転職活動や仕事を辞める時など、どうしても聞かれてしまう退職理由。
「退職理由は嘘と本音どちらで伝える?」「皆は本当はどんな理由で辞めてるの?」など、転職回数が多くなりがちな介護職では、退職理由で悩む事も多いですよね。
そんなワケで、当記事では「介護職の退職理由」をテーマにお話しします。
- 介護職に多い退職理由ランキング
- 転職先や在職中の職場へ退職理由をどう伝えるべきか
- 介護職の現状を踏まえた転職アドバイス
これらの内容についてご紹介します。
「介護職に多い退職理由」ランキングトップ5
下記は、介護職に多い退職理由のトップ5です。
- 職場の人間関係に問題があった(20%)
- 結婚や妊娠、出産・育児の為(18%)
- 事業所の理念や運営方法に不満があった(17.8%)
- 他に良い仕事・職場があった(16.3%)
- 自分の将来の見込みが立たなかった(15.6%)
これに加え「収入が少ない(15%)」が、介護職に多い退職理由です。
上記は29年度の調査ですが、毎年似たようなランキングになってますね。
それぞれ見ていきましょう。
職場の人間関係に問題がある
介護職の退職理由として、最も票を集めたのが「職場の人間関係」。
ただ介護業界の人間関係は、特別悪いワケではありません。
やはり職場によるところが大きいですね。
退職理由のトップである理由は、退職を決める決定打となる為ですね。
ある程度、給料が安かったり忙しいのは仕方ない。
だけど人間関係が悪いのは耐えられない、という事です。
⇒介護職に多い職場内イジメの内容は?
介護ならではの特徴は、女性職員が多い事ですね。
女性同士の人間関係トラブルもよく散見されます。
女性社会になりがちな事も、原因の1つとして考えられます。
結婚や妊娠、出産・育児のため
「結婚や妊娠」「出産・育児」のために仕事を辞める。
これは女性に多い退職理由です。
こうした時に使える制度に「産休・育休」があります。
ただ休業の取りにくさもあり、退職を選ぶ職員が多くなっています。
介護の場合、子育て中は「土日」や「夜勤」がネックになる事が多め。
主婦層の多くは、パート社員として働き始めてますね。
また「現在の職場で社員からパートになる」という方も少なめ。
- 休んで迷惑をかけるので、復職しにくい
- 他にも魅力的な職場がある
こんな理由からか、休職や復職を選ぶ方はあまりいない印象。
復職したいと思える魅力が職場に足りてない可能性も高いですね。
どこかで「転職や退職したい」と考えており、結婚を機に行動に移す方も多いと思われます。
雇用改善の取り組みとして、産休や育休に力を入れる職場もあるので注目です。
男性は「低収入」を理由とした寿退社も
介護業界では、男性の寿退社も多いとよく言われます。
その場合、後述の収入を理由にした転職が主となってます。
介護業界の収入は改善されつつありますが、全ての職場でというワケではありません。
事業所の理念や運営に不満がある
職場と考えが合わないというのも、介護職に多い退職理由の1つ。
調査では、「理念や運営への不満」とありますが、もっと言うと「職場と仕事や考えが合わず不満」という事ではないでしょうか?
