高齢になると、持病や身体機能の低下などで立ち座りがしにくくなります。
特に「毎日のトイレが辛い」という方は多いと思います。
そんな時には「補高便座」を使い、便座を高くする事で動作を楽にできる事があります。
今回は介護用の補高便座の種類や選び方、オススメ商品をまとめました。
「温水洗浄機能付き」の商品もあるので、色々と解説していきます。
介護で使う補高便座とは
補高便座とは、便座の座面を高くできる商品です。
基本的に置くだけで設置でき、その多くは工事不要で使用できます。
介護用品としても扱われ、介護保険を使った購入にも対応してます。
トイレ便座を高くする介護用品
繰り返しですが、補高便座は「トイレの便座を高くする」事が出来ます。
高さでいうと、3cm~7cm程度が標準的な範囲ですね。
取り付け方は簡単で、便座の上に乗せるだけです。
具体的には商品で異なりますが、今ある便座にそのまま取り付ける事が出来ます。
いずれにせよ、便器はそのままに便座を高くすることが出来ます。
また一般家庭用のトイレだけでなく、ポータブルトイレ用の補高便座もあります。
便座を高くすべき状況とは?
便座を高くする事で、下記メリットがあります。
- かがむ、立ち上がる動作を楽にできる
- 膝痛や関節痛の負担軽減ができる
例えば、「関節痛等でかがむ動作が辛い」。
「便座が低すぎて、立ち上がるのが難しい」なんて時に有効ですね。
高齢者には、持病や身体機能の低下で可動域が狭くなってる方もいます。
普通の高さだと思っていても、そうした方には負担が多いです。
また便座が低すぎると、立ち上がりにくさにも影響します。
これは「床と椅子、どちらが立ちやすいか」で考えると、分かりやすいですね。
そんな時は、便座を高くする事で解決できる可能性があります。
補高便座のデメリットと注意点【ウォシュレット等に悪影響】
補高便座は便利ですが、デメリットがないワケではありません。
商品選びの際には、下記点に注意して下さい。
- 自宅トイレに設置できる補高便座か?
- 「ウォシュレット」や「着座センサー」に不具合がでる可能性がある
- どのぐらいの高さが必要か?
補高便座は、商品により設置できる便座・便器サイズが決まってます。
購入の前には、商品が自宅トイレにつけられるか確認する必要があります。
また便座が高くなることで、ウォシュレットの当たる位置が前にずれます。
加え、座った時のセンサーが正常に作動しない可能性もあります。
※気になる時は、後述の温水洗浄機能付きを選びましょう
高齢者介護での「ベストな便座高さ」は?
増やせる高さは商品毎で固定なので、こちらも事前確認が大切です。
また理想的な高さも状況で異なります。
立ち上がりやすさで言うと、一般的には「身長の4分の1」椅子高さが良いとされます。
上記は椅子の話ですが、便座高さでも同じ事が言えるでしょう。
ただ身体状況やトイレ環境、設置できる商品などでケースバイケースですね。
上記を指標にしつつ、実際の動作と確認しながら必要高さを考えてみましょう。
「温水洗浄機能付きの便座」を選ぶ時の注意点
ウォシュレット等、機能面のデメリットは「温水洗浄機能付きの補高便座」で回避できます。
こちらは便座下で補高するので、センサー機能等の問題は出にくくなります。
ただ便座下に補高便座を設置する場合、便座交換の様な作業が必要になります。
商品価格や業者依頼など、手間も費用もかかる点に注意ですね。
価格も手間もかかるが、機能に問題の少ない「温水タイプ」という感じですね。
補高便座と介護保険の利用
補高便座は、介護保険を利用して購入する事が出来ます。
レンタルには対応してません。
腰掛便座として福祉用具販売に対応。
年間10万円を限度とし、原則1割負担で購入する事が可能です。
※収入により、1~3割負担となる
介護保険を使い購入する場合、要介護2以上が基本的な条件となります。
さらに都道府県の指定を受けた事業者で購入する必要があるので、注意して下さい。
補高便座の種類とオススメ商品
それでは、実際の商品から「オススメの補高便座」を紹介します。
色々商品を見たところ、最小で3cm、最大で10cm程度の補高便座が確認できました。
「温水洗浄機能付き便座」、「ポータブルトイレの補高」なども紹介します。
アロン化成「安寿 ソフト補高便座」
まずは介護用品メーカーの定番、アロン化成の商品です。
7cmと10cmの補高に対応、便座高さが欲しい時にオススメな便座です。
