介護において毎日発生するのが、使用済みオムツやパッド。
オムツの捨て方や臭いなど、どう処理すべきかお困りの方も多いでしょう。
きちんと処理しなければ、臭いや汚染が広がり不衛生です。
主に可燃ごみとして処理されていますが、地域により分別方法が異なります。
オムツ用ゴミ箱など、臭い対策に効果的な関連商品もご紹介します。
使用済み介護オムツの「捨て方」と「分別方法」
家庭で発生した使用済みオムツ類は、家庭廃棄物として自治体により収集処理されます。
使用済み介護オムツは、8割以上の自治体で「可燃ごみ」として分別し、処理されてます。
ご家庭においても、可燃ごみ袋にまとめ、破棄するのが一般的です。
しかし一部の自治体では、「不燃ごみ」として処理されます。
まずはお住まいの地域の分別方法を確認しましょう。
病院では、医療機関が「感染性廃棄物」と「事業系一般廃棄物」で分け、収集処理されます。
使用済みオムツを捨てる手順
それでは具体的な手順を紹介します。
- 便の付着があれば、便を取り除きトイレに流す
- 汚染した面が内側になるよう小さくまとめ、破棄テープ等で止める
- 新聞紙などでくるみ、ごみ袋などに入れしっかり閉じる
- 地域のルールに従い、ごみ収集に出します
こんな感じで、汚染面が内側になる様にまとめます。
上記リハパンの様に、丸めてテープ止めできる商品もありますよ。
特に臭いが強く残るのは、排便があった時。
トイレで便を取り除き、部屋の換気をする等して対策しましょう。
尿・便臭を防ぐポイント
使用済みのオムツ類を捨てる時は、新聞紙に包むと防臭に効果的です。
方法は、新聞紙1枚を半分に折り、その上にオムツゴミを置き包むだけです。
臭いを閉じ込めるだけでなく、インクによる防臭効果が期待できます。
こんな感じで折って、事前に用意しておくと楽ですよ。
専用のゴミ箱や消臭スプレー等も併用すると、さらに効果的です。
これらは、オムツやパッド類と一緒に収納・準備しておくことをオススメします。
ゴミ袋に入れる前にも、「包んで臭いを閉じ込める」意識が大事ですね。
⇒高齢者介護でのオムツの置き場所と収納方法【オススメ収納ケースも紹介】
処理時には、感染防止や衛生の観点から、使い捨ての手袋を使用して下さい。
手袋を捨てる際も、汚れた面が内側になるよう脱ぎ棄てると、汚れが広がりません。
やってはいけない捨て方【外出先では捨てない】
オムツを捨てる時は、基本的に家庭で処理します。
外出先でオムツ類を交換した場合、その場で捨ててはいけません。
- 外出先で捨てるのはNG、自分で持ち帰る必要があります
- トイレにパッド・オムツ自体を流さない
- オムツ類の繰り返し利用は不可、洗濯機で洗えません
外出先で発生したオムツゴミは、基本的に持ち帰るのがマナーです。
「お持ち帰りください」と注意書きをしている施設もあります。
専用ゴミ箱を用意してる施設もありますが、分からない時は持ち帰るのが基本です。
外出先では「オムツ用ゴミ袋」を用意しておく
外出先でオムツ交換が予想される時は、事前に「ゴミ袋」等を用意しておきましょう。
レジ袋等でもOKですが、臭いの観点から専用の防臭袋がマナーが良いかと思います。
「使い捨て手袋」「新聞紙」なども、一緒にあれば尚良いかと。
また汚れた衣類と一緒に誤って洗濯してしまう事もあります。
洗濯ものや洗濯機内にポリマー等が広がり、落とすのに苦労するので要注意です。
オムツ用のゴミ箱について
次は、オムツ類を捨てるゴミ箱を解説します。
使用済みのオムツ・パッド類は、収集に出すまで家庭で保管せねばなりません。
ゴミ箱にも、臭いを漏らさない工夫は必要です。
外で保管する場合でも、臭いで周囲に迷惑を掛けない様注意したいですね。
どこにどんなゴミ箱が良いかという話をしていきます。
オムツ用のゴミ箱はどこに置く?
