「キツイ」「大変」とよく言われる介護の仕事。
そんな介護士として、10年近く働いてきました。
これから介護士を目指すにあたり、大変なところや苦労を知りたい方も多いはず。
そんな方へ「介護士になって大変だと感じた事」をテーマにお話しします。
介護士の辛い・大変なところ
介護士の仕事内容は、相手の感情に大きく関わるモノです。
職員不足という、環境による負担もありますね。
私が実際に働き、大変だと感じたのはこちら。
介護士の大変なところ
- 「利用者との関係」や「仕事への不安」
- 介護職員不足による負担
- 給料が低い
順に見ていきますね。
「利用者との関係」や「仕事への不安」
介護は人間相手の仕事です。
「利用者への気疲れ」、「仕事への不安」等のストレスはやはりあります。
自分が介護士で働き始めた頃は、こんな事で悩んでました。
仕事でよく悩んだこと
- 利用者様の対応がちゃんとできてるか
- 介護拒否にあったら、どうすれば良いか分からない
- 何か失敗してないか心配
「自分の失敗で利用者を傷つけたらどうしよう」。
「相手と良い関係を築くのに、気を遣いすぎて疲れる」なんて事を思ってました。
介護拒否で暴力や暴言を受けて嫌われるのも辛いし、仕事が出来ないと思われるのも嫌だ。
こうした葛藤が辛かったですね。
仕事や対応に不安のあるうちは、転倒などの介護事故にも必要以上に怯えてました。
また利用者様と毎日接していると、色々な出来事があります。
怒られる日もあれば、一緒に笑ったり感謝される事もある。
そしていつかは、別れやお見送りの日が来ます。
高齢者介護では、毎日のように様々な人間ドラマがあります。
これが介護の面白さでもあり、大変なところですね。
職員同士の人間関係
介護の仕事は、人間関係の苦労もよく聞かれます。
仕事で意見が合わない、ストレスを他人にぶつけてしまう。
新人職員が馴染みにくいなど…、人間関係を退職理由に挙げる方も多いです。
私自身はそこまで…という感じですが、結構周囲では色々あるみたいで…。
揉め事の当事者はもちろん、周囲の人間も気疲れはします。
「忙しさ」と「人間関係」、どちらも問題ない職場は貴重だと思います。
介護職員不足による負担
介護士不足は皆さんご存知かと思いますが、やはり現場の負担は大きいです。
職員不足が進んでる施設での勤務は、なかなかキツイ物があります。
介護士不足による負担増加
- 夜勤回数
- 残業や休日出勤
- 1人あたりの仕事量
仕事が分からないのは、慣れや経験が解決します。
しかし人手不足ばかりは、どうにもいきません。
「職員不足による業務過多」が1番大変だと感じます。
とにかく人手が足りない状態です。
ただ全ての施設がそうではなくて、職場による差は大きいです。
職員の集まる施設とそうでない施設、この格差は転職を繰り返し、はっきり感じました。
そこに辿り着くまでの過程は、ある種の苦労ですね。
夜勤が増えたり、生活が不規則になる
介護は24時間対応の施設が多く、出勤時間も不規則です。
人手が無いと、無理矢理シフトを組むので働きにくさも増していきます。
夜勤が多く、昼夜逆転の生活になる。
こうした大変なシフトになる可能性も高く、実際に私も苦労しました。
16時間夜勤の職場も多く、夜勤の長さも辛いところ。
繰り返しですが、私が介護士で1番大変だと思うのは、仕事内容でなく量ですね。
「もっと休みが欲しい」「忙しい」、これに尽きます。
仕事の大変さに比べ、給料が安い
介護士の給料は、正直言って高くはないです。
といっても、普通に生活できる金額は貰えます。
ですが前述の大変さもあり、余計に「安い」という不満が多くなりがち。
地域や職場による差も大きいです。
人がいなくて仕事が大変なので、給料も安い。
けれどある施設では、職員も沢山いて給料も高い。
人手だけでなく給料の違いもあり、施設による働きやすさの差は激しいと思います。
介護士は転職活動も大変?
