高齢者を抱えるご家庭では、認知症による徘徊の不安も大きいと思います。
行方不明や交通事故、出先での体調悪化など、様々な不安がある事でしょう。
そこで今回は、認知症のオススメ徘徊対策グッズをご紹介します。
こんな商品を紹介!
- 徘徊防止センサー(人感センサー・玄関センサー)
- スマホ対応など、外出先で位置がわかるGPS
- 「緊急連絡ステッカー」「タグ」等の見守りグッズ
当記事では、ご家庭で使用しやすいセンサーとGPSを中心に解説。
仕事柄よく使っている商品なので、使用感も交えご説明します。
また「第3者が発見した時の連絡」に使える商品も紹介します。
徘徊に警戒すべきサイン等も含め、詳しくお伝えします。
認知症の徘徊対策グッズの種類
認知症の徘徊防止グッズは、センサーやGPSが主となります。
当記事では、これらを「徘徊防止センサー」と呼び、ご紹介します。
徘徊防止センサーは、その名の通り認知症による徘徊を防ぐ為の商品です。
ご本人の動きを察知し、様々な方法でご家族に知らせてくれます。
徘徊防止センサーは、前述の通り下記の2種類になります。
徘徊防止センサーの種類と機能
- センサータイプ(人の動きやドア等の通過反応を検知)
- GPSタイプ(ご本人の位置情報)
ご本人の動きを検知するか、位置情報を把握するか、というところですね。
それぞれ見ていきましょう。
徘徊防止センサー
センサータイプの商品は、ご本人の動きを検知し受信機に知らせます。
基本的に、屋内での動き出しを検知する物ですね。
センサーの検知があると、メロディーやコール等で知らせてくれます。
受信機がセットになっている商品も多いですが、スマホアプリ対応の商品もあります。
徘徊防止センサーというと、主にこちらを指し、下記の様な種類があります。
センサーの種類 | 使い方 |
---|---|
人感センサー | センサー範囲内の動きを検知、取り付け場所も様々 |
ベッドセンサー | ベッドからの起き上がり等を検知。 介護用ベッド・コールと併せ使用 |
センサーマット | マットを踏むと、反応を検知 |
どこのご家庭でも導入しやすいのは、人感センサーでしょう。
価格、設置の簡単さで選ぶならコチラです。
ベッドやマットセンサーは、主に介護施設向けの商品です。
歩行状態に問題があり付き添いが必要ですが、認知症により危険を理解できない方に使用します。
「人感センサー」や「ドア開閉センサー」
人感センサーは、センサー範囲内で人の動きを検知し、受信機に知らせます。
実物は下記の様な商品ですね。
こちらは、比較的シンプルなタイプ。
小型なので色々な場所に設置でき、両面テープやネジ止め出来る商品もあります。
基本的にワイヤレスですので、購入後すぐに設置・使用できます。
扉付近でなくとも、ベッド下に置くなどすれば、起き上がり反応も拾えます。
屋外対応や角度変更できるタイプもあり、防犯対策にも利用できます。
認知症による徘徊を防ぐなら、開閉センサーもオススメです。
これは扉の開閉を検知するタイプで、玄関や窓に設置できます。
「ベッドセンサー」と「センサーマット」
「ベッドセンサー」や「センサーマット」は、起き上がりや離床を知らせるものです。
離床センサーとも呼ばれる、主に介護施設で使用するセンサーですね。
ベッドマット下やベッド脇に置き、使用します。
ナースコールに中継器を接続し、ケーブルを繋ぐものが多いのも特徴。
認知症に加え歩行が難しくなると、付き添いの為これらセンサーが必要になります。
徘徊や転倒防止の為、使用される福祉用具ですね。
ご家庭での再現方法として、ベッド下に人感センサーを置くという手もあります。
その場合、「反応をキャッチしてから対応が間に合うか」という問題も。
歩行は問題ないが、動向が気になる場合試してみてはいかがでしょうか。
GPSによる徘徊対策
GPSタイプは、その名の通りでご本人に小型GPSを持ってもらう形になります。
主に屋外での見守りに使う商品ですね。
認知症家族の安全を守るためにも、GPSは必需品になりつつあります。
使用するのであれば、下記の様な小型タイプがオススメです。
こちらのように、子どもの見守り商品として売り出されてる事も多いです。
1人での外出が不安になってきた時などにも、有効ですね。
中には、通信料込みで販売されてる商品もあるので、よく確認しましょう。
認知症の方は予想外の行動に出ることも多いです。
「長時間歩く時は杖が必須ならば、杖に取り付ける」など…、
ご本人の心身状況に合わせ、自然に持ち歩ける形が理想です。
ご本人が納得し、自然な形で持ち歩ける商品を選びたいですね。
徘徊発見時の身元確認ができる「見守りグッズ」
もし徘徊を防げなかった時のグッズとして、ステッカー等もあります。
これは第三者が認知症の方の徘徊を見つけた時、身元が分かるよう持ち歩くモノですね。
