足腰が弱り、杖歩行もおぼつかない。
買い物袋を持って歩くのが辛い。
そんな時に使用したいのが「歩行器」や「シルバーカー」。
屋内・屋外でも使え、高齢者の移動を助けてくれます。
今回は「歩行器の種類や使い方、おすすめ商品」をまとめました。
- 歩行器の種類や名称(構造)
- 種類別の特徴・機能
- 使用場面に応じた歩行器の選び方
これら内容を中心に、歩行器について詳しくお伝えします。
本人の悩みに合った歩行器選びのヒントとなれば幸いです。
介護用の歩行器とは
歩行器は、主に高齢者の移動をサポートする介護用品です。
持ち上げて使うシンプルな物、キャスター付きの歩行車など、機能・形も様々。
歩行の安定や収納機能
歩行器は、その名の通り歩行をサポートする介護用品です。
杖より体重を支える面積が広く、より歩行が安定します。
下記の様な時は、杖より歩行器を選ぶと良いでしょう。
- 杖歩行が不安定になってきた
- 荷物を持って歩くのが難しい
- 休みながらでないと、距離を歩くのが難しい
「杖では不安だけど、車椅子を使う程じゃない」、というイメージですね。
収納ボックスや座面があるタイプもあるのも特徴です。
キャスター付きタイプも多く、人気モデルの1つですね。
歩行器の名称と構造
歩行器の名称と構造について、簡単に説明します。
下記は、四輪歩行車と呼ばれるタイプの図です。
これはキャスター・座面等があるタイプの歩行器ですね。
休む時はブレーキレバーを降ろし、座面に座る事が出来ます。
座面の下には収納ボックスがあり、荷物などを置く事が出来ます。
車輪構造の違い
前輪の構造には、下記3つの種類があります。
- 自在輪
- 半固定式車輪
- 固定式車輪
固定式車輪はまっすぐ進みやすく、自在車輪は曲がりやすいです。
半固定は中間という感じですね。
また車輪には左右1輪ずつの「シングル」、2つずつの「ダブル」があります。
ダブルの方が、溝や凹凸に強いですね。
介護保険によるレンタルも可能
歩行器は、介護保険によるレンタルが可能な福祉用具です。
介護認定を受けた、要支援・要介護の方が利用対象。
福祉用具貸与事業者より、1割~3割負担でレンタルが可能です。
注意として、シルバーカー等の一部歩行器は利用対象となりません。
介護用歩行器の種類と使い方
それでは、具体的に歩行器の種類を確認します。
種類毎の使い方、歩行器の選び方などをお話しします。
歩行器の種類と特徴
介護用の歩行器は、主に下記種類があります。
- 固定型四脚歩行器
- 交互型四脚歩行器
- キャスター付き歩行器(歩行車)
大まかには、キャスターの有無で分ける事が出来ます。
順に見ていきましょう。
固定型四脚歩行器
固定型四脚歩行器は、手で持ち上げて使う種類ですね。
「両手で歩行器を持ち上げて、足を前に出す」という使い方をします。
腕の力があり、安定して立ってられる方向けですね。
交互型四脚歩行器
交互型は、左右交互にずらして移動します。
固定型と似た様な形ですが、左右のフレームを片方ずつ動かせます。
1歩ずつ、ゆっくりと歩く事ができる種類ですね。
キャスター付き歩行器(歩行車)
キャスター付きの歩行器は、歩行車と呼ばれます。
歩行車には、下記の様な種類があります。
- 前腕支持型歩行器
- 四輪歩行車
- 二輪式歩行器(ロレーター)
- シルバーカー
シルバーカーは、歩行が安定してる方向けの商品です。
歩行サポート力や安定性は「四輪歩行車」の方が優れてます。
歩行車の手持ち部分は、自転車の様なグリップが一般的。
しかし肘を曲げて載せるタイプも存在し、「前腕支持型」と呼ばれます。
安定性に優れ、操作もしやすいのが特徴ですね。
座面や収納カゴの有無は、商品により異なります。
使いやすさも含め、購入前によく確認しましょう。
歩行器の選び方(状態別のおすすめ種類)
歩行器を選ぶ時は、下記要素に注目しましょう。
- 本人の身体状況
- 使用場面
- 目的
まずは歩行器を使う「場所」、「目的」を明確にしましょう。
本人の身体状況も理解し、安全に使える物を選んで下さい。
「こんな状況なら、この種類がオススメ」という目安を紹介していきます。
「屋内」「屋外」どちらで使うか?
