介助には慣れたものでも、介護予防となるとよく分からない。
介護予防は大切と聞くものの、専門知識の自信はない。
現場の介護士さんでも、そんな方は多いのではないでしょうか?
今回紹介する「介護予防指導士」は、そんな方にお勧めしたい資格です。
普段の介助に無理なく活かせる内容を学習できますよ。
介護予防指導士とは
介護予防指導士は、「介護予防協会」が実施する講習を受講し、修了する事で取得できます。
豊かな老後を過ごせるよう、元気な人・要介護の人問わず、介護予防を指導する資格です。
講習は主にスクーリングで、「講義・実技」を通し学びます。
※現在は、コロナの影響もあり、eラーニングにも対応
介護士や看護師を中心に取得している資格で、受講にも関連資格が必要です。
※介護職であれば、初任者研修があれば可
マシンを使わない介護予防運動を学習
介護予防指導士の講習では、マシンを使わない運動指導を学びます。
設備に左右されず、いつでも場所を問わず、適切な介護予防指導が可能となります。
介護予防運動は、介護施設のレクでも定番の内容。
お仕事にも活かしやすい内容ですね。
また栄養や口腔ケア等、幅広い知識を総合的に学ぶ事が出来ます。
資格取得後には、以下のような介護予防指導ができます。
- 「筋力訓練指導」
- 「ストレッチング」
- 「転倒予防」
- 「栄養ケア」
- 「口腔ケア」
介護予防運動指導員との違い
同じく介護予防の資格として、「介護予防運動指導員」があります。
本資格「介護予防指導士」と名称も似ていますが…、この2つの違いを解説します。
どちらも民間資格ではあるのですが、認定機関がまず違います。
- 介護予防指導士 「介護予防協会」
- 介護予防運動指導員 「東京都健康長寿医療センター研究所」
どちらも講習を修了する事で得られる資格ですが、講習内容も上記機関が提供しています。
…よって、講習内容・期間も異なります。
- 介護予防指導士… 「3日程度」「マシンを使用しない運動指導」
- 介護予防運動指導員… 「2日程度+eラーニング」「マシン含め、総合的に学習」
講習の特長については、本記事で次項からお話しします。
指導士の方は、関連記事をご覧ください。
介護予防を学びたい介護士向け資格
本資格は、マシンを使用せず場所を選ばず指導できるのが特徴。
比較すると、講習期間も短いので気軽に受ける事ができます。
では、こちらが劣っているかというと違います。
介護予防指導士は、介護士としては、普段の業務に取り入れやすい内容が中心です。
後述のカリキュラムにもありますが、口腔ケアやストレッチなども含まれます。
介護予防指導士の資格取得方法【講習内容】
資格の取得には、介護予防協会が実施する講習を修了しなくてはなりません。
本項では、「受講資格」や「講習の申し込み方法」を解説します。
介護予防指導士講習の申し込み方法
申し込みは、同法人のホームページから可能です。
講習の日程、場所についてもそちらで詳しく記載されてます。
講習は、下記2つの方法で申し込み出来ます。
・ホームページの申し込みフォームより、必要事項を入力し送信
「FAXで応募」
・所定の申込書(ホームページから印刷可)に記入し、FAX送信
申し込み後3日以内に「講習受付完了のお知らせ」が電話、またはメールで連絡されます。
※テキスト代、認定料込
受講料の支払いは、「銀行」か「郵便局」。
支払いが済むと、講習の1週間前までに「受講案内」が届きます。
※キャリア形成促進のため、職務に関連した専門的な知識及び技能の普及に対し助成する制度
受講資格について
介護予防指導士の受講には、介護・看護系などの資格が必要です。
その他に、レクリエーション系、医療系、運動指導系などの有資格者が対象となっています。
介護であれば、初任者研修修了程度で大丈夫みたいですね。
公式では、「~など」という表現となっていますが、明記されている資格を羅列します。
ヘルパー1級・2級、介護福祉士、 介護支援専門員など | 社会福祉士、社会福祉主事、歯科衛生士、 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、 鍼灸師、あん摩・マッサージ指圧師など | 管理栄養士、栄養士、保健師、 看護師、健康運動士など |
介護予防指導士講習の内容
講習は、10科目について「講義」と「実技」で学習します。
合計21.5時間、約3日程度の講習となっています。
以下が全10科目の内容です。
科目 | 形式 | 時間数 (時間) |
介護予防概論 | 講義 | 2.5 |
栄養ケア | 講義 | 1.5 |
口腔ケア | 講義 | 2 |
筋力訓練指導 | 講義・実技 | 2.5 |
ストレッチング | 講義・実技 | 2 |
転倒予防 | 講義・実技 | 2 |
測定と評価 | 講義・実技 | 2.5 |
リハビリテーション | 講義・実技 | 3 |
救急蘇生 | 講義・実技 | 2 |
認知症ケア | 講義 | 1.5 |
救急蘇生では、心肺蘇生やAEDの使い方も学ぶことができます。
講習カリキュラム例も、ホームページで確認可能。
大体「9:00~17:00(18:40)」程度を3日間という感じです。
現在は、eラーニングコースも開始。
「動画視聴」と「スクーリング(実技研修)1日」といった形です。
修了試験の記載はありませんが、理解度チェックがあります。
チェック表の配布と回収があります。
講習を受講できない時は
講習を受けられなかった時は、「振替制度」を使いその科目を別の会場で受ける事が出来ます。
1会場につき、手数料が1,000円かかります。
受講をキャンセルしたい場合、返金が可能です。
1週間前までなら1,000円引き、前日までなら4,000円引きで返金されます。
修了後のフォローアップ講習
「介護予防指導士」修了者向けに、フォローアップ講習も実施されてます。
講習では学びきれなかった内容について、色々と学べる機会が設けられてます。
内容はその時々で違うので、興味があるものがあれば申し込んでみてはどうでしょう。
フォローアップ講習も、介護予防協会HPから確認できます。
※コロナの影響もあり、現在はあまり積極的に開催されてない様子
せっかくなので、過去に実施された講習をいくつか紹介しておきます。
- 介護保険と介護予防のこれから
- 心を健康にする「安心学」のすすめ~あなたがいてくれたら安心~
- DVDを使った介護予防体操 ブラッシュアップ講習
他にも色々と介護資格を解説してます。
下記記事に一覧をまとめてるので、ご覧になってみて下さい。
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