認知症ケア指導管理士とは?取得方法や試験合格率などを解説

認知症ケア指導管理士とは 介護士

認知症のケアに特化した介護資格があるのをご存知でしょうか。
今回紹介する「認知症ケア指導管理士」もその1つです。

当記事では、取得方法や試験の合格率など、認知症ケア指導管理士になる為の情報をまとめました。

また他にも認知症に関する資格があり、その違いに困惑する方もいるようです。
資格の特長や取得方法をお話ししつつ、それぞれの違いも解説していきます。

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認知症ケア指導管理士とは

認知症ケア指導管理士とは、「公益財団法人 職業技能振興会」が認定する、民間の介護資格。

認定機関による試験に合格する事で取得できます。

認知症ケア指導管理士は、認知症ケアを修得し、その能力をもって人材育成できる人です。

資格の創設・取得目的
認知症に関する「適切なケアの修得」と「指導・管理できる人材育成」を目的とし、医療・介護における認知症ケアの専門性の向上の為に創設されました。

案内をする女性看護師

認知症ケア指導管理士には、下記2つの資格等級があります。

認知症ケア指導管理士は2種類ある

  • 認知症ケア指導管理士(初級)
  • 上級認知症ケア指導管理士

当資格を指す場合、一般的には初級の事を指します。

初級はどなたでも受験可能ですが、上級は「初級合格」等の受験要件があります。

資格取得すべき職種やメリット

認知症ケア指導管理士は、認知症ケアの修得を目標とした資格です。

活躍できる職場は、認知症の方を受け入れている介護施設などになります。

認知症対応の施設例

OKサイン

認知症ケア指導管理士は、約6割が介護職、約3割が医療職が受験しています。

現場の介護士や看護師の対応力アップに活かされる事でしょう。

職種別にみると、第18回の初級試験では、介護福祉士が37.5%と最多でした。

また人材育成も視野に入れた資格ですので、リーダー職の方にもお勧め。

ユニットリーダーなど、ケア方法を中心になって考え指導する立場の人にも有用ですね。

給料などの待遇については、施設の考え方によるところが大きいです。
資格が直接評価に繋がるというよりは、取得過程で得た能力によって評価されると考えて良いでしょう。

もし他業界の方で「認知症を学びたい」という方は、認知症介助士がオススメです。

認知症ケア指導管理士(初級)の認定試験

認知症ケア指導管理士(初級)の取得には、認定試験を受け合格する必要があります。
受験制限は無く、どなたでも受験が可能です。

認知症ケア指導管理士(初級)試験概要

試験内容 60問 5肢択一
マークシート方式筆記試験
合格基準 問題の総得点の7割を基準
問題の難易度で補正した点数以上を獲得
出題範囲 公式テキスト有(長くなるので後述)
受験資格 なし(どなたでも受験可能)
試験時間 90分
試験日程・会場 公式HP参考
受験申込 ・公式HPよりインターネット申し込みか郵送
・受験料は7,000円
 クレジットカード、ペイジー、アマゾンペイ

※学生の方が受験する場合、学生証のコピーが必要です

合格通知について
合格発表は、試験後約6週間後に郵送で通知されます。
合格した場合、認定証の発行に2,000円の支払いが必要です。
※取得後は2年に1度更新があります

初級の合格率
第18回試験の合格率は59%、今までの累計では58.3%です。
難易度的には、十分合格を目指せる範囲ですが、試験勉強は必須です。

合格基準は60問の7割ですから…、
難易度を無視すると、ざっと42問正解が目安といったところ。

初級の出題範囲と勉強テキスト

認知症ケア指導管理士の試験出題範囲は下記。

学習には、後述のテキストを使用します。

認知症ケア指導管理士(初級) 出題科目

  • 認知症高齢者の現状
  • 認知症の医学的理解
  • 認知症の心理的理解
  • 認知症ケアの理念と認知症ケア指導管理士の役割
  • 認知症ケアの実践
  • 日常生活支援
  • 認知症への薬物療法
  • 認知症への非薬物療法
  • 家族への支援
  • 認知症ケアにおける社会資源
  • 応用問題(時事問題など)