オムツ用のゴミ箱を置く場所は、家庭の場合は下記になると思います。
- トイレ
- 庭やベランダ等の屋外
基本的には、屋外の日の当たらない涼しい場所がオススメです。
自宅で介護をしてた時は、庭に蓋つきゴミ箱を置いて保管してました。
新聞紙や袋を持ってオムツ交換し、そのまま外に捨てに行く感じですね。
トイレで交換する機会があるなら、トイレに設置するのもオススメです。
新聞紙等も一緒に置けば、交換してすぐに捨てる事が出来ます。
トイレ使用するなら、一時的にトイレで捨てて収集用ゴミ袋へ捨てる流れが楽です。
オススメの介護オムツ用ゴミ箱
オムツ専用のゴミ箱を用意するなら、オススメはペダル付きの蓋付きゴミ箱。
収集に出すまで、オムツゴミをどこに置くかでサイズを決めると良いですね。
片手での開け閉めも面倒なので、ペダル付きだと楽が出来ます。
また屋内・屋外どちらにせよ、臭いを周囲に漏らさない事を重視しましょう。
例えば、こちらは標準的な45リットルタイプ。
ただトイレに置くなら、もっと小さい物がオススメです。
小さめサイズだと、オムツを意識したゴミ箱も選びやすくなります。
例えば、こちらはペダル付きで二重蓋構造のゴミ箱。
蓋裏に、市販の消臭剤を入れられるパッキンも付いてます。
オムツの悪臭対策グッズ
その他にも、オムツの悪臭対策に役立つグッズがあります。
例えば、下記の様な商品ですね。
- オムツ用の消臭スプレー
- 防臭効果の強いゴミ袋
先述のゴミ袋と併用すれば、さらなる防臭効果が期待できます。
いずれも「臭いに悩まない捨て方」に役立つ商品です。
消臭スプレーによる臭い対策
近年の消臭スプレーにも、介護用を謳う商品が増えてきました。
その中でも、「使用済みオムツ」に特化した商品がこちら。
即効性と持続性があり、バイオの力で臭いの元を分解するという商品です。
使用後のオムツ類、ごみ袋やバケツにスプレーします。
商品説明にもある通り、使用済みオムツに特化した消臭スプレー。
手軽で便利な消臭スプレーですが、臭いを臭いでごまかすというタイプもあります。
排泄物よりマシという声もありますが、消臭効果に注目して選びましょう。
オムツ類以外にも用途があるので、1本はもっておきたいアイテムです。
防臭効果のあるごみ袋
使用済みオムツの臭い対策商品は、他にも様々な商品が発売されてます。
オムツ類をまとめておく袋にも、防臭袋という物が登場しています。
こちらも介護を想定した商品が発売されています。
こちらは、クリロン化成株式会社の「BOS(ボス)」というブランドの商品です。
同ブランドでは防臭袋にこだわりをみせ、その効果も高く評価されています。
上記は大人オムツ用の処理袋となっています。
仕事で使用したオムツ類を扱ってますが、袋で閉じ込めるのはかなり効果的。
ゴミ袋に捨てる前には、何かに包み臭いが漏れないようにしましょう。
「外出先でのごみ袋」に使える
繰り返しですが、外出先で使用済みオムツを捨てる事は出来ません。
その際には、防臭袋を持っておくと臭いを気にせず持ち帰れるので便利。
いざという時のため、1セット用意しておくのがオススメ。
こちらは排泄物を処理する為のもので、袋と凝固剤のセットとなっています。
消臭効果付きオムツ
近年ではオムツメーカーの努力により、オムツ類の機能や使い勝手も向上してきました。
消臭効果についても、標準的になりつつあります。
数あるオムツでも、アテントは消臭効果を強くアピールしています。
◆オムツによる消臭効果は体感しにくい?
分かりやすさ重視で、消臭効果をアピールする商品を紹介していますが…
既述の通り、消臭効果は標準装備されつつあります。
種類による劇的な差は体感しにくいので、価格や使い勝手などを重視した方が良いでしょう。
綿パンツやポータブルトイレを使う
「オムツ・パット類の使用を減らす」考え方もお伝えしておきます。
例えば、下記の様な方法があります。
- ポータブルトイレで排尿・排便を促す
- 日中は綿パンツ+尿取りパットで過ごす
- 大きいパットや防水シーツを使い、寝具を汚さない
有効な方法は状態により異なりますが、ご家族の様子次第ではこんな解決手段もあります。
「オムツゴミや臭いを作らない」という考え方も、頭の片隅に置いて頂ければと思います。
これらについて、具体的には下記記事で解説しています。
ご本人の負担になりすぎない範囲で、検討して頂ければと思います。
オムツの捨て方と臭い対策まとめ
最後に、ここまでの情報を簡潔にまとめます。
臭い対策は、組み合わせる事でさらに効果を高める事が出来ます。
- 家庭の使用済みオムツはほぼ「可燃ごみ」として処理
※一部では「不燃ごみ」なので要確認 - 汚れた面を内側にまるめ、新聞紙でまとめ袋に密封
- 外出先でオムツゴミは捨ててはいけない
- 消臭スプレーや袋、専用のゴミ箱を用意する事で軽減可
- 消臭機能はオムツに標準装備、差は体感しにくい
記事中であまり触れませんでしたが、部屋の換気も基本かつ効果的な方法です。部屋に臭いがこもっている時は、まずはよく空気を入れ替えるようにして下さい。
オムツを利用している方をはじめ、介護度が高くなると清潔の維持が難しくなります。
また介護度が高くなるほど、お部屋の臭いも強くなる傾向があります。
ご本人や部屋の環境も同時に対策しましょう。
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