介護士の仕事というと、人間関係が心配という方もいらっしゃると思います。
ネット上でも人間関係に関するネガティブな情報が散見されます。
職場の人間関係が悪く、「疲れた」「辞めたい」と悩んでる方も多いでしょう。
今回は「介護職の人間関係がなぜ悪いか」をテーマに語ります。
介護業界だけが、特別に人間関係が悪いという事ではありません。
それでも、やはり介護施設には「人間関係が悪くなる理由」も存在します。
良い関係を築くコツや辞め方、人間関係重視の転職など、実情をお伝えします。
介護職の人間関係はなぜ悪い?
前置きしておくと、介護職の人間関係は全て悪いワケではありません。
良好な関係で気持ちよく働ける職場も多くあります。
ただ下記の様な、「介護職ならではの理由」で人間関係が悪化しやすい事実もあります。
- チーム仕事であり、関わる相手が多い
- 女性社会であり、感情的な言葉が出る人が多い
- 忙しく、ストレスや不満が溜まりやすい
まずは、「なぜ介護職の人間関係が悪くなるか」を見てきます。
「女性社会」で「関わる人間」も多い
介護の仕事はチームプレーの仕事です。
関わる相手が多く、仕事への影響は大きいのがまず1つです。
例えば介護士目線で見ると、関わる相手はこれだけいます。
- 上司や同僚、部下
- 利用者
- 看護師や相談員等の他職種
- 利用者の家族
単純に関わる相手が多い為、全ての相手と上手く関わるのはやはり難しいです。
さらに大きな特徴なのが、女性社会である事。
介護では、職場の半分以上は女性職員が占めます。
特に多いのが、30代以上の主婦層ですね。
忙しさによるストレスなどもあり、女性特有のトラブルが目立ちます。
人間関係の複雑さ
自分に関わる職員もそれぞれ人間関係を持っており、利用者様も関わってきます。
グループや派閥トラブル、些細な事が人づてに大きくなるなど…、
1対1に留まらない、複雑な人間関係も面倒くさい部分ですね。
認知症がある利用者もいますし、第3者を巻き込みトラブルに発展する事も…。
こうなると、何が原因か分からくなります。
こうした点も、「人間関係の悪さ」を感じやすい環境ですね。
人手不足でストレスが溜まりやすい
次に、人手不足でストレスが溜まりやすい環境という事があります。
- 仕事が終わらず、定時で帰れない
- 忙しさで気持ちに余裕がない
- 介護拒否や暴言など、利用者対応によるストレス
仕事中も気持ちに余裕がなく、つい言葉が荒くなる職員も多いです。
認知症対応の難しさ、利用者からの暴言など…。
忙しさ以外にも、ストレス原因も多いですね。
「職場への不満」が溜まりやすい業界なのも否定できません。
退職理由には「人間関係」が多いという事実も
介護職員に多い退職理由は、「人間関係」が挙がってる調査結果があります。
ただ人間関係による退職理由は、他産業でもランキング上位によく来ている内容。
他と比べやや高めですが、介護業界が突出して悪いワケではありません。
参考:「介護労働安定センター(平成29年度 介護労働実態調査結果)」
「厚生労働省(平成 30 年雇用動向調査結果の概況)」
そして今現在も、人間関係は退職理由のトップにあります。
人間関係は、給料や休日などよりも重要だという事です。
話題にも挙がりやすく、必要以上に目立ってしまう面もありますね。
何はともあれ、介護職が長く働き続けるには良好な人間関係は必須。
介護施設における人間関係トラブルの特徴
ここでは介護現場の特徴を踏まえ、実際によくある人間関係のトラブルを紹介します。
- 悪口の言い合い
- 新人イジメ
- グループや派閥の対立仕事の不満や責任の押し付け合い
介護では、様々な立場の人と関わり合いになります。
職員同士や利用者様など、ケース別にトラブル例を紹介します。
事前に理解しておくことで、防止に役立つでしょう。
「悪口」や「キツイ注意」
介護現場で多くなりがちなのは、「悪口」や「注意」での揉め事。
現場は人手不足で余裕がありません。
その為、下記の様な不満を容認できない人が出てきます。
- 他職員の動き方が悪い、遅い
- 仕事に対する考え方の違い
- 業務負担の偏り
結局は「人手不足」が原因なモノの、その不満を他職員にぶつけてしまう人も多いですね。
ストレスや余裕のなさから、キツイ口調になる職員もいます。
悪意がなくとも、ふとした一言でトラブルに発展する事もしばしば。
また介護事故の責任の押し付け合い、言った言わないの報告・確認トラブルもよくあります。
⇒介護職が思う「苦手」「合わない」上司達
新人イジメ
不満のはけ口の対象は、弱い立場の新人職員に向く事が多いです。
「お局様による新人イジメ」なんかは、まさにそれですね。
誰にでもならまだしも、特定の人にだけというなら問題です。
特にイジメが発生してる職場は致命的。
⇒介護職を辞めたい!注意したい職場と退職方法
女性同士の「グループ・派閥トラブル」
女性が多い職場という事で、グループや派閥意識が強い職員もよくいます。
