介護職は有給消化ができない?介護士が有給を使うコツを現状と共に解説

介護士は有給を使えない介護職で働く

人手不足で忙しい介護職、「有給が使えない」と不満に思ってる方も多いと思います。
有給消化できず、退職時にまとめて取るケースもよくありますよね。

それでも有給取得の義務化により、介護でも少しずつ取得率は改善しつつあります。
ただその全てで健全な有給使用が出来てるワケではなく、まだまだ課題が残るのが現状。

そこで当記事では、「介護職員の有給使用」を現場の介護士目線で語ります。

  • 介護士が有給消化できない理由と現状
  • 有給消化率が高い施設はホントにある?
  • 人間関係で自分を守りつつ、有給消化するコツ

これら内容をお伝えします。

昔は「有給消化なんて夢のまた夢」と思ってましたが、近年は少しずつ変わってきてます。
有給休暇や身体の余裕を諦めてる介護職員の方に、ぜひご覧頂きたく思います。

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介護職と有給消化の現状

チェックポイントを教える介護士

まずは「年次有給休暇の基礎知識」と「介護業界の現状」を簡単に紹介します。

介護業界の有給取得率は全産業と比べ少し低く、まだまだ不十分。
しかし有給の取得義務化により、改善意識を持つ職場も出てきてます。

問題も多いですが、良い変化も見られてきています。

有給休暇の基礎知識

主任イメージ

年次有給休暇とは、労働者へ付与される「賃金が減額されない休暇」。
一定期間勤続した労働者に対し、「心身の疲労回復」「ゆとりある生活」を目的に付与されます。

有給が付与される条件は、下記の通りです。

  • 雇い入れ日から6か月経過
  • その期間の全労働日の8割以上出勤

※参考「厚生労働省(年次有給休暇とはどのような制度ですか)

労働基準法では入社後6か月で10日付与する事が定められ、その後は1年毎に付与されます。
付与日数は年々1~2日ずつ増え、最大で年20日が付与されます。

出勤日数8割は、所定労働日数の8割という意味。

「有給の使用」と「取得義務化」

チェックポイント(ひよこ)

さらに有給は、「労働者が請求する時季に与えなければならない」と定められてます。その一方で「正常な運営を妨げる場合、企業は他の時季に有給休暇の消化時期を変更できる」ともあります。

このあたりの事情もあり、介護業界では有給消化しにくい現状が続いてます。

働き方改革により、有給休暇の取得が義務化されたのも記憶に新しいですね。
10日以上有給が付与された時、年5日以上の有給消化が義務化されました。

パートや派遣にも有給はある?

パートや派遣の場合でも、関係なく先の条件で有給が付与されます。

初心者介護士

勤務日数が少ない職員でも、有給を得る事が出来ます。

年に41日~216日以内の場合だと、半年で最大4日の有給付与があります。
週1の勤務でも半年で1日の有給が得られます。

1年間の所定労働日数が217日以上の場合、先のルールと同様に付与。

派遣社員の場合、派遣先が変わっても問題ありません。
同一の派遣元企業で、継続して6ヶ月以上勤務していることが条件です。

ただし、有給申請などのやり取りは派遣会社と行う必要があります。

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介護職員は有給消化できている?

疑問のある介護職員

介護労働安定センターの調査では、令和2年度で介護職の年間有給取得日数は7.5日でした。

同年の介護業界の有給取得率は50.4%。
全産業で56.3%な事を考えると、やや有給取得しにくいと言えますね。

※参考「介護労働安定センター(令和2年度 介護労働実態調査結果)

同調査では、「有給が取りにくい」と回答したのは約26%。
平成30年では30%以上だった事を考えると、少し改善傾向にあります。

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有給取得率は改善しつつあるが、不十分

先の内容を見て、「そんなに有給なんか取れない」と感じた介護士も多いでしょう。

それもそのはず、職員不足を感じてる事業所は約60%
まだまだ介護業界の人手不足は続いています。

私も現職の介護士ですが、「有給は退職時にまとめてとる」事がほとんど。

有給取得の義務化で消化しても、職員の休みが増えた分、時間外労働が増えた時も…。
数字上の有給取得率は改善しても、全てが疲労回復やゆとりに繋がってるワケではないですね。

正解を教えるひよこ

その反面、有給を十分消化できるという声もあり、私もそうした職場を知ってます。

ただこれでも、休暇や残業、勤労意欲に関する数字は年々少しずつ改善してます。
「職場改善が進んでる施設」と「そうでない施設」、その差が進みつつあるのが現状でしょう。

