高齢になると、入浴の負担が大きくなります。
ご家族の入浴介護をしていても、介助者が不安を感じる場面は多いですよね。
ただ一般のご家庭だと、介護施設の様な入浴設備を整える事も難しいです。
高齢者だけでなく、介護者の不安や負担も大きいでしょう。
全て家庭で使える福祉用品なので、高齢者のいるご家庭や家族介護で使用できます。
特定福祉用具は、指定を受けた事業所での購入のみ介護保険の給付対象です。
通販での購入はほぼ対象外ですので、あらかじめご了承ください。
お風呂で使える介護用品まとめ
「高齢者の入浴・ご家族の入浴介助」を楽にする商品をまとめてご紹介します。
入浴場面毎に便利グッズをまとめたので、お好きなところからどうぞ。
「浴槽への出入り」を楽にする
高齢になると、立ち上がり等の足腰を使った動作が難しくなります。
そうなると、負担になるのが「浴槽への出入り」です。
身体への負担や恐怖はもちろん、転倒事故などの危険もある場面です。
浴槽用手すり
浴室は滑りやすく、転倒事故の多い場所です。
浴槽への出入りサポートの他、移動や立ち上がりの際にも便利ですよ。
お風呂の様の手すりには、「浴槽用手すり」と「壁に設置するタイプ」があります。
浴槽用手すりとは、浴槽縁に取り付ける手すりの事です。
工事不要で簡単に後付けでき、商品によっては高さ調節も可能です。
壁に設置するタイプには、「吸盤固定」と「ネジ固定」の2種類があります。
吸盤固定は設置が楽ですが、細かいタイルには適さず、後者に比べ固定力に不安があります。
ネジ固定は固定力がありますが、ドリルなどの作業が必要で価格も高めです。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2021/10/風呂で使える浴室浴槽手すり解説-160x90.jpg)
すのこ・浴槽台
浴槽縁が高く跨ぎにくい時は、すのこや浴槽台の設置で解決する可能性があります。
「すのこ」を敷く場合、一部分だけだと不安定なので、動かないよう洗い場全体に敷き詰めます。
また、浴室と洗い場の段差解消の為に使用されます。
洗い場に置く事も可能ですが、お風呂が深い時は浴槽内に置き高さを解消できます。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2020/09/浴槽台の使い方と選び方-160x90.jpg)
浴槽内イスとしても使用でき、入浴中の姿勢や立ち上がりをサポートします。
バスボード・入浴台
バスボードや入浴台も、浴槽の出入りを楽にする福祉用具です。
ボードに腰掛けての座位入浴、ボードに掴まっての跨ぎ入浴をサポートします。
- バスボード【浴槽の上に設置】
- 入浴台【浴槽縁に固定】
実物のイメージは、アロン化成さんの動画が分かりやすいです。
上記のバスボードは、グリップ付きなので、跨ぎ入浴時の手すりの役割も持てます。
跳ね上げ式なので、浴槽も狭くならず、取り外しの手間もありません。
自宅用の「電動入浴リフト」
「座る」「立つ」などの浴槽内での動作介助には、入浴リフトが使用できます。
施設でお馴染みの入浴リフトも、簡易なモノなら自宅にも設置できますよ。
こちらはバスボードの様なリフトを浴槽縁に渡し、電動で昇降させる商品。
条件さえ合えば、工事不要で設置できます。
立ち座りに介助を要するなら、使用を検討してみて下さい。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2022/07/自宅設置できる入浴リフトの種類と使い方-160x90.jpg)
「身体を洗う事」を楽にする
入浴時は皆さん身体を洗いますが、高齢になるとそれも難しくなります。
身体に手が届かない、椅子への立ち座りが難しい、等ですね。
入浴する事も出来ない場面も増えてきます。
シャワーチェア
身体を洗うためのシャワーチェアも、介護用には様々な種類があります。
主な機能としては、「手すり」や「背もたれ」、「高さ調整」などですね。
座り心地や滑り止めなどの座面素材、身体を洗いやすくする為の形状にも注目です。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2020/09/介護用シャワーチェアのおすすめ商品と選び方-160x90.jpg)
商品選択の際は、姿勢維持や立ち上がりなど、ご本人の身体機能を見て選びましょう。
介護が必要な場面も考えると、介助者の負担も減ります。
「洗身の自助具」や「風呂おけスタンド」
身体が動かしにくく、自分で身体が洗いにくい時は下記の様な物が便利。
介護で便利な洗身グッズ
- 「取っ手付き風呂おけ」や「風呂おけスタンド」
- ループ付きタオル
- 長柄の「ボディブラシ・クロス」
例えば、かがむのが辛い方には、「風呂おけスタンド」が便利です。
