耳の聞こえない方とのコミュニケーションに便利な「筆談ボード」。
筆談ボードには、ホワイトボードや磁気式の筆談器などがあります。
さらに近年は、電子メモパッドも同役割が持てる商品として登場しました。
各筆談ボードの特徴、オススメ商品などをお伝えします。
高齢者介護で使える筆談ボードの種類と特徴
筆談ボードとして使える商品は、主に下記3種類あります。
- ホワイトボード
- 電子メモパッド
- 磁気式ボード
このうち、最も分かりやすいのはホワイトボード。
使い方も分かりやすく、高齢者目線でも「見やすい文字」が書けます。
電子メモパッドと磁気式ボードは、さらに繰り返し利用に特化。
その代わり、文字の見やすさはやや劣るといった商品です。
各商品の特徴と本人の理解力を見て、必要な物を選ぶ事が大切です。
ホワイトボード
ホワイトボードは、シンプルで使いやすい筆談手段。
入手もしやすく、ペンにより色や太さも使い分けられます。
「伝える」という意味では、最も無難で優れた筆談ボードと言えますね。
ただペンの消耗があり、消す作業も必要です。
キレイに消すにも、時間や手間もかかります。
後述の手段と比べ、持ち運びもしにくく、手間や消耗品も必要。
書き消しを繰り返すには、若干不向きであるのがデメリットですね。
電子メモパッド
電子メモパッドとは、液晶画面にタッチペンで文字を書ける商品。
電子メモ帳とも呼ばれ、何度も繰り返し利用できます。
書いた文字もワンボタンで消す事ができ、筆談ボードとしても売り出されてます。
普段使いには便利ですが、高齢者介護ではやや見にくい点もあります。
まず、黒地に緑色のペン色が多い事。
物によっては、ペン字が細かったり、筆圧調整が効きにくい物もあります。
筆談ボードとしては、使う相手はよく選ぶ必要がある商品かもしれません。
「視力に問題のない方」とやり取りに使うなど、配慮や工夫も必要です。
磁気式ボード
磁気式ボードとは、マグネットペンでボード内の磁性体を引き寄せ文字を書ける商品。
※お絵描きボード等とも
こちらも電子メモパッドの様に、簡単に繰り返し利用できます。
筆談目的の福祉用品として開発された物もあり、上手く選べば使いやすい商品。
ただ先述の2種に比べ、商品数は少なめ。
子ども向け商品も多く、発色の薄い商品も見られます。
こちらも見やすさをよくチェックし、選ぶ必要があります。
高齢者介護におけるオススメ筆談ボード
ここからは、オススメしたい筆談ボードを紹介します。
各種から、総合的にオススメな商品をピックアップ。
阿波グローカルネット「携帯筆談器COBO」
こちらは筆談器として開発された磁気式ボード。
阿波グローカルネット「携帯筆談器COBO」
参考価格 | 1,980円 |
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種類 | 磁気ボード |
サイズ | 本体: 幅21 × 奥行0.8 × 高さ14.5cm 画面: 幅12.5 × 高さ13.2cm |
特徴 |
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他の磁気式ボードと比べ、見やすく書ける商品ですね。
私の手元にもあって、実は記事中の画像でも紹介してました。
ペンは、誰にでも握りやすい「ユニバーサルデザイン」。
これ1本で、太字と細字を使い分けられます。
上が太字、下が細字のペンで書いたモノです。
力を入れずとも書け、握力の弱い方でも書きやすいかと。
1~3回位動かせば、完全にキレイになりますね。
キングジム「ブギーボード 8.5インチ(BB-1GX)」
電子メモパッドからは、定番の人気商品を紹介。
知名度の高い、キングジムのブギーボードです。
キングジム「ブギーボード 8.5インチ(BB-1GX)」
参考価格 | 4,950円 |
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種類 | 電子メモパッド |
サイズ | 8.5インチ 18.3×12.4cm |
特徴 |
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書いた文字はワンボタンで消せ、書いたメモのロックも可。
筆圧で線の太さも調整できます。
薄くて軽いので、持ち運びも楽々。
電子メモパッドでは、評価も知名度も高く、安心して使える商品。
実際に「筆談に使っている」と、口コミも見られました。
サイズも様々ですので、好みや予算に応じて選ぶのも良いですね。
欧文印刷「筆談ボード(ノート型ホワイトボード)」
こちらは「筆談ボード」として作られた、ノート型ホワイトボード。
コミュニケーションに役立つ、「指さしシート」も付属してます。
欧文印刷「筆談ボード(ノート型ホワイトボード)」
参考価格 | 1,980円(税別) |
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種類 | ホワイトボード |
