オムツ交換を中心として、介護に欠かすことの出来ない「使い捨て手袋」。
介護や医療では、使い捨てを意味する「ディスポ」と呼ばれる事も。
どれも同じに見えますが、「粉付き・パウダーフリー」等の表現も見られます。
また現在は「パウダーフリー(粉なし)手袋」が推奨されてますが、何故でしょう?
介護における手袋の使用目的・使い方など、これらを1つずつ解説します。
使いやすいオススメ商品も紹介します。
手袋についてる粉(パウダー)は何?
まず「粉付き手袋」についてご説明します。
粉付き手袋についている粉、これは着脱をスムーズにする目的があります。
手汗によるベタつきを抑え、滑りが良くなり装着がしやすくなります。
粉の正体は「コーンスターチ」
使い捨て手袋の粉の原料は「コーンスターチ」等です。
トウモロコシのデンプンの事、手袋ではゴムの滑りを良くする為に使用。
コーンスターチは、原料が「遺伝子組み換え」のトウモロコシが原料である場合が多くあります。
そのトウモロコシに「アレルギー反応」を起こす人もおり、危険性が訴えられています。
粉付き手袋を使用する際は、食品を扱う事は避けてください。
特に介護では、食品・人体に触れる機会が多いです。
粉付き手袋は使用しないよう、ご注意ください。
日本でも「パウダーフリー手袋」へ供給切り替え
前項でも触れたように、手袋のパウダーは「安全衛生上のリスク要因になり得る」との事。
厚生労働省の資料で、以下の様な発表がありました。
米国食品医薬品局(FDA)は、手袋のパウダー(コーンスターチ等)が安全性上のリスク要因になり得るとして平成29 年1 月18 日より、パウダー付き医療用手袋の流通を差し止める措置をとることを発表
参考:厚生労働省「パウダーが付いていない医療用手袋への供給切替えを促します」
現在日本では、「近年医療用手袋によるアレルギー関連の不具合等はない」との事ですが…。
これを受け、日本でもパウダーフリー手袋への供給切り替え強化が進んでいます。
…とはいえ、粉付き手袋はまだ普通に販売されています。
購入の際は、十分ご注意下さい。
介護では「パウダーフリー手袋」を使おう
私は、介護士として毎日「使い捨て手袋」を使用してます。
もちろんパウダーフリーの手袋ですが、着脱では特に不便を感じないですよ。
気になるのなら、MやLなど大きめのサイズを使用すると良いですね。
介護では、わざわざ「粉付き手袋」を選ぶ理由はありません。
下記の様な「パウダーフリー(粉なし)の手袋」を使用して下さい。
介護用グローブの使い方とその役割
前置きが長くなりましたが、「介護用使い捨て手袋の使い方」をご説明します。
介護において、手袋は「衛生管理・感染防止」の役割を持ちます。
相手だけでなく、自分の身も守る事に繋がりますので、きちんと装着しましょう。
施設でも、家庭でも、主な活躍の場はトイレやオムツ交換などの「排泄介助」でしょうか。
「口腔ケア」や「患部への処置」などにも使用しますね。
手袋の繰り返し利用は厳禁
使い方といっても「装着しよう」という話になるのですが、1つ注意があります。
繰り返し利用だけは避けてください。
感染防止等、衛生管理の目的から外れた使い方です。
例えば、以下の様な使い方はNGです。
使用目的に応じ、必ず毎回新しい手袋を使用するようにして下さい。
介助の途中で汚れた時も交換しましょう。
汚れた手袋の外し方
使った手袋を外す時は、片方ずつ表裏が逆になるように外します。
こうする事で、汚れた面を内側に閉じ込められます。
- 左手で右手の手袋の裾を持ち、指先へ向けて脱ぐ
(汚れた面は内側になるようにする) - 脱いだ手袋を左手で握り、右手で同様に脱ぐ
(右手は汚れないよう、手袋の内側に差し込む)
右手左手は説明の為に決めただけで、順番は自由です。
言葉にすると難しいですが、普通に脱ぐと汚れた面が内側にくると思います。
使用後は手洗いも忘れずに。
「汚れた面を内側にしてまとめる」というのは、汚れたオムツ類を捨てる時も同様です。
汚染や悪臭の拡大防止になるので、覚えておきましょう

「介護用使い捨て手袋」のオススメ商品は?
仕事柄、色々なメーカーさんの手袋を使ってきましたが、商品による差は少ないです。
「粉の有無」と「サイズ」に注意し、選んでいただければ問題ありません。
リフレ 「プラスチック手袋(粉なし)」
私からオススメする手袋は、リフレの商品。
排泄介助などの日常使いには、こちらの様なタイプが定番です。
リフレはオムツなどの介護用品も扱うメーカーですし、購入時も選びやすいかと。
リフレ 「プラスチック手袋(粉なし)」
1箱100枚入りで左右兼用、粉なしのパウダーフリーなので安心。
サイズは「S・M・L」の3種類。
※粉付きタイプも販売されてるので注意
女性ならS~M、男性ならM~Lがジャストサイズになります。
ピッチリした手袋ではなく、少し余裕のあるタイプですね。
着脱も楽なのでお勧めです。
在宅介護中の方などは、2~3箱ぐらい多めにストックしておきましょう。
ロングタイプの使い捨て手袋
せっかくなので、「ロングタイプの使い捨て手袋も紹介します。
介護では、入浴介助や水作業などで活用できます。
農作業やお風呂場の掃除などでも使えるかと。
竹虎 「ピレンワイプロング」
サイズは「M」「S」の5種類で50枚入り。
介助には通常タイプで十分なので、コチラは水作業や掃除用という感じですね。
あとがき
今回は、「粉付き使い捨て手袋の危険性」と「介護用手袋の使い方」をご説明しました。
日本では大きな問題が発生してませんが、粉付き手袋は安全リスクのある商品です。
その機能も必須と言えるもので無く、わざわざリスクを取りに行く事もないです。
人体や食品に触れる事が多いので、介護では特に使用を避けたい商品ですね。
当サイトでは、他の介護用品についても解説してます。
興味のあるものがあったら、ご覧になってみて下さい。
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