介護では悩みの種の1つである「臭い」。
ベッドや部屋の嫌な臭い、なかなか消えずストレスになってる方も多いのでは?
特に便臭や尿臭などの臭いは、在宅介護中の方は特にお悩みと思います。
そこで今回は、「介護中の介護臭の消臭方法」をお話しします。
臭いの正体は、色々なモノが混じった複合臭なんです。
介護部屋の嫌な臭いの原因、消臭方法を解説。
原因を取り除く方法も含め、総合的な対策を紹介します。
当記事は家庭の介護を想定した内容ですが、介護施設でも実践できますよ。
介護臭の原因は尿や便だけじゃない?
在宅介護中などで悩みがちな、お部屋の不快な臭い。
その臭いの元には、下記の様な原因があります。
不快な介護臭の原因
- 尿や便などの「排泄臭」
- 汗や加齢臭などの「体臭」
- 口臭、湿布臭など
不快な臭いの原因は1つではなく、これらが混ざった結果の複合臭です。
また介護度と臭いの強さには、相関があるとの調査結果も出ています。
つまり介護度が高いほど、お部屋の臭いも強い傾向があるという事ですね。
参考:在宅介護における室内環境の臭気調査より
これら原因も断つ必要があります。
臭いの原因がある場所
何故これらの臭いが強くなるのか、介護を受ける本人とお部屋の環境を見てみましょう。
…すると臭いの原因は、下記のような場所にあります。
臭いの原因がある場所
- オムツやポータブルトイレ
- 寝具
- 衣服や身体
オムツへの失禁やポータブルトイレの使用があれば、尿や便の臭いも残ります。
寝具や衣類、床などに尿汚れが付いてしまう事も。
Pトイレ用消臭剤には独特な臭いもあります
本人の汗や加齢臭も、臭いの原因の1つ。
これらが本人を中心に、衣類や寝具に染みついてしまうんですね。
悪臭がある時は不衛生な時
介護臭が気になる時は、人・場所の汚染を疑いましょう。
介護現場にて、特によくあるのは下記状況。
臭いが強いのはこんな時
- 尿で衣服が汚れた、オムツ使用中に便失禁があった
- 汗をかいたり、長く入浴・更衣・歯磨き等が出来てない
- トイレや布団が尿こぼれ等で汚れている
こんな時は、特に臭いがきつくなります。
鼻につく臭いがある時は、上記状況を疑ってください。
分かりやすいのは、便失禁があった時。
さらにはふき取りが出来てなかったり、パンツが汚れてる時ですね。
「自分で出来てるから大丈夫」と思っても、尿こぼれで汚染してる事も多く要注意。
高齢者は汚れる機会が増え、清潔が保てなくなる
高齢になってくると、清潔を保つ為の日常生活動作が難しくなります。
入浴や着替えが負担になり、その回数も少なくなります。
介護度が高いほど部屋の臭いが強い、というのもそういう事ですね。
寝具の交換機会も、少なくなるでしょう。
介護度が高くなるほど汚れる機会が多く、キレイにする機会は減ってしまいます。
消臭も大切ですが、臭いの原因を取り除く事も大切になります。
臭いが気になる時は、本人の清潔や環境にも目を向けてみましょう。
在宅介護中の臭い対策と消臭方法
それでは、介護臭の消臭と防止方法の説明に移ります。
介護中の臭い対策には、下記が有効です。
- 介護用の消臭剤を使う
- 寝具や介護用品、本人の清潔を保つ
- 使用済みオムツ類を正しく捨てる
- 脱臭機能のある家具、家電を使う
「介護用消臭剤」や「介護中に使える清潔グッズ」。
「オムツの捨て方」など、色々な臭い対策を順にお伝えします。
介護用の消臭剤
介護用の消臭剤は、その名の通り「介護臭」に強い商品です。
尿・便臭などに特に効果があります。
「部屋の置き型消臭剤」に、介護用のタイプがあるのでご紹介。
今回は、エステーのエールズというブランド商品をオススメしたいと思います。
エールズ 家庭用介護の消臭力
置き型の消臭剤で、家族介護を想定した商品です。
効果は約2ヵ月