総じて、全体的には有給は消化しにくい
健全な有給消化率は、職場毎に大きな差があるのという形ですね。

介護職が有給消化が出来ない原因

忙しい介護士

介護職が有給を取れないのは、人手不足が大きな原因です。

介護士不足に加え、24時間体制の入居施設もあり人員も多く必要です。

ただ「人手不足」と一言で済ますのも、また少し違います。
現場の職員目線で、もう少し現状を詳しく解説します。

「人手不足」による悪循環

ピンチな女性

先述の通り、介護士が有給を使えない原因の多くは「人手不足」。

シフト制の仕事ですし、人員配置に穴は空けられない。
…かと言って、無理して有給を取れば誰かの休みが減ってしまう。

有給取得の義務化があっても、結局は交代で休日出勤するだけ。
「疲労回復」や「ゆとりある生活」など、本来の目的は達成できていません。

有給使用で悪者にされるケースも

怒る女性職員

そして過度な人員不足が続けば、「休む=悪」という風潮が出てくる事もあります。

有給消化を迷惑がったり、怒る職員。
言い出しにくいなか伝えても、上司にダメだと言われたケースも見られますね。

この風潮がさらなる離職を生み、休日出勤や残業に繋がります。
行き過ぎれば「休憩を時間通りとっただけで怒られる」なんて事も…。

介護職はなぜ仕事を休めない?

こうした職場は、介護業界で実際にあります。

有給を使わせたくても、人がいなくては誰かが犠牲になるしかない。
無理が出る以上は人間関係にも歪みが生じてしまいます。

自分の職場が負のスパイラルに陥ってると感じたら、離れるべきタイミングですね。

「言い出しにくさ」や「職場の努力・関心不足」も

疑問のある介護職員

有給消化できない理由は、人手不足だけではありません。

人員に余裕があっても、「何となく言い出せない」なんて事はあると思います。
あるいは「職場全体での努力・関心の不足」なども無視できません。

別の話ですが、介護業界のサービス残業の理由は「言い出せない」が多くを占めてました。
介護職の残業時間の実態と問題点

有給に関しても、同じ事が言えるのではないでしょうか。

人手不足がこうした風潮を加速させてるは否めません。
しかし、それ抜きにしても「施設の努力・関心不足」はあると言えますね。

職場努力で「有給消化率を改善した介護施設」

カンファレンスイメージ

現に職場努力により、有給消化率を改善した介護施設もあります。

例えば、下記の様な例があります。

  • 計画的な取得を推進し、勤務表作成時に有給休暇を入れることを徹底
    人員に余裕がある日は、その都度有給休暇取得を声かけ
  • 月1回は取得するよう促進を図る
    (シフト表でチェックし、みんなで取得の声掛け実施)

いずれも有給取得率は増加し、前者の施設で「有給取得率80%」。
後者では、「一人当たり年10日~12日の取得」が達成できたとあります。

上記の取り組みは、各施設で十分に取り組める内容です。
シフトを見て、「この日こんなに人数いらなくない?」なんて時は意外にありますよね。

※参考「介護労働安定センター(職場改善好事例)

それ以外にも、1年に1回連休を取得できる「リフレッシュ休暇制度」。
育休の促進やアニバーサリー休暇の導入など、各施設で様々な休暇制度を導入してます。

この様に休暇に関する雇用改善も沢山あるので、介護業界に絶望する事はありません。
最初に話した通り、少しずつ介護業界の職場環境は改善してます。

転職活動の際には、こうしたホワイトな介護施設を選びたいものですね。

介護にもホワイト企業は存在!転職したくなる優良介護施設を紹介

介護職員が個人でできる「有給消化のコツ」

会議の様子

職場の努力で有給消化率は高める事は可能です。
しかしそれは「介護施設の管理者」、あるいは「全体」での努力あってのモノ。

次は有給消化のため、個人でできる事を考えてみましょう。

介護職が少しでも有給消化するためのポイントは下記。

  • 繁忙期の有給使用は避ける
  • 早めに有給使用の希望を伝える
  • 長期連休でなく単発で取る

これらは自分を守りつつ有給を使うコツでもあります。
ちょっと意識するだけなので、ぜひ取り入れてみて下さい。

GWや年末年始は避ける

24時間仕事のある介護業界でも、休みやすい時期とそうでない時期があります。

例えば休みにくいのは、「年末年始やGW、彼岸の時期」などです。
パート職員だけでなく、正社員でも希望休を出す職員も多く、特に人手不足になりがち。

カレンダースケジュール

個人的には、上記以外の平日に取るのがオススメ。
土日休みのパート社員が多いため、平日の方が作成者が調整しやすいと思います。

休みが多くなる時期は、相談や譲り合いで解決しましょう。

また離職者が出て、余裕がない時期も避けた方が無難
「空気が読めず、気遣いのない人」と人間関係に悪影響を与えるおそれがあります。

「そんな余裕あった試しがない」なんて職場は、転職を考えるべきですね。

有給希望は「状況を見て早めに伝える」

パソコンを見る女性職員2人

基本的な事ですが、有給使用時は早めに上司に伝えましょう。

遅くとも次月分の希望休を募る時期には、意思表示して下さい。
また作成者に口頭で「有給を使いたいが良いか?」と確認すると心象が良いです。

理由を聞かれるのが嫌なら、希望休として書き込めばOK。
嫌な顔をされたり、理由もなく拒否される管理者は危険サインです。

大事なことは早く言うのもそうですが、普段から他職員と良好な関係を築くのも大切です。
いざという時、協力や理解を得やすくなりますよ。

人員に余裕があるなら積極的に取ってOK

介護士のプライベートイメージ

「周りはよく有休を使ってるけど、自分は言い出せず損してる」なんて方も多いのでは?