介護職は採用も求人も多く、あまり仕事には困りません。
それでも転職活動時には、介護士ならではの大変や辛さもあります。
- 処遇改善込みの収入が分かりにくい
- 業界内で「職場の良し悪し」の差が激しい
- 介護施設により意外と仕事が違う
採用を得るのは楽だけど、理想の職場を見つけるにはやはり苦労しますね・
転職活動時に「実際の収入」が分かりにくい
介護士の収入の1つに、処遇改善があります。
これは介護士の賃金アップの為、国から支給されるお金です。
この処遇改善の支給額って、転職活動時によく見えてこないんですよ。
処遇改善込みで給料表記される事もあれば、基本給だけでの表記もあります。
加えて、「各種手当の表記方法」も求人によって異なります。
求人で表記方法が違い過ぎて、具体的な収入がよく分からない事も多い。
求職者としては、待遇条件に関する透明性が低いですよね。
転職での収入アップも可能なものの、こういった大変さが足を引っ張ります。
「良い職場」を知らないと苦労が絶えない
介護業界にもホワイトな職場は沢山あります。
しかし、まだまだ昔のブラックなイメージに近い職場も多く残ってます。
- 休みも休憩も無く、給料も安い
- 仕事に余裕があり、給料も高い
転職を繰り返して分かりましたが、この差がなかなか激しいですね。
所謂ハズレの職場を引いてしまうと、辛い事になります。
「介護は楽」「いやブラックだ」と意見が分かれるのも理解できます。
転職活動では、この見極めが大変ですね。
見学や求人数の比較など、介護職の転職では情報が命です。
「自分の適性」の理解も難しい
同じ介護でも、職場が違えば仕事も変わります。
- 介護や仕事への考え方
- 施設種類による利用者や業務の特徴
- 細かな業務範囲
分かりやすいのが、施設種類による違いですね。
例えば私のようにレクが苦手な人は、デイサービスを選ぶと辛いし。
身体介助がキツイ人が特養などを選ぶと辛い事になります。
施設種類により、利用者の介護度や人数など細かく違いがあります。
同じ介護と思わず、施設種類による違いを理解する必要がありますね。
また同じ種類の施設でも、介護や仕事への考え方が異なる事があります。
…なので、細かい事を言うと、自身の適性の見極めも大変という話。
やってみて初めて分かる部分ですね。
1つの考えに固執しない柔軟性も重要です。
転職後の職場はやっぱり怖い
転職後の新しい職場には、「怖い」「不安」という感情がつきもの。
- 新しい職員・利用者と上手くやれるか
- 仕事を覚えられるか
- 知らない人だらけの環境は疲れる
ベテラン介護士であっても、新しい職場では仕事の覚えなおしは必須。
職員や利用者との関係だって、上手くいくとは限りません。
転職活動が多くなりがちな介護士は、転職の不安と向き合う機会が多いのも辛いところ。
まぁその分、売り手市場ですので悪い事ばかりではありません。
こうした不安もオープニング施設に転職すれば回避できます。
⇒介護職員におけるオープニングの仕事内容【メリットや転職方法も】
介護士と保育士はどちらが大変?
良く介護士と比較されるのは、保育士の仕事。
保育士の大変なところとして、よく下記内容が指摘されます。
保育士は大変?
- 子どもの対応が大変
- 忙しく給料が安い
- 家族の対応が難しい
「大切な家族を預かる」という事も含め、介護士とよく似てますね。
仕事の大変さはそれぞれなので、どちらが良いかの比較は難しいです。
その人の適性もありますし、自分にとっての真実は経験しなければ分かりません。
安易に人の意見に流されない方が良いです。
私自身は介護職ですので、個人的には介護士が増えてくれると嬉しいです。
そんなワケで、介護士を選ぶメリットを軽く紹介。
介護士で働くメリット
- 国家資格(介護福祉士)の合格率が高い
- 処遇改善もあり、そこまで収入は低くない
「保育士」と「介護福祉士」を比べると、介護福祉士の方が合格率が高いです。
※保育士は約20%、介護福祉士は約70%
処遇改善の問題も話しましたが、収入が増える事には違いありません。
ケアマネや相談員など、介護職内でのステップアップも豊富ですよ。
それでも介護職を続ける理由
今現在も、私は介護福祉士として仕事を続けてます。
やりがいや社会貢献など、立派な理由はありません。
介護の仕事は大変と思いつつ、転職では介護の仕事を選んできました。
仕事や転職で悩んでる方へ、考え方の1つとして話しておきたいと思います。
仕事内容が自分に合っていた
介護の仕事は大変ですが、他の仕事はあまりピンときませんでした。
結局、介護の仕事自体は自分に合っていたんですね。
給料は高くないし忙しい事もあるけど、仕事内容は嫌ではありません。
そんな介護士もいるので、あまり難しく考えなくてもOKです。
介護士って、大変なイメージも多いですが気楽な面もあるんですよ。
売上ノルマもないし、職場は冷暖房完備です。
確かに大変ではありますが、自分にとっては営業とかより性に合ってます。
だから楽に働く事で解決しました。
楽に働ける施設に転職できた
介護で働いていて、1番辛いのは人手不足。
「休めない辛さ」に比べれば、給料の安さやストレスは些細な事。
…なので前述の通り、楽に働ける施設に転職しました。
具体的には、正社員から非常勤に働き方を変えました。
待遇にもこだわったので、職員の集まりも良く人手にも恵まれてます。
⇒介護パートで働いた感想
非常勤として自分を守りつつ、そこそこ収入を確保できてます。
自分にとって辛いのは、仕事量や休みが無い事。
なのでそこを解決し、長く続けられる働き方を狙いました。
夜勤も最近は避けてます。
介護業界で働くうえでは、自分でワークライフバランスを整える意識が大切です。
そこさえ注意すれば、「大変でも良い仕事」として長く続けられると思いますよ。
身体が楽になって、「慎重な転職活動の大切さ」を今更ながら実感してます。
繰り返しですが、介護は良い職場さえ選べれば快適に働けますよ。
未経験者も入りやすいですし、良かったらチャレンジしてみて下さい。
介護で働こうか迷ってるなら、良ければ下記記事もどうぞ。
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