エールズでは、介護特有の臭いの原因である「尿・便臭、汗・加齢臭などの複合臭」を対策。
介護現場の臭いを中和・消臭する商品を扱ってます。
「介護用消臭スプレー」で簡単消臭
消臭対策で、最も手軽な方法の1つに消臭スプレーもあります。
近年では、尿・便臭に特化した介護用の消臭スプレーも多く発売されてます。
例えば、下記商品ですね。
空間の臭いはもちろん、布団や衣類への使用もOK。
すぐに洗えない物、洗う事が出来ない物に対しても使用できます。
介護用のタイプなら、排泄臭に強いので効果的です。
入手も容易なので、ぜひお試しください。
「家具」や「空気清浄機」による脱臭
介護臭対策として、部屋に脱臭効果を持たせる方法もあります。
- 脱臭効果のあるカーテン
- 空気清浄機
- 脱臭効果のある壁紙、タイル
部屋全体の消臭としては、空気清浄機の設置も効果的。
最近の空気清浄機は、脱臭機能にも優れた商品が多数出ています。
フィルターに脱臭機能が付いています
加湿機能付きのモノも選べるので、エアコンの使用が多くなる冬場にもオススメ。
寝室用のコンパクトなものを置いておくと、嫌な臭いを軽減できます。
浮遊ウイルスの除去も出来るので、空気も良くなります。
また「脱臭効果のあるカーテン」などもあります。
悪臭が染みつき改善が難しい時などは、こちらへ買い替えを検討すると良いでしょう。
オムツやトイレの「尿臭」「便臭」対策
介護で最も気になるのは、尿臭や便臭。
特に気になるのは、下記の物・場所ですね。
- 衣類や寝具についた尿・便臭
- 使用済みオムツやポータブルトイレ自体の臭い
- トイレ内の臭い
オムツ使用中の尿漏れや失禁、使用済みのパット類。
ポータブルトイレの独特な臭い。
あるいは「自分でトイレに行けるけど、汚してしまう」など…
オムツやトイレに関する消臭対策を紹介します。
「使用済みオムツ」の悪臭対策
使用済みオムツ類も、悪臭の原因となります。
正しい捨て方を覚え、処理方法を工夫すれば防臭効果があるので実践しましょう。
便尿臭を抑えるオムツの捨て方
- オムツ類についた便は、トイレに払って捨てる
- 汚染面を内側にし、丸める
- 新聞紙や防臭袋に包み、密閉する
臭いの原因を抑え、しっかり閉じ込める事が大切です。
新聞紙のインクには、防臭効果があるので活用しましょう。
オムツ用のごみ箱は、蓋つきの物を選ぶと臭い対策になります。
こだわるのなら、オムツ用の処理袋も使用しましょう。
エールズでも、「使用済みオムツのニオイとり紙」が発売されてます。
ゴミ袋に一緒に入れて閉じ込めれば、さらに消臭効果が期待できます。
ポータブルトイレの臭い対策
またポータブルトイレも、しっかりお手入れしないと悪臭の原因になります。
バケツの交換、本体も含めた清掃などを行い、防臭に努めましょう。
また使用中にも、尿はねやバケツに溜まった排泄物など、臭いの原因は沢山あります。
消臭シートの使用、ポータブルトイレ用のマットの使用などで対策しましょう。
特に床汚れは落とすのも厄介なので、マット使用をお勧めします。
ベッドや身体の尿・便失禁対策
オムツやパットを使ってる方などは、どうしても排泄臭が強くなります。
特に陰部やお尻には、尿・便汚れが残りやすいです。
交換時には、しっかり汚れを落とす様に注意しましょう。
その際には、介護用のお尻ふきが便利です。
特にウェットタイプが効果的なので、使用してみて下さい。
オムツ使用中には、どうしても尿や便が漏れてしまう事があります。
汚れた衣服は着替えるしかないですが、ベッドまでとなると大変です。
そのためオムツ使用中は、布団の上に防水シーツを敷いて下さい。
防水シーツを敷けば、ベッドシーツやマットレスを汚染から守ってくれます。
上記の様な「洗濯OKなタイプ」なら、浸け置きして洗えば繰り返し使えます。
