介護業界はよく3Kの仕事と言われます。
「仕事が忙しくキツイ」「排泄介助が多く汚い」等ですね。
「介護職に興味があるけど不安」という方もいると思います。
しかし、近年の介護業界は脱3Kしつつあります。
- キレイで清潔感のある施設
- 職員も利用者も安心できる「安全重視の介護」
- 職員負担を減らす介護機器
こうした取り組みで、暗くカッコ悪い「前時代的な介護イメージ」は払拭されつつあります。
当記事では、介護職の3K実態を解説。
10年近い介護職の経験から、介護業界の変化等を語ります。
介護の仕事は3Kなのか?
冒頭の通り、介護業界はよく3Kと表現されます。
3Kとは、下記のネガティブ要素がある仕事を指します。
- キツイ
- 汚い
- 危険
「暗い(臭い)」「給料が安い」も加え、5Kと呼ばれる事もあります。
介護の3K実態は改善されつつありますし、自分で回避も可能です。
賃金についても、処遇改善等で改善も進んでます。
介護業界の3K実態
脱3Kの話は後述するとして、「なぜ介護が3Kと呼ばれるか」を解説します。
- 介助量が多く、肉体労働
- 排泄介助があり「汚い仕事」、施設も不衛生
- 忙しいから身体を壊す危険がある
何となく、忙しく暗いイメージがある仕事ですよね。
細かく仕事場面を見ていきます。
身体がキツイ
介護の仕事は、肉体労働の面もある仕事です。
その為人手不足もあり、よく「身体がキツイ」と言われます。
例を出すと、こんな場面があります。
- 移乗など、身体を抱えたり動かす場面が多い
- 熱い中の入浴介助が大変
- トイレやオムツ交換など、排泄介助を沢山する
腰痛になった介護士の話も、多いですよね。
さらに職員不足で負担が増え、身体介助を沢山する職場もあります。
排泄介助が多く、職場も不潔
「汚い」というと、皆さん気になるのは排泄介助だと思います。
例えば、失禁が多い時のオムツ交換などですね。
- 尿臭・便臭が辛い
- 排泄物の始末に抵抗がある
こういった声は、介護職にも一定数存在します。
慣れや技術で解決もしますが、「どうしても無理」と挫折する人がいるのも事実。
こればかりは相性なので、仕方ないですね。
また忙しさで清掃・衛生管理が出来てない職場も…。
これも「汚い」「臭い」イメージに拍車をかけてますね。
介護業界の危険リスク
介護の仕事における危険は、下記の様な物があります。
- 利用者からの暴力・暴言
- 介護事故
認知症などで精神状態が良くない方は、拒否感情から暴力・暴言が出る事もあります。
穏やかな方がほとんどですが、そうした事実もあります。
ただ死亡率の高い仕事もありますので、比較して安全と見る事も出来ます。
移乗や入浴介助など、自分がケガをする可能性がある場面もあります。
また相手は高齢者ですので、こちらが危険を与える側になるリスクも存在します。
自分のミスで介護事故に繋がる事もあります。
こうした事態の回避の為、各所ではヒヤリハット等のリスクマネジメントに取り組んでいます。
介護業界は3Kを払拭しつつある
10年近く介護業界で働いてますが、介護は少しずつ脱3Kしつつあります。
その理由には、下記要因があります。
- 「介護の質」「衛生管理」への意識向上
- 雇用改善への取り組み
- 介護機器の導入
現代は、「介護・サービスの質」がより問われる様になりました。
これにより労働環境の改善も少しずつ進んでます。
利用者の安全の為にも、職員が無理せず働ける環境を作る流れも進んでます。
安全重視による身体負担の軽減
介助の安全性が重視され、身体がきつい場面も減りました。
職員不足を改善する為、働きやすさや待遇の改善を図る職場も増えてます。
「人員を厚くし、事故リスク軽減」等の工夫も見られ始めてます。
生活の質や衛生管理の重要性も、以前より増しました。
汚物管理や居室の清潔、感染症対策のマニュアル化など、清潔意識はかなり向上してます。
介護機器でより快適な労働環境に
近年の変化では、介護機器の導入が進んだのも特徴。
例えば介護機器には、こんな物があります。