アロン化成 「安寿 補高便座」
※下記は7cmタイプ
参考価格 ※Amazonより | 約9,500円~ |
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補高高さ | 7cm、10cmの2種類 |
設置可能 トイレサイズ | A:27.5cm以上 B:34.5~41cm C:5.5~8cm D:5.5cm 以上の平面部分 ※詳細は後述 |
特徴 |
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商品バリエーションは、7cmと10cm。
上記は通常タイプですが、やわらか便座も扱ってます。
取付方法は簡単で、便座に乗せるだけ。
L字固定具のピンを使って固定します。
上記サイズに対応した洋式トイレに対応してます。
※クリックで拡大
パナソニック「補高便座やわらか」
こちらも乗せるだけの補高便座。
3cmと6cmの補高に対応、少し高くしたい時はコチラですね。
パナソニック 補高便座やわらか
※下記は6cmタイプ
参考価格 ※Amazonより | 約7,800円~ |
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補高高さ | 3cm、6cmの2種類 |
設置可能 トイレサイズ | 便座穴の縦幅:26~30cm 便座穴の横幅:19~21cm |
特徴 |
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柔らかタイプなので、補高しつつ座り心地も改善できます。
設置可能サイズは、2タイプとも同じです。
条件箇所も2か所だけなので、確認も楽ですね。
TOTO パナソニック 「ウォシュレット(温水洗浄)付き補高便座」
「温水洗浄機能付きの補高便座」を使うと、ウォシュレット位置を気にせず補高出来ます。
ウォシュレット付き補高便座の場合、通常便座の下に補高便座を設置する形になります。
その仕様上、便座交換の作業が必要になるので注意しましょう。
大手メーカーの商品を見ると、約3~6cmの高さアップができるみたいですね。
- パナソニック「温水洗浄便座付き補高便座」
⇒3cm or 6cm - TOTO「ウォシュレット付き補高便座」
⇒3cm or 5cm
どちらも、条件さえ合えば他社の便器にも取り付け可能です。
ただし補高便座部分は、他社便座には使えません。
※こちらはパナソニック製、3cm補高のタイプ
素人が設置するには作業も難しいですし、業者に頼むのがオススメです。
調べてみたところ、補高便座とウォシュレットの設置で8万円という事例もありました。
「商品価格+工事費1万円」ぐらいが価格相場となるようです。
高齢者介護では、家の様々な場所で「手すり」が必要になる事もあります。
この機会に併せて検討どうでしょう。
ポータブルトイレ・洋式便座を高くするには?
高齢者介護では、普通の洋式トイレ以外を使う事もあります。
例えば、下記の様なトイレですね。
- ポータブルトイレ
- 洋式便座を使用した和式トイレ
こうしたトイレを使用してる場合でも、補高便座を使用できます。
通常の乗せるタイプの補高便座ならば、設置条件さえ合えば大丈夫です。
またポータブルトイレの場合、本体に高さ調整機能が付いてる商品も多数あります。
洋式便座の場合でも、メーカーで専用の「補高スペーサー」が用意されてる事もあります。
そのあたり充実してるのは、記事中でも紹介したアロン化成。
排泄関連の介護用品にかなり強いメーカーです。
これらに関しては、補高便座よりも「本体機能」を中心に選ぶのがオススメ。
他商品を選ぶ時も、高さ調整機能に注目してみると良いですね。
さいごに
今回は、補高便座について解説しました。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
トイレは高齢者介護でも、事故の多い場所の1つです。
トイレで使える介護用品は、他にも手すりなど沢山あります。
その他にも、家の中で立ち座りをする場面は色々とありますよね。
最後に、そうした悩みを解決できる介護用品の関連記事を紹介します。
もし興味があれば、ご覧ください。
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