グループは「仕事への考え」や「年代」など、様々な要因で生まれてます。
そして派閥意識が強い職員は、よくどちらかに属する事を求めてきます。
発言力のある職員をリーダー判定し、勝手にグループ分けしたりもありますね。
そして勝手に、A派対B派の対立構図を作り上げられてしまいます。
同調圧力もあって、周囲からすると面倒くさい環境ですね。
家庭の話による関係悪化も
介護は40~50代の主婦層が多いという事で、注意したいのが「家庭」の話題。
家の事情はデリケートな話題で、触れられたくない深い部分。
誰も色々な悩みやストレスを抱えており、だからこそ「他の人はどうか?」と気になります。
聞かれたままに話をしていると、相手の癇に障る一言を話してしまいがち。
悪意はなくとも、「嫌な事を言われた」と人間関係の悪化を招くケースが後を絶ちません。
家庭の話はしないのがベストですね。
利用者からの介護拒否やストレス
介護士と利用者様のトラブルもあります。
例えば、特定の職員にだけ介護拒否がある等ですね。
介護拒否は解決が難しく、人間同士なので相性があるのは仕方ありません。
ですが、やはり「自分が悪いのだろうか」と悩んでしまう職員も多くいます。
加えて、何度も同じ訴えがある等、認知症対応にイライラしてしまう人もいます。
そうしたストレスから、つい言葉や対応が荒くなってしまう事も。
利用者も意外と嫌な職員の悪口は言います。
要らぬ誤解を防ぎ、働きやすくいる為にも、利用者との関係も大切にしましょう。
一人で抱え込まない様、他人を巻き込んで解決に動く必要がありますね。
「人間関係で辞めたい時」の退職・転職アドバイス
介護職で今現在「人間関係が悪く辞めたい」と考えてる方もいるでしょう。
人間関係は改善が難しく、辛いなら転職すべきタイミング。
辛い時は逃げてもOK、自分を守る事を優先して下さい。
- 退職理由の伝え方
- 人間関係の良い職場
人間関係で辞めたい時の退職、転職方法についてアドバイスしていきます。
退職理由に「人間関係」とは言わない
まず人間関係が原因で退職する時は、素直に伝える必要はないです。
- 一身上の都合
- やりたい仕事がある
- 色々と家庭の都合があって…
退職理由は、こんな感じの当たり障りない内容でOK。
退職を決めてるなら、その不満・理由は周囲に伝えないようにしましょう。
話が大きくなり、人間関係が余計こじれてしまいます。
今後の事も考えると職場や職員への不満は避けた方が賢明。
出来るなら、円満退職を目指すのが理想です。
人間関係が良い介護施設を見分けるポイント
人間関係が良い職場を見分けるなら、下記ポイントを意識しましょう。
- 施設がキレイで雰囲気が柔らかい
- 面接官が印象が良い
- 職員の年齢・性別がばらけている
まず面接や見学での「雰囲気の印象」。
面接での短い時間でも、「無理そう」「落ち着く」など感じる物はあるはず。
大抵の場合、この印象は就業後もあまり変わりません。
職場の雰囲気に大きく関わる存在なので、信頼にあたるかは要チェックです。
大型施設も狙いめ
また職員の年齢や性別はばらけてる方が良いです。
その点では、男性職員が多い大型施設をオススメしたいですね。
職員の入れ替わりも多く、新人にとって風通しが良いです。
職員も長年固定化しがちであり、新人が馴染みにくいケースが多め。
人間関係に疲れた時は「オープニング施設」がオススメ
人間関係に疲れ退職しても、新たな職場も慣れるまでが大変です。
- 新たな人間関係の構築
- 業務の覚えなおし
仕事を続けるのも、転職するのも疲れる…。
そんな時にオススメしたいのが、オープニング施設。
仕事内容も人間関係も出来上がっておらず、0からのスタートなので気楽です。
新人特有のやりにくさを回避でき、入り込みやすいです。
先の内容と併せると、「新しめの大型施設」がオススメです。
求人情報はよく比較する
介護求人は、よく見ると細かな違いがあります。
- 給料やボーナス
- 休日数や特別休暇
- 細かな手当など
よく比較し、少しでも良い条件の職場を選びましょう。
求人に魅力のある職場の方が、職員の応募が多くなります。
職員不足が人間関係悪化の原因となるので、職員の集まる好条件が狙い目。
求人比較には、介護系転職サイトを活用します。
無料で利用できるし、希望条件で紹介も受けられます。
特にきらケア介護求人は、内部情報に詳しくマッチング重視のサービス。
オープニング求人も掲載されていますよ。
「紹介予定派遣」で慎重な転職活動を
職場の人間関係は、働いてみないと分からないモノ。
運任せに転職活動するぐらいなら、介護派遣も検討してみて下さい。
- 派遣社員から正社員へのスカウトもある
- 正社員雇用前提の紹介予定派遣
派遣先からのスカウトも珍しくないですし、それを前提とした紹介予定派遣もあります。
もし嫌な職場なら契約更新しなければOKなので、退職の手間もありません。
⇒介護派遣のメリットとデメリット!正社員とどっちがオススメ?
