介護では、排泄介助やお風呂に入れない時などに陰部洗浄を行います。
その陰部洗浄に使うのが、陰洗ボトル。
シャワーボトルとも呼ばれる介護用品で、お湯を流して洗うのに使用します。
当記事では、陰洗ボトルの使い方・作り方などを解説。
陰洗や消毒などの使い方、代用品の自作方法までご紹介します。
陰洗ボトルとは
陰洗ボトルとは、「陰部を洗う為のお湯を入れるボトル」です。
※シャワーボトルとも呼ぶ
陰部洗浄とは、ぬるま湯や洗浄剤で汚れを洗い流し清潔を保つ事。
お風呂に入れない時や陰部が汚れた際に行われます。
オムツ交換を必要とするなら、持っておきたい介護用品ですね。
介護用陰洗ボトルの特徴
陰洗ボトルは、基本的に「キャップ付きのボトル」といった商品です。
キャップ部は、細かい穴が複数あるシャワーノズルの様な形状になってます。
これを利用し、ボトルに水を溜めて「簡易シャワー」として使う仕組みですね。
下記は、介護現場でよく使用される陰洗ボトルです。
実際の細かな形状は、商品により異なります。
介護用品として販売されてる陰洗ボトルには、下記機能もよく備わってます。
- 先端がジャバラ状で、角度変更が出来る
- ストレート・シャワーなど、ノズル(キャップ)部の切り替えが出来る
主に「水容量」や「ノズル部」が異なり、これで使い勝手が異なります。
水容量は300~500ml位が一般的。
陰洗時は意外とお湯を使うので、ちょっと多めぐらいのモノが使いやすいと思います。
陰洗ボトルはどこで売ってる?
陰洗ボトルは、「赤ちゃん・介護用品」として販売されてます。
店舗であれば、ドラッグストアの介護用品コーナー。
あるいはネット通販が購入しやすいかと思います。
値段も商品により様々で、1,500~2,000円程度が目安ですね。
安いものだと、数百円で購入できます。
ペットボトルでの代用も可能ですので、手間を掛けられる人は自作してもOKです。
※詳しい方法は後述
下記の様なシンプルな商品なら、200円程で購入できます。
陰洗ボトルの使い方
ここからは、陰洗ボトル使い方を詳しく確認します。
陰部洗浄は、お風呂に入れない時や陰部が汚れた時に行います。
陰洗は1日1回を目安に行いましょう。
ボトルを使った陰部洗浄の方法
下記は、オムツ交換時を想定した陰部洗浄方法です。
- ズボンを下げ、オムツカバーを開く
- 仰向けのまま、膝を立て軽く足を開いてもらう
- 見える汚れをふき取り、ソープで洗う
- 上から下へ洗い流し、水気をタオルでふき取る
- 横向きになり、臀部を同様に洗う
- オムツカバー、パットの交換をする
これが簡単な流れです。
トイレに行ける場合、座って行ってもOK。
ウォシュレットも使用できるので、負担も少なく出来ます。
洗い流すときは、”上から下”へ。
“陰部⇒臀部”の順に洗うのがポイントですね。
泡ソープの使用は省略する事もあります。
その場合は、下記の様な「液体タイプの清拭料」をお湯に溶かして使ったりもします。
陰洗時のお湯の温度
陰部洗浄を行う際、お湯はぬるめで用意します。
温度で言うと、38度程度が良いでしょう。
温度が高すぎると、火傷や刺激の危険があります。
陰洗時にも、少し流して本人と声掛け確認しましょう。
お尻拭きや清拭タオルも用意する
陰部洗浄やオムツ交換を行う際は、下記用品も必要になります。
- 清拭料
- 防水シーツ
- お尻拭き(清拭タオル)
清拭料は、先ほど紹介したような商品ですね。
先ほどの液体タイプの他、ワンプッシュで使える泡タイプもあります。
⇒介護で使える身体拭きと清拭用品
防水シーツは、便や尿汚染からシーツを守る介護用品。
陰部洗浄時もよく水はねでシーツが濡れます。
陰洗前に敷いておくと、負担軽減や清潔に繋がります。
お尻拭きは、ご家庭なら厚手大判のウェットタイプがオススメ。
汚れ用のウェットタイプと水気取り用のドライタオルがあると理想です。
軽く畳んで、面を変えながら拭き取りましょう。
陰洗ボトルの消毒方法
陰洗ボトルの消毒は、0.01~0.1%の次亜塩素酸ナトリウムで漬け置きします。
目に見える汚れが無ければ、0.01%で大丈夫です。
使用後は水洗いし、1時間ほど漬け置きした後、水洗して乾燥させましょう。
※参考「熊本県感染管理ネットワーク(Q&A 分類集)」より
参考までに、花王のハイターは次亜塩素酸ナトリウム濃度が6%となってます。
水3ℓにキャップ2杯で0.01%となります。
※キャップ1杯は25ml
また次亜塩素酸ナトリウムは、常温でもゆっくりと分解し濃度が低下するとの事。
花王でも、3年以上経過した製品は濃度が著しく低下してる場合があると注意を呼び掛けてます。
希釈濃度については、下記ページもご覧になってみて下さい。
⇒参考「花王(Q&A)」
別問題ですが、介護施設でもなかなか実施しきれてない現状もありますね。
陰洗ボトルの代用品の作り方
軽く触れましたが、陰洗ボトルは代用品を自作出来ます。
ペットボトルを使った簡単な方法をご紹介します。
陰洗ボトルはペットボトルで自作可能
陰洗ボトルを作るのに用意するのは、下記。
- 500ml程度のペットボトル
- 穴あけ用品(ピンや画鋲、キリや千枚通しなど)
まずはペットボトルを綺麗に洗い、消毒。
キャップ部に画鋲で穴をあければOKです。
穴をあける際は、「穴の数」と「太さ」で使い勝手が変わります。
少しずつ出具合を試しながら作りましょう。
実際に作ってみた
記事執筆にあたり、改めて私も自作してみました。
まずはキャップに穴を空けていきます。
穴をあける際は、上記の様な持ち手がしっかりある穴あけを使用した方が安全です。
画鋲を使う際は、ダルマ型画鋲なんかが使いやすいです。
作業の際は、テーブルの上など安定した場所で作業すると安全です。
このぐらいの穴サイズと数だと、結構しっかり水が出ます。
上記はまた別に作った陰洗ボトル。
画鋲で穴を4つ作ってます。
画像では分かりにくいですが、水の出もちょうど良く出来ました。
介護用品の陰洗ボトルと同じく、軽く押せば良い感じに水が出てきます。
作っていて気付いたのですが、最近はペットボトルの形も色々ですね。
太さや硬さ、角ばりなど様々です。
商品で言うと、ポカリスエット等の形ですね。
さいごに
今回は、陰洗ボトルの使い方と作り方を解説しました。
陰洗ボトルは自作可能ですが、介護用品にしかない機能もあります。
機能や使いやすさなら、介護用の陰洗ボトルですね。
介護用でオススメを選ぶなら、記事中でも紹介したリッチェルの「シャワぞう」。
角度調整は必須ではないですが、形が持ちやすく使いやすい。
多くの介護現場で愛用されてる商品です。
また介護で陰洗を必要とする時、オムツ使用で毎日の入浴が難しい事が多いと思います。
身体拭き等で対応できない髪の汚れには、ドライシャンプーが使用できます。
また入浴を楽にする介護用品も多くあります。
最後に関連情報を紹介するので、良ければご参考下さい。
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