多くの場合、お住まいの地域の自治体で配布があるかと思います。
記事中でも取り扱うので、必要に応じ使用して頂ければと思います。
徘徊防止グッズを使うべき時と選び方
認知症がある方も、その程度は人それぞれです。
もし徘徊防止グッズの必要性に迷ったら、下記サインに注意してみて下さい。
- 日常生活は自立してるが、何らかの認知症がある
- たびたび道に迷う時がある
- 買い物や金銭管理など、今まで出来ていたことにミスが増えた
これらは認知症度の判定基準にも、使われる内容です。
上記は、自立生活に軽度の問題が認められる時の症状。
「徘徊の恐れがあるか」という判断基準にも使えると思います。
屋内での危機管理に使うなら「センサー類」がオススメ。
また在宅介護中では、家庭内でも認知症による転倒・転落の危険もあります。
そうした備えとしてセンサー類も役に立ちます。
また認知症のある方は、家の中の危険も把握できない事があります。
ご自身の身体や危険を理解できず、転倒の危険がある事も…。
オススメの認知症徘徊防止グッズ【GPS・センサー】
ここまでの説明に沿って、タイプ別にオススメの徘徊防止グッズをご紹介します。
下記ラインナップで、商品の特徴をご説明します。
紹介内容
- 人感センサー
- ドアセンサー
- GPS
- 第三者発見時に役立つ見守りグッズ
リーベックス「人感センサーチャイム(X850)」
まずは、極シンプルな徘徊センサーです。
リーベックス 人感センサーチャイム(X850)
センサータイプ | 人感センサー:人の動き(熱)に反応 |
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受信機 | 有り:メロディー16種類・光 音量:0~75dBで音量調節可能 |
電波対応距離 | 最大100M |
電源 | 単3形アルカリ電池3本 |
赤外線センサーが人の動きを検知し、受信機がメロディーと音で反応します。
※メロディーor音のみの設定も可
動きを検知すると、送信機側が赤く光り受信機が反応します。
「壁面マウント」と「ネジ・両面テープ」付属なので、壁にも設置可能。
電池で動くので電源も要りません。
電池切れが心配なら、受信機側なら別売のアダプターを使用可能。
リーベックスの他センサーチャイム(Xシリーズ)にも対応してます。
音の大きさも設定でき、屋外にも設置できます。
動かしやすい反面、固定は難しく不要な反応を拾ってしまう事も…。
置き場所は上手く考える必要がありますね。
参考:リーベックス「人感センサーチャイムX850(取り扱い説明)」より抜粋
レンズフード付属なので、センサーの感知角度も調節できます。
反応しすぎて困る時は、装着してみると良いですね。
リーベックスのセンサーは色々と種類がありますが、どれも使いやすくオススメ。
リーベックス「ドア窓センサーチャイム(ドア・玄関センサー)」
ドアや玄関、窓が開いた時にだけ反応が欲しい場合は、こちらがオススメ。
リーベックス ドア窓センサーチャイム(X830)
センサータイプ | ドアセンサー:マグネットによる磁気反応 |
---|---|
受信機 | 有り:メロディー16種類・光 音量:0~75dBで音量調節可能 |
電波対応距離 | 最大100M |
電源 | ボタン型リチウム電池CR2032×2個 |
先ほどの人感センサーの基本はそのままに、窓やドアの開きにのみ反応します。
参考:リーベックス「ドア窓センサーチャイム(取り扱い説明)」より抜粋
2つで1つのマグネットセンサーになっており、2cm以上離れると受信機が反応します。
参考:上記同ページより抜粋
取り付け方はこんな感じです。
ネジの他、両面テープでの固定も可能です。
個人的な話ですが、こちらも仕事でよく利用してます。
開閉の多い環境ですが、電池もよく持ってますね。
ドアチャイムもオススメ
センサーを使うほどでもないが、玄関の開閉に気付きやすくしたい。
そんな時は「ドアチャイム」もオススメ。
お店なんかに入った時のカランコロンという奴ですね。
ドアに音が鳴る金具を設置する事で、開閉を分かりやすく出来ます。
もっと気軽に使いたい場合は、こちらの方がオススメ。
こちらは強力な磁石を使い、ドアに取り付けできる商品。
鉄プレート付属なので、鉄扉以外のドアにも使用できます。
防犯対策としても有効ですね。
+Style「スマートセンサー(スマホ連動型の玄関センサー)」
スマホで反応をキャッチしたい場合は、こちらの商品があります。
+Style スマートセンサー(開閉センサー)
センサータイプ | ドアセンサー |
---|---|
受信機 | スマホ:専用アプリを使用 |
電波対応 | Wifi環境が必要 |
電源 | アルカリ単4電池×2本 |
設置方法は、ネジか両面テープを使用。