試験で出題されるのは、認知症やそのケア方法に関する基礎知識。
それらを応用した時事問題等が出題されます。

初級の試験は、下記の「公式テキスト」を中心に出題されます。

試験対策テキスト
試験対策は公式の「認知症ケア指導管理士試験初級公式テキスト」が使用できます。
出題項目の解説とサンプル問題が収録されています。

試験対策講座も随時開催。
また東京を始めとした、試験開催都市で行われています。

対策講座を使うにしても、独学にしても、合格を目指すのであればテキストでの学習は必須です。

上級認知症ケア指導管理士の認定試験

上級認知症ケア指導管理士も、認定試験に合格する事で取得できます。
しかし受験条件や試験の難しさもあり、初級と比べ取得難易度は高めです。

また「1次試験」、「2次試験」とあり、試験内容も初級とは異なるものになっています。

上級認知症ケア指導管理士 試験概要

試験内容 1次試験
⇒60問、5肢複択、マークシート方式
2次試験
⇒論述形式
合格基準 1次試験
⇒合格最低点を合否通知時に通知
2次試験
⇒課題に対する対応力、判断力を問う
出題範囲 公式テキスト有(長くなるので後述)
受験資格 初級合格等(詳しくは後述)
試験時間 1次試験、2次試験共に90分
試験日程・会場 公式HP参考
受験申込 願書や資料は公式HPから、メールフォーム、電話請求
【受験料】
一次試験 → 12,000円
二次試験 → 6,000円 ※一次試験合格者のみ

1次試験の合格率は低い
1次試験である筆記試験は、5肢複択です。
つまり正解は1つではなく複数あり、1次試験の突破率はかなり低め。
また1次試験、2次試験共に、合格基準ははっきりとは示されていないようです。

合格通知について
合否通知については、初級と同様に試験後約6週間後に郵送で通知。
合格した場合は、認定証の発行に2,000円の支払いが必要です。

上級の合格率
第5回の試験は、1次試験が7%で、2次が95.2%。
累計でみると、7.6%とかなり合格率が低いです。

まだ試験回数が少ないのもありますが、合格人数は現時点で152名と非常に少ないです。

上級認知症ケア指導管理士の受験資格について

上級認知症ケア指導管理士の受験資格は、少々複雑です。

受験には、下記のどちらかを満たしている必要があります

上級試験の受験資格

  • 認知症ケア指導管理士を取得し、1年以上経過
  • 国家資格またはそれに準ずる資格を所持

認知症ケア指導管理士(初級)取得から1年経過
初級を取得していても1年経過していなければ、受験は出来ません。
更新忘れで有効期限が切れている場合、更新手続きが必要です。

国家資格またはそれに準ずる資格を所持
国家資格等を所持している場合は、初級を取得せず受験が出来ます。
但し、「認知症ケア指導管理士(初級)」と併願受験しなければなりません。
もし上級合格で初級不合格の場合、資格保留となり以降3年間以内に初級資格の取得が必要

ポイントを説明する看護師

※ここでいう「国家資格とそれに準ずる資格」とは以下の資格です

医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士
作業療法士・社会福祉士・介護支援専門員・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士
歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師、きゅう師
柔道整復師・栄養士(管理栄養士含む)・精神保健福祉士

もし分かりにくい場合、公式の確認フローチャート(PDF)をご覧ください。

受験に必要な書類は、職業技能振興会の「試験案内ページ」から入手できます。
ダウンロードしてプリントするか、電話やメールフォームにて請求が可能です。

上級の出題範囲と勉強用テキスト

上級試験の出題範囲は、あまり具体的な内容は公表されてません。

公式HPでは、以下の様な内容を出題予定と書かれています。

上級認知症ケア指導管理士の出題内容

  • 認知症ケアを含めたケア全般に関する状況設定問題
  • ケアに関する思考を問う論述問題を出題

上級にも公式テキストが設定されていますので、そこから出題されるとみて良いでしょう。

総合ケアシリーズの2冊が対象ですので、試験勉強に使用しましょう。

総合ケアシリーズ1 認知症ケア論
認知症の症状や対応、薬物療法など、主に認知症についてを収録

 