- 記録業務の簡略化する「介護ソフト」
- 利用者の身体状況を把握できる「ベッド機器」
- 負担軽減する「入浴機器」「マッスルスーツ」
介護職の心身負担を軽減する、より実践的な機器が増えましたね。
利用者様へのケアにも活かすなど、サービス向上にも繋がってます。
まだまだ改善の余地はあります。
介護業界が目指すポジティブな新3K
介護事業者側も、「脱3k」を意識した動きが増えました。
ポジティブな新3Kを挙げ、魅力ある職場作りをする事業者も出てきてます。
- 感謝される、やりがいがある
- キレイ、カッコイイ
- 給料が良い
例えば、こんな内容です。
労働環境の改善の他、施設設計や制服までこだわる事業者もあります。
中にいると分かりますが、最近の介護施設は職員も利用者も明るいですよ。
「やりがい搾取なんじゃないの?」と、拒否反応が出る人もいるかもですね。
…しかし、介護職の労働環境が変わってきてるのは事実。
大事なのは、これらに「本気で効果的に取り組めてる職場」を見極める事。
「脱3K出来てる職場」と「そうでない職場」、2極化しているので注意が必要です。
介護職が「3K回避」する為のポイント
良い職場も増えたとはいえ、まだまだ警戒が必要です。
最後に、「介護職が3K回避する転職活動のポイント」をお話しします。
- 負担の少ない施設種類を選ぶ
- 「平均介護度」や「職員数」、「運営者の意識」に注目
- 情報収集と比較を繰り返す
要するに、「慎重な転職活動を」という事ですね。
順にご説明します。
仕事負担の少ない「施設種類」を選ぶ
介護の仕事は、事業所の種類で「利用者の質」や「仕事内容」が異なります。
なので、働く施設種類はよく考える必要もあります。
所謂3Kのイメージに近いのは、下記施設ですね。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
特に特養は、介護度3以上の方の為の大規模施設。
平均介護度も高く人数も多いので、特に忙しい職場です。
スキルアップになる点は魅力ですが、キツイのが嫌な人は回避すべき。
3K回避という面では、個人的に有料老人ホームが良いと思います。
職場差はありますが、自立度が高い人が多く、未経験者にもお勧めです。
「平均介護度」や「労働環境」をチェック
転職活動の際には、下記内容をチェックしましょう。
- 平均介護度
- 職員配置
- 介護や労働環境への意識
面接ではこれらを聞き出し、働く雰囲気を確認しましょう。
また利用者の状態は変化するので、介護度が上がる可能性はあります。
そうした時の為、運営者の考え方も見ておきたいですね。
- リスクマネジメントがちゃんとしてる
- 職員も利用者も大事にしてる
- 職員の確保、定着に力を入れている
面接時点でも、何となくこうした雰囲気は感じ取れます。
少なくとも、信頼できると感じた職場を選ぶようにしましょう。
給料や待遇の良い職場は、職員の応募がよく集まります。
職員数が多く、給料も働きやすさも良い職場である可能性が高め。
情報と比較が重要!職場は慎重に選ぶ
他記事でもよく言いますが、介護職の転職活動では、情報収集と比較が重要です。
これは「3K回避」の面でも同様。
何となくの職場選びを減らすだけで、失敗の可能性を低く出来ます。
今回のテーマで個人的なオススメを言うと、下記の様な職場ですね。
- 有料老人ホーム(自立度が高めの施設種類)
- 新しい施設(職場がキレイ、人間関係の面でも働きやすい)
- 給料が高め(職員数が多く、負担が減る)
自分の適性も考えつつ、参考の1つとしてどうぞ。
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今回は「3K」を中心に介護の仕事を語りました。
別記事でも違う視点で、介護職の大変なところも紹介してます。
仕事選びの参考にどうぞ。
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