「有給を取って」と言われるのを待っていては、いつまでも有給が使えません。
人員的に余裕がありそうなら、積極的に使用しましょう。

良い人になりすぎると損しますので、勇気を出して伝えて下さい。
意外とあっさりOKされると思いますよ。

周り気遣いすぎて無理すると、周囲も遠慮してしまいます。
行き過ぎると「休めない雰囲気」が蔓延するので、休む事も大切です。

有給は「少しずつ消化」する

チェックポイント(ひよこ)

特に理由がないのであれば、有給は連休で取るより、単発で少しずつが取りやすいです。

人員が少ない職場では、連休を取るほどその際に出勤する職員が必要です。
つまり連休を取るほど、誰かが連勤になる可能性が高くなるという事。

こうした事態はシフト作成者としても避けたいモノ。
有給消化は単発消化の方が周囲の理解を得やすいです。

連休を作るのであれば、「希望休(公休)と有給を組み合わせて取る」のが良いですね。
公休1~2日と有給を組み合わせ、2~3連休ぐらいが無難。

長期連休をとりたい時は、早めに上司に相談しましょう。
介護士は連休を取れる?長期休暇の取得方法をシフト作成者が解説
介護士が連休や長期休暇を取る方法について解説します。休みにくいイメージの介護職ですが、数日程度の連休なら毎月の確保も可能です。旅行等もOKですし、有給も使えば長期休暇も取得できます。ただそれには職員数も必要、希望休をまとめて取ると連勤が発生しやすいなどの注意点もあります。介護士は「どれだけ自由に休みが取れるのか」を、勤務やシフト作成経験から具体的にお伝えします。

希望休での連休は「連勤のリスク」がありますが、有給を使えば関係ありません。
単純に休みが増えるので、連休でなくとも出勤間隔も楽になりますよ。

「有給消化しやすい介護施設」に転職するには?

案内をする介護士

介護は、職場の良しあしが激しい業界です。
休めず残業続きの職場もあれば、負担少なく有休もとりやすい職場もあります。

恐ろしいのは後者の職場の方が、給料や待遇が良い事も珍しくないこと。

負担と収入は必ずしも比例しません。
転職活動の際は、慎重な職場選びが大切ですね。

最後に「有給取得しやすい介護施設」を選ぶ、転職活動のポイントをお伝えします。

「職員数の多い介護施設」で働く

マネジメントイメージ

有給取得するには、やはりある程度の人員確保は必要です。

職員数の多い職場を探すなら、周辺地域で比べ、待遇の良い職場に目を付けましょう。

例えば、地域内の他介護施設より、給料やボーナス、各種手当が良い。
休日数が多い、魅力的な制度があるなどですね。

介護職が転職で高収入を得るには?

そうした求人の中から、雰囲気や人員配置に優れた施設を選びましょう。
待遇の良い求人から、面接で印象の良かった施設を選ぶと良いですね。

チェックポイント(ひよこ)

施設種類の話をすると、経験では「大規模施設」の方が休みやすい印象。

例えば、介護付き有料老人ホームなどですね。
有料老人ホームの仕事内容や給料を解説

逆に小規模施設、あるいは大規模でもユニット型は休みにくいですね。
大規模従来型のような施設の方が、正社員同士でのカバーがしやすいのだと思います。

「有給や休暇制度」をアピールする求人を選ぶ

記事中でも、有休を使いやすい介護施設の事例を紹介しました。

現実的な話をすると、隔月1回ペースなら十分見つけられる範囲です。

また介護求人を探す際は、転職サイトで求人を比較すると良いです。
介護専門のサービスを使えば、介護求人に絞って探せるし、求人掲載数も数多くあります。

パソコンで仕事をするスーツ女性

さらに各介護求人をよく見ると、様々なアピールポイントが記載されてます。

有給の他には、「アニバーサリー休暇」を導入する職場も増えてます。
※有給か無給かは企業で異なりますが、誕生月の好きな日に休める制度。

休暇制度や有給使用に関するアピールもよく書かれてますよ。
介護求人はどれも同じと思わず、細かく読み込み比較しましょう。

総合的に魅力が多い職場であれば、応募者も多いので職員数も多くなります。
介護業界は売り手市場なので、そうした職場でも採用を得やすいのが魅力ですね。

きらケア介護求人の使い方

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