例えば屋内であれば、下記種類等が使用できます。
- 固定型
- 交互型
- 前腕支持型
屋外であれば、「その他の四輪歩行車」「シルバーカー」が主に使用されます。
また介護施設なんかでは、歩行が安定してる方はシルバーカーが人気ですね。
施設内での荷物持ち運びもでき、ご本人達も使いやすく感じてる様子。
屋外で使える高齢者向けの移動手段には、シニアカーもあります。
無免許で乗れる低速のスクーターといった物で、免許返納後の移動手段に使われます。
こちらは別に解説してますので、興味があればどうぞ。
買い物や休憩に使いたい
買い物や休憩に使うならば、シルバーカーや歩行車から選ぶと良いです。
買い物や収納重視なら、シルバーカー。
歩行や座面の安定性では、歩行車が優れてます。
腰掛けたい時は、座面と押手の高さ、座面の大きさもチェック。
また小型タイプは安定性に欠けるので、避けた方が良いです。
身体に合った調整が出来る(高さ調整目安)
歩行器は、本人の身体や能力を見て選ぶのも重要です。
よく言われる歩行器の高さ目安は、下記。
- グリップを持った時、肘が軽く曲がる
楽に少し前傾した姿勢 - 前腕支持型の場合、肘が90度に曲がる高さ
※参考「歩行器・杖選定の目安」より
歩行器は、利用者の身体に合ったサイズ選びが重要です。
サイズ感や高さ調整範囲など、事前によく確認したいですね。
事故リスクに配慮し、上手く使える物を
歩行器は、歩行が不安定な人の為の介護用品です。
歩行が不安定という事は、転倒等の事故リスクも高い状態です。
- 歩行器を上手く扱えず、転倒する
- 坂道や段差での転倒
- ブレーキを掛け忘れ、座面から転落
あるいは転倒する
こうした事故リスクに配慮した商品選びも重要。
場所や身体に合った物かつ、本人が上手く扱えるかまで考えて決めて下さい。
高齢者に理解しやすいという点では、歩行車やシルバーカーがオススメ。
しかしこれらの判断は、素人には非常に難しいです。
危険リスクが高い時は、専門家に相談する様にして下さい。
ネット通販でも、介護用品の専門ショップもあります。
下記では、専用フリーダイヤルで「商品説明」や「選定」も行ってますよ。
おすすめの介護用歩行器・シルバーカー
ここからは、補足も兼ねて実際の商品を紹介。
自分で気になった物、人気商品など、オススメの歩行器をピックアップ。
価格や機能等の比較にお役立て下さい。
Cific「歩行器 交互・固定2way式」
続いては、固定・交互式の切り替えが可能な歩行器です。
どちらを使うべきか迷った時に便利です。
Cific「歩行器 交互・固定2way式」
参考価格 (Amazon) | 約6,000円 |
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サイズ | (高)76.5~94㎝×(幅)53cm×(奥)46cm |
重量 | 2.6kg |
機能・特徴 (メーカーより) |
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こちらは、執筆時点でAmazonの売れ筋ランキング上位にある商品。
口コミを見ていると、家庭で移動式の手すりとして使われてる様子。
家は段差が多いので、キャスター無しの方が上手く使えるみたいですね。
トイレ等での立ち上がりが安心という声が多く見られました。
島製作所「マーチS」(シルバーカー)
まずは、標準的なシルバーカーを紹介。
収納スペースも広く、買い物かごも載せられます。
花柄やチェック柄など、オシャレなデザインが用意されてます。
島製作所「マーチS」
参考価格 (Amazon) | 8,800円~ |
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サイズ | (高)84~93cm×(幅)50cm×(奥)60cm 【ハンドル高】 84~93cm 【座面】 (高)43cm×(幅)36cm×(奥)29cm |
重量 | 7.5kg |
機能・特徴 (メーカーより) |
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メーカー説明では、「車体が広く安定性良好、スタンダードなタイプ」との事。
Sはスチールの意味で、バッグ以外の本体はスチール製です。
ブレーキは、ハンドブレーキと停車ブレーキを搭載。
使いやすいオーソドックスなタイプです。
マキテック「キャリースルーンN」(シルバーカー)
屋外での使用が多いシルバーカー。
「段差乗り越えが心配…」という方は、下記商品もオススメ。
約3cmまでの段差を楽に通過できます。
マキテック「キャリースルーンN」
参考価格 (Amazon) | 15,170円~ |
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サイズ | (高)80~100cm×(幅)42.6cm×(奥)55.7cm 【ハンドル高】 80~100cm 【座面】 (高)44cm×(幅)22.8cm×(奥)20.7cm |
重量 | 3.7kg |
機能・特徴 (メーカーより) |
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前輪の前に補助輪があり、約3cmまでの段差なら楽に乗り越えられます。
前方のバッグを倒せば、腰掛座面として使えます。
竹虎ヒューマンケア「ハッピーIINB」(歩行車)
こちらは、標準的な四輪歩行車。
座面クッションとカゴも搭載、屋内外で使える人気モデルです。
竹虎ヒューマンケア「ハッピーIINB」
参考価格 (Amazon) | 約23,100円 |
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サイズ | (高)78~87㎝×(幅)55.5cm×(奥)62cm 【ハンドル高】78~87cm 【座面】(高)50cm×(幅)30.5cm×(奥)30.5cm |
重量 | 7.7kg |
機能・特徴 (メーカーより) |
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メーカ曰く、「シンプルかつ安全性と信頼性が高いスタンダードタイプ」。
ブレーキの耐久性も高く、座面も安定性重視のデザイン。
口コミも高評価で、施設内や屋外などを中心に活躍してるとの事。
便利な「歩行器付属品」
歩行器やシルバーカー使用にあたり、下記付属品もあると便利です。
- ステッキホルダー
- 反射板
杖を使用されるのであれば、ステッキホルダーも取り付けられます。
機能になくとも、後付け可能な商品もあります。
また屋外の使用がメインなら、反射板は欲しいですね。
車や自転車に存在を知らせ、少しでも事故防止に繋げましょう。
シールタイプを使えば、楽に貼り付けられます。
【関連情報】移動・立ち上がりを助ける介護用品
今回は、「歩行器とシルバーカー」についてお伝えしました。
ただ歩行が辛いという事は、その他場面でも悩みが出てきます。
- 立ち上がりが辛い
- トイレやお風呂が不安
- 転倒事故が心配
きっと、こんな不安もある事と思います。
これらの場面でも、やはり介護用品が役に立ちます。
役立ちそうな記事をピックアップしたので、良ければご覧ください。
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