Wifi環境こそ必須ですが、外出先でもリアルタイムに確認が出来ます。
専用アプリは、iPhone・android共に対応しています。
上記はドアセンサーですが、人感センサータイプもありますよ。
ちなみに「スマホで検知反応をキャッチ」というのは、見守りカメラに多い仕様です。
動体など色々な検知方法も設定でき、通話が可能な機種もあります。
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+Style「まもサーチ3(スマホ対応 小型GPS)」
徘徊防止用のGPSなら、下記がオススメ。
機能・価格、バッテリーの持ち時間など、総合的に優秀な小型GPSです。
+Style「まもサーチ3」
価格(税込) | 本体価格5,280円 +月額 528円 / 年額 5,500円 ※キャンペーン割引も有 |
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サイズと重量 | 49×49×15.5mm 39g |
バッテリー持続時間 | 最大2か月間 ※バッテリー優先モード時 |
通信方式・機能 |
|
通知管理 | 下記機種のスマートフォン対応
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3とありますが、従来品よりバッテリーの持ちが良くなってます。
GPSとしては標準以上の機能を備えつつ、価格の面でもコスパの良い商品。
スマホでの通知管理は最大5台で行えます。
スマホのキャリアは関係なく、↑の条件を満たせばOK。
ストラップホールもあり、市販のストラップで好きな場所にキーホルダー感覚で装着可能。
口コミでも、「高齢の親」「認知症の家族」に使ってるとの声が多く、高評価でした。
soranome【スマホ対応GPS端末】
こちらはポケットGPSを使用した徘徊センサー。
スマホアプリで反応をキャッチできます。
「お子さま向けGPS」とありますが、高齢者の徘徊防止GPSとしても使用できます。
soranome(ソラノメ)
価格(税込) | 月額料金539円 + 本体価格14,520円 加え、初期事務手数料として3,300円 ※キャンペーン割引も有 |
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サイズと重量 | 51×51×15mm 39g |
バッテリー持続時間 | 最大1週間 |
通信方式・機能 |
|
通知管理 | 下記機種のスマートフォン対応
|
見守りに関する通知はスマホアプリ「Pocket GPSアプリ」で確認できます。
位置確認の他、通知エリアを設定することも可能です。
設定エリアに入ったとき、または出たときにメッセージをスマホやアプリに通知します。
加え特徴的なのは、GPS端末にあるSOSボタン。
これにより見守られる側が、ご自身でも助けを呼ぶことが出来ます。
「家から出た」「いつもの行動範囲外に出た」など、屋外の位置確認に使うと良いですね。
私が確認した時点では、キャンペーン割引が行われてました。
気になる様であれば、公式サイトもチェックしてみて下さい。
ソフトバンク「どこかなGPS2」【スマホ対応GPS端末】
小型GPSならば、こちらもオススメ。
先の商品と同様に「スマホアプリ」で通知管理が出来るGPSです。
ソフトバンクの商品ですが、ドコモやauのスマホでも使用できます。
ソフトバンク どこかなGPS2
参考価格(税込) | 本体価格7,480円+月額利用料528円 |
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本体サイズ 重量 | 約52 x 52 x 20.2 mm 約60g |
バッテリー持続時間 | 最大1.5ヶ月 |
対応エリア・機能 |
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通知管理
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「どこかなGPS」の第2世代ですね。
従来品に比べ、バッテリー持続や測位精度の向上。
機能の充実などが図られています。
本体からの通知の他、場所を決めての通知設定。
さらにはスマホと本体が離れた時のアラートにも対応。
高機能スマホ対応GPSとしてオススメです。
GPSシューズ「魔法の靴」
魔法の靴とは、介護用品愛ショップが販売する「靴にGPS端末を装着する商品」。
他のGPSシューズと違い、お気に入りの靴でも使用できます。
NTTドコモのGPS端末なので、その点でも安心感がありますね。
大きさ | 約38.5 x 45.5 x 11.85mm |