総合ケアシリーズ2 多角的ケア論
食事・栄養、口腔、運動など、多角的視点によるケア論を収録

資格の更新手続き

認知症ケア指導管理士は、2年に1度更新が必要です(上級含む)。

更新には更新料5000円を支払う必要がありますが、他に必要な手続きや必須講習もありません。
※任意で参加できるセミナーが定期的にあります

更新満了日の約2ヶ月前から、職業技能振興会より郵送で案内がありますので、それに従い指定口座に更新料を納めてください。

「上級認知症ケア指導管理士」の受験資格には、初級の資格が必要な場合があります。
受験を考えている方は特に、更新忘れに注意しましょう。

指導管理士と認知症ケア専門士の違い

認知症ケアに関わる資格として、他に「認知症ケア専門士」があります。

指導管理士と専門士の共通点
  • 認知症を学習
  • 更新が必要な民間資格

この様に、内容や目的など「認知症ケア指導管理士」と共通する点が多くあります。
双方の違いをを見てみましょう。

  認知症指導ケア管理士 認知症ケア専門士
運営団体 職業技能振興会 日本認知症ケア学会
受験資格 なし 3年以上の認知症ケアの実務
試験 筆記 1次:筆記 2次:論述と面接
合格基準 総得点の7割 4分野それぞれ7割 (筆記)
更新 2年(更新料のみ) 5年(学会等へ参加)
他の資格等級 上級管理士 上級、準専門士

大まかな違いは以下。

専門士と指導管理士の違い
  • 認可している運営団体
  • 受験人数
  • 取得難易度
  • 更新手続きの難しさ

受験人数の違い
受験人数を比較するとみると、認知症ケア専門士が多いです。
こちらの方が知名度が高いという見方をする事も出来ますね。

知症ケア指導管理士は試験18回の累計が30,000人ほど、
認知症ケア専門士は、毎年5,000人から多い時で10,000人以上の受験があります。

取得難易度
どちらも等級がありますが、代表資格名だけで比べると、受験資格・試験共に、「認知症ケア指導管理士」の方が取得を目指しやすいです。

認知症ケア専門士には、「准専門士」という等級があり、こっちは誰でも受けられます。
筆記試験のみで更新も必要ありません。

受験資格や試験内容でみると、指導管理士は准専門士と同等の難易度とみることが出来ます。

更新制度の違い
更新についても大きな違いがあります。
・認知症ケア指導管理士は、更新料のみ
・認知症ケア専門士は、運営団体が主催する学術集会等へ出席

専門誌の場合、学会等へ出席し、単位を30単位集めなければなりません。
5年と期間は長いですが、積極的な学習活動が求められます。
※准専門士は更新の必要がありません

そのほか
また認知症ケア専門士は、「機関認定」という、資格取得者がいる機関について、利用者に情報提供する制度があります。

「認知症ケアの専門家がいますよ」というアピールをして、利用者やその家族に安心して施設を選んでもらう為の仕組みですね。

結局どっちの資格を取ればよいの?

まず給料面などの評価ですが…
初任者研修~介護福祉士という、介護の基本的なキャリアパスの外にある民間資格なので、どちらも給料アップは施設の考え方次第になります。

どちらも修得過程で得た能力を上手くアピール出来るかが、評価に繋がるでしょう。

腕組み疑問

個人的には、資格取得後の更新制度に注目し選んではいかがかと思います。
絞り込んでピックアップしてみました。

認知症ケア専門士
更新には、学術集会など精力的な学習が必要であり、維持難易度は高い
どんどん学習の機会を持ちたい方はこちら。
逆に更新が現実的でないなら、避けた方が賢明

認知症ケア指導管理士(初級)
更新は2年に1度の更新料5,000円のみ。
試験難易度も考えると、無難な選択となるでしょう。

認知症ケア准専門士
そもそも「更新制度が嫌だ」という方はこちら。
認知症について気軽に学習してみたい方にもオススメ。

 

受験者数でみると、専門士の方が圧倒的なので、こちらの方が知名度が高いのでしょう。
資格取得後のアピールではこちらの方が有効かもしれません。

指導管理士は更新が手軽なので、一長一短ですね。
他の資格等級と併せて、総合的に判断して下さい。

ちなみに上級の方は、どちらも合格難易度が非常に高いです。
取得できれば、認知症ケアのエキスパートと言って良いでしょう。

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