サイズ 仕様 | ・幅22.3 × 高さ30.1cm(A4判変型) ・ホワイトボード2枚(4ページ)+ 透明シート3枚 |
特徴 |
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使いやすいA4サイズが2枚分、両面で使用できます。
表紙のあるノート型デザインが特徴で、使用を促すメッセージもあります。
指さしシートが付属しており、内容次第で筆談なしでも効率的にやりとりが可能。
ホワイトボードなので、高齢者介護でも「持ち運べる筆談ボード」として活躍可。
欧文印刷は、ノート型ホワイトボードのnu-boardで知られるメーカー。
筆談以外でも便利な商品ですので、気になる方はチェックしてみて下さい。
指さしシートは、目的に応じカスタマイズも可能との事。
セキセイ「ミーティングボード 発泡美人」
持ち運べるサイズのホワイトボードなら、コチラもオススメ。
両面が使えるA4サイズです。
セキセイ「ミーティングボード 発泡美人」
参考価格 ※Amazonより | 2,200円 |
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種類 | ホワイトボード |
サイズ | 本体サイズ 31×23×0.9cm(A4) ボードサイズ30.4×21.8cm ×2枚(両面) |
特徴 |
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立て掛け可の「スタンドタイプ」、畳める「ノートタイプ」の2種類。
どちらもサイズは同じです。
※上記商品はスタンドタイプ
筆談ボードに使うサイズでも、意外と置き場所をとってしまうもの。
立てたり畳んだりし、場所確保や収納しやすいデザインがオススメポイント。
両面で使える為、使い道の幅も広い商品です。
ダブルピー「かきポンくん」
こちらも筆談器として開発された磁気式ボード。
販売終了品ですが、筆談器が多くない事もあり紹介しておきます。
ダブルピー「かきポンくん」
参考価格 ※yahoo ショッピングより | 約3,900円 |
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種類 | 磁気ボード |
サイズ | 幅 27.2 × 高さ 16.7 × 厚さ2.5cm |
特徴 |
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繰り返しですが、こちらは2022年に販売終了してます。
磁気式ボードとしては、見やすい事。
マグネットペンが本体と紐で繋がっており、紛失しにくい点が魅力。
こちらはボタン押下で文字消しが可能です。
機会があれば手に取ってみて下さい。
【関連情報】難聴高齢者とのコミュニケーション方法
介護現場では、言葉が聞こえにくい高齢者も多くいます。
さいごに「耳が聞こえにくい高齢者とのコミュニケーション」に関する情報を紹介。
筆談ボードと併せ、活用してみて下さい。
個人的に有効だと思った手段は下記。
- ジェスチャー
- 定型文のコミュニケーションボードを作る
特に有効なのは、ジェスチャーですね。
- 指さし
- OKサイン
- 動作の真似
トイレを「指さし」して排泄を促したり、「OKサイン」で大丈夫だと伝える。
「背中をタオルで洗うふり」をして、入浴を伝えたり等ですね。
時計を見せれば、時間も伝える事ができます。
上手くいったジェスチャーを、職員間で共有するのも有効です。
傾聴の観点からも、ジェスチャーは有効です。
⇒介護職における傾聴とは?受容と共感の事例とコツ
筆談でよく使う定型文を作っておくのも有効。
例えば、下記の様な内容。
- 時間を伝える言葉
- 入浴や食事、トイレを促す言葉
- よく尋ねてくる言葉、不安への回答
こうした言葉をワードやエクセルで、大きい文字で印刷。
ラミネートするなどして使うのも、良いかと思います。
ただ手間もかかりますし、ジェスチャーで十分な事も多々。
さいごに
今回は「高齢者介護向けの筆談ボード」を紹介しました。
筆談ボードも色々あるように、高齢者の能力も人によって様々です。
しっかり伝わる事を優先し、使い勝手の良い物を手に取ってもらえればと思います。
耳が聞こえないという状況は、日常生活でも様々な悩みが出てきます。
高齢になると「聞こえない」までいかずとも、聞こえにくい方も増えてきます。
そうした方向けの商品として、音を光で伝えるセンサーなんかもあります。
⇒高齢者介護向けインターホン特集【聞こえない・気付かない対策】
また聞こえにくいという事であれば、高齢者向けのテレビスピーカーもあります。
これらは音源を近くしたり、聴きやすい音に変換する便利グッズ。
公共の場で使われてる商品もありますので、気になる方は関連記事もご覧ください。
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