転職成功のため、上手く活用しましょう、
介護における「人間関係改善」「面倒なトラブル回避」方法
繰り返しですが、介護は決して人間関係が悪い仕事ではないです。
しかし他業界と比べ、良好な関係を築く努力はより求められます。
快適な人間関係の中働くため、「自分でできる立ち回り」や「対処方法」も考えてみましょう。
ここでは、人間関係悪化を防ぐためのポイントを紹介します。
助け合いの関係を自分から作る
誰しもが、苦手な人というのは存在します。
嫌な人や苦手な人は、上手く味方につけてしまいましょう。
困っていれば助けたり、フォローをする等…。
自分から協力関係を築き、嫌われない立ち位置を確保しましょう。
助け合いの関係を自分から作っていく姿勢が大切です。
しっかり自分の意志を持ちつつも、相手を受容する姿勢も大切です。
こちらの主張があっても、まずは相手の意見に耳を傾ける。
利用者様への対応と似ていますね。
仕事負担のバランス取りに動く
また仕事負担の偏りがあると、人間関係がこじれる事も。
その辺りにも注目し、フォローを入れてみるのも有効です。
- 自分の仕事が終わったら、助ける
- 「大丈夫?」「何か手伝えますか?」など気遣う
- 率先して仕事に動く
余計なことを言わず、気遣いがあって良く動く。
こうした職員はどこでも高評価です。
あなたが大変な時にも、きっと助けとなってくれる事でしょう。
仕事力を高め優位に立つ
自分の仕事の質を高めるのも有効です。
「この人は仕事ができる」と一目置かれるだけで、人間関係が楽になります。
貴方を頼りにせざるを得ない状況も増え、関係性で優位を取れます。
助け合いの関係を自分から持ち掛けやすくなるでしょう。
利用者様とのコミュニケーションスキルなど、出来る事から始めてみましょう。
面倒くさい相手には関わらない
こちらの対応力だけでは、どうしようもない面倒な相手も存在します。
こうしたトラブルメーカーとは関わらない事です。
連絡などの最低限の会話に留め、自分の仕事に集中しましょう。
要らぬトラブルに巻き込まれる可能性大です。
プライベートな付き合いは避ける
例え仲の良い職員でも、家庭などプライベートな話はしない方が無難です。
近すぎる距離も、いらぬトラブルを生む原因になり得ます。
相手から話を振られた時も、聞き役に徹した方が無難ですね。
望まないのであれば、プライベートな付き合いはあまり持たない方が良いです。
解決が難しければ「異動」や「退職」を
人間関係で苦労していても、環境が変わる事で、嘘のように上手くいく事があります。
解決が難しければ、異動を申し出てみると良いでしょう。
その際は、理由は上司など信頼できる人だけに話し、周囲に広まらないようにしましょう。
問題が心身に与える影響が強い場合、退職(転職)も視野に入れましょう。
さいごに
今回は「なぜ介護職の人間関係が悪いか」を語りました。
現場にいて感じるのは、「意地悪な職員」は極わずかです。
職場環境の悪さから、悪口やキツイ言葉が出てくる職員がほとんど。
それも褒められた事ではないですが、気持ちの余裕は良好な関係に必要不可欠です。
要するに、「職員の集まる、魅力ある職場を選びましょう」という事ですね。
- 職員の接遇、雰囲気
- 給料や休日
- 職員定着率
人は自分を映す鏡と言いますが、良い関係を築くには自分にも「心の余裕」が必要です。
人間関係を求めるなら、ホワイトな環境も大切です。
解決が難しい時は無理に留まっても良い事はなく、時には諦めて転職するのも大切です。
介護業界も良い職場は沢山あるので、諦めずにチャレンジしましょう。
コメント