で特に大きな違いを感じられる事でしょう。
どれも基本となる介護サービスはありますが、利用者や仕事の質は大きく異なります。
そのため介護職転職においては、どの種類の職場を選ぶかは重要です。
「どこでどんな相手にどんな介護をしたいか」を考えると、ミスマッチ防止に繋がります。
経験者であれば、未経験の職場でスキルアップを図るのも有効。
自分の適性に合った職場で、さらにスキル・収入アップを目指すのも良いですね。
スキルアップを考えるならば、レクや介助など特定技能を伸ばす事を目標にした職場選びが有効。
介護職が転職で収入アップするには?
給料を増やすのも、キャリアアップ目標の1つ。
介護職が転職で給料を増やすならば、下記ポイントを意識しましょう。
- ボーナス額、各種手当などの収入内訳をよく確認
- 夜勤手当・回数を意識する
- 希望条件内で、求人をよく比較する
介護職は基本給が低く、各種手当でベースアップされる事が多め。
各種手当の内容やボーナス額など、面接時の質問などで上手く給与内訳を確認して下さい。
なかでも、夜勤手当は1回で平均6,000円程度の額がつきます。
収入アップに大きく関わる要素ですので、夜勤に入るつもりならば注目です。
「自分の目指す働き方」で収入を増やそう
また高収入を目指すのであれば、正社員以外でも可能です。
処遇改善は正社員以外ももらえますし、派遣やパートの時給相場も上がってます。
極端な例を出せば、介護派遣の高時給で夜勤専従で稼ぐ事もできます。
介護職の働き方の選択肢は多く、自分の理想とする形で収入を増やすのが大切です。
雇用形態や職種・職場など、希望条件内でよく求人を比較する事が収入アップの秘訣ですね。
転職を機に「新たな職種・役職」に挑戦する
介護では、転職を機に新たな職種・働き方に挑戦する人も多くいます。
- 福祉用具専門相談員になる
- 生活相談員やケアマネになる
- 介護リーダーなどの役職を目指す
これらは、職場内で既にポストが埋まってる事がほとんど。
特に現場の介護士が1番不足してるので、職場内で職種を変える事は難しいです。
特に相談員やケアマネ等は、求人募集をみて転職するケースが多いです。
新たな介護資格を取った時も、転職を考えるタイミングですね。
また介護福祉士を中心とした資格も、介護経験の証明に繋がります。
転職時の収入アップや維持に繋がるので、積極的に取得しましょう。
まとめ
今回は、介護職のキャリアアップを解説しました。
介護職のキャリアパスは、実務経験を積んで介護資格を取得するのが大まかなモノとなります。
特に主要介護資格は、収入のベースアップに大きく貢献します。
まずは、介護福祉士の取得を第一の目標としましょう。
または新たな職場で経験を増やしたり、レクや介助技術など特定スキルを伸ばすと効果的。
記事中でも述べましたが、「どこでどんな経験をするか」も重要です。
やはり経験年数が増えるにつれ、求められる能力も高くなる傾向になります。
私としては、適性確認も兼ね、色々な仕事に少しずつ触れられる環境がオススメです。
その意味では、未経験者にはよく有料老人ホームでの勤務を勧めてます。
特養などより介助量も少なめですので、初心者の方にも働きやすいかと思います。
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