- 人材不足が解消されず、負担が大きい
- 業務指示・介護方法への不満
- 上司への不満
これらは介護職の多くが抱える職場への不満。
特に職場と考えが合わないというのは、リーダー職やオープニング施設に多い退職理由ですね。
またこうした退職理由を挙げる方には、ブラック介護施設にお勤めの方もいると思います。
- 休日出勤、サービス残業が当たり前
- 休憩を取らせて貰えない
私も含め、職場の人材不足や労働環境の悪さを原因に転職する介護士は多いです。
職員がいないから、職場の雇用改善の取り組みの甘さが目に見えてしまう。
だから職員も定着しない、という悪循環もよく発生してます。
収入が少なく将来の見込みがない(条件の良い職場があった)
介護は業界内の入れ替わりが激しくあります。
「将来の見込みがなく、収入が少ない」「もっと条件の良い職場へ転職する」。
こんな感じで介護業界内で、転職を繰り返す人も多いと思います。
上記のような「収入」による退職理由は、男性から多く挙がっています。
スキル面で将来の見込みがないと退職する職員もいます。
各施設の基本給や賞与、夜勤手当などは、職員同士でもよく話題になります。
他施設の求人に関心のある職員は多く、日頃からよく比較されてますね。
需要の高さによる転職の容易さもあり、潜在的な転職希望者は多いと思われます。
人手不足による忙しさが原因となる事も
介護業界の収入は決して多くないですが、その裏では忙しさが退職原因である事も多め。
- 休憩が取れないほど忙しい
- 毎日仕事が定時に終わらない
- 人手が無く、休みが少なく夜勤も多い
現場にいる身としては、「こんなに大変なのに給料が安い」と不満を感じます。
業務量に対し対価が低い、要は業務過多という事ですね。
不満は収入だけとは限らず、快適な労働環境を求める介護職員もいます。
人材不足が慢性化し、「職場が良くなる未来が見えない」と失望しての退職も目立ちます。
ちなみに介護職員の給料は、年々少しずつ改善してます。
処遇改善だけでなく、賞与支給の職場も多くあります。
介護支援専門員は資格取得もきっかけに
その他ですと、資格取得によるステップアップも退職理由となり得ます。
特に介護支援専門員では、前職を辞めた理由に「資格取得」が多く挙がりました。
本来であれば、同じ職場で他介護職種として働ければ理想です。
しかし現場で最も不足しているのは介護士です。
資格取得しても、自分の理想を叶えにくいのが現状です。
そのため、介護士から他の介護職種を目指す際も、転職のきっかけとなります。
私が介護職を辞めてきた理由
私も介護職として、転職を多く繰り返してます。
個人的な退職理由ですが、介護職のリアルな声の1つとしてご紹介します。
私の過去の退職理由は、主に「仕事に疲れたから」です。
具体的には、下記ですね。
- 休日の確保が出来なくなった
- 夜勤回数が増え、生活リズムが崩れた
- 役職に就き、仕事量が手に負えなくなった
お金でも人間関係でもありません。
男という事からか分かりませんが、人間関係にはかなり恵まれてる方です。
職員不足により、シフトがきつくなるたびに職場を転々としてます。
最近では正社員で働く事を辞め、非常勤として働いてます。
この辺の考えは、下記記事で紹介してます。
【嘘と本音】退職理由はどう伝える?
ここからは、転職活動における退職理由の伝え方を解説します。
- 面接で採用を得たい時の話し方
- スムーズに退職する為の伝え方
- 退職理由は、「嘘」と「本音」どちらで話す?
この3点について、順にお話しします。
新しい職場での面接での伝え方
転職時の面接では、前職の退職理由をどう話すべきか悩みますよね。
やむを得ない事情や相手の理解を得やすい内容なら、素直に伝えてOK
- 結婚など、収入や育児のため仕事を続ける事が難しい
- 職員不足により、体力的に仕事を続ける事が出来なくなった
- 他の職種・施設種類で働きたい
こういった退職理由であれば、素直に伝えてOKです。
ただ前職の不満を口にし過ぎると、採用側の不安に繋がります。
実際には新しい職場を選んだ理由など、前向きな転職理由を中心に話すと良いですね。
全てを周りのせいにせず、自分の非や職場の良い点も一緒に話すとかなり好感触です。
長期定着できる事をアピール
逆に避けるべきなのは、人間関係が上手くいかないなど、採用の不安を煽る様な内容。
上手く伝える方法もあるでしょうが、自信がないなら避けた方が無難です。
また体調や家庭の事情などで退職した場合、現在はそれらが解決してる事を伝え、面接官の不安要素を拭っておく事も重要ですね。
このあたりは、下記記事も参考になるかもしれません。
職場を辞める時の「退職理由の伝え方」
続いては「職場に退職を伝える時」、理由をどう話すべきかお伝えします。
介護職員の不足もあり、退職時には「引き留め」へ上手く対処する必要があります。
退職を既に決めているなら、退職理由よりその意思を明確に伝える事が重要です。
相手を理由で納得させようとすると、話し合いが泥沼化する可能性大。
職場に解決を期待するならともかく、退職を決めてるなら理由での説得は避けましょう。
素直な理由を伝えたら、「辞める意思は変わらない」の一点張りでOK。
退職理由は嘘を言っても良い?