身体が洗いにくい時には、「ループ付きタオル」や「長柄の洗身ブラシ」が使えます。
高齢になると皮膚も弱くなるので、特にタオルは柔らかい素材の物だと安心です。
介護用の手袋型タオル等もあるので、活用しましょう。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2021/03/高齢者向けのオススメ風呂タオル-160x90.jpg)
お風呂に入れない時の清潔グッズ
なかなかお風呂に入れない時は、下記の様な清潔グッズを活用しましょう。
入浴出来ない時の清潔グッズ
- ドライシャンプー
- からだふき
上記は、お風呂に入らずに頭皮や身体の汚れを拭き取れる商品。
ベッド上でも使用可能です。
ドライシャンプーは、所謂「お湯のいらないシャンプー」。
洗い流す必要がなく、体調が悪い時でも無理なく清潔を保てます。
からだふきは、ドライシャンプーの身体版ですね。
蒸しタオルと使う「洗浄フォーム」、ウェットティッシュ型商品の「シートタイプ」があります。
上記はタオルにとって使う「洗浄フォーム」ですね。
タオルを温めて使えば、拭いてる最中の寒さも克服しやすいです。
洗い流す必要もありません。
「滑り止めマット」で転倒を防ぐ
足場が滑っての転倒を防ぐには、入浴用の滑り止めマットも便利です。
手すり等と併用すれば、さらに安全性を高める事が出来ます。
滑り止めマットは、洗い場だけでなく浴槽内にも設置できます。
ただし、自重で沈むタイプや吸盤固定タイプなどの種類があり、それぞれ適した設置場所があります。
洗い場でも使用したいなら、下記の様な「自重で沈む」タイプがオススメ。
詳しくは下記記事で解説中です。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2020/09/入浴介護で使うオススメ滑り止めマット-160x90.jpg)
転倒を防ぐには、他の入浴用品も併用する事をお勧めします。
手すりや浴槽台など、様々な面から安全に動ける環境を整えていきましょう。
介護保険と入浴補助用具
介護保険を使って購入できる福祉用具は「特定福祉用具」と呼ばれます。
入浴に関する特定福祉用具を「入浴補助用具」と呼び、下記がその対象です。
これらはレンタルには対応しておらず、購入のみとなります。
介護保険を適用するには、「特定福祉用具販売」の指定を受けた事業所で購入する必要があります。
通販などはほぼ給付対象外なのでご注意ください。
高齢者の入浴介助中に注意する事
入浴介護をしていると、思わぬ事が多々あります。
「高齢者が思う様に動いてくれない」、「介護者自身が危険を感じた」なんて事もよくあります。
安全に入浴介護をする為のヒントとなる情報をご用意しました。
入浴方法は人それぞれ
一般的な入浴方法というと、「身体を洗ってからお風呂につかる」流れだと思います。
ですが、入浴方法は人それぞれです。
特に高齢者の介護をしていると、皆さん「寒さ」には敏感です。
下記の様な声もたびたび聞かれます。
こんな入浴方法を好む人も
- すぐにお風呂につかりたい
- 身体は洗わなくて良い
- お風呂の中で洗髪したい
介護をしていると、家族の思わぬ入浴方法に気付く事があります。
そんな時は、入浴方法を無理強いしてはいけません。
トラブルによる介護事故や入浴拒否にも繋がります。
ですが、まずは「安全に楽しく入浴する」事を目指して頂ければと思います。
介護者の安全にも注意する
入浴環境以外にも、入浴介護中には様々な危険があります。
例えば、下記の様な内容です。
介護者も事故に注意
- 相手を抱えている最中に介護者が転倒
- 相手の足を踏んでしまう
こうした事態を防ぐ為にも、入浴介護は動きやすい服装で行いましょう。
濡れる事も想定し服装を選ぶと、介護もしやすいですよ。
介護士向けではありますが、介護者の服装等を下記で解説してます。
何かの参考になれば幸いです。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2020/08/入浴介助で使う服装の選び方とオススメ便利グッズ-160x90.jpg)
まとめ
今回は、「お風呂で使える便利な介護用品」についてお伝えしました。
入浴補助用具は、組み合わせて使う事で安全性を高める事が出来ます。
それらのの特徴や選び方、要介護者が抱える問題を理解し、適切な商品を選びましょう。
高齢者には、入浴に動くのも億劫な方が多くいらっしゃいます。
その理由としては、身体の負担や入浴への不安がある様に思います。
ご家族としても、介護中の事故に対する不安は大きいでしょう。
ここで紹介した介護用品を活用し、その負担軽減に繋がれば幸いです。
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