防臭だけでなく、介護負担の軽減にもなるのでぜひ導入して下さい。
トイレの便座や床の汚れを落とす
要介護といっても状態は様々で、自分でトイレに行ける方も沢山います。
それでも上手くいかず汚してしまったり、トイレ回数が多くなる事も多々ありますね。
そうした時、特に汚れが目立つのが便座と床です。
こまめに拭き取りをして、汚れやニオイを残さない様にしましょう。
他には、介護用のトイレマットもあります。
使い捨てタイプなどもあり、お手入れや清掃負担に役立つのでお試しください。
またご自身でトイレに行ける方でも、パンツの交換や拭き取りは上手く出来ない方もいます。
トイレに「交換用のパット類」「ゴミ箱」を設置する。
臭いが気になる時は介助者が付き添い確認するなど、環境や介入方法の工夫もしてみて下さい。
着替えや入浴で「身体を清潔にする」
入浴や着替えなどで、悪臭の原因を取り除く事も重要です。
ただ在宅介護中は、負担の多さからマメな清潔維持が難しいですよね。
もし入浴が難しければ、身体拭きやドライシャンプーを使用しましょう。
洗い流し不要で、身体や髪の汚れを落とす事が出来ます。
ベッド上でも使用できますし、着替えも一緒に済ませてしまえばニオイも落とせますよ。
寝具や衣類を清潔にする
寝具や衣類の清潔を保つことも、防臭に効果的です。
先ほどの防水シーツも、その手段の1つ。
ただ尿や便で汚れて無くとも、汗や体臭は染みつきます。
寝具や衣類は、定期的に交換・洗濯しましょう。
※夏場はもうちょっと増やすと良いと思います
負担が大きい場合は、介護用の布団消臭スプレーで対策を。
衣服やクッションなど、布製品に幅広く使えます。
着替えやすい衣類を選ぶ
尿や汗で汚れた衣類は、嫌な臭いの元です。
汚してしまう機会が多かったり、介助が必要なら、着替えやすい衣類を選びましょう。
更衣の負担を減らし、その機会を増やす事が出来ます。
着替えやすいと良く言われるのが、下記の様な服ですね
着替えやすい洋服の例
- 前開き
- 伸縮性がある
個人的な経験からすると、よく伸びる服ならトレーナーやブラウスでOK。
拘縮が強い場合は、前開きの方が良いですね。
マジックテープ式のボタンなどもありますし、色々と選べますよ。
こまめな換気を行う
基本的な方法ですが、こまめな換気も介護臭の対策になります。
感染症予防の観点からも、換気は行った方が良いですね。
室温が下がり寒くなってしまう場合、窓の一方向のみでOKです。
商業施設向けの情報になりますが、厚生労働省の案内では十分に窓を開けられない時は「暖房器具の窓際設置」も有効との事。「可搬式空気清浄機」「加湿器」の併用も良いそうです。
内閣官房より、高齢者施設等に向けた換気対策の案内もあったので一緒に紹介しておきます。
シンプルな方法ですが、マスクの着用も臭いを防げます。
原因を断つ事にはなりませんが、オムツ交換や掃除などの臭いストレスを防げます。
今では、すっかりマスク着用が定着しましたね。
自分の健康だけでなく、要介護者を守る事にもなります。
昔は介護施設でも冬季のみ着用でしたが、今後はずっと通年着用となるでしょう。
ご家庭でも、介護中はマスク着用を推奨です。
まとめ
今回は、「介護中の部屋の臭い対策、その原因と消臭方法」というテーマでお話ししました。
記事の要点
- 臭いの原因は、尿や汗などの複合臭
介護度が高いほど、部屋の臭いが強い傾向 - 空気清浄機や換気、介護用消臭剤が効果的
- 汚れを防ぎ、清潔を保つなど、原因そのものも除去する
こんなところですね。
高齢になり、身体の自由が利かなくなるほど、清潔を保つことが難しくなります。
臭いが気になり始めたら、消臭だけでなく、本人の状態や環境にも目を向けてみましょう。
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