今いる職場にせよ、面接にせよ、正直に伝えにくい退職理由もあるでしょう。
例えばこんな理由ですね。
- 嫌な利用者や職員がいる
- 給料や待遇に不満がある
- 嫌な仕事内容がある
退職をするという事は、今の職場に不満があるという事。
本音で話すと、採用獲得や円満退職が難しくなるケースもあると思います。
結論は「バレる嘘はつかない」、「必要以上に本音を話す必要もない」です。
特に家庭や結婚、体調などの嘘は、どこかでバレる可能性があります。
必要以上に本音を話す必要もない
また必要以上に不満や本音を言う必要もありません。
自分の信用を無くしたり、相手の気分を害するだけの内容なら、言わない方が無難ですね。
そうした時は具体的な表現を避け、あえて曖昧にするのも賢い手。
特に退職時は、よく引き留めなどでトラブルが増えがち。
自力での解決が難しい時は、退職代行を使う手もあります。
「腰痛」や「家庭の事情」は正直に話す
ただ転職先には伝えておくべき情報もあります。
- 持病(腰痛など)のこと
- 家庭の事情(子どもの為に急に休む可能性など)
過去にこんな理由で退職し、入職後に職場に迷惑をかける可能性があれば事前に話しておくべき。
「出来ない事」「迷惑をかける可能性」などは、話さないでいるとトラブルの原因となります。
働くうえで重要な情報は、素直に伝えた方が身を守ります。
介護職員が長く働ける職場を見つけるには?
それではここまで紹介した退職理由から、介護職が長く働ける職場を考えてみましょう。
介護職の声から見ると、下記要素がポイントとなりますね。
- 職場の雰囲気
- 勤務条件(給料や休日など)
- 労働環境への意識
職場の雰囲気が明るく穏やか、収入等の条件にも納得できる。
介護職の労働環境や業務負担への意識も高い。
こういった職場が理想ですね。
「退職理由」を解決できる職場を選ぶ
現実的には、なかなか理想の職場は見つかりません。
…であれば、前職の退職理由を解決できる職場をピックアップしてみましょう。
ちょっと例を出します。
- 収入が少ない
⇒基本給や賞与、各種手当の高い職場を選ぶ - 職場の介護・業務方法に不満がある
⇒面接や見学で質問、あるいは別種類の施設を選ぶ - 職員不足で休みが足りない
⇒派遣や非常勤で働く
介護施設ですと、取っ付きやすさから経験のある施設を選びがちです。
同じ失敗が多いと感じたら、思い切って違う種類の施設で働いてみるのもアリ。
また退職理由に多かった人間関係は、事前の把握は難しいです。
「ウチは人間関係悪いです」なんて言う面接官もいないでしょう。
職場見学で雰囲気を見定め、失敗したと思ったら即逃げでOKです。
人間関係が出来上がっておらず、平等なスタートなのでやりやすいです。
介護職の転職は妥協せず比較しよう
色々述べましたが、やはり職員数は最重要です。
他記事でもよく言ってますが、職員が揃ってれば労働環境の大体の不満は解決できます。
それに魅力ある職場には、このご時世でも人が沢山集まってきます。
例えば、「給料の良い職場」は新規職員の応募も多いですね。
待遇や雰囲気、働きやすい制度など、より良い職場を選ぶ事で、働きやすい環境も手に入る可能性は高いです。
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