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電池 連続利用期間 | ・充電式バッテリー ・通常時約400時間 |
月額料金 | 2年間で87,000円~111,600円 ※料金プラン4種類 |
機能 | ・リアルタイム検索、移動履歴 ・登録エリアへの到着、出発確認 ・ボタンでの位置連絡も可能 ・防水 |
靴を加工してGPS端末を装着し、その上にインソールをかぶせるという商品です。
利用プランは4種類で、下記の違いがあります。
- GPS端末の「一括買取」か「レンタル」
- 「愛GPSインソール(シューズ)」の有無
GPS端末のみの購入もでき、それを装着する魔法の靴も購入するか選べるという事ですね。
「靴のみ」や「GPS端末のみ」の販売もあるので、購入の際は詳細をよくお確かめください。
※介護用品愛ショップはAmazonでも出品しており、上記はそちらを紹介
公式サイトは後述
好みの靴も使用できる
用意されている靴以外にも、希望があれば好みの靴を加工してもらえます。
加工できる靴の条件
- 靴底の厚さが3cm以上ある靴
- 中敷き(インソール)が外せる靴
- 踵部にエアーパックなどのパーツが入っていない靴
- 踵の中の幅が6センチ以上ある靴
よく分からない場合、靴の型番などで加工可能か調べてくれます。
「徘徊の発見連絡」に役立つ見守りサービス・グッズ
認知症による徘徊は、ご家族だけで完全に防ぐのは難しいです。
そのため徘徊による危機防止には、地域レベルでの協力が必要になります。
最後に、第3者など「主な見守り者以外」の方から、徘徊発見・通知に役立つグッズを紹介します。
救急QR(徘徊時の連絡や救急情報登録)
救急QRとは、緊急連絡先や持病・主治医などをQRコードで登録しておける商品です。
認知症による徘徊、1人での外出時の体調悪化など…
第3者がそれらを発見した時、役立ててもらう事が出来ます。
利用期間は、ユーザー登録から10年。
QRコードが読み込まれると、登録先に日時と位置情報が送信されます。
誰かが発見した時点で、位置情報をすぐご家族に知らせてくれます。
高齢者向け携帯電話・スマホ
もう1つの手段として、高齢者ご本人に連絡をしてもらう方法もあります。
近年では、高齢者もスマホや携帯電話に馴染みのある世代も増えてきました。
何かあった時の連絡手段として、電話を持ってもらうのも手の1つです。
ただ認知症のある方には、電話に関するトラブルもつきものです。
下記の様なトラブルの可能性がある事も、覚えておく必要があります。
- 連絡が頻回にあり困る
- 110番や見知らぬ人など、混乱により第3者に迷惑をかけてしまう
- 高齢者を狙った詐欺
加え、そもそも操作が分からず使えないといった事もあります。
新たなトラブルとならないよう、ご本人の心身状態をよく理解したうえで使用して下さい。
もし利用を考えるなら、シンプルで分かりやすく、ご本人に馴染みがあるデザイン。
高齢者向けや防犯機能が充実した商品を選ぶことも必要です。
スマホを見守るアプリも
関連情報として、スマホをスマホで見守るアプリもあります。
例えばソフトバンクの「みまもりサービス」が該当します。
これはスマホの利用履歴を確認する事ができるアプリ。
有料ですが、起動や充電、所持しての歩行などを確認できます。
興味があれば、色々と調べてみて下さい。
「見守りサービス」や「自治体の取り組み」
認知症による徘徊を防ぐには、見守りサービス等の利用も有効です。
仕事で家を離れている時や、離れて暮らす家族の異変にも気が付く事が出来ます。
見守りサービスは、ホームセキュリティや家事代行などに付属するモノも多く、その内容は様々。
定期訪問や緊急時の対応も可能なサービスもあるので、検討してみると良いでしょう。
また各自治体でも、認知症による徘徊防止の取り組みを行っています。
氏名や連絡先などが記載できる「徘徊防止ステッカー」は、多くの自治体で配布してますよ。
お住いの地域のHPや高齢福祉課などで、確認してみて下さいね。
まとめ
今回は「認知症の徘徊防止グッズ(センサー・GPS)」についてご説明しました。
ご家庭で使用するなら、「人感センサー」「ドアセンサー」「GPS」あたりがオススメです。
もし認知症が進み、介護者の負担が大きいなら介護サービスの利用も検討しましょう。
しっかりされており不安の少ない方は、ご本人にご説明しGPSを持ってもらうと良いですね。
いずれにせよ徘徊防止には、ご家族だけでなく地域や介護サービスの協力も必要です。
高齢者に関し、家庭内で使えるグッズとして家庭用ナースコールもあります。
例えば、ベッドからの起き上がりやポータブルトイレの使用時など…。
介助が必要な時に家族へ伝える事が出来ます。
必要に応じ、検討してみて下さい。
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